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スヌーピー付き『ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ』に「4万6200円」の価値はあるか??

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 ネタ切れの感もある「ムーンスウォッチ」ですから、いずれはここに至るのではないかと想像はしていました。ただそれが、今回のニューモデル「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」みたいな形で同時にやってくるとは… これには正直、驚いています。

 オメガ スピードマスター プロフェッショナル「ムーン ウォッチ」にとって、大切なアイコンキャラクターである「スヌーピー」の登場。そしてもう一つ… 「ムーンスウォッチ」初となる「ムーンフェイズ」の搭載という二つのエポック (*´∀`*)

 「345.0809」に始まり「3576.50」など、ふと思い出したかのように「ムーンフェイズ モデル」をリリースしてきた「スピードマスター プロフェッショナル」ですから、ネタに困ったムーンスウォッチが「お月さんに頼る」のは時間の問題だったかもしれません。恐らくは多くの「スピーディー マニア」にとって、それは「想定の範囲内」だったはずです。

 驚くべきは、そこに「スヌーピー」を合わせてきたことでしょう。ムーンフェイズにしてもスヌーピーにしても、恐らくはスウォッチサイドに最初からあった手札だと想像できますが、その「虎の子」を混ぜて出してくると予想できた人は少なかったと思います。その辺の報道管制は巧みですからね。スウォッチさん。

 そして写真で見る限り、実際に出来上がった新作「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」「ダブル インパクト」は絶大でした。苦労の末に「ミッション・トゥ・ザ・サン」を購入して、一旦は落ち着いたはずの私の「物欲」でしたが、今また感じる狂おしいまでの渇き… 始まるのかもしれませんね。いつ終わるともしれぬ「スウォッチストア詣で」が、再び (;´Д`)

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そもそも今の若い人って『スヌーピー』を知ってるの??

出典:https://www.swatch.com/

 チャールズ M シュルツが生み出したキャラクターとしての「スヌーピー」は、1950年に登場して以来、未だにバリバリの現役として活躍し続けています。ところで、お若い世代の方で「スヌーピーのコミックスを読んだことがある方」って、どのくらいいらっしゃいますかね?? かつての大ブームの際に作られた映画でボロボロに泣いた経験がある方なんて、ほとんどおられないですよね??

主役は「チャーリー ブラウン」なのさ

 日本で起きた「スヌーピー ブーム」で言いますと、私の少し上の世代くらいが「ど真ん中」だったと思います。親戚のおねーちゃんに連れられて観た「スヌーピー映画」は妙にセンチメンタルで考えさせられる内容だったと記憶。

 ちなみに映画を観ても漫画を読んでも、感情移入の対象はスヌーピーではなく、その飼い主(?)のチャーリー ブラウンでした。全てに不器用なチャーリーの生き方を、スタイリッシュなビーグル犬であるスヌーピーがシニカルな言動で茶化したり、時には優しく慰めたり… リアルタイムなアメリカの世相の中で、ルーシーやライナス、ペパーミント パティら「濃すぎる友人キャラ」が、子供らしからぬ大人びた考え方でクスッとさせてくれるのが、スヌーピーたちが活躍するコミック「ピーナッツ」の世界でした。

教科書だった「スヌーピー」

 私の場合、小学生の頃に通っていた英会話教室の「推薦図書」「ピーナッツ」でしたので、否応なしに読んでいた感じです。英語の原文と日本語訳が同じページに載っていて、英会話教室のレスター先生からは「日本語訳を隠して読みなサーイ!!」と指導された記憶があります。記憶が曖昧ですけど。

 ですので、私にとって「スヌーピー(ピーナッツ)」は教科書でした。ただ、小学生に漫画を渡して「勉強しろ」は酷です(笑) 結局、私の英語力はほとんど向上せず、その代わりに会得したのが、スヌーピーとウッドストックをソラで描く特殊能力でした(今でも描けますぜ)

 表面上のキャラクターとしては「犬小屋の屋根の上で寝る」ゆるキャラにしか見えないスヌーピーです。しかし、一度でも「ピーナッツ コミックス」に触れたことのある方ならば、スヌーピーというビーグル犬が醸し出す「存在としての孤高」を感じるはずです。

 禁酒法時代に想いを馳せ、ルートビアの味に厳しく言及し、自らを大戦の撃墜王になぞらえ、ピーナッツバターのサンドイッチにうんざりしちゃう「犬キャラ」なんて、世界に彼しかいないのですから。

「真っ白」のスピーディー(もどき)はズルいでしょう!!

出典:https://www.swatch.com/

 「ムーンスウォッチ」というプロダクトに、ここまで「白」が似合うとは思っていませんでした。そしてここまで「強くなる」とも思っていませんでした。

 テーマ別に様々なカラーリングが与えられてきた「ムーンスウォッチ」ですが「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」の報に接した瞬間思いました。「何という視覚的な強さか!!」と。

 デザイナーの常識でお話しさせてもらえるなら、この世界で「最も強い色」「黒」「白」なのです。単純なサイネージを最も効果的にデザインするなら「白地に黒文字」「黒地に白文字」が最強なのは間違いありません。

 問題は「強い」「目立つ」が異なるファクターであるという点です。デザインの「強い」は単体自体が持つ特徴ですが「目立つ」とは「環境との相関要因」なのです。例えば私が日常生活、特に仕事場で着ける「ミッション・トゥ・ザ・サン」は無類の目立ち方をしますが、環境自体が真っ黄色だったりする場所ではどうでしょうか?? 埋没しますよね??

 派手で目立つデザインはそれほど難しくはありません。彩度の高い補色同士をシンプルに組み合わせれば良いだけ。ところが「強いデザイン」を目指すとなると途端に難易度が上がるのです。

「白」を選択した英断

 そして「黒」ではなく「白」を選んだことも英断でした。ちなみに白いプロダクトには二つの相反する要素があります。一つは「上品さ」、もう一つは「安っぽさ」。そうなんです。下手するとめちゃくちゃ安っぽくなっちゃうのです。ですが少なくとも写真で「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」を見る限りでは、それなりの上品さを感じる仕上がりになっていると思いました。ふぅ… (;´∀`)

 何より今回の「白」には意味があります。だってスヌーピーは「白い犬」なんですもん。耳と鼻だけがポツンと黒いだけで、例えカラーイラストであっても「孤高の白さ」で存在感を際立たせるスヌーピー。彼の被毛に倣っての「白」だと考えれば「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」の白はある意味「必然の白」だと思います。きちんとした意味があれば、デザインは強くなるのです。

「白と黒」が獲得した潔さ

 潔いデザインといえば、なんと言っても「バウハウス」です。機能主義を体系的にまとめた「デザイン哲学」を範に形を成した多くのプロダクト。それらが発表から数十年を経ても何ら色焦ることなく存在し続ける事実。要するにどれだけ時間が経とうとも、バウハウスのプロダクトは常に「最新」なのです。これを魔法と言わずしてどうしますか??

 私は今回の「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」に、バウハウス的な「不変と普遍」を見ました。誰がどの角度から見てもこのモデルの印象は変わらないでしょう。雨の日も晴れの日も、嬉しい日も悲しい日も変わらないでしょう。ニュアンスをとことん排除した白いキャンバスに精緻に、しかし簡潔に記されたインデックス要素には、解釈の必要も余地もないのです。

 ここまで書いてきてようやく、私自身も完全に理解できました。「解釈の余地がない」… だからこそ「厳しく」「強い」デザインなのです。仮にですが、このモデルに「スヌーピーがいなかったら」… 相当にクールで取っ付きにくいプロダクトになっていたでしょうね。

小さな「スヌーピー」が全てをまる~く収める

出典:https://www.swatch.com/

 だからか!? と思いましたね。だからこそ、本来なら手札として2回に分けて切るべき勝負カードを、一度の勝負で出してきたんですよ。きっと。

 初物のムーンフェイズではあっても、それだけなら「白いムーンフェイズ?? はぁ~ん」で終わっていた可能性もあります。って言うか、多分私はそうなってました。

 スヌーピーが鎮座する2時位置のカウンター。この部分を写真で見たとき、すぐに「勝負あった!!」と思いましたね。だってここだけが異様に「可愛い」から。

 そしてこの「可愛さ」こそがこの「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」の心臓なのです。研ぎ澄まされた「モード」に近い緊張感を持ち、何となく取っ付きにくい「真っ白なクロノグラフ」に、小さなスヌーピーが住み着く「ムーンフェイズ」を合わせることで発動した「反転術式」の意味。

 デザイン的ルサンチマンとでも言うべき、そのわずかな作用が生み出す「味変」は見事の一言。同じく真っ白なスピードマスターである「ホワイト サイド オブ ザ ムーン」と比較しても、私の目にはこの「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」の方が印象的に見えます。スウォッチのデザイナーさん、マジで凄いのかもしれません。

「ナイトライトなしでは眠れない!!」 

出典:https://www.swatch.com/

 ブラックライトを当てると浮かび上がる「I can’t sleep without a night light !」のメッセージ。これはピーナッツのコミックからの引用だそうです。私も子供の頃に見ていた可能性が高いわけですが… ライナスの毛布の件もありますし「イマイチ大人になりきれない大人に向けて」みたいな意味合いかなぁ~と想像しつつ、ついでにこのムーンフェイズの周辺だけが「青く光っている」ことに気が付きました。インデックスなんかは「緑」なんですよね。

 ところで最近、一つのダイヤル内で複数の蓄光塗料を使い分けている時計を何本か見ましたが、最近の流行りなんでしょうかね?? 蓄光業界で何らかのパラダイムシフトが起きつつあるのか!?

 ちなみにこちらのスヌーピーは実際の月の位相が変化する29.5日を表現しているそうです。運良く手に入れた方は毎日毎日確認して、その都度ニヤニヤして下さい (*´ω`*)

OMEGA X SWATCH「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」とは、行列に並んでまで買うべき時計なのか??

 最終的には個人個人の想いの強さ次第でしょうが、少なくとも私自身にはその価値がある気がします。その理由を何となくまとめてみました。

極端にシンプルな白黒モデルだから、手持ちの時計と被らない(はず)

たまには「ムーンフェイズ」を買っても良いだろう

「スヌーピー」が好きだから

「ウッドストック」も好きだから(笑)

 もちろん、腕時計としての完成度も相変わらず高いわけですが、今回はさらに「スヌーピー」というキャラクター性もそこに加味されました。故に行列の価値は少なからずあると思います。

 私が30歳代で体力に満ち溢れていたあの頃ならば、転売屋さんに混じって荒天下で並んだってへっちゃらだったでしょう。好きなことには不思議な力が沸いてくる… 皆さんも同じではないでしょうか??

 ですがねぇ… もう大概な歳なんですよ。並べば必ず買えるというならワンチャンありかもしれませんが、ぶっちゃけ勝ち目の薄い勝負事で体力使うのはもう… キツいんですわ。膝もヤバいですし。

 なのでワタクシとしましては、膝に負担をかけずに済むよう「お店に行けば買える」ようになるまで待ちたいと思います。大人ですもん。分別盛りですもん。まぁ… たまたま渋谷にいて、たまたまスペイン坂を下っていたなら行くと思いますけどね。スウォッチストア (;´∀`)

余計な期待を抱かなければ「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」で後悔することもないはず

出典:https://www.swatch.com/

 ブランパン × スウォッチ の登場もあって、何となく薄まっていた「オメガ × スウォッチ」の存在感ですが「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」の登場は、まるで電気ショックのように効果的な蘇生を促すかもしれません。確かにこれまでの「針だけチェンジ作戦」で引っ張るのは限界だったでしょうからね。

 その証拠に私なんかは「うわっ!! マジで!!」と呻いちゃったわけですよ。それも通勤電車の中で。この反応が全てじゃないでしょうか (;´∀`)

 そもそもどれだけ良くできていても「スウォッチ」なのですから、理由はどうであれ、ある程度の年数で朽ち果てるんです。お世辞にも長い年数をかけて、コツコツとコレクションするに相応しい時計とは言えません。余計な期待まで背負わせないことです。

 そういうものなんです。スウォッチさんの時計は。陽炎のように短い時間をともに過ごし、後々「そう言えば、あのスウォッチ復刻しないかなぁ~」なんて思い出すくらいが正しい付き合い方なのです。単純に「今欲しいか、今使いたいか」だけで、買うか買わないかを判断して構わない時計だと思います。

 その点、今回の「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」は解りやすいこと山のごとしです。スヌーピーが大好きで、白いアクセサリーみたいなものがお好きな方なら「100%買い」でしょう。スウォッチ史上初のムーンフェイズ付きクロノグラフという価値もありますし、あとはお財布と相談して、大枚「4万6200円」が出せるかの判断だけです。

ならば「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」に「4万6200円」の価値はあるのか??

出典:https://www.swatch.com/

 「4万6200円」… 実際、安くないですよ。私自身も含めてですが、よ~く考えるべきでしょうね。まず「本当に必要かどうか??」を思案してみましょう。

 あなたが「スヌーピー大好きっ子」ならば「4万6200円」を出す価値は十分にあります。そもそもファンというものは進んで養分になってナンボですからね(笑)

 小洒落たクロノグラフが欲しいなぁ~みたいなあなたにも「4万6200円」を捻り出す価値があるかも知れません。恐らくは初でしょうから。小洒落たムーン スウォッチなんて。

 また、これまで余り腕時計を使ってこなかった方の最初の腕時計としても、良い選択肢かもしれません。毎日身に着けたら、あっという間に減価償却ですしね (*´∀`*)

 逆にすでにかなりの本数の腕時計をお持ちで、折角の「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」にも余り出番を与えて上げれそうにない方にとっては、少々もったいない出費になるかもしれません。例え肥やしになっても欲しい!! みたいに揺るがぬ意志をお持ちなら止めません(笑)

 前述しましたが、コレクションに向いた時計ではないでしょう。使わずにしまい込んでいたら「加水分解して粉吹いてた」… なんて可能性も否定できません。参考までに、私が過去に購入したスウォッチの時計は、残らず加水分解してしまいました(Bioceramic が同じ憂き目に会うかは解りませんが…)

 ですから「新鮮なうち(?)」に使い倒すのであれば、注目の流行りものでもありますし「4万6200円」の価格が特段高価だとは思いません。人気の腕時計を使っている自分に酔いしれながら、短い命と割り切って使い倒す… この辺りを解っている方にとってみれば「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」は中々に「絶妙なお値段」にも思えてきます。

 あ、転売で釣り上げられた価格は「ミッション・トゥ・ザ・ムーンフェイズ」とは関係ありませんからね。「◯◯◯◯で10万円もしたのにこのザマかよ!!」なんて苦情は通りませんから、くれぐれもそんな連中から購入しませんように (;´Д`)

 発売は3月26日から。スウォッチストアでのみ購入可能です。時計は面白いのに、毎度売り方がねぇ… 荒れるのかしら、やっぱり(汗)

MISSION TO THE MOONPHASE SO33W700

ケース素材Bioceramic
ケース直径42.00 mm
ケース厚さ13.75 mm
ラグ間の距離47.30 mm
ムーブメントクォーツ式 ムーンフェイズ表示機能付きクロノグラフ
防水3気圧
ストラップVELCRO®

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