私は「待たされるのが嫌いな男」です。ましてや、長~い行列に並ぶなんて言語道断の所業だと思っています( ー`дー´)
とはいえ、私だってやむなく行列に参加することがありました。女性と食事の約束をして、お目当ての店で並んだことくらいは、さすがに経験しています。
ただ、10分も大人しく並んでいると、段々頭の中が冷静になってきて「何しとるんや…ワシ!?」なんて疑問が沸いてくるのです。こうなるともうダメです。
「他のお店でエエんちゃうの??」
こんな一言で何度も墓穴を掘ってきました(汗)
言うべきじゃないとは解っていても、言わずにはいられない私という男。下手すりゃ「余裕のない男」と思われかねない一言ですが、納得できないものは納得できないのです。ネギ焼きもパンケーキも、並んでまで食べるものなのか…と。
並びきれば美味しいご褒美が貰えると解っていても、天秤にかけたときに「時間」の方が勿体ないと感じてしまうのですから仕方ありません。私がこのところ「ロレックス・マラソン」からセミリタイア状態なのも、要は同じ理由です。買えもせんのに並ぶなんて…家で寝っ転がってマンガでも読んでたほうがマシやん??ってな心境になっちゃうのです(;´∀`)
ってなワケで、大好きな腕時計であっても「並んでまでは要らん!!」と思っている私ですから、限定品のように数量に限りがあって「先着順」みたいな売り方をされると、毎度毎度「それやったら…ええわ」と感じて、あっさりと身を引いてきました。
そんな「イラチ(関西弁で気が短いこと)」な私であっても、どうにかして手に入れたい時計が出現する時もあります。大袈裟かもしれませんが、直感的に「この時計を使いもせずに、腕時計好きなんて名乗れない」と感じた時計がそれに当たります。
そんなこんなで本年2月8日、誕生日だった私が予約に漕ぎつけたのがカルティエさんの「タンク マスト ソーラービート(WSTA0059)」。男性も女性も区別なく使うことを前提にしたタンクのLMサイズのお品です。
「ソーラービート」以前にも「タンク購入」の衝動は何回かありました(ブレスモデルのタンクマストなど)ただ試着のたびに何故だか「まだ早いかも…」と躊躇させる「謎の圧力」を、小さな小さな「タンク マスト」という時計から感じた私。
そんな私が「ソーラービート」という新機軸から感じたものの正体は、未だハッキリとしていません。カルティエさんがソーラークォーツを作ったというイノベーション自体に、何となく、日本人としてシンパシーを感じたのでしょう。
そんな「心理的な共鳴」は「タンク」に対する感情的なスレッショルドを大きく引き下げました。モハメド・アリが愛した小さく愛らしい時計を所有するチャンスが巡ってきたのです。
ただタイミングが悪すぎました。限定品でも何でもない「タンク マスト ソーラービート」ですが、コロナ禍で製造が思うように進まず、そこにロシアのウクライナ侵攻も重なって、カルティエさんの腕時計は日本への入荷が遅れに遅れたのです。さすがに2月初旬に予約した腕時計で、5ヶ月も待たされるとは思ってもいませんでした(汗)
いや違うな…この「5カ月」には私のポカも含まれていまして(;´∀`)
実は私が予約を入れた新宿「I百貨店」さんからの入荷案内自体は、6月の中旬に届いていたのです。当初、電話連絡での入荷案内だった約束を、私の都合でメールでの案内に切り替えてもらったにも関わらず、そのこと自体を私自身が失念していたのでした。ですので、実際には「4カ月ちょい」で購入できたはずなのです。社会人として反省しています(;´Д`)
まぁ「4カ月ちょい」だとしても、思ったよりも待たされた印象なのは確かなのですが…(;´∀`)
ただ、ロレックスさんとは違い、幸運にも「予約」が可能だったことは、カルティエさん並びにI百貨店さんに感謝です(他のデパートでは予約不可でしたからねぇ)そもそも、あるかないかも解らない状況でイソイソとブティックに通い詰めるなんて…それこそイラチな私には絶対無理でしたから。これも縁というヤツなのでしょう。
それにしても…腕時計売り場の腕時計しか売っていないカルティエさんであっても、カルティエさんはカルティエさんでした。私というショボい身なりのオッサンにしてみれば「予約品の受け取り」という必然性があったとしても、どこか身の置きどころに困る感覚は拭えませんでした。
ただ、今回のやりとりで、スタッフさんを介してカルティエさんとの繋がりができたように思います。例えば購入時に商品のオーナー登録を行うことで保証期間が延長されるシステムには「これぞラグジュアリー!!」と感じましたし、今後のストラップ交換に関して「本当はカルティエのストラップをお薦めするべきですが…」と述べつつ、そっとラグ幅を教えてくれたりするスタッフさんのホスピタリティーには、カルティエさんのブランドとしての「余裕」を感じました。やっぱりハイブランドは違うなぁ~と感心した次第です。
ここまで逸る気持ちを抑えて記事をしたためて参りましたが…我慢も限界。そろそろ開封したいと思います。途中に寄った喫茶店で開封しなかったことを誉めてくれても良いのよ??(笑)
小雨でしたので、気を利かせてビニールで覆って頂きました。何となく、真っ赤な目立つ紙袋が小っ恥ずかしかったので、その点でもありがたかったです(笑)
さぁ~て…開けますかねぇ(*´∀`)
オレんちにカルティエ!?正直、違和感しかありません(笑)
私なんかには勿体ないくらい、可愛らしくパッケージングして下さいました。まさしく「自分にご褒美」(*´∀`)
時計で赤い箱と言えば、かつてのオメガさんのイメージがありますが、カルティエさんの赤は「フェミニン」な印象です。
小洒落たソーイングセットが入ってそうな可愛らしい箱です。すまんのぉ~受け取ったのがこんなオッサンで(笑)
飼い主のベッドに、堂々と横たわるお猫さまの如き佇まい(*´∀`)
過去に数限りなく模倣されてきた名作「タンク」が、遂に遂に…
これまで購入してきた腕時計からは感じたことのない、得体の知れない「何か」を感じてゾクゾクする私…
もちろん、有名な「隠しCARTIER」もちゃんと確認できます。それにしても…です。
このローマ数字のインデックス部分が光を通すなんて…実物を目の前にしても…いや、実物を目の前にしたからこそ、増々信じられません。
この小さなインデックスのみを透過素材にするという技巧を確立したからこそ、この「タンク マスト ソーラービート」は他のタンクに劣らぬ美貌を保つことができたわけです。同時に徹底的に電力効率を向上させたからこそ、少ない光量でも十分に針をドライブすることが可能になっています。ただのキラキラしたジュエラーではない、カルティエさんの底力がよく解る傑作だと思います。
このジュエラーなリューズを見た瞬間、思い出しました。短い期間ですが私、パシャを持ってました(笑)どこで買ったんだっけ??なんか最近、どんどん記憶が怪しくなるなぁ(;´Д`)
ソーラークォーツ機だろうと、一切抜かりのないブルースティールの時針と分針です。僅かに黄色みを感じさせるこの青針…カルティエさんって感じがしますな(*´∀`)
話題の非動物性素材を使用したストラップです。これがリンゴの廃棄物からできてるなんて…信じられます??どこから見ても間違いなくレザーです。一般的なシンセティックレザーよりも、ずっと本物の革に見えます。不思議だぁ~。
皮膚に直接触れる裏側も表革と同じ素材だと思います。ここにも人工皮革を感じさせる箇所はどこにもありません。
尾錠がお洒落です。しかも手抜きのない素晴らしい細工。この時計はこの尾錠で着けるべきか…
装着ッッッ!!
不思議な時計としか言いようがありません。着けた瞬間に色々と納得できました。
男性が着けるには相当に小さな時計です。特に普段、幅40ミリクラスを愛用している方なら「ちっさ!!」と感じるでしょう(33.7ミリ x 25.5 ミリ)。ですが、サイズの小ささと腕時計としての存在感は無関係なのかもしれません。その証拠に小さいくせにやたらと目立ちます。地味で古臭くて誰でも知っているデザインなのに、身に着けることで得られる情報量(色気かもしれない)には凄まじいものがあると感じました。
男性が身に着けるために購入するなら、気を付けるべきは「ストラップの長さ」でしょう。男女共用として展開される時計ゆえに、ストラップはかなり短めです。16.5センチの私の腕周りだと、こんな風にキワキワの穴に尾錠の剣を通すことになります。
極端な比較をしてみました。果たして、同じ「腕時計」というカテゴリーなのかも怪しいところです。今更だけど、ホント面白いなぁ~腕時計って(笑)
ファーストインプレッションはこんな感じでしょうか??
使用感などはしばらく使ってみてから、しっかりとお伝えすべく書きたいと思いますが、現在の私のコレクションに混ぜてみると、その見慣れない異様な光景に戸惑いを覚えると同時に「これは間違いなく加えるべきピースだ」という確信めいたものも感じるのです。
もしも私の腕時計人としての性質を表す「レーダーチャート」があるとしたら、そのバランスは「ソーラービート」の加入で良い感じで整ったはず。それほどの影響力を感じています。
とりあえず「リンゴレザーのストラップ」は冬のお楽しみにとっておくとして、近々ファブリックのストラップを探すことにします。見た目、明らかに「冬の腕時計」だと思いますので(防水も最低限ですしね)夏場の使用は控えめにしつつ、冬の到来を待って本領発揮と行きたいところですね(*´∀`)
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