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2023年は「マイクロブランド」に注目しようと思う

Baltic-MR01
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 世の中には、知ってるつもりで実はよく解っていない「用語」が数多くありますし、曖昧な認識のままでそれらを利用すると痛い目に合う場合も少なくありません。私も「流行っているから」「何となく格好良いから」という軽薄な理由で安直にそれらの用語を乱発して、収拾が付かなくなったことが多々あります(;´Д`)

 ただ、そもそも「カテゴリー」として成立していない困った用語も沢山ございまして…(汗)本来は括るべきではない要素をザクッとパッケージ…しきれていないそのような用語に関して言えば、受け取り方によって様々な解釈が存在することになります。困るんですよねぇ(;´Д`)

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広義としての「腕時計のマイクロブランド」

 腕時計界隈で言えば、「マイクロブランド」というワードには特に混乱させられます。ちなみに広義では「年間で約300〜2000本の時計を生産する独立系の時計会社」となっているそうですが、それだと数万円の時計を中心に展開する小規模資本のインディペンデントから、有名な独立時計師のブランドまで網羅することになってしまいます。独立時計師さんが作る「ワンオフ(一点もの)」なら数百、数千万円は当たり前ですから、生産本数が尠少だと言うだけで「マイクロブランドの時計」と一括りにしてしまうと、その腕時計の価値、立ち位置を第三者に伝えるのが極めて難しくなってしまいます。

 要するに「マイクロブランド」と聞かされたときに、「あぁ、それって安い時計のことでしょ??」と話す人もいれば、「すげぇ時計だ!!」とイメージする人もいるということです。最近話題になることの多い「OPHION(オフィオン)」だって、この括りで言えば「マイクロブランド」なんですよねぇ。3針で€3,380.00(約50万円)…ソプロードベースとはいえあのダイヤルと針を見たら、納得のお値段ですけどね。

 もちろん、「マイクロブランド」という用語は、腕時計ブランドのクラスを表したものではありませんし、単に巨大資本の後ろ盾を持たず、少ない本数しか生産しない(できない)ブランドの総称に過ぎません。

 ただ、あんまり無いと思うんですよねぇ…腕時計界隈にここまでザクッとした用語って。可能ならばもう少し明確にカテゴライズし直してもらえれば助かるのですが…(;´∀`)

 随分前に「腕時計喫茶」の方で書かせていただいた「マイクロブランドネタ」もございます。興味のある方は(興味のない方も!!)以下のボタンからどうぞ~(*´∀`)

「マイクロブランド」で腕時計趣味にエントリー

 昨年、気忙しい年末の空気感の中で幾つかの「マイクロブランド」に接する機会がありました。その際に改めて思ったのです。私個人が「マイクロブランド」に求めるイメージは「買い易さ」…つまり「低価格であること」こそが重要なのだと。

 ただ、「マイクロブランドが作る時計」は決して「安物」であってはならないのです。数千円、数万円、数十万円…属する価格帯は違っても、それぞれで「お値段以上」でなければ、そもそも消費者が手に取る機会は永遠に訪れません。ネームバリューがないのですから、純粋に製品の魅力で訴えるしかないのです。そしてその最たるものが「価格を超えた価値」なのだと私は考えます。腕時計好きが良い時計を手にすれば、瞬間、電流が突き抜けるような感覚を覚えることでしょう。その後にプライスタグを確認したお客さんが「え!?嘘やろ!?めっちゃお買い得!!」と漏らしたならしめたもの。腕時計に造詣の深い方ほど物の本質を素早く且つ的確に捉えるでしょうから、ブランドの歴史や規模などお構いなしに、一瞬でディープな支持を得ることも可能なのです。

 同時に、これから腕時計趣味の世界にエントリーする方にとっても、「マイクロブランドの時計」はとても意味深い買い物になるはずです。「流行っているから」「他人に自慢できるから」「リセールバリューが高いから」といった「雑念」は、腕時計趣味の本質的には本来、「どうでもいい」部分なのです。そういった煩わしさを感じることなく「腕時計好きが作る、腕時計好きのための腕時計」を良心的で公正な価格で入手することが叶う「マイクロブランド」は、初心者の皆さんにとっても「腕時計趣味の入り口」に相応しい買い物かもしれません。 

実物を見れば「マイクロブランド」の現在が解る

 但し、問題がないわけではありません。残念ながら「マイクロブランド」の時計は、実物を拝む機会が著しく限られているのです。当然ながら輸入代理店が輸入してくれなければ、海外の製品を日本で見ることはできません。海外の「マイクロブランド」の公式ページに赴き、翻訳されたページを読み込めば製品の概略は掴めるでしょう。しかし、腕時計は「実物に触れてから買う」が基本です。特に海の物とも山の物とも知れない「マイクロブランド」なら尚更のこと。ご自分の手で触れて、間近で細部を徹底的に調べてからでないと、些細な違和感が後々の後悔に繋がりかねません。

 逆説的に言えば、消費者に触れさせることこそが、自ブランドの製品の良さを解ってもらう唯一の手段であるとも言えます。例えばケースのエッジ。加工精度自体は写真からも推測できますが、肌への当たりの柔らかさなどは、手首に載せてみて初めて感触として理解できる類のものです。

 外観にしたところで、実際に手首に巻いてご自分の視野で捉えたときの印象は人それぞれです。写真ではシンプルすぎてつまらないように見えたダイヤルも、実物は得も言われぬニュアンスを湛えていた…なんてこともあるわけです。

 私自身、昨年の12月に東京は表参道の「Hº M’ S” Watch Store」さんで複数の「マイクロブランド」が作る腕時計の実物に触れ、その出来栄えにヤラれました。コストを度外視した「充実」の正体は間違いなく「企業努力の賜」。腕時計馬鹿が興した小さなメゾンが、私のような腕時計馬鹿を笑顔にさせるために作ってくれた時計が目の前にある…しょうがないですよね??そういう「男気」に応えられなくなったらオシマイです。

Baltic MR01(ライスブレス仕様)「Hº M’ S” Watch Store 表参道店」にて

 というわけで、12月中に「2本」「マイクロブランド」を予約しました。早い方でも「半年待ち」なのですが、注文生産品を首を長くして待つというのも悪くありません。何となく「一廉の人物」になったような気がしますしね~(*´∀`)

魂に刺さった「バルチック」

 私が予約したのは2本の「バルチック」です。一本はマイクロロータームーブメントを搭載した「MR01」

Baltic MR01(フラットリンクブレス仕様)「Hº M’ S” Watch Store 表参道店」にて

 もう一本は、腕時計好きならニヤニヤするしかない3つ目クロノグラフ「トリコンパックス パンダ」

出典:https://baltic-watches.com/ja/

 ここに一つの答えがあると思いませんか??ぶっちゃけ許せちゃうんですよ。「マイクロブランド」ならば。多少やんちゃが過ぎたって「マイクロブランドならええやん!!」みたいな寛大が、すでに腕時計業界には存在するような気がするのです。

 「トリコンパックス」の見た目はホラ!!まるでデイトナの「Ref.6263」ですよね??。まぁ、サブダイヤルがこの配置でこの配色だと、須らくそう見えちゃうところがあるわけですが(;´∀`)

 ですがこのバルチックさんの「トリコンパックス」に関して言えば、ちゃんと「バルチックコレクションの一つ」として成り立っていると感じましたし、そこには十分な「必然と説得力」も備わっていると思いました。やはり、父親から相続した時計のコレクションに端を発して「バルチック」を興した創業者のパーソナリティーとストーリーが、数多ある「安直なオマージュ」たちとは一線を画した何かを感じさせるのでしょう。ラグに開けられた穴を見るだけでも「バルチック」がどういうスタンスで腕時計を作るメゾンなのかは一目瞭然ですし、腕時計の酸いも甘いも噛み分けた40~50歳代の腕時計好きの皆さんなら、心中に深々とぶっ刺さる「何か」を感じて下さったのではないでしょうか??

最後に…育てる楽しみを味わおう!!

 雑念に囚われることなく楽しめる「マイクロブランド」なら、腕時計初心者の皆さんが購入する「最初の一本候補」「隠し玉」としての役割も担ってくれると思います。腕時計の「楽しさ」をギュッと凝縮したモデルが沢山ありますから、ブランドの方向性や理念を理解した上で購入するなら、とても個性的な選択になると思います。ロレックスやオメガで心配な「被り」の心配もありませんしね。

 そしてベテランさんにとって「マイクロブランド」は、長く忘れていた腕時計に対する「ピュアな気持ち」を呼び起こすきっかけになるかもしれません。まさに私がそうでした(笑)

 有名ブランド品を身に着ければ気分が上がる…確かに若い頃ならそれもあったかもしれません。ですが、歳を重ねて自分自身が「何者か」になったとき、そういった「借り物のステータス」はむしろ邪魔になってくるものです。

 マイクロブランドの多くは「生まれたての赤子」に等しい存在だといえます。育てるのは購入した方…「マイクロブランド」の隠された魅力に気付いてしまった人たちなのです。私も含めて購入者は色眼鏡を外してそれらの腕時計と向き合い、その魅力を余すところなく味わってほしいと思います。

 私が「出会って早々にヤラれた」バルチックさんですが、オーデマ・ピゲやパテック・フィリップも参加する超一流チャリティーオークション「Only Watch 2021」「パルソメーター クロノグラフ モノプッシャー」というワンオフのプロトタイプモデルを出品して話題になったこともありました。「マイクロブランド」でありながら、老舗がひしめくオークションに斬り込んだ勇気に、拍手を贈りたいと思います。

 ちなみに1万2000〜1万8000CHF(約145万〜220万円)で落札されたとそうです。錚々たるブランドの強烈な出品作が次々と高額落札される中で「マイクロブランド」のバルチックが参加した意義は小さくありません。好事家の視線が小さな「マイクロブランド」にも注がれていることの証左でしょうし、これからの明るい未来にも繋がる快挙だったと思います。

 リセールなんて微塵も興味のない私が言うのも変ですが…どうせ値上がりを見込むなら、すでに評価の定まったブランド品などではなく、これからの「マイクロブランド」に期待して応援する方が、よほど後々の「お楽しみ感」があると思いますがねぇ~(*´∀`)

 あぁ…4000字超えちゃった。短くまとめるのって難しい~(;´Д`)

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ご意見・ご感想

コメント一覧 (6件)

  • 新サイト立ち上げおめでとうございます!
    これからも読みごたえのあるコンテンツを見るのが楽しみです。
    ホディンキーでもマイクロブランド特集がありましたし、今後大きな波が来るかもしれませんね。

    • あんころもっちさま。

      早速のコメントありがとうございます♫
      ワードプレスに悪戦苦闘中でして、落ち着いて執筆できる環境にはまだまだ遠いですが、
      「腕時計喫茶」とは方向性の異なるサイトに育てたいと思っています。
      これからもよろしくお願いしますね~(*´∀`)

  • コメント失礼致します。
    最近マイクロブランド(特にバルチック、ニバダ グレンヘェン)に興味がありネットで調べまくっている者です。

    トリコンパックスが非常に気になっているのですが通常品とも限定品とも記載がなく、初回受注数も超えており情報を集めております。
     
    バルチックのトリコンパックス パンダはhmsウォッチストア様でご予約されたのでしょうか。

    もしよろしければご回答いただけないでしょうか。

    何卒よろしくお願い致します。

    • くろむぎさま。
      読んで下さってありがとうございます。
      マイクロブランド、めっちゃ面白いですよねぇ。
      価値判断は貴方次第!!みたいなところにグッときます。

      さて、お尋ねのトリコンパックスです。
      生産数の少ないバルチックさんですから、先の見通しが難しい案件です。
      他のモデルもとても苦労して入荷を実現していると思います。
      注目作、人気作なら当然ですよね。

      正直、入荷は読めないのではないかと思います。
      故に私は「今年いっぱいくらいは余裕で待つ」と伝えて、それならば…と受けてもらいました。
      予約販売はお店にとってもリスキーですからね。
      そんな感じでゆるゆる待てる感じでしたら、ご相談してみるのもいいかもしれませんね。

      何せ他所のお店の事情ですので、私からお伝えできるのはこのくらいになります。
      余りお役に立てず、申し訳ないです(汗)

  • ご返事ありがとうございます。
    トリコンパックスとても魅力的ですね。
    予約の件参考になりました。
    ありがとうございます。

    Twitterも参考にさせていただいていたのですが、ニバダのクロノマスタートロピカルダイヤルはグリーンベゼルを始めて見たので新鮮でした!

    クロノマスターのレビュー記事が出ることを楽しみにしております!

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