格好良さとダサさは紙一重だなぁ~と思うことがあります。洋服のコーディネートなんかでもありますよね??格好良くキメたつもりが、いつの間にか越えてはいけない境界線を越えて、超絶ダサくなってしまった…なんてこと(;´∀`)
敢えて「ミルガウス(116400GV)」を買った人の心中は??
特に腕時計のデザインにはそういった例が山ほどありまして、私の聞いた話ですと、いまや世界中の腕時計愛好家が恋い焦がれるパテック フィリップさんの「ノーチラス」ですら、当初は思ったほど売れなかったそうです。まぁ本来の客層やメゾンの歴史、文化的な立ち位置を考えるなら、良し悪しは別にしてある種の「逸脱」が拒絶反応を引き起こすことは珍しくありません。歴史の積み重ねがブランドの「深み」であるならば、デザイナーのジェンタさんが生み出した「自由過ぎる発想の具現」は、その流れから逸脱した、所謂「早過ぎた」ってやつかもしれません。
もちろん結果的に大ブレイクを果たしたからこそ、そんなことが言えるわけですが…ブレイクなんて夢のまた夢的な時計はどうすれば良いんでしょうか??そうですよ。変態ロレックス「ミルガウス」さんのことですよ(;´∀`)
昨今のロレックスバブルにおいても「馬鹿売れした」なんて話は聞きませんし、珍しくメディアに取り上げられたなぁ~なんて喜んでいるとその大半が揶揄だったりするわけで、私はもちろん、世の「ミルガウスオーナー」の皆さまにとっては面白くないだろうなぁ~なんて思うわけです。
現行モデルは2007年のリリースですから、ぶっちゃけ古参も古参です。未だに公式ページに居残っていることが不思議と言えば不思議な「ミルガウス」。それはつまり、目立たぬながらも一定数の引く手があって、生産が続いている証左でしょう。このロレックス人気華やかなりし時代に、敢えて「ミルガウス」を購入しようと思う方の心中はどのようなものでしょうか??へそ曲がりだから??それとも憐れみ??
普通なら、そこは「エクワン」だよね??
確かに…かつての同価格帯で言えば、普通なら「エクスプローラー Ⅰ」を選ぶでしょう。私もまさにその部分で逡巡した記憶がありますが、丁度「ロレックスでも買っちゃおうかなぁ~」と思い立った時期に…いたんですよ。会社に数人の「エクワンオーナー」が。
被っても気にならないアイテムだってありますよ??だけど「エクワン」って見た目は超シンプルですし、遠くからでも個体の認識が容易じゃないですか??だから所有者同士が互いに気付きやすいと思ったんです。「あ、アイツと被った!!」みたいな感じで。気まずいじゃないですか。そういうの。
私が「エクワン」を回避した唯一で最大の理由は、この「身近で被りやすいから」という点に他なりません。
そこ行くと「ミルガウス」は安心です。私自身は見たことないですもん。ミル着けてる人。年がら年中、人さまのリストが気になってしょうがない私にしてもですよ??
痩せても枯れても「ロレックス」のはずなのに「それってミルガウスだよね!!」なんて、気付かれることすら稀なんです。こんな影の薄いロレ…他にあります??
要するに「エクワン」とは真逆の理由で、私は「ミルガウス」を選んだのです。
「Chrono24」での「ミルガウス弄り」概要
ユーザーにとっては「唯一無二の愛すべき地味ロレックス」である「ミルガウス」。その愛おしきロレックスをたっぷりとディスってくれた記事がありますので、サクッと要約してご紹介したいと思います。それはドイツに本拠を構える世界的な時計マーケットプレイス「Chrono24」さんのマガジン「ロレックス2023年の新作を大予想」の中にありました。
「ミルガウス リデザインの時」
出典:https://www.chrono24.jp/magazine/
「ミルガウスが生産中止になるという噂は3年も前から囁かれている。にもかかわらず、この時計はいまだにロレックスのポートフォリオに居座り続けている」
いや、別に居座ってもエエやないかい??
「2023年こそミルガウスが生産中止になるのではないかと、まことしやかに囁かれている。実際のところそうすべき時なのだ」
出典:https://www.chrono24.jp/magazine/
ええ!?皆さん生産中止を望んでいるとか…??
「現行のミルガウスは非常に古臭いだけでなく、バランスも悪い。いよいよ埃まみれのミルガウスを一度刷新し、新モデルとしてリリースする時が来ている」
出典:https://www.chrono24.jp/magazine/
全否定!?見た目を全否定かい!?
「特に、1956年の初代デザインを意識したものになれば最高」
出典:https://www.chrono24.jp/magazine/
いやぁ…それはさすがに安直ちゃいますか??
「オメガがコーアクシャルムーブメントで軽々と1万5000ガウスの耐磁性を実現する時代なのだから、最低でも永遠のライバル・オメガと同様の技術を提供する必要がある」
出典:https://www.chrono24.jp/magazine/
これには同意。何やかんや言っても、対磁性の優位は売りにして欲しいなぁ~
「長年に渡って醜いアヒルの子とされてきた」
出典:https://www.chrono24.jp/magazine/
??貶してるのか誉めてるのか…解んなくなってきたぞ笑)
愛のある「ミルガウス弄り」ならカモン!!
アヒルの一家の中で育った「大きくて醜いヒナ」が現行の「ミルガウス」だとするなら、期待される次期モデルこそ成長した「白鳥」になれるはずだと「Chrono24」さんは言いたかったのかもしれません。しかし、表面的にはここまで遠慮なく弄られると、現行モデルのオーナーさんたちにしてみれば、正直どう捉えて良いかモヤモヤしちゃうと思うのです。大好きですもんね。「ミルガウス」。
「Chrono24」さんの肩を持つわけではありませんが、筆者の心中には「ミルガウスなら許される」という認識があるのだと思います。例えば、他のロレックスの人気モデルを叩いた場合、ただで済むとは思えませんし(;´∀`)
これはつまり…端から世界中の「ミルガウスのオーナー」たちの、人間的な「度量」に期待した意見ではないかと思います。
「醜いアヒル」に大金を払って面倒をみようと考える、サハラ砂漠のように広大な「心の広さ」と、いずれは「白鳥」になるかも知れないと目を付けた「先見」。自分だけの物差しを信じる「揺るぎない価値観」などなど…巷が「ミルガウスのオーナー」に抱くイメージは、堅実と冒険心がバランス良く同居した人物像なのかもしれません。要するに「遊び心」を持った腕時計愛好家の解りやすい例えとして「ミルガウスを買っちゃう人」というイメージがあるのでしょう。私自身はそこまでの人物ではありませんけどね(;´Д`)
最後に
メディアを通じて叩かれることの方が多い「ミルガウス」ですが、オーナーさんにしてみれば「ほんと、そうなんだよねぇ~(;´Д`)」と承服できる話ばかりではないでしょうか??
それでも「そんなところが愛おしいんだけどね!!(*´∇`*)」と返してもらえることを期待しての「ディスり」だと考えたら…我々「ミルガウスのオーナー」も随分と見込まれたもんだなぁ~なんて、ちょっとだけ、嬉しくなってしまうのです。
とは言え「もっと弄って!!」なんてお願いしたら…さすがに変態が過ぎますかね??(笑)
ご意見・ご感想
コメント一覧 (8件)
はじめまして、たぬきらっこと申します。
初めて拝見しましたが、とても読み応えがありました。これからも拝読してまいります。
私は、アラ還で昨年転職が決まった際にガラス面が透明なミルガウス黒文字を購入しました。実物は思っていた以上にオレンジの差し色がオシャレでした。かつてエク1を所有しておりましたが、リスト遭遇率が高かったため、10年以上前に手放しました。その前から1世代前のインヂュニアも所有していましたが、どちらの時計も誰にも気付かれたことはありません。
普通の人から見たら、単に時計変態マニアかもしれません。国産時計を含めると30本以上所有しています。
これから、どうぞよろしくお願いいたします。
たぬきらっこさま。
ミルガウスのお仲間でございましたか(笑)
ロレックス随一の「気付かれない性能」の高さこそ、ミルガウスの真骨頂です。
私も一時はインヂュニア持ちでしたが、あれも良い意味で目立たない子でした(;´∀`)
30本以上はもう立派な沼のご隠居です(笑)
ご一緒に腕時計趣味を楽しみましょう(*´∀`*)
職場にロレックス持ちが数人も!ブルジョアな職場ですね〜。
おそらく私の職場は今も過去もロレックスはいません。
オメガでさえ15年ほど前の一人だけ。彼は高校を出たての若者で、給料やボーナスを貯めて念願の一本を手に入れ、腕時計愛を熱く私に語ってくれたのでした。
当時、腕時計の知識がほとんどない私は
「ロレックスが一番すごいんでしょ? 高いんでしょ?」とおマヌケな質問。
「いやいや、ロレックスは入門機ですよ」と真顔で言われれてビビったことを思い出しました。
ししとーさま。
ブルジョワなんて滅相もない(笑)
見栄っ張りが多いだけかもしれません(;´∀`)
ロレックスは入門機。
ある意味その通りだと思います。
誰でも無理なく使えるという点では、入門用に相応しいのかもしれないですね(*´∇`*)
こんばんは。新ブログ、肩肘張らずに楽しめそうですね。
先日、妻の買い物の付き添いで某百貨店に行った時、勇気を出して腕時計フロアを覗いてみました。手持ちで一番高額なザシチを装着して・・・
「私なぞが入り込んでいいのか?」オーラを勝手に感じて及び腰になりましたが、シチズン、GS、IWC、オメガ、ローレックス、パネライ。
シチズン、IWC、オメガの店員さんとはフレンドリーに会話ができ、実物を手に取って観ることができました。逆にローレックスは敷居の高さを感じました。
オメガが欲しくなりました。危険です!
ししとーさま。
コメントありがとうございます。
デパートは高級腕時計のものさしみたいな場所ですし、スタッフさんとの会話も楽しいですよね~♫
実物にたくさん触れて、次の一本、見付けてくださいね(*´∀`)
私もずっと欲しいシーマスがあったりします。危険!!(笑)
1本目の腕時計にミルガウスを選ぶなら、かなりの変人ですね。ただ、3本目、4本目あたりならどうでしょう?突如としてミルガウスの魅力が妖しく輝きだす、そんな気がします。特にデイト機能がない時計を好むなら・・・。まじめなロレックスのちょっとしたご乱心、それを残してほしい!
黒海月さま。
最初の1本がミルガウスなんて人がいたら…どうしましょ(笑)
きっと、面白い人物なんだと思います。
ミルガウスの新作に関しては、とにかく実験的なモデルであってほしいですね。
現行品だって、見た目で勝負する時計ではないですし「それいる??」みたいな機能を搭載して、
楽しませてくれたらいいいなぁ~って思います。