【テレワーク(telework)】とは、勤労形態の一種である。情報通信技術を活用し、時間や場所の制約を受けない柔軟な働き方ができる。テレワークで働く人はテレワーカーと呼ばれる。
テレワーク推進指令
「テレワーク推進指令」なんて見出しを付けると「ウルトラセブン」のサブタイトルみたいですが…(汗)
「新型コロナウイルス」の拡大は、発生当初の予想を遥かに超えて「洒落にならんレベル」に達してしまったような気がします。「小中高校の臨時休校」や「各種イベントの開催自粛」といった政府の要請は、私の長年の記憶を辿っても覚えがない事態です。
追従するように私が所属する組織においても、猛威を振るう「新型コロナウイルス」の影響を最小限に抑えるために、可能な限り各セクションの「テレワーク化」を推進するという通達が出されました。
そんな感じのバタバタが原因で、このブログも久しぶりの更新になりました。本当に公私とも混乱していて「ブログなんて書いてる場合じゃなかった」って感じです。もちろんその鬱々とした期間も、左腕の腕時計に癒やされて頑張ってはいました(;´∀`)
「テレワーク化」については、これまでにも数年に渡って、我々労働者側から会社に対して再三、その可能性を見極め、子育て世代の柔軟な労働を促すように働きかけがなされてきました。
しかし、どこの会社も同じでしょうが「自分の都合ばかりをぶつけてくる面倒くさい社員は、さっさと切り捨てたい」のが本音である会社が許すはずもなく…この討議は長い間棚上げされてきたのです。
それがここにきての「テレワーク化を推し進めよ!」です。準備なんて何もできていません。ゼロです。私でも5秒も考えれば理解できます。「できるわけないじゃん!?」と。
「テレワーク」自体を頭から非難するつもりはありません。個人的には興味すらあります。音楽好きの私からすれば、自分の好きな音楽をBGMに仕事ができる環境は夢のよう。JESSE VAN RULLER(ジェシー・ヴァン・ルーラー)やRoy Hargrove(ロイ・ハーグローブ)みたいな格好いい音楽を聴きながらなら、いつもよりセンスの良い仕事ができるかもしれないですし。
コワーキングスペースを借りて気分を変えるのも楽しそうです。面識のない人が全く違う仕事をしている環境はきっと新鮮な刺激を与えてくれるでしょう。ビジネスチャンスが転がっている可能性だってあるわけですよ。
ところが、現実はそんなに簡単ではないのです。
私も今回のように切羽詰まった状況に追い込まれて初めて「テレワーク」の本当の難しさを理解することができました。まず、「テレワーク」に向いている業務、向いていない業務について、うちの組織をモデルに考えます(いささか乱暴ですがね)
「テレワーク」に向いている業務
ノートパソコン一台で完結するような事務仕事
要するに「文字を記す」ことに特化した業務に従事する人です。ほとんどの書類仕事がそれにあたるでしょう。原稿を書く、企画書を作る、様々な報告書を書く。電話営業なども会社から支給された社有携帯があれば問題ありません。
長期的なスパンで進捗する業務もテレワーク向きです。CADで図面を引く、長考を要する問題に取り組むなど。頻繁な業務連絡を必要としないタイプの仕事なら、雑務を挟まない分、集中してよりよい成果を期待できる可能性があります。
「テレワーク」に向いていない業務(1)
意思の摺り合わせが必要なアイデア仕事
規模の大きな企画など、スポンサーやチームとの打ち合わせを重ねて初めて見えてくるタイプの仕事を「テレワーク」に置き換えるのは不可能です。打ち合わせの妙は相手の「表情を見る」ことにあります。社交辞令や褒め殺しを見抜くためには「その場の空気を読む」こと以上に大事なことはありません。ひとり仕事の「テレワーカー」には無理なことです。
「テレワーク」に向いていない業務(2)
特殊な環境を利用しなければできない仕事
汎用性が乏しい特殊な端末が必要な仕事は、その環境がある場所に行かなければしようがありませんよね。
恐らくそういうガラパゴスな環境でしかできない仕事も世の中にはたくさんあるはずです。これは企業が努力して、構造を含めたワークフローを見直す必要性がある問題です。決して労働者の努力云々でどうにかできるものではないのです。
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私が従事する主な仕事は、会議や打ち合わせなどの「フェースツーフェース」の部分を除けば、かなりの部分を在宅でこなせると思います。
職場で使用している端末やアプリケーションはプロ仕様の物がほとんどですが、それらの導入設計をしたのは私自身です。それも、自宅のPCを実験台にして実用の可否を確かめた上での導入でしたから、私の自宅の環境はほとんど職場の物と変わりません。私個人の事情としては「明日からでもやれ!」と言われたら「イエッサー!( ー`дー´)」と返すことができるのです。
しかし、当然ながら私のように「準備万端」な人はごく少数です。あるかないかもわからない「テレワーク」の可能性のためにあらかじめ身銭を切る人がどこにいますか?
管理の難しさに頭を抱える
「テレワーク」の号令以降、思考停止に陥った人が我社では多数出現しています。「自宅でパジャマ姿のまま仕事ができて、お給料がもらえるなんて最高やん?」みたいに安直に事態を捉える彼らは、恐らく…事の本質に気付いていないのです。それは「テレワーク」での仕事が、出勤して職場で行う仕事よりはるかに難儀で責任を要求される「成果主義」に基づくものになるという事実です。
「テレワーク」は当然のことながら自宅に閉じこもっているわけですから、上司の目を盗んで「好きなように」やれちゃいます。ダラダラするもよし、さっさと終わらせて遊びに行くもよし…です。
しかし、そもそもの「テレワーク」には「個人に高度な裁量権を与える」という前提があります。つまり純粋な「成果」に基づく考査が始まるのです。自分のデスクで、隣の人と適当にくっちゃべっていれば給料がもらえてた人からすれば、これは青天の霹靂かもしれません。
例えば私がテレワーク中の「A君」「B君」「C君」に対してそれぞれ、3つの仕事を与えるとします。3つを5時間以内で完成させて私に送信するように…と指示するとします。
こういう任せ方は今現在の職場では行っていません。私が個人の能力ごとに向き不向きを考えて仕事の難易度と数を調整しています。これが可能なのは、私に業務全体を調整する「裁量権」が付与されているからです。
ところが「テレワーク」が実施されると、「裁量権」は個々人に与えられます。つまり「個人事業主」と同じように「成果評価」という形にせざるを得ないのです。なぜかと言うと、仕事の難易度や数というものが、業務を管理するタイムラインのタスクで簡単に一覧できてしまいます。つまり、誰の目にも「しんどい人」と「楽な人」が可視化されてしまうのです。
もしも私がこれまで通りの「裁量権」をふるって仕事を割り振ったとしましょう。恐らく…3日以内に不平を口にするものが出てくると断言できます。そしてそれは、これまで陰ながら「しんどい思いをしてきた人」でしょう。彼ら自身が気が付いていなかったこと…引かされ続けてきた「貧乏くじ」に気付いてしまうからです。私が恐れているのはまさにコレです。
それでも「デキる人」は自宅でも同じように頑張ってくれると思います。彼らは常に高い意識で自己管理ができているからです。
問題は「デキない人」たちの方です。彼らに対する実負担は確実に増すでしょう。これまで感じたこともない圧力に不満を申し立てたくても、可視化された全体のタスクリストがそれを許してくれなくなります。
彼らはある意味、会社の「余裕の象徴」だったと言えます。彼ら存在は長年にわたり黙認されされてきました。努力してこなかった報いだと冷たく言い放つことは簡単ですが、彼らを彼ら足らしめてきたのは、放ったらかしにした当の「会社」なのです。
誠に残念ながら、彼らのように自己管理の甘い社員が、テレワークのような状況でうまく働けるとは到底思えません。
管理者の私が「今」すべきこと
管理者の私が最初にしなければならないことを考えた時、まず上記に上げた「自己管理能力の高い人」を優先的にテレワークの実験チームに組み込んで、「自己管理能力の低い人」を最後まで現場に留める段階的な移行の策が思い浮かびます。もちろん私自身も最後まで現場に残るつもりです。そうすることで自己管理が下手でストレスに弱い人たちを、ギリギリまで庇護することができると思うからです。
根本的な解決になっていないことは重々承知しています。しかし、軍隊でもない限り全員を「右向け右」で従わせるなんてことは不可能です。それならせめて、私が最後までサポート役に回って、メンツの不安を取り除く働きをしたいと思います。
ぶっちゃけ、仕事の「ゼロから仕上げまで」を一人で完遂するフリーランス時代の経験が豊富な私ですら、様々な不安を感じています。
今このブログを書いている自室で、ひとり黙々と一日10時間以上も仕事をする様を想像してみます。ちなみにお世辞にもきれいとは言えない6畳ほどの洋室です。どこを見回しても「私」の好きな物に溢れています。
知人などは私の部屋を「魔空間」や「コクピット部屋」などと呼びますが、私に刺激を与えてくれる物だけを格納した今の自室は、正直…集中と熟考が必要な仕事に向いた部屋だとは思えません。「誘惑」が強すぎるのです。時計のコレクションだってチラチラと横目に入ってきますし…この部屋で働くという、単純なイメージすら微塵も湧いてこないという状態です(;´Д`)
そんな弱気な状態でフラフラとAmazon探訪をしていたら、トップページに在宅業務をサポートするグッズを集めた「テレワーク特集」なるものを発見しました(@_@)
どんな状況でも、ビジネスチャンスに広げる姿勢はさすがですね(笑)こういうタフさは私も見習いたいです。
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ビジネスチャンスと言えば、昨今の外出を控える風潮から発生した「お籠り需要」は、相当な物かもしれないと感じました。
昨日の仕事帰りに、どうしてもハンバーガーが食べたくなって、大阪なんばの「バーガーキング」に寄ったのですが、珍しく「お持ち帰り客」でごった返していました。
「そうやなぁ…こんな夜はバーキンのワッパーが食いたいわなぁ~」なんてのんきに考えていたアホな私ですが、8人くらいいた彼らの足元をよく見ると…見覚えのある四角いバックパックがゴロゴロ…
バーガーキングの店内にて(左奥に注目)
そう!私以外の「持ち帰り」は全員「ウーバーイーツ」の配達員さんだったのです。あの状況には驚きとともに「フフフ…」と変な笑いが漏れました(笑)まぁ、こんなに大勢の配達員さんを一度に見るなんて、そうはありませんからねぇ~(^_^;)
新型コロナウイルスから発生した「お籠り需要」は、まだまだこれからも賑わうかも知れません。次は私もウーバーでバーキンお願いしてみようかな?
ご意見・ご感想
コメント一覧 (2件)
seikomaticさま。
ウーバー凄いですね!
こんな状況だからこその特需、そのバイタリティーは世の中がこれ以上閉塞しないためにも大切だと思いました。
食事や買物に行きづらい状況で、ますます必要とされるサービスになるかもしれませんね(*´∀`*)
おこもり需要、まちがいなく増えてます。東京でもウーバーチャリがバンバン走ってます。経済損失はすごいことになりそうな昨今、ウーバー系の需要増のようなアイデアが望まれますね。。。