消費増税直前にモーリス・ラクロアの「アイコン39mm」を手に入れてから、もうすぐひと月になります。購入直後の高揚感もひとまず落ち着き、ようやく冷静な観察ができるようになってきました。実際に数回使用してみた経験を元に、率直な感想を書きたいと思います。
すっかり「うちの子」として馴染んだ感のある「アイコン39mm」。ラグスポにカテゴライズされる時計をほとんど持っていなかったというのもあって、多数の時計たちの中でも埋没しない存在感を発揮しています。私事ですが、この辺は実際に家に連れて帰れないと解らない部分だったので安心しました。多頭飼いのおうちに新しく仔猫を連れて帰るときの心配に似てるかも?(ΦωΦ)
「ブルーのクル・ド・パリを買おう」という計画は随分前から練っていて、そのトップコンテンダーはジラール・ペルゴの「ロレアート」でした。私でも無理すれば買えるギリギリのお値段。申し分のない質感で所有欲は完璧に満たされるだろうと思っていました。
しかし、そもそも縁が薄かったのか購入には至らず、「青いクル・ド・パリ」に対する思いは、一旦、私の頭から完全に消えてしまいました。
そこに迫る「消費増税」です。増税までに「何かが欲しい」。いや、何かっていうか「時計が欲しい!」。しかしながら、時計以外にも何かと散財してしまっていた私には高い時計など買う余裕はありません。ああ!買えないとなると、余計欲しくなる…
その時、ぼやぁ~んと脳裏に浮かんできたのが「アイコン39mm」でした。半年ほどクオーツクロノグラフのアイコンを買おうかどうしようかと悩んで、一通りの情報には目を通していましたので、「モーリス・ラクロアを買うこと」自体は待機モードに入っていたのです。そして「消費増税」がそのサスペンドな状態を起こした…と( ゚д゚ )
クロノグラフが3針になりクオーツが自動巻きになり、ついでに価格が倍加してしまいましたが、愛しの「青いクル・ド・パリ」がついに手元にやってきたわけです。「消費増税」がなかったら買ってなかったか、と言われれば…どうでしょう?買ってたでしょうね。きっと。
【全体の印象】
今更ながら「39mm」という大きさが絶妙でした。私の手首周囲は「16.5cm」。ずっと貧相な手首だと思ってきましたが、最近では時計販売店のスタッフの方から「太い方ですよ」と言われることが増えました。それだけ日本人男性が華奢になってしまったのか…空手の練習で「拳立て伏せ」を繰り返してきたので案外骨太なのかもしれません(汗)
とにかく、そんな私の手首に「39mm」はジャストサイズでした。ブレスを含めた一体感が強い時計なので、単純な幅で大きさを見当すると失敗する代表格のようなデザインだと思います。
この距離感、この角度からの見た目が「第三者目線」では特に重要です。美しい仕上げも相まってサイズ以上の強烈な存在感があります。「42mm」から3mmのシュリンクは大正解。「これなら!」と膝を打った時計好きは多いと思います。
【ベゼル・ケース】
フラットで幅の広いベゼルにマッシブな印象の6方向のツメ。直線と曲線、多角の見せ方などはかなりジェラルド・ジェンタ的です。ロイヤル・オークとコンステレーションをかけ合わせてなんとなく現代的にしたようなデザインですが、「42mm」の時に感じた間延び感が薄まって、かなり完成度が上がっています。装着時の大きさもそうですが、シュリンクによって得られたデザイン的な緊張感の増加は、「39mm化」の最大の功績だと思います。
【ダイアル・インデックス】
20万円の時計とは思えないギョーシェ「クル・ド・パリ」です。手彫りだったらエライコッチャですが、インデックスとの接合箇所も破綻なく収まっています。色的にはもう少し深い色相でも良かったかなと思いますが、ピラミッドが織りなす影の芸術はとても見栄えがします。
ここまで拡大すると、わずかにハンド(針)が弱いのかなと思います。ダイアルにだいぶ圧されている印象も。ロレアートを見たのでそう思うのかもしれませんが、今後の同シリーズではハンドのデザインのバリエーションを見てみたい気がします。
以前からモーリス・ラクロアの時計に対して気になる部分が一つだけあります。カレンダー関係の「書体」です。アイコンよりずっとお高いレ・クラシックなどにおいても、どういうわけだか書体の頼りないカレンダーが多いのです。ずっとそこだけに「惜しい!」と感じていました。アイコンでもその「頼りない書体のカレンダー」は継承されています。もはや「味」の域なのかもしれませんが。
【ブレスレット・バックル】
しっかり面取りされ細やかなヘアラインが刻まれたコマで構成された吸い付くようなブレス。お世辞抜きで素晴らしい出来です。平面感が物凄くある見た目ですが、肌当たりは丸みがあって、むしろしっとりしています。僅かな面積にポリッシュ面が見えますが、これがデザイン上で効果的なアクセントになっています。「数クラス上」のブレスに匹敵するのは間違いないでしょう。
ダブルフォールディングバックルのこんな場所にまでペルラージュです。初めて見たときは「すげぇ!」と声が出ました。ロックの精度も申し分なしです。
では裏スケからムーブメント関係を。キャリバー「ML115」が見えます。毎時28,800回振動、38時間のパワリザ、26石と、まぁ標準的な性能に収まっています。恐らくはエボーシュをモデファイしたものでしょうが、リューズから伝わるスムーズな挙動で仕上がり具合の良さが解ります。この価格ですから、完全な自社ムーブが載ることを期待するのは酷というものです。
【ムーブメント】
品のいいコートドジュネーブが美しいローターです。ここでも見える板の幾つかにはペルラージュが見えます。裏スケで見せて楽しいムーブメントではありませんが、こういう気概は好ましいですね。
【ブレスをツールフリーで交換】
ブレスのラグ側に小さな「M」マークがついたポッチリが2つありますが、これをつまむだけでカンタンにブレスがケースから外れます。これはよく出来たシステムだと感心しました。慣れればNATO並に素早く交換できるんじゃないかなぁ。恩恵を受けるには、レザーストラップを買うしかないわけですが( ̄ー ̄)ニヤリ
総評ですが、時計マニアの方が現役で気軽に使えるモノをという目線で探すなら、妥協点の少ない良い買い物になると思います。新社会人の皆さんの一本目にも最適でしょうね。G-SHOCK辺りからのステップアップとしては、振り幅も大きくて面白いと思います。上質ですから、少しくらい気取った席でも恥ずかしくありません。
小型化したことで唯一とも言える弱点を克服した感のある「アイコン39mm」。機械式時計の入り口として相応しい価格設定にもかかわらず、贅沢過ぎる仕様の数々でお買い得感は抜群です。
「アイコン39mm」は入荷した途端に捌けていく人気商品ですが、これでクロノの小型化も進めば、更なる人気シリーズになるのは間違いないと思います。今後の展開からも目が離せません(∩´∀`)∩
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ブロンズケースもグッときます( ´∀`)b
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クロノも機会があれば…欲しい(*ノω・*)
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