腕時計喫茶

「微妙」な時計を愛してる

刮目!!「マイクロブランドの腕時計」

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世の中、巨大なものは時間とともにより肥大化し、半端な価値しか持たないものは次第に淘汰されゆく運命のようです。

 

競合他社を次々に取り込み(あるいは踏み潰して)肥大してきたGAFAGoogleAmazon.comFacebookApple)の「絶対感」を見ると、日本のような辺境で多少の覇を唱えたところでほとんど意味がないようにも思えます。

腕時計の世界においても、人気と実力を兼ね備えた一部のリーディングカンパニーだけが支持を集め、他はそれらに付き従う…という面白くない市場構造があります。私の場合、微力ながらもそれらの「力の掟」に逆らって、せめて自分だけは「王道」から距離をおいて腕時計を楽しもう思ってきました。その結果、ややもすると「変態趣味」的なコレクションが完成しつつあるわけですが。あぁ…(;´Д`)

 

ホントに長い間、只々ぼ~っと腕時計の世界を定点監視してきた私ですが…ここ数年、ちょいと面白いことが起き始めているのに気が付きました。それが「マイクロブランドの台頭」です。

 

真っ当な時計マスコミなら扱わないシロモノかもしれませんが、新興の時計ブランドが幾つも立ち上がり、腕時計マーケットがまるで縁日のヒヨコ釣りのようにピヨピヨ賑わっているのです。

日本にいるとそういった情報を得る機会はあまり多くありません。私が主にソースとして情報の入口にしているのはほぼInstagramですが、そこには、無名ながらも時計好きを唸らせる作りの時計が目を楽しませてくれるのです。一体これはどういうブランドなんでしょう?誰が発起人で資金はどこから出ているのか?

多くはKickstarterのようなクラウドファンディングを利用して出発資金や開発資金を得ているようですが、私は以前、クラウドファンディングと腕時計の相性はあまり良くないと思っていました。

というのは、腕時計には岩盤のように硬いブランド価値が存在するため、説明を読んで「価格以上の価値がありそうだ」と得心しても、「無名」であるがゆえに正当な評価を得づらいのでは?と思っていたのです。

ところが、製品のコンセプトや造り手の情熱が見事に伝わってか、ほとんどの場合、あっという間に目標資金が得られるようです。世の中、確固たる価値基準や揺るがない着眼点をお持ちの方が意外と多いということでしょう。見習いたいものです。

 

それでは、私が気になり続けている「マイクロブランド」を幾つかご紹介します(*´∀`)

 

まずはコチラ「Meccaniche Veneziane」

「ヴァシュロンか!?」と誰でも幻惑されそうな十字のモチーフがアクセントになっていますが、これはヴェネチアのシンボルであるサンマルコ望楼の十字架をモデルにしたものだそうです。じゃあセーフ。

元々ヴェネチアは時計製造で知られた街だそうで、その伝統が失われていくことに危惧を感じた兄弟(アルベルトとアレッサンドロ)が、ヴェネチアに時計文化を取り戻すべく始めた事業なのだと。

基本的に本体はスイスのバーゼルで作られるので「SWISS MADE」なのでしょうが、例えばストラップにはトスカーナ地方の最高級の革を使い、それをイタリアの頑固な職人が仕上げるそうです。

そして「箱」ですが、これもイタリアの木工で有名な地区に依頼して作らせた、工芸としての価値も高そうな一品です。材質は狂いが少なく木目も比較的明瞭なクルミ材ですから、パッと見の安っぽさはないはずです。

 

 

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NEREIDE Ø42MM-1202009J

ネレイドと呼ばれたヴェネチアの潜水艦へのオマージュだそうです。極めて男性的なカットが特徴のケース、高級感漂う艷やかなセラミックのベゼル、いかにもなめらかそうなジュビリーブレスなど非常に品よく完成されたデザインの時計です。

ケース幅42ミリ、厚さ12.2ミリ。CAL.MV285自動巻きを搭載。価格からいっても何らかのベースムーブメントがありそうですが、恐らくはETA 2824」ではないかと推測します。ちなみにMiyota 821AベースのMV044というのもあるらしいです。まぁ、どちらが入っていても何ら不足は感じないと思います。

 

お次はコチラ「SPINNAKER WATCHES」

マイクロブランドと呼んで良いのか…とてもグレーな場所に存在するブランドです。マイクロブランドのほとんどは「零細」といえるレベルの小規模経営ですが、スピネーカーは時計の本格的な工場を持っています。まぁそれもあってコストの浮いた分を消費者に還元できるということらしいのですが…謎めいたブランドであることは間違いありません。

デザイン的にはとても魅力的な展開を示しています。以前は全てのモデルに大きなヨットの帆のブランドロゴが入っていましたが、最近のモデルには使われていません。あれ、可愛かったのになぁ。

クラシカルなデザインのモデルが得意なブランドですが、それぞれの生産本数はあまり多くないのか、片っ端から売り切れになっていく印象です。写真からは高い質感を感じさせますが、それでいて300ドル位から買えてしまうので、Instagramで初めてスピネーカーを知ったというライトな腕時計好きからも支持が高いそうです。確かに私も気になるモデルが幾つかあります。

 

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BRADNER(SP-5062-03)

ヴィンテージダイバー風なルックスが愛しい一品。180m防水という中途半端さにも愛しさを感じます。285ドルと安いですが、価格以上に手のかかった時計だと思います。

 

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TESEI(SP-5061-02)

こちらは520ドルの時計。ケースはチタンです。チタンで自動巻きでって考えると安いですよね。風防もサファイアです。ケース幅は43ミリ。ダイアルの質感とかコーデュラのストラップとか、少しづつですが心に引っかかるモノを作ろうとしてる気がします。

 

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HULL(SP-5059-03)

これなんか250ドルしかしません。これはいい!ケース幅42ミリのラジオミールみたいです。うちのブラックシールの横に並べてみたい!ちなみにムーブメントはNH35です。10気圧防水。いやもう十分でしょう。

 

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FLEUSS(SP-5055-05)

アクリルのベゼルが美しい正統派ビンテージスタイルのダイバーズ。ちょっと緩めのデザインがむしろのんびりした時代を遡る感じがして好ましいです。幅43ミリは現代風のサイズ感。15気圧防水なので様々なシーンでガシガシ使えそうです。それがたったの285ドル。

 

もっともっとご紹介したいマイクロブランドが目白押しなのですが、スピネーカーに拘りすぎたので本日はここまでと致します。近日続編を書きますのでしばしお待ちを。

最後に、マイクロブランドはその将来性を楽しむ、謂わば「育てる趣味」だと思います。どんな価値が生まれるかは神のみぞ知るですが「もしかすると…」という期待感も一緒に楽しむのが正解のような気がします。例え思惑通りいかなくても「ヤレヤレ」で済む価格ですからね。