多くの腕時計愛好家が予想した通りでした。「Blancpain(ブランパン)」そして「Fifty Fathoms(フィフティ・ファゾムス)」でしたね (;´∀`)
何が?? って「Bioceramic MoonSwatch(オメガ スウォッチ)」に続くスウォッチさんのオマージュ コレクションがですよ。その名も「BIOCERAMIC SCUBA FIFTY FATHOMSコレクション(Blancpain X Swatch)」。
私にしても予測の範囲内ではありました。けれど、私の心中は些か複雑なのです。恐らく、腕時計愛好家の方の多くが、同様の心持ちで「Blancpain X Swatch(ブランパン スウォッチ)」の報に触れたことでしょう。今回はその辺りの心境を急ぎ纏めたいと思います。サクッと短く書きますね!!(汗)
発売日の9月9日(本日か!!) 全国のスウォッチ直営店に並ぶつもりの皆々さま。誠にご苦労さまです!! 悪天候が予想されますがどうかご無理のないように…
※続編もございます。
「スウォッチ」が選んだ2人目のアイドル「フィフティ ファゾムス(Blancpain Fifty Fathoms)」
想像はしていました。スウォッチ・グループ傘下のブランドを俯瞰したとき、「オメガの次」を順当に考えたら、そりゃあもう、「ブランパン」しかないのです。
「ブレゲ」は何だか恐れ多いし、「グラスヒュッテ オリジナル」は腕時計にお詳しい方以外「何それ??」でしょう。「ジャケ・ドロー」は作りが面倒くさそうだし、「ロンジン」や「ラドー」からモチーフを引っ張ってくるのは微妙すぎます。それ以下のレンジだと、そもそもオマージュする意味が薄いですからね (;´Д`)
となると自動的に「プレステージ&ラグジュアリー」のレンジから「ブランパン」を引っ張り出すことになります。私がスウォッチの企画担当者でも同様の企画書を提出するはずです。
それに幸か不幸か、オメガの「ムーンウォッチ」同様に、スウォッチ側がモチーフにしやすい「アイドル ウォッチ」が「ブランパン」にもあったのです。それが1953年に発表された「ダイバーズウォッチの祖」… 「フィフティ ファゾムス」。腕時計好きなら一度は腕に巻いてみたい、それはそれはアイコニックな時計です (*´∀`*)
「オマージュ スウォッチ」は、スウォッチ・グループが威信をかけた大事業です。スウォッチが長年掲げてきた「全ての人に腕時計の楽しみを!!」という理念を思えば、その模倣の対象は「万人が知る」ものでなければなりません。その点「ムーンスウォッチ(スピードマスター プロフェッショナル)」は最高でした。世界的に知られた二つ名「ムーンウォッチ」を持ち「アポロで宇宙に飛んでいった」というレガシーも強力です。有無を言わせぬ「腕時計界のスーパーアイドル」をオマージュしたわけですから、「ムーンスウォッチ」の大ブームは約束されたようなものでした。
「フィフティ ファゾムス」だって、腕時計界にとってはアイドルです。しかし、腕時計に興味の薄い人からすれば、所詮は「ローカルアイドル」。本当の意味で「フィフティ ファゾムス」の凄さを知る人は一握りに過ぎないでしょう。そういう意味では「ムーンスウォッチ」ほどの「成功の約束」は得られないかもしれません。
ただ、オマージュとはいえその方向性が「ポップ」で「キッチュ」に向かうのは避けられないスウォッチさん。グループ全体を見渡しても、その特異な手法の受け皿になれるモデルはほとんど見付からないのが現状です。そう考えれば、2作目にして早くも「手詰まり感」すら漂う「オマージュ スウォッチ」。「ブランパン スウォッチ」の成否によっては「最後のグループ内いじり」になるかもしれません。
「ブランパン」にとって「ブランパン スウォッチ(blancpain x swatch)」は吉か凶か??
写真家の「篠山紀信」さんがヌード写真を撮った女優さんやアイドルって、不思議と後々ビッグになるんですよね。本来「女優が脱ぐ」のは自らの将来に傷を残すかもしれない「賭け」のような行為です。しかし篠山さんの写真集の多くには「時代を変革するパワー」があって、いやらしさ以前に「この文化に触れておかねばならない」と野郎どもに思わせる何かが備わっていました。当然「主役」として参加した女優さんたちも、その作品の一部となって語り継がれ、その結果、落ちるどころか自らの格を大幅に上げ「大女優」に上り詰めた方も少なくありません。
今思えば「ムーンスウォッチ」は如何にも「篠山紀信的」でした。申し分のない知名度がありコツコツと売れ続けるも、どこか地味な印象だった「スピードマスター プロフェッショナル(ムーンウォッチ)」に脚光を浴びせることに成功しましたし、その余波は「スピードマスター ファミリー全体」に及びました。一時の中古の価格をみれば明らかだったと思います。
要するにオメガさんにとっても「ムーンスウォッチ」というオマージュ プロジェクトは旨味があったのです。消費者にとっては未だに販売手法に難のある「ムーンスウォッチ」ですが、スウォッチとオメガにとっては大成功だったのでしょう。
そして新たなプロジェクト パートナーに「ブランパン」を迎えることになったスウォッチさんですが… 「ムーンウォッチ」を気持ちよく脱がせたように「フィフィティ ファゾムス」を脱がせることができるでしょうか??
撮影現場での篠山さんは自らが進んで道化になることで、女優さんの気持ちを切らさないよう、最大限気を遣っていたそうです。確かに、ちやほやされ慣れた女優さんであっても、写真界の大御所である篠山さんに気を遣われて悪い気はしないでしょう。文字通り「一肌脱ぐか!!」と意気に感じたはずです ( ー`дー´)
「ブランパン スウォッチ」の成否もそこにあるような気がします。スウォッチ側が徹底的に「ブランパン」を持ち上げて、その「顔」を潰さないように配慮するならば、「世界最古の時計ブランド・ブランパン」の格式を貶めることもないでしょう。むしろ、大幅に格下である「軽薄」なプロダクト「スウォッチ」に対して、自ブランド最大のアイコンを「兄ちゃん、良かったら… これ使いな!!」と差し出した「ブランパンの男気」が賛辞を浴びるかもしれません。要するに、今後スウォッチがどう言った立場で「ブランパン スウォッチ」を露出していくか… そのスタンス次第で「ブランパン スウォッチ」が「ブランパン」に何をもたらすかが決まるように思います。それは吉兆の守護天使か、凶兆の堕天使か… 結果は半年後くらいでしょうか?? 何だかドキドキしちゃいますね。
ところが、ブランパンさんの公式を見ると、今のところ「ブランパン」の側が「スウォッチ」に気を遣っているように見えるんですけど… 何だか、力関係が見えて泣けてきますなぁ (;´Д`)
「3針のFifty Fathoms」を「3針のSwatch」でオマージュすると…
さて、肝心の「プロダクト」です。うわぁ… ヤバい。出来過ぎじゃないですか、これ?? サイズは本物より少し小さいのか…
写真を見る限り、当初予想の数段上に見えます。そうか… 発売日は今日だ。少なからず本物を肉眼で確認できる人がいるわけですな。羨ましいなぁ…
ケースは例の「BIOCERAMIC(バイオセラミック)」ですね。私も「ムーンスウォッチ」を買いましたからその質感には通じています。さらっと手触りが良くて、角もしっかり。案外と安っぽさは感じさせない素材だと思います。成形も巧み。「フィフィティ ファゾムス」のボテッとした丸みが良く再現されています。
そして、何と言っても「ベゼル」ですね。これどうなってるんだろう?? 樹脂のベゼルインサートでしょうか?? かなり本物に近い雰囲気がありますなぁ~。って言うかむしろ、妙な「高級感」が出ちゃってませんか?? (;´∀`)
3針のモチーフを3針で作ってしまうということは、要するにこういうことなのですが… ダイヤル関係はオリジナルそのまんまの印象です。インデックスとか、マジでヤバいですね。
正直、「洒落になってない」ところまで来たかもしれません。今思えば、「ムーンスウォッチ」で不評だった「サブダイヤルの配置」は、あれが「正解」だったのかもしれません。あそこが本物と同じレイアウトだったら… やっぱり「洒落じゃ済まなかった」はずですから (;´Д`)
アカンやろ!! 自動巻載せたら!!(汗)
創業以来「機械式一筋」のブランド「ブランパン」。だからといって「ブランパン スウォッチ」にまで「自動巻」を載せるのは如何なものかと思います。
そもそも「オマージュ ウォッチ」は、その対象に充分な敬意を払い「愛すべき派生」でいなければなりません。振り返ってこの「ブランパン スウォッチ」の「自動巻搭載」はどうでしょうか?? 私は「悪ふざけ」に足を踏み込んだように思いました。3針の自動巻を3針の自動巻でスピンオフする… クオーツ式の3針なら「ステップ運針」で差別化が可能ですが「SISTEM51」って… 一端の代物… 「スウォッチ製のフィフティ ファゾムス」になっちゃってるじゃないですか (;´Д`A
ちなみに私も「SISTEM51」搭載のスウォッチを持っていたので解りますが、アレはですねぇ… 2年ちょいで壊れましたっけ。正確には放っておいたらいつの間にか不動に… (;´Д`)
数年後、こんな話が耳に入るかもしれません。「ブランパンって簡単に壊れるよね??」… そして気になって詳しく聞いてみたら「ブランパン スウォッチ」のことだった、みたいな話。
最後に… 「ブランパン スウォッチ(blancpain X swatch)」は「ブランパン」ではありません
写真を見ていただけたならお解りでしょう。ぶっちゃけ、不安になるくらい「出来過ぎ」なんです。「出来が良くて何が悪いの??」って思いますか?? そうですねぇ… 「ブランパン」にこれといった拘りもなければ良いかもしれませんね。
けれど… 例えば「冬のボーナスで『フィフティ ファゾムス』買うんだ~!!」なんて計画していた人にすれば、悪夢かもしれません。同様に「フィフティ ファゾムス」を購入したばかりの人の心中も複雑でしょう。私にしても思うところはあります。だってさぁ…
見に行ってるんだもん(笑)
いつでしたか… 昔スウォッチを集めていた友人に聞いたことがあるんです。「アンタの集めてたスウォッチって、今どないなってんの??」と。
すると「スウォッチか?? 全部ほかした(捨てた)」と。さらに「古なったスウォッチなんか、誰ももろてくれへんし」… そうなんです。スウォッチってそう言う時計なんです。
そもそもが「Tシャツのような腕時計」ですからね。汗染みで黄色くなったTシャツ、残しておかないでしょ??
ですから… と言うのも変ですが、本物の「フィフティ ファゾムス」をお持ちの方は「堂々と」お使い下さい。これから本物を買おうと考えていた皆さまも、揶揄など恐れず行っちゃって下さい。
何を偉そうに… と思いますか?? ワタクシ「ムーンスウォッチ」の発売を契機にして、本物の「ムーンウォッチ」… スピードマスター プロフェッショナルの現行機を買ってるんですよ?? 全然自慢することではありませんが、こんなヤツもいるんだと思って、心の支えにして下さい(笑)
そして叶うならば、「ブランパン スウォッチ」の出来すぎた「フィフティ ファゾムス感」にたまらなくなった消費者たちが、大金を掴んでブランパンさんのブティックに殺到する未来が訪れるよう祈念したいと思います。「フィフティ ファゾムス 70周年」ですもん。そうでもなきゃ報われません (;´Д`)
そういう意味では、今回の「オマージュ スウォッチ」もヒットして欲しいところです。私もチャンスがあれば買います!! ブルーかな?? 「ATLANTIC OCEAN」狙いで行きます。また「スウォッチストア渋谷店さん詣で」が始まるのかぁ… 問題は価格だ。「6万500円」?? た… 高ぇ (;´Д`)
今回はとにかく、発売日に間に合わせたくて頑張って書きました。ぶっちゃけ、通勤電車の往復だけでも、結構書けちゃうもんだなぁ (;´∀`)
※続編もございます。
ご意見・ご感想
コメント一覧 (6件)
Y太さま。
ありがとうございます♫
実物みたら欲しくなるのは間違いないと思います。私も抗う自信がありませんもん(汗)
今回は自動巻き搭載が仇になる気がしてます。面倒くさいですからね。女性の多くが避けるかもしれないなぁ~と。
私もしばらくはスウォッチストアに近付かないでおこう!! (笑)
黒海月さま。
ありがとうございます。頑張って発売日に突っ込みました(笑)
フィフティファゾムスに興味のある人なら「本物」を買うでしょうね。すでにオーナーの方は「ミニチュア」的に買い求めるかもしれませんが、そんな人が何人おるねん??って感じ。
昨日、興味本位でブランパンの正規販売店に行ってみたんです。お客さん私一人でした。ここにファゾムスがあるのに!!(汗)
冗談でも「今日発売ですね。ブランパンスウォッチ!!」なんて言えない雰囲気…
ブランパンスウォッチ100本辺り「本物」一本が売れるくらいでないとマズイかもです(;´Д`)
ししとーさま。
コメントありがとうございます♫
6万500円… 「高っ!! いらんわ!!」みたいな人は多いでしょうね(汗)
世界500本限定とかなら解りますが、レギュラーモデルですから。
買えるようになるまで待って、買えば良いと思っています。
メルカリ確認しましたら、10万円くらいでした。微妙!! 弱気!!(笑)
転売屋さんご苦労さまって感じです。
世界観は確かに!!
強引ですもんね。5つの海って。
ええんやな!! ブランパンスウォッチで潜っても!?(笑)
OHできないとか、価格とか買わない理由を色々考えちゃってますが、どうせ実物みたら欲しくなるんだろうなぁ…と思います。笑
オメガほど爆発的な感じではないですが、今回は時計に興味がある人に刺さる感じがしますよね。
購買欲をそそられてしまうので実物に巡り合わないことを祈って生活します…
砂布巾さん
おはようございます。黒海月です。
記事のアップ光速ですね(笑)
いやーーー、そっちかぁってのが感想です。
ムーンスウォッチの時は、ムーンウォッチを買った直後に目にしたので、強烈に欲しくなりました。
今のところ、プランパンに縁もゆかりもない状況では、ちょっとパスかなぁ( ̄▽ ̄)
とは言え、グループ内コラボは面白いので続けて欲しいですね。頑張れスウォッチさん!
いきなりの新聞広告に私もビックリしました。
これ、恐らく不発に終わると思います。
少なくともバカ売れはないかと。
オメガスオッチのバカ当たりは、企画第一弾の新鮮味が大きく、オメガ、ムーンウオッチというネームバリュー、惑星に絡めた世界観、ポップなデザインとバリエーションによるところが大きい。
約33000円は安くはないけど高くもない。
クオーツにしたのは正解。
敷居が低くなったから、腕時計好き以外の層にも刺さった。
私の妻がまさにそうです。
金属アレルギーの妻にはバイオセラミックは渡りに船でした。
機械式にしたところで、高くなるだけで一般層には恐らく刺さらない。
数年後に壊れたらオブジェになってしまいかねない腕時計に6万円は厳しいっスよ。