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シルバーのダイヤルが好きだ!!

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すぐに引っ張り出せる「シルバー系ダイヤル」を集めてみました(*´∀`*)

 皆さんがお好きな「ダイヤルカラー」は何色ですか??或いは現在「絶賛マイブーム中」みたいな「ダイヤルカラー」ってあったりしますか??

 「ダイヤルの色」って、腕時計を選ぶ際に「最重要」な要素だと思うんです。いやもうぶっちゃけ「この時計は青ダイヤル以外に興味がない」なんてこともあったりするわけで…つまりは、腕時計の魅力を最も表面化したパーツが「ダイヤル」であることは間違いないと思うんです。

 その割に「変更しやすい」「変更したときの見た目変化の幅が広い」という理由でしょうかね??結構軽々しくポンポン変えられちゃうのが「ダイヤル」というパーツだったりします(;´∀`)

 腕時計の「顔」でありながら、この「扱いの軽さ」…多様性の時代とは言え、4つも5つも異なるカラー展開の時計が目の前に並べられると、少なからず困惑してしまう私でして(;´Д`)

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腕時計の「素顔」

 曰く「…で、この時計の『本当の顔色』はどれなんでしょうか??」

 これは、実際のお店で私の口から無意識に出た言葉です。一時話題になった「多色展開の時計」をズラリと紹介された際、正直、どれを見れば良いのか解らなくなったからなのですが…(;´∀`)
 
 復刻や懐古趣味に疑問を呈した記事をリリースした後で、こんなことを書いても説得力がありませんが、私が腕時計に興味を持ち始めた時代の時計には、それぞれ「素顔とも言えるダイヤルカラー」がありました。基本的には「シルバー(白)」「ブラック」しかありませんでしたから、見る人にしてみれば「2択」なわけですが、それでも何となく「この時計はこっちが素顔だな!!」と思わせる「何か」はありました。
 
 「素顔の時計」を購入するかどうかは別にして、素顔であるかどうかを把握した上で「外し」を買うのと、その時の趣味でダイヤルカラーを選択するのでは、まるで意味合いが異なります。これはどちらが正解であるかといった問題では無く、この部分が解っているかどうかで、各々のコレクション内での「在り方」が変わってくるのではないかと思うからです。

ダイヤルカラーの「基本色」

BREITLING-MONTBRILLANT-A41330
真珠のような輝きを放つ(BREITLING-MONTBRILLANT-A41330)

 ところで、ダイヤルカラーの「基本色」って何色なんでしょう??

 ブランドにもよると思いますが、基本と言うならばそれは「シルバー(白)」「ブラック」であり、次点としてやってくるのが「ブルー(濃いめ)」「グレー」でしょうか??

 真っ黒が無い代わりに「グレー」が軸に据えられていたり、シルバーは無いけど「ブルー」が準備されているなどのブランドもありますし、まぁこの辺りを「基本色グループ」としても良いんじゃないでしょうか??
 
 例えば、流行っているとは言え、ここに「ライトブルー」「グリーン」が収まることはないでしょうから「グレーとブルー」「基本色化しつつある色」と考えても良いと思います(*´∀`*)

「基本色」は揺るがない

GRAHAM-CHRONOFIGHTER1695-2CXAS
ホワイトとシルバーの中間のような質感(GRAHAM-CHRONOFIGHTER1695-2CXAS)

 未だに老舗の中には、頑なに「シルバーとブラック」の基本色を守り続けているブランドもございます。
 
 ドレスウォッチの基本は清楚でエレガントな「シルバー」でしょうし、ダイバーズの基本は視覚要素のハイコントラストを実現する「ブラックダイヤル」で間違いないでしょう。つまり、この2色にはれっきとした「採用され続ける理由」があるのです。この必然がある限りは、2色の立場は今後も盤石でしょう(*´∀`*)

シルバーのダイヤルにゾッコン

JUNGHANS-Max Bill-Chronoscope-0274003
繊細さと重厚さを両立させたダイヤル(JUNGHANS-Max Bill-Chronoscope-0274003)

 「シルバー」にしろ「ブラック」にしろ、その表現力を一言で言い表すことは困難です。光沢仕上げの具合で環境光の影響が変化しますし、表面に各種ギューシェが施されていれば、彩度明度の両極にある2色であっても、複雑なニュアンスの違いを生み出すことが可能だからです。

 ちなみに若い頃の私は、とにかく「ブラックダイヤル」が好きでした。黒があれば必ず黒を選択。故に私のコレクションは、全体的にダークな時計が居並ぶ、異様な光景を呈していました。とかく若いヤツは「黒」で決めたがりますからね!!

 まぁそれは暴論としても「ブラックダイヤルの時計」で袖口を引き締めれば、何となく男っぷりが上がりそうな気がするでしょうし、若い人が好んで身に着ける衣服との相性を考えても「黒」のユーティリティー性能が光るのは確かでしょう。

 逆に「シルバーダイヤル」に対する印象はあまり良くありませんでした。若い時分にアンティーク専門店に行けば、そこにあるのは枯れまくった「シルバーダイヤル」ばかりでしたし、それを見ている人も枯れまくった年配者がほとんど…という印象でした(;´∀`)

 まぁ自然と「シルバーダイヤル」イコール「高齢者」みたいなイメージが、できちゃうわけでして(;´Д`)

 年月とは恐ろしいものです。今現在、自分自身が枯れまくった存在になって思うのです。「ついにオレも、シルバーダイヤルが似合うようになったか」…と。

 身に着けるアイテムに関して言えば「似合う」「理解する」は同義です。理解するための時間はかかりましたが、その分、深く確実に「シルバーダイヤル」の真価に届いたという自負があります。

濃い色のダイヤル上で起きる「視覚要素の単純認識化」

Nivada Grenchen-ANTARCTIC SPIDER-32023A
粗めに付けられた刷毛目が美しい(Nivada Grenchen-ANTARCTIC SPIDER-32023A)

 「シルバーダイヤル」には同じくシルバーの針と組み合わせた際の「視認性の悪さ」が付きまといます。同系の素材に同種のカラー。ほとんど埋没した針を視認するまでの僅かな時間に「イラッ」とした愛好家の方もいらっしゃるはずです。
 
 ですが、実は「シルバーダイヤル」こそが、シルバーの針の美しさを最も生かすダイヤルなのです。これは色彩の見地からも証明することが可能な事実です。

 人間の目は非常に豊かな色彩を認識できますし、様々な方法でそれらをアウトプットすることのできる唯一の生物です。

 ところが、明度や彩度を両極端に振った色彩に囲まれたとき、知覚できる色彩のディテールが「大雑把」になってしまう。それが人間の色覚です。

 職人が技巧を凝らして表現した繊細な色味があったとしても、高明度差、高彩度差の中では、その味わいを感じることが難しくなってしまうのです。これは視覚の問題というよりも、それを処理する脳のクセではないかと思います。派手な色の組合せを目の当たりにして、一種の「処理落ち」でも起こしているんでしょうか??(;´∀`)

 彩度や濃度の高い「ブルー」「レッド」のダイヤル上で回転する針に対して、さしたるニュアンスも立体感も感じられないように見えることがありますが、要するにそれらは、この「脳の処理落ち」によるものだと考えられます。濃く派手な色のダイヤル上で、質感や繊細な色変化といった腕時計を楽しむための「重要な視覚要素」「単純化」されてしまっているのです。

シルバーのダイヤルにシルバーの針

 ところが「シルバーのダイヤル」「シルバーの針」の組み合わせだとどうでしょう。「時刻を読む」ための視認性は確かに劣ります。読みやすい角度を探したりするひと手間も必要です。しかし、彩度、明度ともに同列のダイヤル上で見る「針のディテール」に注目して見て下さい。「ブラックダイヤル」などで見る針の印象とは大きく異なることにお気付きいただけるでしょう。

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図解化するとこんな感じです

 そうなんです。人間の視覚は狭い色域の中だとより精緻な視覚情報を取り込むことができるのです。色もそうです。形もそう。「シルバーのダイヤルにシルバーの針」という状況なら、本来の金属の質感、仕上げによる光沢の変化、繊細な加工面の形状などから、より豊富な情報…「印象」を受け取ることができるのです。

 難しい理論を語ってるように聞こえるかもしれませんが、ほんの少し「眼で見る」という人体の仕組みへの理解と、色彩学、色彩心理学を学んでいる専門家…要するにデザイナーの皆さんであれば、意識せずに普段から利用しているメソッドに過ぎません。私もこの辺りのことは通っていた大学で学びました。

 私だって今から10年も遡れば「シルバーのダイヤルなんて爺むさい!!」と考えていましたので、お若い方に「ささ!!今すぐどうぞ!!」とお薦めする気はありません。ですが…もしも「爺むささすらファッションに取り込む」気概のある若い方がいらっしゃったら、退屈に見えるダイヤル要素が特徴の「シルバーダイヤル」をお手に取ってご覧下さい。まずはそれが第一歩です(*´∀`*)

最後に

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美しいセクターダイヤルの見本(OMEGA-DeVille-PRESTIGE-4540.31.00)

 納品待ちの時計を含めてですが、最近は「シルバーのダイヤル」ばかりを購入している私です。半分は「老化現象」ではないかと自己分析が済んでいますが、若い時分にも何となく解っていたんです。「歳取ったら、シルバーのダイヤルがしっくりくるだろうなぁ~」と。

 歳を取れば肌の輝きは失われますし、髪質だってパサパサ。情けないですがそれが人生です。そんな黄昏時を迎えた私だからこそ「シルバーダイヤルの時計」「ベストフレンド」と呼ぶ資格が持てたと思っています。明らかに若い頃よりしっくりくるんですもん。

 いよいよ腕時計人としての「最終形」が近いのかなぁ~と思いつつ、今後も私好みの「シルバーダイヤル」を探し続けたいと思います。沼が深くなるからと避けてきた「アンティーク界隈」なら、魅惑的な「シルバーダイヤル」がナンボでもありますからねぇ(*´∀`*)

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ご意見・ご感想

コメント一覧 (6件)

  • 脳科学?的な分析、面白かったです。
    これまで視認性の低さから、なんとなくシルバーは避けてきました。
    かと言って、黒を買ったのは7〜8年前のオシアナスが最後。
    ここ数年で購入したのはブラウン、青(和紙)、白。
    シースター36mmは、白が素顔!とさえ思えます。

    針やインデックスのデザインや色、立体感とダイヤルが一体となって「腕時計の顔」なのだと考えています。
    腕時計は顔が命だと思います。

    • ししとーさま。ありがとうございます。
      楽しんでいただけたようで、書いた甲斐がありました(笑)

      そうですね~ダイヤルカラーは人の皮膚のようなものですし、
      針やインデックスが加わって「顔」というパーソナリティーが生じると思います。
      「腕時計は顔が命」…ひな人形と一緒です(笑)

      建築、プロダクト、インテリア、グラフィック(テキスタイルも)…ほぼ全てのデザインを経験してきましたので、
      特に時計の見た目に関しては、多少、説得力のある話が書けるのではないかと思っています。

      是非また、寄って下さいね~

  • ブルーダイヤルが最も好きですが、比率としてはブラックダイヤルが多い。シルバーはようやく昨年暮れにKSにて手に入れました。心惹かれるには時間がかかるのが、シルバー、そんな印象です。自身が枯れてゆく過程でその静かな輝きに惹かれるのは共感できます。そして、最近はゴールドに心惹かれることも。せめて、シャンパンゴールドあたりは考えてみるかなとの心持ちにもなりつつあります。

    • 黒海月さま。

      そうなんですよ~
      シルバーに惹かれる自分に気が付いたときは「老い」を自覚するとともに、
      腕時計人としての「成長」も感じたんですよねぇ~

      人間も時計も、枯れてからが華ですよ!!(笑)

      ゴールドも良いですねぇ~
      現行品だといやらしく見えるゴールドも、アンティークだと落ち着いて渋く見えますよねぇ~
      だからアンティークショップに行くと、ゴールド欲しくて困るんですよ(汗)

  • 楽しく拝読しております、20代半ばの男です。
    某ブランドのデイトジャストが欲しく日々マラソンに励んでいるのですが、ダイヤルの色に迷っておりました。
    精悍な黒か、はたまたおじいさんのような親しみのあるシルバーか…その二つで迷っていたのですが、この記事を読みましてシルバーに決めることができました。
    確かに黒ダイヤルはメリハリがあって若々しい印象ですが、ここはシルバーで渋くキメようと思います。
    非常に参考になりました、これからもマラソン頑張ります。

    • よしのさま。
      マラソンの日々お疲れさまです!!(汗)

      20歳代でシルバーダイヤル選択、素晴らしいです!!
      将来有望な御仁とお見受けしました(笑)

      思いますに、結局はシルバーが一番使えて一番飽きない気がします。
      使える幅が圧倒的に広いですしね!!

      マラソンに成果が出ること、お祈りします。
      またこちらを覗いて頂けたら嬉しいです(*´∀`)

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