高いですね。腕時計のオーバーホール。
オーバーホールを受けると、ブランドにもよりますが交換部品代などを含めて10万円くらいは必要になります。これは機械式の時計を愛好する我々にとって、避けては通れない「道」かもしれません。
クオーツの時計にもオーバーホールは必要ですが、中枢の機構がシンプルな分、不具合が発生する頻度も機械式に比べれば低め。オーバーホールの必要頻度も比例して少なくなります。
リッチマンというわけではない一般人の私にしてみれば、オーバーホールに要するコストは、腕時計趣味を続けていけるかどうかの死活的な問題です。できれば愛用の腕時計たちには、最小限の金銭的負担で可能な限り元気に動いていてほしい。なので健康状態を日頃からチェックして、扱いにも最大限の気を遣っています。それでも、故障するときはしちゃうんですが。
そこで問題となるのは、「どれをきっちりオーバーホールしながら大事にして、どれを(ぶっちゃけ)テキトーな扱いにしておくか」についてです。
例えば「100万円」の時計があったとします。
私なら日差で3分くらいの誤差なら、騙し騙し使い続けると思います。しかし、「あれ?止まってる?」となれば、否も応もなしにオーバーホールに出すでしょう。購入金額を考えれば、それくらいの維持費は妥当であると判断できるからです。
しかし、これが「10万円クラス」の時計だったらどうでしょうか?これは悩みどころだと思います。
クロノグラフの場合、街の時計修理業者でも部品代込みで5万円くらいは取られるんじゃないかと思います。10万円台の時計に5、6万円のオーバーホール代金。さすがに「ちょっと待て」となりませんか?特別な思い入れがある時計の場合は別として、買値の半分近くのお金を一回のオーバーホールに費やすというのは、さすがにアンバランスな行為じゃないかと、小市民な私なんかは思います。
実際の所、腕時計メーカーさんはどう思って「10万円クラス」の腕時計を作り、売っているのでしょうか?
以前、高級腕時計を中心に扱う大阪・心斎橋の小売店で、こんな話を伺ったことがあります。「長年使用することを念頭に置くなら、20万円以上のお品を買って下さい」それは裏を返せば、それ以下の価格帯の「安価な腕時計」だと維持費の割合が高くなりすぎてメンテナンスに対する意識が希薄になり、結果として短い年数しか稼働させることができないという「悪循環」を産むことになります。腕時計販売を生業にするプロからすれば、実は「一番勿体ないゾーン」が10万円クラスなのかもしれません。
それなのに、私のコレクションのボリュームゾーンがほとんど「10万円クラス」だったりするのは内緒ということで…|ω・`)
セイコーファイブのような数万円の時計をオーバーホールに出す方はほとんどいらっしゃらないでしょう。「壊れませんように!」と神さまに祈るか、修理のスキルを自分で身に付けるかしかなさそうです(;´Д`)
ご意見・ご感想
コメント一覧 (2件)
fuku0725様。楽しんでいただけて何よりでした。今後ともよろしくお願いします( ´∀`)
腕時計好きなので楽しく読ませて頂きました!