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【松下庵】極上のストラップで「手持ちの時計に惚れ直せ!!」

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一時期、狂ったように何でもかんでも「NATO化」してしまう私のことを、人は「何でもかんでもNATOに換装する男」とあだ名しました(そのまんまやな…)ただあの頃、熱病のように「NATOにハマっていた」のは間違いありません。今となってはその発端やら理由やらも朧気にしか思い出せませんが… 一本一本が安価ですから…後先考えずに無闇やたらと買っちゃうんですよねぇ (;´Д`)

 「NATOストラップ(ベルト)」には価格以外にも「換装が容易である」という大きな魅力がございます。一度、ブレスレットやストラップを時計本体から外し、裸のバネ棒だけの状態にしておけば、毎朝の洋服や靴に合わせたコーディネートを限られた時間内で試すことが可能になるのです。大好きな腕時計に愛情は注ぎたいけれど、時間をかけたり面倒くさいのはイヤだ…そんな矛盾した感情を受け止めてくれるのが、安ければ数百円から買えてしまう「NATOストラップ」なのです。まだ一度も「NATO化」にチャレンジされたことがないのでしたら、熱烈にお薦めしたいと思います。ストラップ換装の「最初の一歩」として「NATOストラップ」に勝るものはありません。
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NATOストラップはビジネスに不向き??

 ただ…そんな「NATOストラップ」にも弱点はあります。まず基本的に、どんな時計も大抵が「安っぽく」なっちゃいます(笑)さらにその構造ゆえ、どうしても「スマートとは言えないシルエット」が出来上がってしまいます (;´∀`)

 私なんかはその「安っぽさ」「イモっぽさ」がたまらなく好きなのですが、そんな特徴を持つ「NATOストラップ」を、ビジネスシーンで使うことに抵抗のある方も少なくありません。確かにちょっと砕けすぎなリストになっちゃいますし、厳しいドレスコードを強いられる業種で従事される方にはお薦めできません。

収拾がつかなくなって久しい私のNATOストラップコレクション。この中からどうやって使いたい幅を確認するかですって?? … 勘です(笑)

私が超絶な「NATO推し」でいられたのも、本業の職場が「カジュアルスタイルでも何も言ってこない」フランクさを誇っていたからです。私も長年「ジーンズとTシャツ」でゆるゆると働かせてもらいました。過去形で語らないといけない現状が悲しいのですが…

東京本社に異動になって数日で「偉い人」に服装のチェックを入れられ、私の「普段着職場生活」は終焉を迎えました。絶対に似合わない「襟のあるシャツ」を(渋々)着て、履き慣れぬ「トラウザーズ」「革靴」で、所謂「ビジカジスタイル」を繕い通う大手町…そうなってしまうと、誠に不本意ながら「NATOストラップ」を装着した時計が何とも言えない違和感の塊になってしまいました。ブレスレットか上質なセパレート型のストラップ…選択肢は2つに絞られたのです (;´∀`)

私自身に関して申せば、これまで「NATOストラップ」以外でストラップにお金をかけたことがほとんどありませんでした。そもそも手持ちには「ブレスレット仕様の時計」が多いですし、ストラップで購入した時計の場合は正規品の尾錠で使いたいということもあって、特にサードパーティーの製品に対しては、積極的に手を延ばす気にはなれませんでした。フルオーダーやセミオーダーだと、通算でも10本買ったか買ってないかだと思います。

要するに「純正を越えられないなら純正品で良い」という考え方の男なのです(NATOストラップはそもそもが「崩しアイテム」ですから、その限りではありません)

松下庵のストラップで「パネライに二度惚れ」

そんな感じの私でしたが、ずっと気になっていたストラップもあったのです。その内の一つが「松下庵」さんのストラップでした。腕時計に興味をお持ちなら、ご存じの方も少なくないでしょう。大型の時計にも全く引けを取らないほどの強烈な存在感を誇る「あのストラップ」です。

「ルミノール マリーナ 1950 3デイズ アッチャイオ(PAM00723)」と松下庵謹製「M74 STRAP SUGILITE」

そしてこれが「あのストラップ」でございます (*´∀`*) 今回は週末にほぼ必ずお邪魔する昭和テイストの喫茶店(何度もドラマや映画のロケで使われているそうです)で、トーストとアイスコーヒーを頂戴しながら写真を撮らせてもらいました。

この喫茶店がなかったら… 私の東京生活はもっと荒んでいたかもしれません(汗)

この日もいつものようにサービスのゆで卵を付けてくれました。ご子息と私の年齢が近いそうで、何かと気にかけて下さって… いつもホッコリと安らげる時間をありがとうございます (*´∀`*)

昭和なテーブルのワインレッドの天板に、松下庵M74の「パープルカラー」がハマりすぎて怖いほどです(笑)

さて、ストラップを付けたい時計が「パネライ」な時点で、最高のストラップ購入のために「両国のお店」まで足を運ばねばならないことは明白でした。すでに世界の多くのパネリスティに愛される「松下庵のストラップ」。それどころか「松下庵のストラップを使ってない?? それってどこのパネライユーザー??」みたいな認識も育ちつつあるくらい、デカ厚の「パネライ」「松下庵のストラップ」のタッグは、お互いに替え難い「義兄弟」って感じなのです。そうです「固いぃぃぃ契りのぉぉぉ~」ってやつです。

取り敢えず私が購入した「M74 ストラップ」をコッテリと見てくださいよ!! この厚み!! この男らしさ!!

この定革と遊革の存在感たるや!!

ここまで分厚い作りだと、さぞや「固い」と想像されるかもしれません。実際、物理的にはめっちゃ固いです。

迫力のステッチ!! 某所でストラップの縫い付けを経験した今の私には解ります。この作業の困難さが(笑)

私も「松下庵」さんのストラップの実物を初めて拝見した際は、そのピンッと張りのある「皮革の迫力」に気圧されてしまいました。そして同時に…「このごっついのを腕に巻いて、果たして馴染むのか??」とも思いました (;´Д`)

確かにゴツい、そして硬い!!

ただ、コイツ…「ルミノール1950」の44ミリの迫力に負けないストラップということなら、このくらいの存在感がストラップにも必要なのは確かです。

純正のブレスレットから「松下庵」へ。換装後、ニコニコ顔の松下さんに巻いてもらった「M74仕様のルミノール」。それは事前に抱えていた一抹の不安が「杞憂に過ぎなかった」ことを教えてくれました。とにかく「ビックリするほどあっという間に馴染んだ」のです。

パネライ風の松下庵オリジナル尾錠も良い感じ!!

それもそのはず、すでに「松下庵」を愛用する貴兄の口から「馴染みが悪い」なんて評価を聞いたことがないのです。皆さん一様に満足して、その「男らしさを増したリスト」を唯々堪能しているのです。

大迫力のシルエット、物理的にハードな皮革。それでいて何ら装着性を犠牲にしない繊細な作り… ルミノールを完全に掌握した姿は、まるでルミノール本体に直接カスタムを施したかのようです。実際、ものすごい支配力を感じます。

「松下庵 M74ストラップ」に換装したことで、ルミノール1950の人生(時計生??)に第二章が訪れたような気がします。「時計に惚れ直す」とは、きっとこういうことでしょうね (*´ω`*)

次は「レベルソ スクアドラ」の『松下庵化』を目指そう!!

ちなみに私自身はこれまで、両国のお店に2度、お邪魔しています。どちらも明確な目的があっての訪問でしたが、その両方で「想像を凌駕する形の解答」をいただきました。

実際、腕時計好きにとっては夢のようなお店です。多数の時計をお持ちの方なら、特殊なラグの形状などで「ブレスレットからストラップへの換装を諦めた経験」があるかもしれません。同様の悩みで私が松下さんに相談したのが、ジャガー・ルクルト「レベルソ スクアドラ ホームタイム」

ラグとストラップが「ツライチ」だからこそ格好良いんですよねぇ…

一見なんの変哲も無いケース(ラグ)に見えますが、ことストラップの問題に関しては中々厄介な時計でして… (汗) 普通の作りのストラップだとケースからストラップへの流れるような線が断ち切られて、とんでもなくダサくなってしまうのです (;´Д`)

純正のレザーストラップから、これまた純正のラバーストラップに換装する際、購入した銀座のブティックで「そろそろ本国の在庫も怪しくなってます」と聞かされた私。次のレザーを予めストックしておくのも一つの方法ですが、できればその時その時の流行や自分の感覚で「次はどんなストラップにするか??」と悩みたいじゃないですか??

接続部の傾斜を作れるかどうかが鍵です

なので「ルミノール1950」用に紫色の「M74ストラップ」を購入した際、松下さんに相談してみたんです。するとあっさり「やれると思います!!」と言ってもらえました。何という僥倖。ってなわけで、秋口辺りに「レベルソ スクアドラ ホームタイム」用のレザーストラップを作ってもらおうと思います。間違いなく、スクアドラの「男が上がる」はずですから (*´ω`*)

全ては「おばあちゃんゼニス」のために

私にとって忘れてならないのは、2度目の訪問で購入した「パリス環式ストラップ」でしょう。

松下庵謹製「パリス環式ストラップ」

アンティーク専門店「ファイアー キッズ」さんで手に入れた「齢90歳超のゼニス」「現役バリバリ」で使うために、私はストラップに関する幾つかの絵図面を頭の中に描いていました。

シンプルなテクスチャーの皮革を使っていること。
ストラップ自体が「ヴィンテージな雰囲気を醸す」デザインであること。
汗防御のために余り大きくない「背当て」があること。

 訪問前から解っていました。そんなに都合良く望みを叶えてくれるストラップが置いてあるわけがない…と。ですので、こちらの要望を可能な限り伝えて、それを松下さんのセンスで形にしてもらおうと考えました。時間もお金もかかるかもしれません。ですが結論から言うと、どれだけ待とうが10万円しようが、私はすでにこの90歳の「おばあちゃんゼニス」に、素敵なドレスを誂えてあげることを決めていたのです。

そうして、デカ厚のパネライで知られた「松下庵」さんに、真逆とも言える小さな小さなアンティークのゼニスを持ち込んだわけですが、いやぁ…本当に時計がお好きなんだと解りました。文字通り「自分の時計と同様」に悩んでくれたんです。どうすればこのゼニスを現役として使えるか、どうすればこの傷だらけのゼニスを最も美しく輝かせることができるか…

私は上記の通りの要望を伝えて、松下さんの反応を見ました。すると私が見落としていた幾つかのポイントを鋭く指摘してくれたのです。このゼニスならこの方が良いと思いますが如何でしょうか?? そのご意見に私の目からウロコがポロポロ。プロとしての豊富な経験だけが為し得る、これが「説得力」ってやつかもしれません。そのご提案のまま、私は即座に作ってもらうことを決めました (*´∀`*)

おかしい?? 「パリス環式」が安すぎるのだが??

ところが「そう言えばアレが使えるかも??」なんて仰って松下さんが出してくれたのが、件の「パリス環式」でした。滑らかなコードバンが複雑な構造を成す不思議なストラップ。一見しただけでは着用法すら想像できません。そこで、サンプルの時計に「パリス環式」を装着したものを使って、着用方法をレクチャーしていただきました。面白い…めっちゃ面白いやないか!! 「パリス環式!!」

アンティークの雰囲気はそのままに、お洒落に生まれ変わったゼニス

昭和の戦前戦後に見られたスタイルを参考にしたそうですが、昔の「将校さん」が身に着けていたかのような、ラフなミリタリー感と背筋が伸びる緊張感が同居した、素晴らしいストラップでした。私が当初の目標としていた事柄は全てクリアされましたし、これに決めない手はありません。

ところが「おばあちゃんゼニス」のラグ幅だと、少しだけストラップの幅がオーバーサイズでした。「お時間大丈夫ですか??」と聞くやいなや工房に籠もった松下さん。ものすごい集中力でストラップの幅を削って下さいました。そう言えば、まだこの時点では「お支払い」の話になっていなかったんです。

作業が終わるまでの時間で会計をお願いして、初めてお値段を知ることになるのですが…驚きましたねぇ…「安すぎて!!」。だってこれ…「6600円」なんですよ?? アンティークのゼニスをこんなにお洒落に整えてくれて、たったの「6600円」なんですよ??

世に「激安」は数あれど、大抵は「安い理由」があるものです。ところがこの「パリス環式ストラップ」にはそんなものはありません!!

もちろん、私にとってそれは有り難いことです。完全オーダーを覚悟した案件がこの「激安」で収まったのですから。

結局、そのクオリティーの高さと激安価格のアンビバレンツに感動した私は、色違いの「パリス環式」を計3本、購入することになるのです。

左から「ブラウン」「グリーン」「ネイビー」

現在、件の「おばあちゃんゼニス」の他に、カルティエの「タンクマスト ソーラービート」にも「パリス環式」をあてがって楽しんでいます。「タンクでも使えそうやな!!」くらいの軽い気持ちで合わせてみましたが、これがドハマリしました(笑) タンク使いの皆さま。ストラップ交換で気分を変えようとお考えなら「パリス環式」も検討してみませんか??

「パリス環式」で怪しい色気を纏った「タンク マスト ソーラービート(WSTA0059)」

それにしても、こういうストラップが手に入ると、小ぶりな時計が欲しくなって困りますねぇ (;´∀`)

ストラップで「手持ちの時計に惚れ直せ!!」

パネライの隠れた魅力を引き出してくれる「松下庵のストラップ」

腕時計の魅力の半分は、接続される「ブレスレット」「ストラップ」にある…「松下庵」さんのストラップが「ルミノール マリーナ 1950 3デイズ オートマティック アッチャイオ 44ミリ(PAM00723)」に付いた瞬間、誠に今更ながらそのことを痛感した私です。良いストラップは腕時計の隠れた魅力を引き出す「名演出家」であるとともに「最高の伴侶」でもあるのです。

松下さんご自身から聞いた話で、私の心に深く残った言葉があります。先輩(だったかな??)に『パネライのような時計向けではなく、ドレスウォッチに向けたストラップを作らなければ本物とは言えない』と言われたのだそうです。これだけ多くのパネリスティの心を鷲掴みにしている松下さんにしても、そう助言される奥深いプロの世界。そして奢ることなく先達の意見に耳を傾ける、プロとしての謙虚な姿勢…これこそが飽くなき向上心を支えているのだと思いました。

実際、お店には多くのドレスウォッチ向けセパレート型ストラップが陳列されていました。「まだまだですよ!!」と仰っていましたが…これがクリエーターが持つべき「本物のプライド」なのだと思います。

本来プライドとは、自らが生み出す「何か」に対して込めるものなのです。その何かをより良くするためなら、あらゆる意見、苦言すら糧にできる…私もクリエーターの端くれですから、この凄みには感服させられました。そして「松下さんの作るストラップなら、使い古した自分の時計に何度でも惚れ直せるかもしれない」と思ったのです。

最後に…

時計本体と等価値のストラップがあると知りました (*´∀`*)

たった一人の東京異動生活で、私は個人として少なくない犠牲を払っています。いつ帰れるのかも解りませんし、帰る場所が無くなってしまう可能性だってあります。一年に2回帰れるかどうかの「地元関西」はやはり居心地が良く、迎えてくれる人たちの笑顔を見るたびに「もう東京に戻るのはイヤだー!!」とダダを捏ねたくなります。実際、前回の帰阪では捏ねました(笑)

大学は東京ですし、仕事のキャリアのスタートも東京。20歳代で自分の事務所を作ったのも東京でした。それでも東京での私は「ストレンジャー」なのです。今回の東京生活でもその辺りの「小さな疎外感」は拭えていません。

ただ、東京だからこそ知り合えた人たちがいます。大阪にいるときには想像もしなかった「腕時計絡みでの出会い」。立場も年齢も…何もかもが異なる人間同士が、ただ一点「腕時計」というキーワードで繋がりを持ち、いつしか腕時計を越えて話ができるまでになったのです。本当に趣味って凄い。腕時計って凄いんです!!

「松下庵」さんのストラップだって、こうやって東京に暮らしているからこそ両国に赴き現物を見て購入することが叶ったのです。作家である松下さん御本人から直に商品の説明を受けて選んだストラップは、私にとって間違いなく「特別」です。腕時計の話で盛り上がる中、そのひたむきなお人柄に心を打たれ、ご本人の大ファンになったことは言うまでもありません。

パネライや大型の腕時計をお持ちの方で「時計に負けない存在感のストラップ」をお探しの方なら「松下庵」さんのコレクションが福音になるはずです。可能なら本当に一度、実物をご覧になって下さい。ヤバいくらいに格好良いですから (*´∀`*)

さぁーて、次は「スクアドラ」でお願いするとして…「ラジオミール ブラックシール」用のストラップも欲しいし、「スピマスのオートマティック」に付けてたのをツイッターで拝見した「ウレタン無双ストラップ」とやらも気になります。

松下庵で「パネライをもっと好きになれ!!」

最後の最後に…私自身は自分のことを一度たりとも「パネリスティ」だと思ったことがありません。最初に買った「サブマーシブル」から数えても計3本のみの縁ですし、他のブランドの時計への浮気(?)も止められない状態です。私の中で「パネリスティ」と呼べるのは「パネライだけに永遠の愛を誓った一本気な諸兄」のことを指すのです。

ただ、私のコレクションにパネライは間違いなく「必携」。無いと絶対的に淋しいのです。それは恐らく世界広しと言えども、パネライの時計からしか得られない「謎の満足」があると気付いてしまったからなのでしょう。ぶっちゃけ「何だよそれ!?」って話ですが(笑)

てなわけで、今回はここまで (*´∀`)

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