今週のお題「秋の歌」
はてなブログさんの今週のお題「秋の歌」。秋の風物詩的な音色といえば「虫の声」ですよね。日本人なら秋の物悲しさとセットで「心に沁みる」虫の声ですが、何ですか…そもそも虫の鳴き声が聞こえない人種が多いってご存知でしたか?
正確に言うと「音」としては聞こえていても、虫同士がコミュニケーションしている「声」として聞こえているのは、世界中でも日本人とポリネシア人のみなんだそうです。世界では右脳で虫の声を認識する人が圧倒的に多く、左脳で認識する少数派は日本人とポリネシア人だけとのこと。どうやら人種云々に由来する話ではなく、それぞれの母語が言語認識の基本メカニズムに影響して、虫が発生する「音」を「声」と捉える能力が生まれたそうなのですが、めっちゃ面白い話です。
そう言われれば、日本の漫画に使われる「オノマトペ(擬声語)」の豊かさは突出していますよね。それは時代の変化とともに拡張され続けていますし、時には驚くような擬音に出くわすこともあります。漢文の和読のために僧侶の手で開発されたカタカナですが、こうして現代の最先端の音を表現する「文字」として使われているのですから、古から途切れることなく続いてきた日本人の感性の豊かさには驚かされます。お坊さんもビックリしてるはず(*´∀`*)
春に鳥のさえずりを聞き、夏に波打つ音を聞き、秋に虫のおしゃべりを聞き、冬に雪降る音を聞く…よくよく考えたら凄いですよね。そもそも雪の舞い落ちる音ってなんですか?(笑)聞いたことなんてないはずなのになぜか我々日本人は、雪とは「しんしん」と降り積もるものだと知っているのです。どう考えても「しんしん」以外にはないと思えるくらいに。
しつこくてスミマセンが弊ブログはほぼ「腕時計専門」です。ですので、「秋の歌」からの「虫の声」さらに「腕時計」ということでお話を進めたいと思います(;´∀`)
腕時計にお詳しい方なら「どうせアレやろ?」と思われたことでしょうが…まさにアレです(笑)アラームウォッチとして有名なレビュートーメンの「クリケット」でございます(ここでは「Ref.7922001」を基にお話しさせてください)
ルクルトの「メモボックス」と並び称されるアラームウォッチの逸品「クリケット」でございますが、元々はヴァルカン製。後にヴァルカンがレビュートーメンに吸収される形となり、人気のあった「クリケット」はレビュートーメンから販売されるようになります。ケースもダイアルもお洒落ですな。
さて、アラーム音が「コオロギの鳴き声」に似ているとのことで「クリケット」という名前が付けられました。ちなみに中身はアドルフシールド(AS)社製「Cal.AS1930」搭載です。手巻きです。ASとはこりゃまた渋い( ー`дー´)
アメリカ大統領の幾人かが使っていたということもあって「お高いのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、案外安く手に入ります。1990年代製造のユーズドで5~6万円辺りでしょうか。私もいずれは手元に欲しいなぁ~と思ってます(メモボックスとは比較にならないくらい安いですしね)
欲しいと思ってるくらいですから、数年前に実物を見に行って実際にアラームを聞かせてもらったことがあります。お店の方が「鳴らしてみましょうか?」なんて言ってくれるものだから「ぜひぜひ!」となりまして。
「まあまあ大きな音出ますよ」と注意を促されたものの、標準的な日本人の私にすれば「リリリリリリリ…」みたいな可愛い音が多少大きめに出るものと高をくくっていました。ワクワク…(*´∀`*)
「じゃあ鳴らしまーす」
期待に胸踊らせて聞かせてもらった音は、デスメタルのギタリストが前歯で弦を擦ったかのような「ギャギャギャギャギャギャ!!」でした。
「スイスのコオロギ、めっちゃ荒ぶってるやん!?」(;´Д`)
レビュートーメン創業地のコオロギの生態なんて知りませんが、それにしてもな音でした。裏蓋を内部からハンマーのようなもので叩いて出している音だそうですが、これが「コオロギの鳴き声」に聞こえるってのが信じられません。スイスの秋の夜長は「デスメタルの祭典」みたいになってるのでしょうか?
虫の声に情緒を感じるなんて、そんなのは当たり前だと思っていました。しかし「クリケット」の鳴らす「コオロギの鳴き声」を聞いた限り、それは日本人とポリネシア人にのみ与えられた一種の「特殊能力」なのかもしれません。外国人のお友達に自慢しちゃいましょう(*´∀`*)
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