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腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」の法人解散に思うこと

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 ドメイン評価をどーんと下げられ閑散とした「ワードプレス引っ越し後」の現状を思えば、何度かグーグルの「Discover」に拾われて「バズり」なるものを経験した輝かしい日々が懐かしく思い出されます (;´∀`)

 ただ、バズるとめちゃくちゃ嬉しい反面、困ったこともありました。敬愛する読者の方々には絶対に見せたくない「怪しげなコメント」が送られてくるようになるのです (;´Д`)

 はてな時代も今も「腕時計喫茶」に届いたコメントは、私が承認しない限り皆さまの目に触れることはありません。「場の空気が悪くなるコメント」に関しては、申し訳ありませんが非公開の判断を下しています(捨てたりはしません)

 中には腕時計文化と腕時計好き全体を攻撃するようなコメントもありましたが、絶対に看過できません。そう言う嫌なものを見るのは、ぶっちゃけ管理者の私だけで良いのです。

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腕時計を預けてお金を得る??

 そう言えば以前、こんなコメントもありました。「あなたの腕時計、預けるだけで稼げます」的なやつ。もしやアレは巷で大騒ぎになっている「トケマッチ」さんからだったのかなぁ~と気になって確認したら、また別の業者さんでした(まだやってるんやろか??)

 大層な時計は一つも持っていない私ですが、腕時計喫茶の記事をさらっと読めば、数だけは所持しているヤツだと思われているかもしれません(その通りなんですが)そんなわけで、手っ取り早く商談を持ちかける相手としては手頃だったのでしょう (;´∀`)

 この手の商売でのリーディングカンパニーが「トケマッチ」さんだったのでしょうか。私は見ていませんがテレビCMも展開していたんですって?? 知名度も上がってきたところだったでしょうし、そう言った「露出」に信頼を寄せる人も多かったでしょう。まさかまさかの「法人解散」だったはずです。

 預託された「高級腕時計」を商材として「使ってみたい人」「貸す」。初期投資も少なくて済んだでしょう。必要なのは預かった時計を安定的に保管できる場所(火災や自然災害の影響を排除できる環境)と、ECのフロントエンド、データベースくらいでしょうか?? 日に100人規模の顧客なら、捌くスタッフだって少なくて済んだはずです。

 ただ、貸したものを確実に返却してもらうサイクルを作るには、相応の労力と「返さないとヤバい」と思わせるだけの「何か」が必要です。レンタルDVDですら揉めるときは揉めるのです。「高級腕時計の貸し借り」ともなれば、トラブルの大きさは想像を絶したものになるでしょう。

トケマッチ「脆弱なプランとスキーム」

 「腕時計を借りたい!!」欲求と需要があると踏んだからのビジネスだったのは間違いないでしょう。翳りが見え始めたとは言え、未だ健在な高級腕時計ブーム。例えば同列に語られることの多かった「カリトケ」さんの場合、借りて使ってみて気に入ったら「買う」ことができる時計もあるのだとか。ふむふむ。レンタルと言うよりも「お試しありの腕時計販売」と考えた方が良いかもしれません。

 「トケマッチ」さんの場合は、例えその腕時計に愛着が湧いても所詮は「他人さまの持ち物」ですから、絶対に返さなければなりません。小学生のころ、土曜日に預かったうさぎを月曜日にうさぎ舎まで返しに行くときの切ない気持ちを思い出しました。

 どうせ返す時計を一時的に借り受ける… 私自身には利用シーンが思い浮かびませんが、人生のここ一番みたいなときに「良い時計」を着けたいニーズはあるかもしれません。要するに特段腕時計が好きってわけではないけど、時と場合によっては高級腕時計が必要になる可能性がある人にとっては、何やかんやで便利な商売だったのかも知れません。ただ、借りたい人が存在しても、貸してくれる人がいなければ「トケマッチ」さんの商売は成り立ちません。この部分だけでも相当不安定ですよね。何だか自然を相手にしたビジネスみたいだ。

 「トケマッチ」さんの商売を「腕時計を借りたい」人と「貸したい」人の仲介業だと考えると、最初から脆弱なスキームしか描けなかったと言えるかもしれません。借りたい時計の需要と預けてくれる時計のそれが合致するとは思えませんし、借りたい時計がなければ客は寄り付かなくなるに決まっています。例え借りられなくても、その時計のオーナーには使用料が支払われていたみたいな話も聞きましたが、そんなことが安定継続可能なはずはないのです。やはり、当初のプランが甘かったと考えるべきでしょう。

 「借りてもらう客」「預けてくれる客」… 双方を相手にした「二正面作戦」に耐え切れなくなったかどうかは解りませんが、事業継続を断念した事実は変わりません。

「帰責性」の解釈が焦点になるか??

 それにしても「法人」「解散」を先んじて、後はLP一枚残してサヨナラってのは如何なものでしょうか?? 預託されていた最後の一本をオーナーに返却して「無事届きました」の返信を得るまでが最低限の責任の取り方だと思いますし、借りていた方にしても、レンタル期間の満了を待たずに「急遽返却」を求められるわけですから、そもそも「借りた目的を果たせない可能性」も考えられます。その辺りを最後までケアするためにも「法人格の存続」「義務」だったはずです。

 例えばLPに「ユーザー側の帰責牲」についての記述がありましたが、腕時計を預託していた方にしてみれば、最も帰責性を問いたい相手は「トケマッチ」でしょう。損害賠償を行うとありますが、どんな腕時計もその状態を含めて「一点物」の側面があるわけです。賠償金では納得できない方もいらっしゃるかもしれません。

 「トケマッチ」さんこそが民法に従い責任を負わなければならないのは明らかです。しかし、改正民法415条にはこんな項目もありまして…

 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

 解釈によっては「泥棒に入られて盗まれたから返せません」が免責の理由になりかねない感じです。今後揉めるとしたら、この「社会通念に照らして」の件が焦点になるかもしれません。ホント民法のこう言うところが納得できません (;´Д`)

知らない人と高級腕時計をシェアできるか??

 「トケマッチ」さんの預託使用料は腕時計それぞれの評価額で決まっていたそうです。100万円以下の腕時計で月額14900円、100万円から150万円以下の時計で月額19900円が支払われていた模様。

 お金が入る仕組みに関しては興味がありません。ただ「トケマッチ」さんに大切な時計を預託していた人にしてみれば、その心中が巨大な不安で満ちていることは間違いないでしょう。「自分のアレは今何処にあるんだ??」と考え始めたら、私だったら仕事も手に付かなくなると思います。一秒でも早く返して欲しいはずです。

 私は自分の腕時計をとても大切に扱いますが、反面、興味を持ってくれた人にはどんどん触れて欲しいタイプです。「ささ!! 巻いてみ!!」ってな感じで。これまで出会った多くの人の腕に巻いてもらいました。「良いですねこれ!!」「良いでしょ~!!」こんな会話が楽しくて仕方がないのです。

 結婚式の仲人を頼まれた友人に請われて時計を貸したこともあります。見知った相手なら確実に返してくれるはずですし、最初から「イマイチ信用できないヤツ」を排除することも簡単です。

 そんな私でも「知らない人に貸す」は無理です。知らない人はイコール「どんな風に腕時計を扱うのか知らない人」なわけですから、少し想像しただけでも冷や汗が滲みます。自分が借りるのはアリでも貸すのはナシだなぁ… ケチなのかしら、私。

そもそも「時計を預ける」がよく解らない

 私がアホみたいにホイホイと腕時計で散財してしまうのは、まず「その時計が欲しいから」です。それは「使いたいから」と同義であり、そのためには常に私の手元になければなりません。使わなくなった時計があるなら売ればいいだけのことですし、売らずに塩漬けみたいになっているとしたら、それはその時計に未だ未練があるからでしょう。

 ですから「使わない」「売りたくない」の間に「預ける」という選択肢があるのだと知って少なからず困惑しています。大枚はたいて購入した腕時計を「知らない人に貸す」。貸すこと自体は広い心があれば可能かもしれませんが、使いたくなったときに「手元にない」のは、私にとってはどう考えても苦行です。

 「預けたとしても所有者は自分!!」確かにそうなのですが、使いたいときに使えないでモヤモヤする気持ちと、どう折り合いを付ければ良いのかがさっぱり解りません。私には「腕時計を楽しむ時間を無駄にしている」としか思えないのです。

 ほぼ同型の腕時計を何度か「買い直し」した前科がある私ですから「手放すのが惜しい」気持ちは解ります。だからと言って一時的にでも「見ず知らずの人に貸す」のはどう考えても無理。腕時計の扱いに長けた人が借りてくれるならまだしも「どうせ借り物だし!!」と雑な取り扱いを受けていたらと思うと…

 「資産運用」としての預託もあったかもしれません。ただ本格的な運用益を狙うなら、腕時計に費やした数千万円で適当な不動産を買って「賃貸」にでもした方が余程成果が上がる気もします。やはり端から沢山の高級腕時計をお持ちで経済的に余裕のある方が、余り使っていない時計を預託に回した… みたいな利用が多かったのかもしれません。何にせよため息が出るような、庶民には縁遠い話です。

最後に… 預かった時計は全責任を以て返して上げて下さい

 「時間は頂戴するが、預かった腕時計は必ず返却する」「トケマッチ」さんは文書で述べています。いや、そもそも返すのは当たり前です。誠意とか言う以前の問題としてそれは実行されなくてはなりません。

 問題は「それだけで良いのか??」って話。

 例えば「トケマッチで何度も借りられた個体」という履歴が何らかの不利益を生じさせないでしょうか?? シリアルナンバーを控えられて、そのリストがセカンドマーケットに流れたとしたら… ワンオーナーの中古品とは明らかに異なる条件を持つ個体として、差別的に扱われたりしないでしょうか??

 こういったリスクを承知で取引が行われたであろうことは想像に難くありませんし「トケマッチ」さんと「時計を預けた人」の関係は単なる「企業と個人」とは言えないかもしれません。ただ、だからこそ良好な関係の維持に継続的な「利益の供与」が絶対条件だったはずです。突如一方的に契約を破棄された方々の不安を取り除くべく、債務者の「トケマッチ」さんには早期の返却に全力を尽くす義務があります。さらに誠意を見せるつもりがあるなら、戻ってきた時計を「コンプリートメンテナンスに出せるくらいの補償」があっても良いかも知れません。 

追記

 高級腕時計の貸し借りなんて、比較的高いモラルで知られる日本だからこそできる商売だと思っていましたが、改めて調べるとあるんですねぇ海外にも。しかも、何だか凄い規模のレンタルサービスが。

 ちなみに某国の「某高級腕時計レンタルサービス公式サイト」にはこんな一文がありました。要約すると以下のような感じです。

 短い新婚旅行期間中に、現在発売されているすべての時計を楽しんでいただけます。時計に飽きたら私たちに送り返して、新しい時計を手に入れて楽しんでください。それは、何百もの時計で常に拡大し続ける自分だけのコレクションを持つようなもの。減価償却、税金、メンテナンスで数千ドルを失う心配もありません。

 世の中には「自身の所有にこだわらない腕時計との付き合い方」が存在するんですね。「所有」という「欲」を切り離したとして、果たしてそれを「腕時計趣味」と言えるのかは解りませんが、確かに腕時計を身に着けて外出した先で「それってご自分の時計ですか??」なんて聞かれ方はしません。結局、所有するしないに関して拘りを捨てられないのは、私みたいな「腕時計趣味人」としての人格を作ってしまった連中に限られるのかもしれません。

 今後「トケマッチ ショック」で生じた数々の不安要素を払拭できれば、全ての消費者を満足させる腕時計レンタルの新たな「スタンダード」が生まれる可能性だってゼロではありません。海外発のサービスに日本全土が乗っ取られる前に、日本発のサービス誕生に期待したいと思います。

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ご意見・ご感想

コメント一覧 (4件)

  • トケマッチさんはCMやテレビでも紹介されていましたし、シェアリングエコノミー協会にも入会されていましたので、信頼出来ると思っていましたが、残念な幕引きになってしまいました。
    自分も含め、まずは時計が返ってくる事を願うばかりです。
    レンタルは買う前に一度使ってみれるので良いサービスだとは思うのですが、このような事があると貸し手がいなくなり、システムそのものが破綻しそうな勢いです。
    やっぱり使ってみないとわからない点、着け心地や腕に乗せた時のバランスやサイズ感等あると思うのですが…。
    高額な商品はいきなり買うとなると敷居が高いので。。。

    • ののさま。コメントありがとうございます♬

      高額商品お試し着用の機会としては意味があったと思います。
      ただ、サービスを中心とした信頼はもちろん、サービスそのもののがしっかりしていないとこうなりますよねぇ。

      まずは商材である腕時計の確保があってからのサービスでないとしんどいですね(汗)
      大切な腕時計を預託するという「ギャンブル」に見合った報酬だったのかも甚だ疑問です (;´Д`)

  • はじめまして。

    記事を拝読させていただきました。この事件で一番気になるのは、時計を委託した方々の気持ちです。
    もし私だったら、「高額な時計をどこの誰だか分からない人に貸す」という選択はできません。借主がどういう扱いをするのか不明ですし。
    ※そもそも高級時計をもっていませんが・・・
    高級車のレンタカーはどうなのでしょうか?何人もの借主が乗ります。中にはぞんざいに扱う方もいらっしゃると思います。時計も同じだと思います。

    時計を委託した方々は、案外と愛着や偏愛といった気持ちが薄いのかもしれませんね。それとも、高級時計をたくさんお持ちなら、コレクションの下位にある時計には愛着が薄いのでしょうか。

    「トケマッチ」は、計画倒産でしょうか?それとも単なる事業の失敗でしょうか?
    いずれにしても高級時計は資産ですから無事返却されることを願うばかりです。

    • 猫仙人の友達さま。
      コメントありがとうございます♬

      事業停止を公表した前後の動きを考えると、ある程度は計画されたものではなかったかと思います。
      法人の早期解散は、責任が元経営陣の各個人に及ばないよう手を打ったのではないかと。
      推測に過ぎませんが、基盤の弱い企業が潰れるときの常套ではありますね。

      貸す人がいれば借りる人もいる… それに意義を差し挟むつもりはありません。
      冬に一回しか着ないスノボのウエアを借りるのと変わらない「文化」だと思っています。

      ただ私自身は貸せません。
      なけなしでようやく手に入れた時計ばかりですから。

      私が貸し主だったら、心配で不眠症になっちゃいそうです。
      とにかく預託された最後の一本まで持ち主に返却されることを祈ります…

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