発売されたばかりの腕時計には何かしらギラギラした輻射熱のようなものがありますよね。そしてそれを入手する行為は「燃える!」という表現がふさわしいと感じます。
私は何かにつけじっくり見定めたい派なので新製品に無闇に飛びつくタイプではないのですが、それでもたま~に、ハートを撃ち抜かれてしまって財布の紐がスルリと緩んでしまうことがあります。最近ですと…これかなぁ?
シチズン プロマスター LAND GMT(BJ7107-83E)
これを見つけた時はまだ発売前で、それを予約してまで入手したのですからまぁ…ハマったんでしょうね(;´∀`)しばらく小ぶりな時計ばかりを手にしていたので、反動というか意識の逆進が起きたのだと思います。無性にガッツリした時計が欲しくなったわけです。思ったより安かったですしね。
こんな風に新しい時計の中に所有欲を刺激される一本が出てくることは確かにあります。しかし、若かりし頃に比べて「新しいモノが欲しい」という衝動は起きなくなってきました。
「新しい時計」にはそれこそ「新しさ」という価値があるわけですが、色々と自腹を痛めてきて「3年も経てばみんな一緒なのではないか?」という、少々救いのない結論に至りました。それほど高価な時計を持ち合わせているわけではありませんが、恐らくこの「定義」は100万円を越える時計にも当てはまるはずです。
これは決して感覚的でバクっとしたヨタ話ではありません。
自分の手持ちの何本かの新品・中古市場での価格動向推移を観察した際、2017年のバーゼルで発表された時計たちの価格が「ストン」と落ちてきているのが解ったのです。
投資目的で「資産」として腕時計を買っている方なら相当に落ち込むのではないでしょうか?元来、売値に興味のない私にしたところで、そこそこの悲しみを感じているわけですから。
結論というほどのものではありませんが、もしかすると高級時計は新品で買うべきではないのかもしれません。「中古のほうが高くなる」某ブランド以外なら、発売から数年経過した状態の中古市場を探せば、新品とさほど変わらぬコンディションのお目当てが、それこそかなりお得に手に入るはずです。
例えば、バーゼル(BASELWORLD)のような見本市で「これだ!」といった時計を見つけておいて3年、或いは5年後に中古市場を探します。ちょうどオーバーホールの時期にあたるので買い替えなどで手放す人が多くなるタイミングです。
中古を扱うまともな時計専門店なら、日差を計測して問題ありならオーバーホールを施すでしょう。年数的に外装のダメージはあまり気にしなくてもいいでしょうから、オーバーホール済みの状態の良い中古を手に入れる絶好のチャンスと言えます。
また、これは純粋に好みの問題ですが…新製品群の中に欲しいものが見つからないという不遇の年もあります。っていうかありました(泣)
そんな時こそ5年と言わず10年、20年と古い時計を探してみましょう。
私は1990年代のクセの強いデザインの時計が大好きで、ずっと状態の良い個体を探しているモデルがあります。そんな私にとって、腕時計は結局のところデザインなのですが、その時の流行りもあってか、十年のうちの何年かは私の趣味に合わない暗黒時代になってしまいます。
つまりこの場合、「時代の新しさ」が最大のマイナス要因になってしまうのです。
どんなに好きなブランドでも、必ずこういう時期があります。指導的な役割のデザイナーが変わった時、ターゲットにしていた市場が変わってブランド自体が変質してしまった時…デザイン的な流行以外にも大きな変化は訪れます。そして「今は買うべきではないな…」と背を向けてしまったブランドが私にもあります。例えば…
「クロノスイス」です。今のクロノスイスはやたらと華美で好きになれません。もう私みたいなフツーの時計好きからは距離を置いたんだなぁ~と感じる高価過ぎるコレクション展開です。また以前のような「シブ可愛い」趣味に戻って欲しい。今のうちに中古でもう一本、可愛かった頃のレギュレーターを買っておこうかなぁ…(´・ω・`)
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そう!中古はこんな風に「思い出買い」が楽しいのです。私の「TORA」だって、中古で今買えばめっちゃ安いわけで。
腕時計販売を生業にしてる人の多くは、状態の良い中古を手に入れて楽しんでいるそうです。環境的にそりゃあ探せるだろうとは思いますが、きちんと見極める鑑定眼があれば、元値の数分の一の価格でお目当ての高級時計が手に入るかもしれません。
てなわけで私はいま、二本目の「Tudorのサブマリーナ」を探しています。40万円ちょうどくらいで手に入らないかなぁ~(;´∀`)
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う~ん…「もう一声!」
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