まだまだ定期的に各方面から流れてくる「ロレックスマラソン」の話と「転売ヤー」の動向。まるで「セット物」か「定食」のように一緒に語られることの多いこれらですが、本来は全くの別物…その辺のお話は以前にも書かせていただきました。
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そうです。必ずしも単純に「マラソン=転売目的」ではないのですから、休日の貴重な時間を犠牲にしてブティックへ足繁く通う殊勝な方々に対して、一方的に冷めた視線を送るのは止めるべきです。私のメンタルはそこら辺に耐えられなくなって、情けないことにセミリタイヤ状態(恐らくはこのまま完全リタイヤ)になってしまいました。疲れちゃったんだもん…(;´Д`)
正規店と並行輸入店の協力が不可欠
前回も書かせていただいた通り「ロレックスマラソン」を行った罪は「自分で使うためにロレックスを望んでいる方」の内にはありません。それ自体は近所のコンビニに、自分が食べるためのおにぎりを買いに行くことと、本質的に何ら変わりがないのです。単なる消費行動なのですから。
前回私は、ザックリとこんな風に提言したと思います。
まず「緑のお店」側には、普通のお客さんと転売ヤーを「区別する術」が必要であること。そして「二次市場」側には、転売ヤーが持ち込んだ商品を「扱わない」気概が必要であること。
大きくこの二つが実現すれば転売自体の旨味が薄くなり、業者も手を引き始めるでしょう。彼らは別の商材に別の利点を求めるだけだと思いますが、少なくとも「ロレックスマラソン」は終焉を迎えます。
不毛な戦いを終わらせるポイント
つまり、ポイントはこうです。
- 1)転売ヤーが正規品を正規店で買えてしまう状況を根絶する。
- 2)転売ヤーが購入した商品を買わないように業界が団結する。
転売ヤーから「ロレックス」を守ろうと思えば、この2点の完遂が不可欠でしょう。そもそも「転売」などと、あたかもそれが「ビジネス」であるかのような単語を使うからいけない。終戦後の闇市で行われた「買い占め行為」と同じですからね。こんなものが仕事であるワケがないのです。
「ロレックスマラソン」という表面的な現象を「悪者」に据えた論調は、どう考えたって論点のすり替え、或いは論点自体が解っていない「ピンボケ発言」に過ぎません。普通にロレックスの時計が欲しくて並んでいただけの人なら、商品の枯渇に悪態をついたりしないでしょう。トラブルを起こすとすれば、ロレックスの入手自体に「生活がかかっている連中」…業者だと考えるのが自然です。
あらゆる転売自体を止めさせることは、恐らく無理でしょう。公共の利益を害する行為として新しい法律で裁けるようにするか、或いは自治体ごとに条例を設けるかですが、それでも必ず抜け道はあるはずです。
となれば、個別の商品に対して、当該の団体が手を打つしかありません。「これらの商品には転売の旨味がない」と解らせる施策を、目に見える形で打ち出すしかないのです。個人的には「私は転売ヤーではありません」みたいな宣誓書を書かせるのも、何気に心理的な効果が見込めると思っています。本気で根絶するつもりなら、それくらいの覚悟がロレックス側にも必要です。「来店予約制」ですか??転売ヤーが予約しちゃえば、全く意味がないですよね??実際、そうなってしまっている事例も耳にしました。相手は組織化された「集団」かもしれないのです。これでは「温すぎる」と言わざるを得ません( ー`дー´)
とはいえ「無駄かもしれない」と思ったできごと
最近は腕時計を買うと、同時にWEBの「公式ページ」からユーザー登録を促されたり、LINE(ライン)の「公式アカウント」を「友だち登録」するよう勧められることが多くなりました。私にも15件ほど、そういった「友だち」がいます。
「公式」から届くのは大体のところ「値下げ情報」が多くて、腕時計好きなら相当に強い意志がないと無視することができません。もしかしたらメチャメチャお得な「掘り出し物」があるかもしれませんし、そういった情報をゴマンといるライバルとで共有していると思うと、居ても立ってもいられない心境になっちゃうのです。
先日も「某並行輸入店」からそれらしき情報が届きました。さぁ~て今日はどんなお得情報があるのかなぁ~と、目を皿にして拝見しましたら…そこにはにわかに信じられない文言が踊っていたのです。それは全て「ロレックス」に絡む告知文でした。
「今週の買取強化商品はコチラです」そんな感じでした。それだけなら別段、気にも留めなかったでしょう。私自身は売れるようなロレックスを持っていませんから。ところがそこには、次のような恐るべき一文が記されていました。
未使用品買取 ○,○○○,○○○円
( ゚д゚)ナニソレ??
「未使用品??」…いや、所有者個人から買い取るのであれば、どんな条件であってもそれは「中古品」です。デリケートな商品の場合、触れただけで「未使用ではなくなる」ものもあります。つまり「絶対に使用しない」と約束された対象から買い取るという、何か特別なルートが存在するということです。でなければ「未使用という定義」自体が成り立ちません。
かつては「新古品」なる微妙なワードもありました。確か、学生の頃に手に入れたシンセサイザーが「新古品」で、お店に確認したところ、他の機材との相性が悪くて、買った人も一曲も弾かずに持ち込まれたとのこと。返品を望んだそうですが、電源を入れた時点で「使用」となるため、仕方なく「新古品」として買い取ったそうです。私は問題なく普通に使えましたけどね(;´∀`)
つまり、どんな理由であっても、例え購入から3分後に売りに来たとしても、それは「中古品」なのです。「未使用品」とは一体何なのでしょうか??そしてそれは、セカンドマーケットの消費者に、どのような名目で売られるのでしょうか??
古物営業法で「転売物件」はどう扱われるのか??
古物営業の法律を紐解けば、例え最初から「転売目的」で一度たりとも箱すら開けていないような商品であっても、小売から消費者(転売ヤー)の手に渡った時点で、それは「古物」に該当するとあります。
転売ヤー自身は商品に触れなくとも、転売目的自体…つまり次の消費者に売るための行為自体が「目的を持った使用」とみなされ、その時点で「古物」となるそうです。確かに!!転売ヤーの手に渡った時点で「二次市場」です。盗品や偽物混入の可能性を前提に制定された古物営業法に委ねるのが正しいと思います。
つまり、二次市場において我々が商品を購入しようとした時「未使用品」なるシロモノを見る機会はないということです。時々「未使用品(中古)」などという曖昧な表現を見かけますが、アレは単に「使用頻度は低いよ」「状態良いよ」のアピールでしかないと考えるべきでしょう(;´∀`)
では「未使用品の買取」とは何なのか??
古物営業法に照らせば、かなり怪しげな「未使用品の買取」という日本語。それがこれだけ堂々とやり取りされるということは、それだけ「常態化」が進んでおり、また「未使用品」という価値基準が二次市場に確立している証でしょう。それはどうやら「中古状態の最上級」を意味するもののようです。
ですが、一般の消費者は欲しい腕時計を購入してすぐに売ったりはしないものです。苦労に苦労を重ねて手に入れたロレックスなら尚更でしょう。私にしても同様。購入して「数ヶ月で売りました」なんてことは、一度たりともありません。
ならば「未使用品の買取」は誰に向けてのものなのか…
それは「転売業者」に宛てたものだとしか思えないのです。
件のお店…良いお店なんです。私も以前に楽しい買い物をさせていただきました。状態の良い個体が多くて、スタッフさんのホスピタリティーも非常に高い。私にしても信用度の高いお店だったんです。ですので、これらのやり取りには少なからずショックを受けました。こういう「きな臭さ」を嗅がされると色々心配になってきますしね。「アレも転売個体だったのかなぁ~」と。
残念ながら転売自体に違法性はないそうです。持ち込まれた商品を買い取ることも然り。ですのでこれら一連のやりとりを非難するつもりもありません。
ですが、これだけ巷を騒がせた「ロレックスマラソン」の奥深い部分…隠された「深淵」を見せられた気がして、複雑な気持ちになったのは間違いありません。まとも(だと思っている)な腕時計好きの私にしてみれば「未使用品持ってませんか??」と聞かれること自体が愉快ではありませんし、できることなら、ずっと騙し続けて欲しかったとすら思っています(´;ω;`)
「供給装置」として機能する「転売ヤー」
「転売ヤー」が二次市場への「商品供給装置」として機能しているとしたら、消費者がどれだけ文句を言おうと、或いは「緑のお店」が何らかの対策を続けようと「ロレックスマラソン」は無くならないでしょう。「抽選予約制」にしたところで、並んでいる光景を見ることがなくなる…それだけの話です。
二次市場を形作る「システム」の中に、ガッツリと「転売ヤー」が食い込んでいたとなると、それは「暗黙の契約」に等しい状況ですし、無辜の消費者にとっては厄介な存在である「転売ヤー」の正体が、市場にとってかなり重要な「供給源」だったなんて…腕時計好きとしては、余り考えたくもない話です(;´Д`)
ロレックス以外にも、一般ニュースとしても取り上げられるレベルの「転売ヤー問題」が幾つかあります。例えばゲーム機「プレイステーション(PS)5」、そして「ジャニーズ」アーティストのコンサートチケット。どちらも、転売被害を受けた消費者を多く抱えることで知られています。有効な対策が見つからないのも同様ですね(汗)
私も「PS5」が欲しくて、機会があれば…と伺っているクチですが、ゲーム機ならまだしも、コンサートチケットなんて、観覧のチャンスはその日しかないワケですよ。これを「他人の機会喪失を企図した妨害行為」と言わずしてどうするのか…
ただ「商品を供給する転売ヤー」と、それを「受け入れる側」は共存関係にあります。「安く買って高く売る」連中がいる。そしてさらにそれを「より高く売る」連中もいる…この関係性が崩せない以上は、猫も杓子も参入可能な「転売行為」は続くでしょう。尚且つ、そのようにして二次市場に流出した商品に手を伸ばすお客さんがいる限り、そこにお金は生み出されるのです。
気骨のあるショップを求む!!
とにかく、二次市場に流れる「正規品以上の値段を付けられた商品」には手を出さないことでしょう。そういう「運動」が続けば、いずれはかつての正常な状態に戻るはずです。少なくとも5年前の状況まで遡れるなら、私を含む多くの庶民も「少しは良い夢が見れる」かもしれません。
望みは薄いですが、もしも…もしもですよ??「転売品は扱いません!!」と腹を括った小売店が現れたなら…大喝采ですよ。確かに「中古(未使用品??)ロレックス」は最も利益率の高い商品かもしれません。ですが、そこと決別して「違い」を見せつけるショップが出てきても良いと思うのです。もちろん、怪しくない中古のロレックスはバンバン扱えば良いと思いますし、それ自体を「うちのロレックスは怪しくない!!」と標榜すれば良いじゃないですか??少なくとも私は、そういう「気骨」を見せてくれたお店を応援します。
並行輸入店のショーケースに居並ぶロレックスの数々。その一番の流通路が「転売」だったなんて考えたくもありません。怪しいくらいに状態の良すぎる個体に出会った際は、これまでなら「ラッキー!!」でしたが、これからは「転売個体なんじゃ…」と訝しく思うかもしれません(;´Д`)
最後に…私たちにできること
今現在もロレックスさんの腕時計が欲しくて仕方がない貴方。諦めず頑張って下さい。心が折れそうな時もあるでしょうが、正規店で購入できるよう祈っています。
そして、幸運にもお目当てが購入できたなら…大切にしつつも、思う存分使い倒して下さい。ロレックスはそういう時計です。箱にしまい込んで「未使用」で終わらせる時計ではないのです。貴方が使って付けた「美しい傷」が幾重にも重なって、そのロレックスはその個体だけのストーリーを得るのです。その後、趣味の変化や環境の変化で手放すことになっても、次のオーナーさんが新たなストーリーを紡いでくれるはずです。
「転売」も「腕時計投資」も、まともな腕時計好きにとっては下らなさの極みです。貴方が惚れ込んで大金をはたいたロレックスは、すでに貴方の銘を刻んだも同然。使って育てていけば、貴方だけの価値を見つけられるはずですし、そういう愛好家が増えれば増えるほど、しょーもない「転売行為は霧散」すると思います。業界の自浄作用は望めないでしょうからね(;´∀`)
「転売」というミソが付いた怪しげな物件には手を出さない…自分たちの腕時計ライフを汚さないためにも、消費者自身が賢くなるしかないでしょう。ではまた!!
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ご意見・ご感想
コメント一覧 (2件)
腕時計沼(省略)さま。
お読みいただいてありがとうございます。
ルナ…買えてません(笑)
24本…果てしない道です(笑)
安い時計なら増えても許されるかなぁ~なんて、抜け道に逃げてます(汗)
マスターなんてとんでもない!!私のコレクションなんて、吹けば飛ぶようなものです。それにしても、カラトラバにデイトナ…凄すぎます。こちらこそ、ラスボス・グランドマスターと呼ばせて下さい(笑)
私がそのレベルの時計を買ったとしたら、多分全ての欲が成就して解脱してしまいそうです。きっと「腕時計喫茶」も「完」ですね(笑)
これからもよろしくお願いします♬
こんばんは
楽しく拝見させていただいています。
ルナはもう買われたんだろうか
24本に絞れたんだろうか
と思いながら新しい記事を読んでいます。
マスター(スナフキンさん)ほどではないにしろ
私も30本ほどの時計を持ち、減らさなければ
と思いながら一向に減らない上に気付けば
増えていっております😅
特に今年はバカみたいにストレス発散というか
カラトラバにバットマンにデイトナにと
貯金がいつの間にか無くなってました。
まー寂しい独り者なので問題無し。
デイトナ買ってもカラトラバ買っても沼は
抜けられないんですね😭
なんだかんだ理由つけてスピードタイマー
ポチってしまいました。
マスターの行く末を楽しみにまた拝見させて
いただきますね。