手元のパネライ「ラジオミール ブラックシール ロゴ」は、その前に持っていた「サブマーシブル」を手放して暫くしてから購入した時計です。なのでこれまで、一つのコレクションケースで「ラジオ」と「ルミ系(サブマーシブル含む)」を同居させたことはありませんでした。
それが今、目の前には馴染み深い「ラジオミール」とニューカマーである「ルミノール マリーナ」が仲良く並んでいます。何とも味わいのあるタマラン風景です。
周囲の腕時計たちを威圧するかと思いきや、妙に謙虚な様子で可愛く収まってくれました。これじゃないですかね?デカいけど可愛く見えるというのはパネライの時計に共通した「人徳(時計徳?)」です。
しかし…実際、物理的にはデカいです。風防の表面積だけで、ほとんどの時計よりデカい。高い透明度を誇る巨大で丸っこい風防は、まるで「銘菓水まんじゅう」のようです。何だかツルんといけそうだ(*´∀`*)
そんな「ラジオミール」と「ルミノール マリーナ」が並ぶ様子を拝んでいて、私はふと思ったのです。
これは「仮面ライダー」で言うところの「1号」と「2号」なのではないかと。
「何を言うとるんや?このスットコドッコイは」と思われるでしょう。確かに私はスットコドッコイなのですが、こと「腕時計」に関する話なら、多少は「深慮遠謀」の人なのです。
では何を以て「ライダー1号&2号」に例えたのか?
パネライのコレクションはこれまで終始一貫「ルミノール」と「ラジオミール」という、二つのラインのみで厚みを増してきました。本来、たった二つのシンプル過ぎる展開では飽きが来てしまうはずですが、パネライに惹かれてファンになった人たちからは、不思議なことに「飽きた」という声は聞こえません。
御存知の通りどちらも特徴的なクッションケースを採用していますから、基本はよく似ています。「ルミノール」には一度見たら忘れない「ブリッジ型のリューズプロテクター」が備わっている。対して「ラジオミール」にはそれがない…ホント、そのくらいの差異です。
どちらも共通したセンスから生まれたであろうことは、初見の人にもすぐ解るでしょう。
まず、外見の差異が少ないという意味で「ラジオミール」を「1号ライダー」、「ルミノール」を「2号ライダー」と比喩したわけですが、その関係性にも共通点があります。
「ラジオミール」はパネライが開発したラジウム塗料の名称ですが、後に時計そのものの愛称として認知され現在に至ります。初期のラジオミールにはロレックスのムーブメントにモデファイを加えたものが使われていましたが、なんとこの時期すでに「サンドイッチ構造文字盤」も完成しているのです。
そのアウトラインは現在とほぼ変わらないクッションケースで引き締まっており、私のブラックシール同様のワイヤーラグでミリタリー仕様であることが伝わります。
つまり、軍用時計としての「技」の部分は初期のラジオミールで完成していると言えます。
高性能な発光塗料で夜間の作戦行動を可能にし、大型で高い視認性を担保しつつも、手首になじむクッションケース。
これだけの技術的特徴が「パネライ1号」の「ラジオミール」ですでに完成しているのです。その姿は得意の蹴り技を磨き、数多の怪人を屠ってきた「仮面ライダー1号」こと本郷猛の姿と重なります。
まさに「技の1号」です( ・`д・´)
対する「ルミノール」もトリチウムを使用した発光塗料の名称が腕時計自体の相性に転化したものです。
ルミノールはラジオミールで完成していた「パネライ」のプロフェッショナル向け技術を、さらにヘビーデューティーなスタイルに昇華させたものです。より厳しい状況でも耐えられる時計を追求した結果「腕時計最大の弱点」であるリューズを過保護なまでに覆った「リューズプロテクター」を搭載するに至りました。つまり「1号」に勝る「力強さ」を得たのです(プロテクター搭載はラジオミール「エジプシャン」が初)
これは、1号のスペックに加え、力押しのパワーファイトを得意とした「仮面ライダー2号」こと一文字隼人そのものではないですか( ・`д・´)
てなわけで「ラジオミール」を「技」のパネライ、「ルミノール」を「力」のパネライと称してみました。キレイにまとめられた気がするのですが…強引でしたか?(汗)
他にもね…ありますよ(;´∀`)
コレクションボックスで仲良く並ぶ姿がホッコリさせる「ラジオミール ブラックシール ロゴ」と「ルミノール マリーナ」ですが、「ラジオミール」単体のときよりも「ルミノール マリーナ」を相棒として横に並べたときの方が、明らかにビジュアル的に「威力」が高いのです。例えるなら豪華絢爛「ダブルライダー状態」。ショッカーライダー(ニセライダー)が束になって襲ってこようとも、強化された怪人が出現しようとも、「本郷(ラジオミール)と一文字(ルミノール)」が力を合わせれば勝てない相手はいないのです。
パネライのラインアップを代々支えてきた「ラジオミール」と「ルミノール」。この二本柱を同時に手にすることが「パネライ」の本質を味わう最初の一歩になります。例えば、このようなほのかな達成感を「ロレックス」で味わおうとしたら…一体どれだけのお金が必要になることか…(;´∀`)
これは、シンプルなラインアップが特徴の「パネライ」ならではの楽しみ方でしょう。たった二本を同時に所有しただけで「全てを網羅した」かのように気持ちが大きくなるのです。それは頑固一徹「基本」を変えずに歩んできた「パネライ」だからこそ沸いてくる感情かもしれません。
ただでさえ大きなケースで押し出しの強い「パネライ」が二本も揃えば、そりゃあもうライダー1号と2号が揃って現れた貴重なテレビ回のように、少年(私?)の期待感はマックスまで高まるのです。もしもこの腕に二本同時で巻いたなら…合体必殺技の「パネライダーダブルキック」が炸裂するかも!?
いや…重たいだけですな。きっと(;´Д`)
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