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「安物買い」の覚悟

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現在は、エントリークラスのブランドのエントリーモデルしか持っていません。

 

しかし以前は、「ロイヤルオーク」を一本、所有していました。景気の良かった時代に見栄を張って大盤振る舞いで買った高級時計でしたので、購入から5~6年でメンテナンスに出したりして、大切に扱っていました。そして東京から大阪に引越した際、大阪で初めてのメンテを「某有名百貨店」にお願いすべく、リペアコーナーのスタッフさんに相談したときのことです。その時のやりとりは、私の腕時計愛好家としてのスタンスを決めたできごととしてよく覚えています。

 

その百貨店には各ショップとは別に、修理専門のスタッフが常駐するカウンターがあって、真っ直ぐそこに向かいました。その時は以前東京でメンテをお願いした時の明細やら証明書(保証書)やらは持参していましたが、当のロイヤルオークは持っていきませんでした。その日は小雨だったのでG-SHOCKを着けていて、別の時計を携帯する丁度いいケースを持っていなかった私は、「料金やら納期やら聴いてから時計本体を持ってこよう」と思っていました。

 

修理カウンターのスタッフさんを見つけるやいなや、「ロイヤルオークのメンテをお願いしたいんですが、見積もり願いますか?」と尋ねた私。ですが、次の返答でぶっちゃけ「舐められてる」のが解ってしまいました。

 

「ロイヤルオーク?オーデマ・ピゲのロイヤルオークですか?

 

他にどんなロイヤルオークがあるのか知りませんが、私は淡々と型番を伝えて知りたい情報を引き出すべく、内心「ムッと」していたにも拘らず、あくまで「お願いする」姿勢で会話を続けました。しかし、スタッフさんの動きがめちゃくちゃ悪い。明らかに面倒くさそうなのです。「あなたみたいな人がロイヤルオークねぇ…」そんな感じの心の声がだだ漏れでした。

 

確かにテロテロのシャツにヨレヨレのジーンズ姿の私はオーデマ・ピゲの所有者には見えなかったでしょう。左手には凡百のG-SHOCKです。私だって腕時計を買いに来たのなら、もう少し小綺麗なスタイルでやってきたでしょう。でも、その日は所詮、修理の話をしにきただけです。

 

修理にはその時の価格が細かく表示された台帳みたいな印刷物があるはずですが、全然出そうともしてくれません。しばらくすると別のお客さんの方に話をしにいってしまったので、「これは『帰ってくれ!』という意思表示かな?」とも思いました。

 

「まぁ、こんな恰好で、こんなG-SHOCKで来たオレが悪いんや…」と思って、帰ろうとしたときに、やっと思い出しました。そうだ!前の修理の時の証明書、持ってきてるやないかい!と。

 

おとなしく他のお客さんの用事(受け取り)が終わるのを待った私は、先程のスタッフさんに証明書を見せました。「これも見せたほうがいいですかね?」と。

 

すると、手のひらを返すような丁寧な対応に激変。ここまで変わるか!とこちらが戸惑うほどにです。テキパキと必要な資料を提示してくれた後、概算の修理代金と本国への輸送費合計を数パターン、メモすることができました。

 

この時の経験で勉強させてもらったことは多かったと思います。まず、「私というキャラクターにオーデマ・ピゲのイメージはない」ということ。当然、パテックやヴァシュロンでも同じでしょう。以前にも書きましたが、身に着けるものに関して言えば、「似合う似合わない」の判定は完全に第三者に委ねられるものです。

 

 

思い出すのは以前、とある有名コメディアンがTVで毎日のように着ていたブランド服について、そのブランドのオーナーデザイナーが「できれば、彼のような人に着てもらいたくはない」と漏らした一言。週刊誌で読んだと思うのですが、ブランドイメージを守りたいという思いを考えると、「確かにあの人に愛用されても逆効果だな」と妙に納得できました。私もTVを見ながら「似合ってない服着てるよな~」とずっと思ってましたから。私とオーデマ・ピゲの関係も他人から見ればそんな感じなのかもな~と思いました。

 

「人間の格」というものがございますが、少なくともその頃の私にはオーデマ・ピゲを着こなす格がありませんでした。まぁ、ピゲ以上の時計をポンポン買えるわけもなく、そこまで深刻に考える話ではないのですが、それ以降、私は自分の身の丈にあった腕時計の愛し方を考えるようになりました。それが現在の「エントリークラス専」というポジションです。

https://www.instagram.com/p/BwbUBlJHyFY/OPロゴで、「エントリークラスです♪」と潔くアピールするラジオミールさん。

 

経済的な無理しないレベルで、多くのブランドの遺伝子に触れるためにエントリーモデルを購入すること。高級モデルを着けた時のような他人様の反応は得られませんが、私には先のピゲの経験があります。「高級品を着けても、所詮、私には似合わない」のですから、私の腕時計趣味は間違っても「ドヤれる」類のものではないということです。あくまで自己満足の世界を突き進む。自分のセンスとパッションだけを信じて、それでコケたら自業自得。恨みっこなしよ!というわけです。

 

失敗してもそれすら愉しみネタにする姿勢がないと、コレクション趣味はしんどいだけです。「時計に金を払ってるんじゃない、経験に金を払っているんだ!」という矜持とスタンスがあれば、安物買いでも充実した気持ちになれると信じる次第です。

 

 

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ご意見・ご感想

コメント一覧 (2件)

  • IWCオートマチック36の記事からやってきました。初書き込み失礼を致します。私も最近36を購入しまして、普段使いでは気に入って使っています。
    私も中野の有名時計店にチープカシオ(サイクリングで行ったので・・)を付けていったときにH・モーザーを試着したのですが私だけお茶無しでした(笑)ちょっと嫌な気分ですよね、記事を読んでいて思い出してしまいました。面白い記事が多いのでまた来させて頂きたく思います♪

  • はじめまして!パンダさま。
    お茶なしの体験談には凄まじいシンパシーを感じています。落ち込みますよね~(汗)
    36は地味ですがDJに匹敵する素晴らしい時計だと思っています。ナイスチョイスです!
    私はロイヤルオークの一件以降、高級時計店にカシオをしていくのは避けるようになりました。あれが流儀だというなら、こちらが寄せていこうかと思いまして(笑)
    今は解りやすい時計好きの皮をかぶって買い物しています。
    またこちらのブログにもいらしてくださいね(*´∇`)

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