割とマジでガチだと思います。遂に!本格的に!腕時計を減らそうと思っているのです。数日前から使用頻度の低い可哀想な子たちを中心に、手放すべき腕時計を選び始めました。
ほとんどの箱、保証書関係は東京異動の際に一緒に持ってきたつもりでしたが、本来あるはずのものが数点見当たりません。今度、帰阪した際にでも探してみようかなぁ~なんて考えているところです。
ところで先日、プロ野球のニュースで「ノンテンダー」という言葉を知りました。
プロ野球チーム「北海道日本ハムファイターズ」がFAの権利を持つ数名の選手に来季の契約を提示せず、市場に放出する形で一切の保有権を放棄するとのことです。放出された選手は、今後、海外のチームを含む自由な契約が可能になる…と。
選手を尊重した制度に聞こえないこともありません。しかし、結局のところ成績がコストに見合わなくなったと判断されて、中途でクビになったわけです。プロ野球の契約って複数年さえ取ってしまえば、結果を残そうが残すまいが雇い続けてもらえるものだと思ってましたので意外でした。厳しい結末もあるもんだと。
実は私、腕時計を手放そうと思案し始めたとき、日ハム球団と同じようなことを考えていたのです。余り使ってやれない腕時計たちを放出して、新天地で目一杯使ってもらおうと。
これってそのまま「ノンテンダー」な考え方じゃないですか。
日ハム球団の「ノンテンダー」のニュースは、ほぼ同時だった「新庄監督誕生」のニュースとセットで報道されました。「新庄監督」のニュースを「光」とすれば、「ノンテンダー」のニュースは「影」。結果が全てのプロスポーツとはいえ、何か他人事とは思えない薄ら寒い気持ちになりました。
実際、SNSなどでは「ノンテンダー」のニュースに対して、批判的なコメントも見られました。チーム側から見て「アテが外れた」からといって、一方的な放出はアリなのか…と。
ただ、実際には選手側から複数年契約を途中で解除する「オプトアウト」なるものもあるそうで、そう考えると球団、選手双方に同様の権利が存在すると言えなくもありません。
まあ…野球選手にとっては「オプトアウト」のメリットもあるでしょう。自分の行く末を考えて自らの意思で進路を切り開くなら、結果はどうあれ納得できるはずです。けれど、腕時計は自分の意志で「オプトアウト」しません。ってかできません。腕時計たちは所有者に一方的に契約を打ち切られ、売られていくだけの運命なのです。
そんなことを考え始めたら、手放す腕時計を選り分ける作業中に泣けてきました。そうだよなぁ…愛を誓ってお迎えしたのに…(´;ω;`)
今回の日ハム球団の「ノンテンダー」を好意的に捉えるなら、放出する選手に対する配慮として「要らない選手」というレッテルを貼るに等しい「自由契約」や「戦力外」といった表現を避けたのかもしれません。
実際は同じだとしても、本人たちにとっては「オレたちは自由契約になったわけじゃない!」と思えるだけで気持ち的には楽でしょうし、次の契約先にとっても、自由契約選手を拾ったと揶揄されるよりは、少なめのリスクで対応できるかもしれません。つまり、日ハム球団は当該選手と契約先のチーム、双方のプライドに配慮して「ノンテンダー」という言葉を使ったのだと思います。少なからず貢献してくれた選手に対しての親心じゃないですかね。
プロ野球選手なら打率や本塁打数、防御率や奪三振数が悪くなれば、成績悪化を理由としてクビにされたとしても仕方ありません。シビアな話ですけど、だからこそ成功した時の見返りがデカいのですから。だけど、腕時計の成績ってなんでしょう?…日差が大きくなること?カレンダーが送れなくなっちゃうこと?…いやそれって「DL入り」じゃないか…実のところ、うちの連中に調子の悪い子なんて一本もないんです。みんなキビキビ動いてるし…
となると結局「使用頻度の低下」を以て腕時計たちの「成績」と考えるしかありません。オーナーの趣味趣向の変化に振り回される腕時計たちには申し訳なく思いますが、私にできることは、せめて元気なうちに新天地に送り出して、誰かさんの傍らでもう一花咲けるように配慮してやることだけなのです。
まさにコレクションの「ノンテンダー」です。もちろんこのまま私の手元に置いて、コレクションを優美に彩り続けてもらうのも悪くありません。しかし、それだと間違いなく使用機会は限定されて、最終的には「塩漬け」或いは「飼い殺し」になってしまうでしょう。
そもそもコレクション何てものは「塩漬けの集合」という側面もあります。けれどわたしとしては自分のコレクションを可能な限り「使ってやりたい」のです。そして、できるだけ一本あたりの使う回数も増やしてやりたい。
そのためには「チーム」の総本数を20本あたりまで減らす必要があると考えています。そうすれば月に2回使える腕時計も出てきますから、今よりも一本一本を「寵愛」できることになります。
そして、減らすことで「次」を考える余裕も出てくるはずです(次、行く気なんかい…)
カール F. ブヘラの「パトラビ」を手に入れたとき、私は深い悩みの中にいました。あの時は「腕時計を集めて集めて、自分が何をしたいのか?」が解らなくなっていたのです。
そもそも当初から「集める」という能動的な意志の存在もあやふやで、逐次的に好き勝手にやってたら「集まってしまった」が正しいのではないか…そんなふうに後ろ向きに考えていました。
そこで、買うにしろ使うにしろ「自発的に動く必要のある一本」を「カンフル剤」的に投入してみたのが「パトラビ」でした。しかし見た目に反して「パトラビ」は「合わせてくる」優等生な時計でした。それはそれで腕時計の見えない性能としてむしろ称賛されるべきことなのですが、しばらくしてから「もっとこう…ガチコン!!と来るヤツが必要かもしれん」と考えるように。
そんな目線だったので「モナコ」や「ルミノール マリーナ」といった「強い」時計にばかり目が行くようになり、先日の購入となりました。
お陰さまで何となくですが、向かうべき先、残すべき腕時計の姿が朧気ながら見えたような気がします。
そこで間髪入れずに複数の買取業者さんから一括で査定をもらえる「ヒカカク!」さんを初めて利用しました。勉強がてら、試しに一本だけ登録して待ってみることに。
次の朝から電話が鳴るわ鳴るわの「プチパニック」。会話が同じような内容になってしまうため、電話だと自分が今どこの業者さんと話しているのかが、あっという間に解らなくなってしまいます。そのためメモは必須です。
あと「ロレックス」や「パネライ」などは、前もって年式を答えられるようにしておくべきだと思いました。自分の持ち物であっても、意外と瞬間的には答えられなかったりしますが、これが買取価格に大きく影響しますからね(;´∀`)
そんなこんなで、複数の買取業者さんとお話させていただきました。会話の中で少しずつ事情を明かし、都合数十本を手放したいのだと知れると、何となく一瞬、引かれたような気がしましたが…「それならご自宅まで伺います!」と言って下さる方もいて、心強く感じました。
それにしても、中古腕時計のマーケットって大したものですね。一体、どれだけの関係者の生活を支えているんだろう…こうした堅牢なマーケットの存在があってこそ、私みたいな「庶民だけど腕時計が好き」という余裕のない消費者が、中古腕時計を安心して楽しめるのです。ありがたいことです(*´∀`*)
さて、何せ本数がありますから、売るための準備だけでも相当な大仕事になってます。今もボチボチ作業中なのですが、実際に業者さんにお願いするのはもう少し先になりそう。とにかく「ノンテンダー」ですからねぇ。「自由契約」、ましてや「戦力外」なんかじゃないですから。感謝の気持ちも込めて、可能な限り身奇麗にして送り出したいのです。
自分勝手に集めておいて、こうして手放す算段をしてる自分に嫌気もあります。言葉では表現できない淋しさもあります。しかしこれは、これから先の…私の腕時計人生を左右する大事な決断なのです。コレクションボックスと頭の中を整理整頓するためにも、今回こそは頑張って「放出」を達成したいと思います( ・`д・´)
ご意見・ご感想