早速、kurono tokyo の『34MM 2024新作』実機を見てきました！！

　ジュネーブウオッチメイキンググランプリに毎年ノミネートされるなど、日本の腕時計界が誇る「現代の名工」として知られるデザイナー・独立時計師の浅岡 肇氏。

　そんな浅岡さんが、自分自身が気兼ねなく毎日使える時計をと考えて生み出したのが「34MMシリーズ」です。著名な独立時計師が手掛けた時計を「現実的な価格で買える」プロジェクトは大成功。日本だけではなく国外においてもその人気は凄まじく、ある意味で最も純粋な購入手段である「早いもの勝ち」が持つ「ゲーム性」も、希少を尊ぶ時計好きの魂に火をつけました。そりゃあ欲しいですもん。もちろん私も第一弾から参加。まぁね… 見事な瞬殺でしたが（遠い目）

　そんな私にも天使の羽が舞い降り、2023年の「第二弾」では待望のダークカラー モデル「ミッドナイト」をゲット。第一弾の敗戦が悔しかった分、特段に嬉しい入手となりました。そりゃあもう、いい子にしてましたからね (*´ω｀*)

　そう言えば、きちんとしたレビュー記事って書いてなかったですね（汗） 書きます。必ず！！

KURONO 34MM ‘CALLIGRA’ SPECIAL PROJECT

　そして2024年2月。新たな「34MM」が発表されました。今回のコンセプトの最たるものは「ブレゲ インデックス」。浅岡さん自らが手書きでカリグラフィーを行い、それを元にインデックス書体を作ったそうです。私も美術大学出身ですので解ります。面倒くさいんだ！！ レタリング関係！！

　昨年、第一候補の「ミッドナイト」を手に入れた私としては、例え2024年に新しい「34MM」が出たとしても、ゆとりをもって見送るつもりでした。今回のモデルを「画像」として見るまではね… (；´Д｀)

青山サロンを訪れた方のみ「34MM」の先行予約受付

　「取り敢えず見るだけ… そうだよ！！ 見るだけなら構わないだろう」… Kurono Tokyo さんの青山サロンで2月17日から始まる先行予約、そこで「実機を手に取るチャンス」があるということで、早速初日に伺ってまいりました。結構な回数通いましたからね。外苑前界隈にも馴染みを感じます。

　お昼過ぎにお邪魔すると、すでに1組と1名さまのお客さんがいらっしゃいました。「先行予約抽選に来ました～」と伝え、スタッフさんに仁義を通した私。

　「先行予約抽選ではなくて…」

　そうなんです。間違えていたんです。昨年のやりとりのイメージが強く残っていて、当然今回も「先行予約抽選」だと決め付けていたんです。今回は抽選ではなく、この期間に来店したお客さんはこの場で「購入」できちゃうのでした。

　晴れの日に予測不能な落雷に打たれたような顔をしていたかもしれません。「え！？ あぁ 買えるんですね～ あはは～」なんて感じで動揺を隠すべく体裁を整える私。何気にソワソワしてしまう自分を鎮めるべく、提供された冷たいお茶を頂戴しました。落ち着くんだ… 確かに虚を突かれはしたが、まだまだ私は冷静だ。¹オーベルシュタインのように冷徹な判断力はまだ生きているぞ ( ｰ`дｰ´)

　通された窓辺のソファー席には、若くてハンサムな男性客が「34MMの実機」がテーブルに載せられるのを静かにお待ちでした。そして程なくやってきた「34MM ニューモデル」を拝見することになったのです。逸る気持ちを抑えこみ、何気に譲り合う男二人（笑）

　HMS表参道店で「とあるニューモデル」の撮影をお願いしていた私は、リュックの中に愛機「OM-5」を忍ばせていました。折角なのでとスタッフさんの許可をいただいて「34MM ニューモデル」の撮影を開始。ってなわけで、撮影したお写真に私が感じたインプレッションを加えて、軽くご紹介させていただきます。

34MM STARK BLACK

　自室撮りなら三脚を使って固定して、しっかり映るシャッタースピードを選択できるところですが… 色々と甘い写真ですみません。ちなみに読者の皆さまに色を把握していただきたいので、補正の類いは一切行っていません。

　で「STARK BLACK」です。脳内の「買うとしたら考察」では真っ先に購入対象から外したモデルでした。理由は簡単「ミッドナイトを持っているから」 (；´∀｀)

　それでもなぁ… 見ちゃうと良いんだ。まず、同じ黒系統でもインデックスが「ブレゲ数字」と言うだけで、これほどの変化が生まれるわけです。ほんのりとメタリックを感じる塗料で記されたインデックスとミニッツトラック。前作「ミッドナイト」よりもシンプルになったセクターデザインはより「アーバンなイメージ」を強くしたと思います。何とも大人な一本です。

34MM SILVER WHITE

　その名の通り、ニュアンスの異なる2つの「白系統色」を持つダイヤルです。例えるなら、オフホワイトのシャツに生成りのジャケットを合わせて着こなすような感じでしょうか。まさに「お洒落上級者」。それが「SILVER WHITE」のファースト インプレッションでした。私が一番見たかったモデルです。

　くっきり記されたインデックスからは静けさと同時に、相反する躍動感も感じられます。ダイヤル外周の白いラッカー仕上げが美しいです。

　上下黒のスリムなセットアップに中はTシャツ一枚。袖口にはコレとかもう… 絶対にイケメンでしょ。それも「解ってるイケメン」です (*´∀｀*)

34MM DARK MOP

　「X」などで様子を伺った限り、一番人気はこの「DARK MOP」でしたでしょうか？？ セクターの中央部にMOP（マザー オブ パール）が敷き詰められており、これまでのモデルにはない珍しい意匠を与えられています。

　ですが、このモデルが他の2本と異なる最大の点はインデックスが「アプライド風」であることでしょう。と言っても切り立った側面を屹立させた目立つアプライドではありません。本当にほんのりひっそり、アプライドなのです。それが何とも言えず、とろけるように良かった。

　「上手いなぁ浅岡さん」と唸りつつシャッターを切った私。こうやってさり気なく使う人との距離を縮めてくるのです。高い完成度がもたらす「緊張」を適度にほぐす「くすぐりデザイン」の配置。その妙技、さすがだと思いました (*´∀｀*)

最後に… 2024年の KURONO TOKYO 34MM 新作はどれを選んでも「アタリ」です

　何としても早めに上げたくて、駆け足で書かせていただきました。だってほら、誰もが東京の青山サロンに行けるわけではないですし、私だって大阪時代に「東京なら買える」と聞いたところで、そう簡単には行けそうもないわけで… (；´∀｀)

　ってなわけでせめて、生のインプレッションだけでもお伝えすべしと思いました。推敲ができていませんので誤字脱字はご容赦ください（気が付いたら修訂正いたします）

　結論から言いますと、どれを買ってもアタリです。今回のラインナップは悪く言えば守勢に回ったデザインですが、その分確実に使える時計に仕上がっていると思いました。メインの機械式時計として選ぶのもアリです。それくらいシーンを選ばず楽しめるはずです。

　何と言っても今作は「ブレゲ数字」ですよ。皆さん大好きですよね？？ ブレゲ数字。浅岡さんが一から書き上げたレタリングがダイヤルに与えたリズム感。美しい青針の配置で刻々と変化するダイヤルの表情。

　その豊かさに気付き、さらにはご自分が身に着けたときのイメージにまで膨らませることができる方なら… どなたが購入しても後悔はしないでしょう。2本めを注文した私が言うのですから… って、買っとるがな！！(；´Д｀)

KURONO TOKYO 34MM
機能	時分秒表示
駆動方式	自動巻き
ケース径	34ミリ
ケース素材	ステンレススチール（316L・鍛造）
防水性	5気圧
ストラップ	カーフレザー
ムーブメント	MIYOTA 90S5（自動巻、24石、毎時28800振動、パワーリザーブ約40時間）
風防	ボックスサファイアクリスタル
製造国	日本

1. パウル・フォン・オーベルシュタイン
   ローエングラム陣営の参謀。冷徹・冷酷なマキャヴェリストとして知られる。犬好き。
   ↩︎