マーケティングにおいて、絶対不可欠ながらも実行困難な課題が「ブランドの確立と維持」です。腕時計の世界でも同様で、これまでにどれだけのブランドが露と消えていったことか(;´Д`)
「黒歴史」として記憶に残るならまだマシです。しかし実際は思い出されることすらない陽炎のようなブランドの方がはるかに多い。淘汰される中で自ら幕引きを計ったもの、大手に吸収され消化され残り香すら消え失せたもの…費やされた時間の悠久を思うと溜息しか出ません。はぁ…
と考えると「Seiko 5」というブランドの存在は一種の奇跡のようなものです。かつては「安物機械式時計の象徴」として世界各国の「最前線で戦う男たち」の腕に巻かれてきた「5」。近年ではコレクション性も高まり、いつかの「Swatch」のように集めることに意義を見出したファンも世界中に数多く存在します。私も一時は「集めいでか!」と色めき立って頑張ってみましたが、あまりに深い「沼」であることに気がついて撤退しました。
新たなロゴで再出発した「5 Sports」は随分洗練されてカッコよくなりましたが、「5」といえば「昭和感」。平成ですらない「旧時代」を象徴するセンスが最大の魅力です。「ヘリテージなんちゃら」とかワザワザ名乗る必要もないくらい「5」は古臭いのです。そしてそれが断然良い。
最高ですね「旧5 Sports」は。昭和の若いサラリーマンが日夜仕事に全力を出していた時代のサクセスストーリーが透けて見えます。ライバルたちとしのぎを削り「頑張っていつかオレもROLEX買うぜ!」みたいな物語の中では、起点はいつだって「5」じゃなきゃダメなのです。
共通目的を持った仲間たちとの「友情・努力・勝利」は少年ジャンプの三大原則ですが、その辺の暑苦しさに近いものが「旧5」にはあると勝手に思っています。さらに加えるなら高級ブランドに対する「妬み・嫉妬」の感情。そしてそれを越える「理解・悟り」でしょうか。う~ん…少年漫画は「妬み」に関しては案外とあっさりしてる。となると例えられるのは、少年漫画以上に暑苦しくドロドロしまくっているあの国民的少女漫画しかないではないかね?真澄くん。
小野寺理事『よくあきませんなぁ、こんな時計のどこがお気に召したというのです?(ブツブツ)』
小野寺理事『拝見させてもらいましたが、まるでオモチャ。デザインもよくないし手巻きもハックもない。機械式時計として、なに一つなっちゃいないじゃありませんか?』
月影先生『お察しのとおり、この時計は素人くさいですわ。わたし気長に使っていくつもりでしてよ』
月影先生『気がついて?真澄さん、小野寺さん』
月影先生『この時計、わたしが腕を一回振っただけで動いているのよ(キラン)』
真澄さん・小野寺理事『なっ!?』
月影先生『それなのに5分も止まらず動き続けているのよ。なんて巻上げ効率なのかしら!』
真澄さん・小野寺理事『ううっ!』
月影先生『(オーホホホホホホ)Seiko 5 Sports…おそろしい子!』
アホな寸劇スミマセン(汗)
折角なので(?)漫画「ガラスの仮面」の主要キャストが好きそうな時計を戯れに想像すると、月影先生はオーデマ・ピゲの「ジュールオーデマ」でエレガントに、真澄さんは誠実印のランゲ・アンド・ゾーネ「ランゲ1」でいたいけな少女の心をわしづかみ、屈指の演出家でもある小野寺理事は「デイトナ」の一番ケバいやつで業界人を威嚇してそうです。「Seiko 5 Sports」が似合うのは間違いなく…黒沼龍三先生。灰皿投げちゃう時代錯誤な演出家にはよく似合うはずです(,,゚Д゚)
マヤちゃんには…「ルキア」だな。ブルガリとかだったら、スレててなんか嫌だ(笑)
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