以前、「鉄ちゃん(鉄道マニア)」の方と鉄道の話に及んだ際に言われた言葉が、ずーっとノドの奥の小骨のように引っかかっています。本日はそんなお話。
小学生の頃に鉄道にハマっていた私は、近所に福知山線が走っていたこともあって、引き込み線のディーゼル車やコンテナ車を見に行くのが日課でした。子どもですから写真を撮ったりするわけでもなく、ただ見てるだけ。
なので子どもの頃のアイドルは俄然「DD51」。他には「EF65」も好きでした。今でも電車が走ると目が追ってしまう…好きなんでしょうね。元来メカメカしいのが。
そんな感じで幼い頃の記憶も織り交ぜながら、「鉄道好き」であることを件の「鉄ちゃん」に伝えた私。喜んでくれるかと思いきや、ほぼ真逆の反応で返されてしまいました。
「あー、その程度で【鉄道好き】とか言わないでくれる?」
「( ゚д゚)あ、はい…すみません」そう返すしかなかった私。まぁ、全体的に「薄い」話しかできなかったのでアレなんですが、「マニア」を公言したわけでもないですし、そないに冷たく返さんでもいいのに…と悲しい気持ちになったのを覚えています。
似たような反応でいうと、これも「地雷中の地雷」、ガンダム(ファースト)のエピソードについての思い出を、私の仲間内では有名な「ガンオタ(ガンダムオタク)」に語った際のこと。
「上辺だけで語られると、イラッとしますよ」
「( ゚д゚)え?あ、悪い…」ここでもこんな返ししかできなかった私。今なら冷静に分析できますが、鉄道にしろガンダムにしろ、「素人に汚されたくないマニアの聖域」があるのだと思います。その時のリアクションは、そんな大切な拠り所を「異物(この場合私のこと)」に汚されたと感じて嫌悪感で満たされたのでしょう。純粋な「マニア」の潔癖な反応だと思います。
ただ、いろんなことに「薄く広く」興味が尽きない、私みたいな人間もいるわけです。薄いからといって、その「好き」が偽物かと言えば断じてそんなことはないのです。新幹線に乗るときには毎度毎度、子供のように心が踊りますし、ガンダム(ファースト)の名シーンを記憶の中で何度でもリピートできるくらいは、「好き」なわけです。それも立派な「好き」じゃないですか?
「おれの「好き」とおまえの「好き」を一緒にするな!」と言いたいのだと思うのですが、同じものを好きな仲間同士の中で、わざわざくだらないカーストを作る神経が私には理解できません。
「腕時計好き」の中にも確かにそういう「上下を作る」風潮はあります。特に目に余るのは販売と結託したメディアが、「売りたい」モデルばかりをしつこく特集したり、「今このくらい持ってないヤツは負け組」みたいなランキングを無責任に作ることです。特に欧州と比べて成熟していない日本の腕時計市場においては、そういう幼稚なメディアのあり方が最大の「悪貨」だと思います。
所詮は「個人の趣味」であるというスタンスこそ、何度も繰り返し後ろを振り返るつもりで確認しなければならない基本姿勢だと思います。「オレは何日も休みを潰して、この一枚の鉄道写真を撮ってきたんだ」とか「オレがガンプラに今まで幾ら使ったか知ってますか?」とか、本質的にはどうでも良いことなのです。「報われたいから苦労も合わせて称賛して欲しい」と思った時点でマニアはお終いだと思います。誰にも理解されなくても、「自分の満足」があれば良いのです。
時計で言えば、「ランゲ1」と「G-SHOCK」では「ランゲの方が高価」なのは揺るがない事実です。しかし、どちらが「良い時計か?」については答えられる人はいないでしょう。同じように、オーナーの優劣も付けられるわけもなく、ましてやそれぞれの「好き」については尚更です。「ランゲ1の方が高いから、金銭的犠牲を払ってる分、より尊い」かと言われたら、それは間違ってるとしか言えません。人生を賭けるような「好き」も、もっとカジュアルな「好き」も、他人から見れば大差ないわけです。
「オレのほうが凄い!」とマウントしてくる人はいます。確かにいます。正直、どこか関わりのない並行世界でやっててほしいと思いますが、それも「好き」の多様性の一つであることは確か。絶対に正解とは言えないその考え方も、完全に排除するのは間違いなような気がします。雑味がない世界は面白みに欠けるでしょうしね。
最近は「熱すぎるマニア」に捕まった時はこう言って躱すようにしています。
「広く浅くでスミマセン(汗)」
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ご意見・ご感想
コメント一覧 (2件)
シロツメ様、コメントありがとうございます。私も腕時計の長く深い沼歴史からしましたら、ニワカもニワカです(汗)
そうそう!知識のレベルとか問題じゃないんですよ。失敗して「情弱」とか言われてもそれすら楽しめればOKくらいに考えたほうが楽ですよね♪
知識のある人は広い心で後から来る人の道標にならなきゃダメだと思います。趣味の世界も一種のマーケット。そうやって広げていかなきゃ。
こんにちは。
耳が痛い話ですね。私のようなニワカマニアは、基本ネットと書籍情報の受け売りでしかありません。実物を触る体験も多少ありますけど。コアなマニアは私のブログを読んでイラッとしてるのでしょうね(笑)底辺のマニアで構いません。
愉しめるなら知識度合いなんてどうでもいいです。マニアのお約束よりも、欲しいモノを手に入れてワクワクドキドキできるほうが大事だと思います。知識がある人が話を合わせてくれるとカッコいいですよね。私もそんな余裕があるマニアになりたいです。