当たり前だけど、機械式が好きだ。
「機械式にあらずんば、腕時計にあらず」と肩肘張って思っていた時期もあった。しかし、機械式もクオーツも電波ソーラーもそれぞれに良し悪しがある。「どれが一番優れているか」みたいな不毛な主張ではなく、クオーツでも構わない時計、むしろクオーツが最高な時計とは何ぞやについて考えてみる。
「日差がぁー」とか「月差がぁー」とか、そういう野暮はもういいだろうと思う。「正確な時計が最高の時計」と言うなら、はるか昔に勝負はついている。「クロノメーター規格」なんてものもそれを言い出したら茶番としか言いようがない。
今はクオーツのクロノメーターもあるようだが、所詮は「検査しましたから安心して使ってください」というお墨付きに過ぎない。その辺のジェネリックムーブメントでも当たりを引けばクロノメーター合格品顔負けということもある。一日に何分も遅れたら流石に心もとないが、クオーツなら恐らく故障でも起こさない限りそんなことはない訳で。
機械式腕時計は使うための準備に手間がかかる。朝が弱すぎる私は、次の日の服装を頭の中で上下コーディネートした上で使う時計を選び、機械式の場合は日付と時刻をあわせてゼンマイを巻き上げる。
この準備を結構な頻度で忘れることがある。布団に潜った時点で「あっ」と気が付くのだが、「明日でいいや」となる。機械式腕時計好きにあるまじき性分だ。
そんな時だ。「クオーツだったら、夜の準備と朝の煩わしさから解放されるだろうか」などと考えてしまうのは。真っ当なコレクターの方なら「覚悟が足らん」と怒られるだろうか。確かに私の覚悟はゆるめ。
「バタバタする朝の秘密兵器」を求めて、評判のいいクオーツ時計を調べた数ヶ月。一時は「GS」熱が頂点まで高まったこともあった。しかし、正解の書かれたあんちょこを見ながら期末テストを受けるような気まずさを感じて断念。GSなら間違いないけど、正解が「王道すぎる」と、天の邪鬼の私は面白くないと感じるらしい(今後どうなるかは解らない)
結局、ブローバのムーンウォッチを買ったりしてみたが、あれはクオーツでも脇役を勤めるタイプではない。言うなれば「主役級」のキャストだろう。主役というのは舞台を選ぶものだ。構成要素の「中心が主役」なのだから、当然と言えば当然か。
腕時計の「舞台」は、身に着ける「人」。服装を含めた全体の要素だ。主役を配役しても舞台がそぐわなければ、台無しになりかねない。朝のバタバタの中でそこまで気をつかえるか…(実際に「やってしもたぁー(;´Д`)」な日もあった)
では、忙しい朝にストレスを加えてこない「ひっそり」と何にでも合わせるクオーツ時計とは…
[カシオ]CASIO 腕時計 オシアナス CLASSIC LINE Bluetooth 搭載 電波ソーラー OCW-T200S-2AJF メンズ
- 出版社/メーカー: CASIO(カシオ)
- 発売日: 2019/04/12
- メディア: 時計
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CASIOの最高級ライン「オシアナス」その3針はどうだろうか?発売されたてホヤホヤの一本だが、「完全にツボ」。ずっと「ダサい」と敬遠していたオシアナスを欲しいと思う日が来るとは…。でもこれは相当にカッコいい3針。それでいて柔らかい雰囲気。しかもクオーツどころか高性能電波ソーラーだもん。
機械式を使いまくって味わいまくると、今度はクオーツが魅力的に映るなんて意外だが、甘いものと辛いものを交互に食べるような禁断の楽しみが始まってしまったのかもしれない。エンドレスで、エターナルでエブリシング・イービルだ(ロスインゴ的な意味で)
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