皆さんは「何フェチ」ですか?
人間誰しも必ず「フェチな部分」があるそうです。例えば私は幼稚園の頃から自分が「声フェチ」だという微かな自覚がありました。異性にしても同性にしても、顔よりスタイルよりまずは「声が重要」なのです。
これは今でもあまり変わっていなくて、極端なことを言えば「声の良い人は性格も良いはず!」や「頭もいいはず!」と考えるフシが少なからずあります。ハイ、もちろん根拠なんてありません(;´∀`)
そんな私も一応はその人の「総合力」を無視するわけではないのですが、それはあくまで「入り口」に過ぎなくて、声の良し悪しが最終決定権を持つのです。どんなに美人でもイケメンでも、声が私好みじゃなければ何か…嫌なのです。
逆に声が超好みなら、かなりのことを我慢する自信があります。声が好きな人なら、一日中罵詈雑言を浴びせられても、私にとっては春の日の日向ぼっこに等しい心地よさを感じるでしょう。って、変態ですがな(;´Д`)
腕時計についてもそんな感じで好き嫌いが決まることが多くあります。導入はあくまでも総合力ですが「やばい!ここ大好き!」と思えば、他の悪い点が気にならなくなります。それはハンドだったりインデックスだったり、リューズのこともありますしバックルだったりもします。腕の乗せた一瞬の吸い付きだったりもします。特定の一箇所だけに注目するいわゆる「フェチ」とは違うかもしれませんが、腕時計を見る目線自体はかなりマニアックで、フェチっぽい嗜好があるのです。
そんなわけで今日は、自分のコレクションの中から「ここがタマらん!」という「フェチ」だけを挙げ連ねていこうかと思います。「そこなんかい!」とツッコまれることは必至かもしれませんが…とりあえず10点、お付き合いください(;´∀`)
『スモセコと24時間計』
オメガ スピードマスター マーク40コスモス
スモセコに重なる24時間計の矢印の針…ダサっ!(笑)
でもそれが良いのです。もしもこの部分がおとなしいペンシル針だったりしたら、味も素っ気もない、ややこしいだけのダイアルになっていたでしょう。
24時間計を兼ねたスモールセコンド。この小さなインダイアルの中に形の異なるハンドを閉じ込めることで、視線を集める凝縮感があります。マンスとデイの部分もややこしく、そのメカメカしさは男心をくすぐりますが、OMEGAのロゴの対抗位置にあるこのインダイアルが目を引くことで、針を見る順番やらが自然と決まっているような気がします。
敢えての「ダサさ」。格好いいと可愛い以外にも、時計には評価すべきベクトルがあるんだと思いますね。
『凝った面取りのラグ』
セイコー メカニカル SARB033&035
決してお高い時計ではありませんが、この「ラグの面取りの凝り方」がタマりません。ともすればつるんと面白気のないデザインになりそうなところを、面倒くさい造形と、面倒くさい磨き分けで視覚を楽しませてくれる心意気が嬉しいです。この時計、ケースに関しては文句の付け所が見当たりません。う~ん、いいなぁ。このラグはやっぱり最高だ!見ているだけで嫌なことも忘れられそう…
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- 発売日: 2008/06/20
- メディア: 時計
『青焼きの針』
クロノスイス TORA CH1323
今の高すぎるクロノスイスと違って、シンプルでお求めやすかった頃の銘品。僅かにダメージが出始めてはいるものの、むしろそこがシビれる「青焼きのハンド」です。光の角度によっては真っ黒に見える視覚的な幅も青焼きの良いところ。シンプルで精緻なインデックスの印字と、青焼きの針のコントラストでご飯三杯は軽くいけそうな気がします。ダイアルがキレイに焼けたらさらに良くなる予感!
『レコードパターンのギョーシェ』
ブライトリング スーパーオーシャン スティールフィッシュ X-Plus A17390
でかくて重いだけの時計じゃないよ!と主張してくる緻密なダイアル。その中でもダイアルに刻まれた「同心円状のギョーシェ」の美しさは特別です。アプライドインデックスや印字の各要素をまるで「暗黒の深淵」のように受け止めるダイアルの美しさは、いわゆるダイバーズの無骨なイメージとは真逆の神秘性を感じます。こういう仕事がなかったら、かなり大雑把な時計って感じですから、やっぱり「顔」って大切ですよねぇ。
『風防のフチの色』
ロレックス ミルガウス 116400GV
ロレックスの中では珍しい「ゲテ系」のミルガウス。使いながら時間をかけて真価を味わう時計の最たるものですが、いつ見てもキュンとさせられるのが、グリーンガラスのフチの鮮やかな緑のラインです。稲妻の秒針といい、このグリーンガラスといい、アメコミの描く間違った未来のようなイメージですが、映画「トロン」のデジタル空間に描かれる線のような グリーンのラインは鮮烈で、目を引きつけて離さない引力があります。これだけはGVのミルガウスを買わないと味わえない特権です。
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『エロスを感じるリューズガード』
ボール エンジニアハイドロカーボン セラミック
遠目で分かる異形の突起。エンジニアハイドロカーボンだけの「クラウンガードシステム」です。もちろん機能的にも「なるほど!」と言える構造なのですが、これが奥さん!(?)何ともエロい。
時計にも色気は必要で、腕時計が好きな人は大抵の場合、その時計の色気にあてられて購入するのだと思います。このリューズガードは色気という意味では満点でして、私はひと目見た瞬間に「お持ち帰り」を決めました。購入してだいぶ経ちますが、未だにクラクラするお色気モンスターです。
『左利き仕様のプッシャー』
ハミルトン カーキ タキマイラー H71726233
見た目はややこしい。使い勝手も良い訳がないレフトハンド仕様のリューズ・クロノのプッシャー。とは言え、謎仕様だからこそ目を引きますし、その存在感が異質に際立つのです。若気の至り感を感じる3色使いも何となく「テヘッ」って感じ。でもまぁその中二病感が好きなんですよねぇ。もしも普通に右利き用の作りだったなら…買ってないと思います。私は。
『裏蓋のエングレービング』
ベル&ロス BR03-92 Diver
特別凝ったデザインのエッチングではありませんが、裏を向けるたびに「グッと」きます。工業製品然とした作りですが、その潔さと現代美術に通じる「間」の緊張感がたまらないのです。
それもこれもバランスに優れた「表側」の格好良さがあったればこそですが、四角い時計の広大な平面を生かして表現された「名作裏蓋」だと思っています。
『放射状の溝が刻まれたベゼル』
ファーブル・ルーバ レイダーシーバード 00.10110.08.61.20
独特の存在感と美しさが特徴のシーバード。ほぼサテン面で構成されたケースの中で、ギラリと光るメダリオン風の溝が刻まれた「ベゼル」が特に目立ちます。幾重にも複雑に形状を重ねたベゼルの最終端に、このようなクラシカルな仕掛けを持ってくる辺り、ファーブル・ルーバもなかなかの策士です。
現在の時計業界の中では特別視されるポジションにはありませんが、印象的で面白く、かつ美しい時計を作り続けているメゾンだと思います。
『漢字の曜日表記』
オリエント キングダイバー復刻 RN-AA0D12R
実は避けていた「曜日の漢字表記仕様」。今となっては嫌ってた気持も朧気になってしまいました。しかしどう考えても、デザイン的には単なる蛇足なのです。漢字ですからね、どういじくってもスマートになりようがない。
ところがこの超絶ダサいカレンダーが奏功する場合もあると、この復刻キングダイバーには教えてもらいました。
この時計、例えば私は赤いダイアルのモデルをチョイスしましたが、この毒々しい赤を背景に背負いつつも、まず一瞥して目に飛び込む最も印象に残るパーツが、漢字表記のカレンダーなのです。その違和感はもはやダサさを越えて、欧米でクールと言われ珍重される漢字アートのようじゃありませんか!
日本人ならその視認性の高さはもちろん評価の対象になりますが、そんなことよりも、敢えて時代を遡って獲得した「格好悪さ」こそが、この時計の存在を「特別なもの」にした重要なファクターなのです。
如何でしたでしょうか?サクッと10本、私の(私だけの?)フェチポイントを挙げ連ねてみました。だからどう?って感じですが、きっと皆さんが見初めて買い求めた時計にも、こういう「心をわしづかみにされたポイント」が存在するはずです。それはその時計に恋した最初のトキメキのはず。
「最近この時計、飽きてきたなぁ~」と思ったら、フェチなポイントを思い出して下さい。きっと惚れ直すこと間違いなしです(*´∀`*)
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