少し痩せるだけでビックリするほど可愛くなったり、イケメンになったりする人がいますよね?? もちろん、そう言う人は元々の素材が良かったりするのですが… 例えば私なんかが痩せたところで、ぶっちゃけ「洋服の選択肢が増える」くらいのメリットしかないわけです。だからいまいちモチベーションが上がらず、いつまで経っても「つけ麺の大盛り」を止めることができません。ちなみに私は断然「ひや盛り派」でございます。あ、チャーシュー追加でお願いしますね (´・ω・`)
サイズ次第で美しく化ける時計もある
昨今の腕時計のダイエット… 小径化は、身に着けた際にコンパクトに収まる「スマートさの獲得」を目的にしたものだと思います。要するに「シュッとしたリスト」の方がお洒落で格好良いと考えられているのです。
全身のコーディネートとして考えても、小さな時計の適応力の高さは無視できません。相当に異形な時計であっても、物理的に小さければ全身の印象に及ぼす影響は小さく、故に全体としての纏まりを得やすいのです。終日身に着けるアイテムである腕時計ですから、総重量の軽さも間違いなく大きなメリットです。
小径化がデザインの完成度に及ぼす影響は、ある意味衝撃的です。ほんの少し小さくなっただけで「見違えるように美人になった」時計も少なくありません。今回取り上げる時計… 私が今春の発表からずっと右脳の片隅で気にしている、4色揃った「タグ・ホイヤー カレラ デイト」もその一つです (*´∀`*)
毎日の「時計選び」は実に難しい
もう10年以上前になりますか… 初めての「カレラ」(クロノグラフ CV2010)を購入した私(懐かしいなぁ… )。購入直後こそ嬉々として使っていたわけですが、次第に利用機会が激減、半年も経った頃には時計ケースの「居残り常連」みたいなポジションに収まってしまいました。決して魅力を感じなくなったとか、そう言うことではないんです。ただ、今思えば「敢えてカレラでなければならない理由が見付からなかった」からかもしれません。他にも似たような時計が幾つかあって、それらと比較したときに「勝つ要素」が見当たらなかったのです。
それでもしばらくの期間は手放さず「タグ・ホイヤーは何か持ってるん??」と聞かれたときに「カレラやったら持ってまっせ~」と答えるためだけにキープしていました。何だか未練がましいなぁ… (汗)
さて、その日に身に着ける腕時計の選択基準ですが、私の場合はまず「大切な人と会うか」を考えます。立場も年齢も相手が上位だった場合、無闇に高級感のある時計や誰もが知る高級ブランドの時計は候補から外します。チクリと指摘される機会が数回あったからです。
「腕時計好き」と会う予定がある場合は、高級時計よりも「オモロイ時計」を選択することが多いと思います。「それ持ってる人初めて見た!!」って言われる瞬間が一番楽しいですからね。
「特に何もない日」なら自由に好きな時計を使える… と思うじゃないですか?? 実は何も予定がない日、それもウイークデーの時計って何を使うべきか、めっちゃ悩むんですよ。感覚で選んでも構わないはずなのに、感覚で選ぶと結構な確率で外しちゃうのです (;´Д`)
高級?? それとも庶民的?? タグ・ホイヤーの不思議
恐らく「CV2010」を含めた3本くらいの陣容で使い回すなら、それこそ大車輪で活躍したと思うんです。ところが、10年前ですでにかなりの大所帯だった私のコレクションの中では、残念なことに埋没してしまいました (;´Д`)
そもそも私とタグ・ホイヤーさんの間には表現しづらい「すれ違い」が多く、カレラもそうですが「モナコ」に至っては買っては手放し、また買っては手放しを繰り返したというアホみたいな歴史がございます。明確な理由などないのに、どうしても「両想い」になれなかったのです。
無理矢理ロジカルに振り返って理由を考えるなら、一つには「人によって大きく異なる印象を抱くブランド」であることが影響したのかもしれません。例えば大切な人の前に出る際、失礼にならないように「良い時計を着けよう」とした場合、タグ・ホイヤーさんは「可」でもあり「不可」でもあるのです。有名ブランドだけど、若い人向けというイメージが強く、ここ一番の場面では些か「軽い」。
反対に「高そうな時計を避けよう」とした場合、これまたタグ・ホイヤーさんの立ち位置は微妙です。若者向け、ビギナー向けのイメージはあってもそこは「スイスの高級ブランド」。見る人によっては「生意気に舶来なんか着けやがって!!」となります。そうなんです。そういう意味では「どうすりゃええねん!?」的なブランドなんですよね (;´∀`)
カレラの3針は「若者向け」なのか??
とは言え、タグ・ホイヤーさんの作る時計… 特に「カレラ シリーズ」は見るからに使い易そうで、私もことあるごとに「今度こそ… カレラなのか!!」と心に決めて手に取ったことがあります。良いんですよ?? 凄いんですよ?? 特に近年のタグ・ホイヤーさんは細部の仕上げの向上で高級感を増していますから、比較的手に取りやすい価格も相まって非常に魅力的なのです。それなのに、最後のモナコを手放して以降、タグ・ホイヤーの時計とは縁が結べないでいる私。最後の一押しを得られないのは何故なんでしょ??… 誰か教えて下さい。
私の中の「カレラ」のイメージは、終始一貫「クロノグラフ」なのですが、時たま見知らぬ誰かが身に着ける「3針モデル」を拝見すると、毎回心が躍るのです。シンプルなのにとにかく目立つ。しかも格好良い!! で、当然ながらブティックで自分の手首に載せたこともあるわけですが… あれ?? 何か違う。この違和感は一体何なのだろう…
違和感の正体にはさすがの私もすぐに気が付きました。要するにオッサンには「若すぎる」のです。決して暴れん坊なデザインではないですし、どちらかと言えばバーインデックスで楚々とした顔立ちです。ただ、手首と触れ合った瞬間、そこに目に見えないジェネレーション ギャップを感じました。クラシカルな中に僅かに感じる「尖ったニュアンス」… 若者向けと呼ばれる所以はこれか?? 購入を見送った理由はそんなところです。
恐らくはもっと小ぶりなサイズであれば、全く違う印象で着けこなせるはずだと思いましたが、目の前の「幅41ミリ」をどうこうできるはずもなく、私と「3針カレラ」の縁は失われた… かに見えました。しかし!! そうではなかった!! 幅広い層に刺さる可能性を秘めた、正に「理想とする3針カレラ」がやってきたのです (*´∀`*)
小さくなって世界観が爆発!! 36ミリの「カレラ」
デザイナーとしては誠に恥ずかしいことですが、私は「カレラ」に共通するデザインコードをそれほど重要視していませんでした。デザインコードが見えづらいシリーズであることは確かなのですが、新作として「幅36ミリ」に小型化された「カレラ」を拝見した瞬間、その「意図」みたいなものがハッキリと見えたのです。それはタグ・ホイヤーさんが「カレラ」というシンプルな時計に込めた「世界観」のようなもの。小さなパーツの配置と集積を「流行とは無縁の形」でトータル パッケージ化したその手腕が、初めて明確に伝わってきたのです。長年の宿題に、ようやく答え合わせができたような気がしています。
ってなわけで、私と「タグ・ホイヤー カレラ」との間でひっそりと行なわれた「答え合わせの内容」を開示していきたいと思います。「小さな時計の流行に反逆するぜ!!」みたいな記事を書いたばかりで恐縮ですが、要するに私は「小さい時計」も「大きい時計」も大好きなのでした。いやぁ… 節操なくてホンマに申し訳ない!! (;´∀`)
小さくなったメリット
①余白感が消え「密度を増したダイヤル」
これまで「3針カレラ」のデザインで不満に感じていた「ダイヤルの余白」が、良い感じで解消されました。ダイヤル上の各要素が接近したことで視覚の緊張感が生まれ、結果として「41ミリのカレラ デイデイト」や「39ミリのカレラ デイト」よりも「高密度で強いダイヤル」になっています。
相対的に広く見えるダイヤルの見返しも「カレラ デイト(36ミリ)」の特徴の一つでしょう。他のサイズのモデルよりも印象的に見えるのは、このバランスに寄るところが大きいと思います。
②一体感が増した「ブレスレットとケース」
小型化により、一層密接な関係になった「ブレスレット」と「ケース」。結果としてとても現代的なシルエットに生まれ変わりました。トータルデザインとしての完成度が上がったことで、ラグスポに近い、より上品な印象になったと思います。「クールさ」と「キュートさ」を兼ね備えた佇まいで、大人の装身具としてのレベルも数段アップしました。
③際立つ「針の存在感」
小型化により「針」の印象が相対的に強くなりました。針は時計の顔の中で「眉」にあたりますから、眼力を増したも同じ。視認性も同様に高くなっていると思います。
相変わらず針の仕上げは素晴らしいですから、美麗な針が目立つのはウエルカムではないでしょうか??
④男性が着ければハイセンスな装い、女性が着ければ外しの効いた遊び心を感じさせる「絶妙なサイズ感」
タグ・ホイヤー公式ではどちらかと言えば「女性用」にカテゴライズされている「カレラ デイト(36ミリ)」ですが、当然ながら男性が使っても問題のないサイズ… って言うか、今男性が着けて一番格好良く見られるサイズがこの辺りだと思います。特に日本人の体格なら、男性が身に着けて何の問題もありません。既婚の方なら、ご夫婦で「カレラ デイト(36ミリ)」をシェアすることも可能でしょう。小さくなって「美人化」したことで、大幅に活用できるシーンが増えたわけです。
惜しむらくは「クイック リリース タイプ」のブレスレットであれば、尚良かったと思います。旦那さまがブレスレット、奥さまがストラップみたいな「楽しい使い分け」もできたはずなので…
潔いほど「攻めたカラー展開」
昨今の「カラーダイヤルの流行」に関して言えば、私自身は少々冷めた目で見ているところがあります。特に「ターコイズ」や「アイスブルー」のダイヤルに対しては、正直「もう… ええから」とさえ思います。あ!! 誤解のないようにお願いしますね?? 欲しいか欲しくないかで言えば、欲しいに決まってますから (;´∀`)
そんな私なんですが「カレラ デイト(36ミリ)」の色展開には、かなりの好印象を持ちました。最初に3色(シルバー、ブルー、グリーン)が発表されて、最後に現れたのが「ピンク」ですよ?? しかも「どピンク」。
ちょこちょこアーカイブ掘り起こしに手を出すとは言え、タグ・ホイヤーさんは基本的には「攻撃型のブランド」だと思いますし、その辺りの「攻めの姿勢」が「カレラ デイト(36ミリ)」の色展開にも現れたのだと思います。攻めるブランド… 大好きです (*´∀`*)
ってなわけで、現時点(2023年7月)でのカラーバリエーションを整理しておきましょうね (*´ω`*)
カレラ デイト (シルバー・グレー) WBN2310.BA0001
カラー名としては「シルバー(グレー)」とありますが、実際はゴールドの針やインデックスを合わせた「コンビネーション」だと思います。ドレス寄りのシルバーダイヤルであっても、タグ・ホイヤーというブランドが持つ「ポップなセンス」が随所に見られるため、カジュアルでラフな服装に合わせても、何ら問題はないでしょう。
シンプルな第一印象から次第に「遊びのニュアンス」が伝わってくる辺り、ニクいデザインです (*´∀`*)
カレラ デイト (ブルー) WBN2311.BA0001
「ブルー」ですが、こちらも素直にコンビネーションと考えるべきでしょう。派手目のブルーダイヤルにさらなる色気を与えるゴールド。袖口にしれっとエロティックな雰囲気を出したいなら、選ぶべきはこれだと思います。お若い方が好んで着る「細身のスーツスタイル」にも間違いなく合いそうです!! (*´ω`*)
カレラ デイト (グリーン) WBN2312.BA0001
解りますか?? この「グリーン」の場合、ゴールドの役割はダイヤルのグリーンに落ち着きを与えることに留まっているのです。どちらかと言うと安っぽい感じで発色する「ダイヤルのグリーン」が、ゴールドのパーツがそっと寄り添うことで「派手さを緩和」し、可愛らしい雰囲気に纏まっていると思います。
グリーンのダイヤルって、流行っている割にはどのブランドの時計からも、未だ「正解が見えない」ところがあって、時計のダイヤルに使うには何とも奥の深い色だなぁ~と常々思っています。ですがこの「カレラ デイト(36ミリ)」のグリーンは、かなり良いところ… 「核心に近付いた」ように見えるのです。そういう意味でも、個人的には「グリーン」が一番好きですねぇ (*´∀`*)
カレラ デイト (ピンク) WBN2313.BA0001
ある意味、4色で最後に発表されたこの色が「真打ち」だと思います。「ピンク」… 懐かしい呼び方をすれば「ショッキング・ピンク」ってやつです。
36ミリ幅のケースでピンク色のダイヤルとくれば、ラインナップの中で最も女性向けのプロダクトだと思われるかもしれませんが… そうじゃない!! これこそ、分別の備わった「大人の男性」が使って、一番面白くなる時計ではないかと。
コレクションの3本目辺りでこのモデルをローテーションに組み込めば、日々の気分転換にピッタリの一本になると思います。ビシッと決めたダーク系のスーツに合わせれば、メチャクチャ「印象的な袖口」が作れるはずです (*´∀`*)
悩ましいのはその「価格」
良いでしょ?? めっちゃ欲しくなっちゃうでしょ?? でもちょっと待って!! お値段は見ておいて下さい。えっと… 「39万6000円」です。昔のカレラのお値段を覚えている方なら、きっと… ((((;゚Д゚)))) ←こんな感じですよね??(汗) まぁ… これも時代なんですけどねぇ。高級ブランドとしてはかなり頑張って堪えてくれている方ですが、タグ・ホイヤーさんだってジワジワと価格改定は行ってきました。
「キャリバー 7」で… っていうのも引っかかる方は多いかもしれません。「ETA 2892-A2」或いは「Sellita SW300-1」ベースですもんね。「エボーシュ ベースで何でやねん??」 かもしれません。ですが、キャリバー16搭載の「カレラ クロノグラフ(CBK2112.BA0715)」が「58万3000円」ですから、まぁそんなもんかもしれんなぁ~とも思います (;´Д`)
エボーシュ ベースのムーブメントを使ったモデルの淘汰が進む高級ブランドですが、全部が全部マニュファクチュール搭載になってしまったら、例えタグ・ホイヤーさんでも、50万を切る価格で3針を提供することは難しくなるでしょう。そういう意味で「カレラ デイト(36ミリ)」は「今だから手に入るタグ・ホイヤー」かもしれないのです。
最後に… タグ・ホイヤーはダサいのか??
時に「モール ウォッチ」と揶揄されたかと思えば、最先端の高級ブランドとして持ち上げられるという、摩訶不思議な立ち位置にいるタグ・ホイヤーさん。「若者向け」と言われたり「初心者向け」と言われたり、商売の邪魔になるイメージを植え付けられがちなポジションで、何かと損をしている気の毒なブランドだと思います。
Googleさんのサジェストでも「ダサい」だの「恥ずかしい」だの、根拠のない中傷が散見されますが、今回お見せした「カレラ デイト(36ミリ)」はダサいですか?? 恥ずかしいですか?? それってメガネ曇っていませんか?? (;´Д`)
確かに、タグ・ホイヤーさんのコレクション全体を俯瞰すると、評価の割れそうな「微妙なモデル」も見受けられます。ですが、ここ数年でタグ・ホイヤーさんのコレクションはかなり魅力的になりました。以前「アクア レーサー」を取り上げて書きましたが、あれだって近作になって劇的に魅力を増したコレクションの一つです。
間違いなく最近のタグ・ホイヤーさんには勢いがあります。戦略が明確になって、ビギナー向けとマニア向けのラインを再構築している途上にあります。そして2023年、年齢層を問わず性別すらも超越し、「ボーダーレス」で「ダイバーシティー」なタイムピース「カレラ デイト(36ミリ)」が登場したのです。
この小さくてシンプルな3針カレラは、今後のタグ・ホイヤーの屋台骨を支えるロングセラー シリーズになるかもしれません。注目しましょう!! (*´∀`*)
カレラ デイト(36ミリ)共通仕様
【ケース】サイズ 36 mm 防水性 50 m 素材 スティール製 サテン/ポリッシュ仕上げ ベゼル 固定式ベゼル スティール製 リューズ スティール製 ケースバック サファイア – スティール製 【ストラップ&ブレスレット】素材 スティール製 仕上げ サテン/ポリッシュ仕上げ バックル フォールディングバックル プッシュボタン – スティール製 【ダイヤル カラー】シルバー(グレー)、ブルー、グリーン、ピンク 【ムーブメント】キャリバー キャリバー7自動巻 ムーブメント 自動巻ウォッチ パワーリザーブ 56時間 機能 時, 分, 秒, 日付
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