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庶民の私が「無謀にも夢見る」高級腕時計

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「確実に買える時計」を語ることにストレスはありません。実体としての時計に実体としての自分のお財布がガッチリ紐づいている状態ですからね。後はその気になってその紐を引っ張るか切るかすれば良いのです。買いたいタイミングで買えば良いですし、「やっぱやーめた!!」でも良いでしょう。

また「どう足掻いても買えない時計」を語ることにもストレスは生じません。例えるなら子供が「大きくなったらウルトラマンになる!!」と言っているのと同じ。謂わば完全無欠の夢物語。聞かされた方も「また言うてるわ~」ってなもんです。例えばこの私が「リシャール・ミルが欲しい!!」なんて言ったところで、誰も真剣に聞いてはくれないでしょう (;´Д`)

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身を焦がすのは「無理したら手に入る時計」

では「無理したら買えちゃいそうな時計」ならどうでしょうか?? 個人的にはこれが一番身を焦がします。断崖絶壁の崖っぷちで、手を伸ばせばギリギリ届くかも知れない白百合。限界を越えた頑張りの先にある眩しい勲章…

「絶対に無理とは言えない場所」にある腕時計に心を奪われた瞬間、普段の腕時計趣味では感じることのない多種多様な感情に捉われるはずです。それは「もしかしたら」の希望に「身の程知らずかもしれない」と感じる戸惑い。「確実に後悔するかもしれない」という暗い予感に、未知の「達成感」を得られるかも知れないという楽観…

腕時計を趣味とする者として、こういう話をするのは本当に恥ずかしいことです。どう考えたって、SNSでしれっと「昨日これ買ったんだけど~」なんて報告するのが一番クールなのです。例え購入の瞬間まで血の出るような倹約でお金を貯めたとしても、そんなことはお首にも出さず「サラッと」リストショットを出すのが最高に格好良いはずですし、そのように実践している人がほとんどだと思います (;´∀`)

「高嶺の花」のご開帳

しかしながら今回のワタクシは自ら進んで「いらぬ恥をかこう」と決めました。半ば無理を承知で、庶民の私が高級腕時計を手に入れる「ミクロン単位の可能性」について詳らかにするつもりなのです。要するに、身の程知らずな「高嶺の花のご開帳」ですな。

夢を見るのは個人の勝手とはいえ、明らかに無謀な夢は巷で嘲笑のネタになりかねません。無謀さで言えば、パンツ一丁でハロウィンの渋谷の交差点に赴き、下手くそな佐渡おけさを踊るようなものでしょうか??

酔狂にもこのような「大恥」をかいてみせる理由は一つ。こうでもしないと、大きな目標に向かって走り出す気力が湧いてこないのです。

私の場合、年齢から言って「腕時計最高!!」なんて言っていられるのは、長くてあと15年だと考えています。当然、私の腕時計趣味はすでに「エピローグ」に突入しているはずですし、残りの年数で後悔を残さないよう、今後の身の振り方を考える必要があります。要するに、今が買いそびれや憧れの品にトライする「ラストチャンス」ではないかと。

私にとっては「超高級品」であるアレや、似合わないと決めつけて背を向けたアレなんかのことも、もう一度真剣に検討する必要があるのではないか… その起爆剤として今回、進んで「恥」をかこうと思ったわけです。そうすることで自然と自分自身を崖っぷちに追い込むことになるでしょう。少々格好良く言えば「退路を断つ」意味があるとお考えください。

腕時計馬鹿は高級腕時計の夢を見るか??

「買えもせんのに、こいつアホやな!!」と言われても仕方がない大層な時計ばかりですが、細かいことには目を瞑ってご笑納下さいますと幸いです(笑)

取り敢えず、実物に触れないと話が始まりませんので、3連休の真ん中にポカンと空いた時間を利用して、腕時計野郎どもの「魂の故郷」「中野ブロードウェイ3F」にお邪魔しました。

さぁ~て、終末的な雰囲気を盛り上げるために「ヴァンゲリス」でも鳴らしましょうかね(意味が解った人は同志です)  それでは「無謀な腕時計」1本目参りましょう。デケデケデケデケデケデケデケデケ…

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オフショア ダイバー(15720ST.OO.A052CA.01)」

(15720ST.OO.A052CA.01)

そもそも、何で今更このモデルに惹かれるのか… 自分でも謎なんです。確かに私には「ロイヤル オーク」オーナーだった時代がありますから「次は『オフショア』だ!!」 みたいな気持ちが、年月を経て湧いてきても不思議ではないかもしれません。ただそれでも、時代を考えると「かなり今更なチョイス」ですよね??

一つ言えることは「ロイヤル オーク」を手放そうかどうしようか迷っていた期間、その売却益を原資に「次はどんな時計を買おうか??」と候補で迷っていた中に、件の「オフショア」も含まれていたのです。「ロイヤル オーク」を手放した理由は「自分には似合わないから」でしたが、スポーツウォッチ然とした「オフショア」なら、その時分のラフな服装にも「難なく似合うのではないか??」と考えた… ような気がします。うろ覚えですが。

改めて今の感覚で見ても、私は「オフショア」のデザインの方が好みです。巨大なボルトのようなボリューム感に細部の繊細な仕上げ。ラグジュアリーと野生がバランスを取って並び立つ様は、まるで立ち食いで高級フレンチを食すが如き「究極のアンビバレンツ」(*´ω`*)

デザインの基本コードは「ロイヤル オーク」そのもののはずですが、個体としては全く別物に見える絶対的な「個性」。その点に関していえば、雲上に存在する時計たちの中でも突出した存在ではないかと思います。

中古の価格的には、300万円中盤から500万円辺りで買える「3針のオフショア」… 事もなげにサラッと言ってしまいましたが、庶民の私にとってはとんでもない出費ですからね?? 本来ならこの頭に思い浮かべるだけで罪深い時計ですよ (;´∀`)

(15720ST.OO.A052CA.01)

サイズ的にはもっと無謀な挑戦かもしれません。老化が進む己を顧みない「暴挙」と言っても良いくらいです。そもそも購入できたとしても、それほど活躍の機会を与えられない可能性もあります。デカい時計には些か免疫のある私ですが、多分そうなります (;´Д`)

でもねぇ…  例えウォッチボックスの肥やしになっても良いから欲しいんですよねぇ。こんな感じの「奇妙な果実」が… (;´∀`)

※ちなみに今回の写真は全て「中野ブロードウェイ3F 某店」さんの許可を得て、撮影させていただきました。めっちゃコンディションの良い時計が揃ってます。あ、ヨダレが… (;´∀`)

ブレゲ「マリーンⅡ ラージ デイト(5817ST)」

出典:https://www.chrono24.jp/

この地上には数え切れない腕時計ブランドが存在しますが、消費者の視界に入ることを許された時計はさほど多くはありません。コレクターの頭の中に住み着いて、夜な夜なリアルな欲望をかき乱す時計となると、さらにその数は少なくなります。

過日、ブレゲ所有者の某氏との会話の中で、こんな偶然がありました。「そう言えば… そのうちアレが欲しいんですよねぇ。え~っと、ブレゲの… 」と某氏。

そんな告白を拝聴しながら、私自身も朧気に自分の狙っている腕時計について想いを巡らせました。ブレゲかぁ… 一本くらい手元に欲しいよなぁ。ブレゲなぁ… ブレゲ!?

そう言えばワタクシ、今年に入ってからず~っと「欲しいブレゲ」があるんです。そのモデルは「マリーンⅡ」。ってなわけで、某氏の発言を遮るように、いや、実際はほぼ同時に口に出したのです。「マリーンⅡ!!」と (;´∀`)

まさかの「マリーンⅡ」被り。二人とも「現行マリーン」よりも旧作である「マリーンⅡ」に心惹かれていたのです。細かい点で「ここがこうだからマリーンⅡの方が好き」みたいな話はしませんでした。ですが私には解りました。要するに「マリーンⅡ」の方が、現行のマリーンよりも単純に「ブレゲっぽい」のです。

そもそも、ブレゲの時計デザインには幾つかの「絶対的な意匠」がありますから、それをなぞれば、どこのメーカーであっても簡単に「ブレゲ風」の時計が作れてしまいます。私も持ってたっけなぁ… 「ブレゲ風」

Rotary のこれだ!!(笑)

そんなわけで、オリジナルであるはずのブレゲさん側が「差別化」を考えなければならない事態に追い込まれているフシがあるのです。それくらい「ブレゲ風」の意匠をまとった時計が数多く存在しているということですね。

現行マリーンのデザイン要素自体は、腕時計界隈ではすでに一般名詞化されたに等しいクラシカルなものです。ただ、総まとめの部分で目指した方向性はかなり先鋭的で、所謂「ブレゲのイメージ」からは離れたものになっています。

これは第三世代(良い響きだゼァ!!)のマリーンが発表された「2018年」の時代感も大きく影響していると思います。ネオ・クラシック的なデザインで各ブランドが「ラグスポ攻勢」を仕掛ける中、ブレゲにしたところで大人しく静観しているわけにはいかなかったでしょう。

そうして、これまでのブレゲの流儀に加え、より戦闘力のあるデザインを模索した結果が、現行のマリーンだと思います。

ただ「ブレゲの… 」と考えると、やはり拭いきれない違和感があります。特に「ブレゲのスポーツモデルが欲しいんだ!!」と気合いの入った方ほど「ブレゲの薄い」現行モデルに対して、何らかの拒否反応を示すかもしれません。

現行マリーンは3針とクロノグラフで大きく印象の変わる時計です。私個人の好みを言えば断然クロノグラフ。アシンメトリーのサブダイヤル配置に、伝説の「NO.160(マリー・アントワネット)」に繋がる何かを感じるからです。やっぱり血脈を感じるポイントは抑えておきたいかなぁ~ (;´∀`)

(5817ST)
(5817ST)
(5817ST)

※今回拝見したのはマーベラスなコンディションのブレゲ「マリーン クロノグラフ(5527TI/G2/9WV)」。むむむ… クロノグラフはアリやな ( ー`дー´)

ちなみに、私自身はタイプXXを持っていたことがあります。だからでしょうかねぇ… 次のブレゲは「ブレゲ成分濃いめ」のブレゲが良いと思っています。

そう言う意味ではクラシックでも良いのですが、私という人間には綺麗すぎて眩しすぎるのです。

「マリーンⅡ」を中古で探すと200万円前後。庶民にはちょいとヘビーな夢ですなぁ (;´Д`)

ヴァシュロン コンスタンタン「オーヴァーシーズ クロノグラフ(49140/423A-8886)」

(49140/423A-8886)

これも気持ちはマリーンに近いかもしれません。要するに現行モデルのデザインよりも旧作のデザインが好みなのです (*´∀`*)

特に初代のコンセプト。私の目には「初代オーバーシーズ」が、まるで「古代遺跡」のように特別な物に見えるのです。現行モデルは「今の世相に刺さる時計を目指した」結果で間違いないと思いますが、初代は「永久不変」を目指したのではないかとさえ思える、超越的で分厚い意匠をまとっています。

何より「初代 オーバーシーズ」の凄いところは、3針とクロノグラフの双方に「全く同じ印象を持てる」ところでしょうか。

所謂「腕時計あるある」の一つですが、「クロノが欲しいけど、3針の方が完成度が高いんだよなぁ~ 」みたいなお悩みが生じること… ありますよね?? この「初代オーバーシーズ」ならそんな心配とは無縁。どちらを選んでも100%の出力で、オーバーシーズという時計本来の趣旨をあじわうことができるからです。

(49140/423A-8886)

今回も含めて何度も腕に載せさせてもらいましたし、言い切っちゃっても良いでしょう。この先、何度も振り返りが行われ、最も長く評価され続けるのは「初代オーバーシーズ」で間違いないはずです。実物に触れたお陰で、改めてそのことを確認することができました。

それにしても… めちゃくちゃ格好良かったなぁ~ (*´∀`*)

ランゲ&ゾーネ「サクソニア アウトサイズ デイト(381.031/LSLS3814AG)」

シンメトリックデザインで「ビッグデイト」を楽しめる「サクソニア アウトサイズ デイト」。ダメだ… 美しすぎる。これも間違いなく解脱ものですねぇ (*´∀`*)

(381.031/LSLS3814AG)

これだけの高級時計でありながら「ランゲ&ゾーネ」の時計に共通する恐ろしさは吸い付くような「しっくり性能」でしょうね。自分でも思いましたもん。ワシ、似合ってるやんって… (;´∀`)

もちろんとんでもないお値段ですから、似合おうが似合うまいが目標にするには些かしんどい時計です。ですがホント… 見る間に馴染んでいく。スイスの高級時計はどれもこれも「ツンッ!!」としたところがあって、それがまた大目標に相応しかったりするのですが、ドイツだからでしょうかねぇ… ある意味スイスを凌駕するもの凄い時計でありながら、どこか牧歌的なんです。どうやらそれはドイツの最高峰である「ランゲ&ゾーネ」にも当てはまるようです。

(381.031/LSLS3814AG)
(381.031/LSLS3814AG)

ランゲで「ビッグデイト」といえば、アレも良いよなぁ~と思っています。「ランゲマティック デイト(308.027)」「サクソニア アウトサイズ デイト」と瓜二つの時計ですが、「ランゲマティック デイト」のムーブメント「L921.4」「マイクロローター」なんですよねぇ… (*´∀`*)

スワンネックにチラネジテンプ、おまけにマイクロローターですからね。少し古めのモデルとはいえ「大三元」を狙うなら「ランゲマティック」かなぁ~とも思っています。う~ん… これは悩ましい (;´Д`)

【別腹】パテック フィリップ「カラトラバ(Ref.5196G-001)」

出典:https://www.chrono24.jp/

「カラトラバが手に入ったら悟り切ってしまうかもしれない」… と本気で想像している私。もしも… もしもですよ?? 最初の最初が「カラトラバ」だったら、私の腕時計趣味はそこが終点だったかもしれません。

ですので、今回の計画の中に「カラトラバ」を入れる気はないんです。しっかり意識して外しました。だってまだ、終わりたくないんだもん。

それに、「カラトラバ」は人生の最後の最後に買うべき時計だと考えているのです。いずれ、加齢とともに使わなくなるであろうコレクションを整理したお金で、その時流通している「カラトラバ」を手に入れる。きっとこれといった興奮も感じず、泰然とした心持ちのまま私は思うことでしょう。「自分もようやくここまで来たか… 」と。

連載小説の最後に、作家が記す「完」の一文字。私にとって「カラトラバ」はそういう時計なのです。まぁ、そんなに遠い未来の話でもないですしね (;´∀`)

最後に… 庶民にも夢を見る時間は必要だ

ってなわけで、今回はワタクシの「無謀な夢の一端」を披露させていただきました。所詮は庶民の戯言ではございますが、お金持ちの皆さまには「アホやなぁ~」と楽しんでいただけたら幸いです。

今回は一応「現実的な枠」を決めて探しに行きましたから、「買えもしない」或いは「買う気もない」時とは気合のノリが違いました。その辺りはお店の方にもガッツリ伝わっていたのでしょう。とても気持ちよく、見たい時計を存分に見ることができました。親身になって下さったブロードウェイのお店には感謝ですね(マリーンⅡ不在だけが残念でした)

まだ計画の発動までには時間がありますし、仕事も忙しくなるのですぐに購入とは参りませんが、他の候補をもう一度精査してから、中野なり銀座なりに繰り出すつもりです。折角の機会ですからね。この時間を目一杯楽しもうと思います (*´∀`*)

まてよ??… 組み合わせによっては「2本行ける」可能性もあるのか… ?? 新日本プロレスの暗黒時代を支え、今なお現役を続ける永田選手に倣って、私も久々のシュートに挑む心構えを示したいと思います。「良いんだね?? 行っちゃって!!」と。

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ご意見・ご感想

コメント一覧 (2件)

  • 砂布巾さん
    こんばんわ、黒海月です。
    やっぱり、欲しいですね〜。いったん諦めたとはいえ、一生に一度は雲上を手に入れたいとの想いは尽きませんね。
    確かに、腕時計を着けるのも現役で仕事している期間と考えれば、残された時間は思ったより少ない気もします。
    後悔のない時計ライフを過ごしたいものです。
    雲上の夢を見るのはタダかなぁ。

  • 黒海月さま。
    諦めたくせに、後ろ髪引っ張られまくって後頭部がヤバい砂布巾です(笑)
    すでに結構な歳ですし、最後にドカンとデカい花火を上げたいところですが… 問題は先立つものなんですよねぇ(汗)
    良いアルバイトないかなぁ~??(笑)

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