ユニクロカラーで考える「色で失敗しないムーンスウォッチの選び方〈後編〉」

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それでは「色で失敗しないムーンスウォッチの選び方」「後編」をお届けしたいと思います。

「前編」でもお話しした通り、デザイナーとしては「ほぼオールジャンル」の経験がある私。どうか訝しがらず付いてきて下さい(笑)ファッションアートの第一人者、故・長沢節先生の教えも受けてますからね(*´∇`*)

にしても、今回は中々面倒くさい企画で(面倒とか言うたらアカンな…)後編のリリースまでに結構なお時間を頂戴してしまいました。そんなこんなで!!前置きも程々に続きをやりたいと思います。百花繚乱の「ムーンスウォッチ(オメガ スウォッチ)」を通じて「カラーの魔法」を楽しんで下さいね!!

※未読の方は「前編」からどうぞ(*´∀`)

それでは前編からの続き「火星」から参りましょう~(*´∀`)

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Mission to Mars(SO33R100)の印象は??

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出典:https://www.swatch.com/ja-jp/

赤い…随所に赤い(笑)

ですがコレ、白いベゼルやダイヤル、ストラップの潔さも相まって、相当に「スポーティー」な佇まいです。私的にはかなり好みかも。

特に上列のサブダイヤルに使われているハンド(針)が、70年代の「ドライビングウォッチ」みたいで可愛くていい感じ。インデックスの夜光周りが黒い線で縁取られているのも、若々しい印象を醸しています。元気元気、とにかく「元気いっぱいのデザイン」。スウォッチのデザイナーさん、仕事楽しんでそうです(笑)

コレクションボックスに入れてニヤニヤするには楽しい時計だと思うのですが、果たして身に着けるとどうでしょうか??これはしっかりと検証すべき案件だと思います。

Mission to Marsに似合う色は??

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Four selections of “Mission to Mars”

色んな色味に合わせてみましたが…結論から述べますと、彩度高めの服の色は「邪魔」でした。この時計に関して言えば、この「赤」を邪魔しない「背景色」としての色を選ぶべきです。

となると必然的に「モノトーン主体」のコーディネートになります。「00ホワイト」は鉄板でしょう。「09ブラック」も同様です。その中間のグレー系も間違いのないところですが、明るい「02ライトグレー」が最も「赤」を発色させてくれました。とは言え、モノトーンだけでは芸がないので、反対色系から「57オリーブ」をチョイスしました。何気にシックなコンビネーションです(*´∀`)

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Mission to Jupiter(SO33C100)の印象は??

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出典:https://www.swatch.com/ja-jp/

キッチュな「ムーンスウォッチコレクション」の中では、かなり「実戦に向いた」デザインだと思います。服装も季節も幅広く柔軟に楽しめるでしょう。

ただ、デザイナーの立場で申せば「木星」をモチーフにしながら何故に「大赤斑」を入れなかったのかが疑問です。でっかい赤い丸を入れるのが忍びないほど整ったデザインではありますが、木星を他の惑星と分かつ最大要素が「大赤斑」のインパクトである以上、どないかして入れて欲しかったですね。バージョン2.0で実現してもらいたいなぁ(;´Д`)

Mission to Jupiterに似合う色は??

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Four selections of “Mission to Jupiter”

おぉ~これは良い!!(笑)ケースの色からして肌との相性が良いですから、後は服の色で「合わせるのか」「浮かせるのか」という選択になります。

合わせる代表として「38ダークブラウン」を選択しました。完成度の高いコーディネートです。お洒落やなぁ~(*´∀`)

「69ネイビー」「59ダークグリーン」ともに浮かせる系のコーディネートですが、服の色も時計の色もどちらもキレイに発色する傾向があります。使えます!!「Mission to Jupiter」

秒針のアクセントカラーに合わせた「27オレンジ」もアクティブな印象に纏まりました。このモデル、色合わせでは万能かもしれませんぞ!!

Mission to Saturn(SO33T100)の印象は??

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出典:https://www.swatch.com/ja-jp/

「土星」と言えば「どせいさん」です(笑)ご存知ですか??「MOTHERシリーズ」??その昔、その辺の仕事もちょこっと関わってまして…ふと思い出しました(笑)

「木星」と被りそうなところを上手く躱したデザインだと思います。そう!コッチにはサブダイヤルを使った「輪っか」があるでしょ??だからなんですよ。なんで「木星」「大赤斑」は諦めたのかと。

ブラウンのベゼルが全体をキュッと引き締め、ペロッと舌を出した子供のようなダイヤルデザインを、上手にコントロールしています。メチャクチャに遊んでいるように見えて、抑えるところは抑える…スウォッチさんのデザイン哲学と巧みさがよく現れた作品ですね。

Mission to Saturnに似合う色は??

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Four selections of “Mission to Saturn”

6時位置に思いっきり「どせいさん」がいますが、トーンとしてはほぼ2色構成なのでコーディネートも単純。要はケースカラーに合わせるか、ベゼルとストラップのブラウンに合わせるかの二択になります。「どせいさん」の存在はほぼ気になりません(笑)

特筆すべきは「19ワイン」の美しさ。ブラウンのストラップとの相性が抜群です。男女とも使える組み合わせだと思います。「64ブルー」「09ブラック」は鉄板ですね。ちょっと難易度が上がりますが「30ナチュラル」との組み合わせは女性にオススメ。ブラウン系のボトムはもちろん、ピンク系との相性も良いはずです。優しげな雰囲気に纏まりそうです(*´∀`)

Mission to Uranus(SO33L100)の印象は??

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出典:https://www.swatch.com/ja-jp/

見た瞬間に…「うわぁ~荒れるんだろうなぁ~」と思いましたねぇ(笑)

パステル調の明るいブルーで「流行り」を狙ったかどうかは定かではありません。ですが「一番人気」的な話も耳に入りますし、巷はまだまだ「淡いブルー」に翻弄され続けるみたいです(;´∀`)

まぁそんなこととは関係なしに、ここまでペールブルーに全振りしたモデルだと、下手にフィットを狙った衣服の色を探さない方が良いかもしれません。敢えて「浮かせて魅せる」策をとるのも一興です。

Mission to Uranusに似合う色は??

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Four selections of “Mission to Uranus”

ユニクロさんの現行品(Tシャツ)からチョイスした色しかないため、提案も限定的になってしまうのですが…恐らくは淡いピンクで「甘々」に仕立てるのも可愛いと思います。

「02ライトグレー」がうっとりするくらい上品でキレイですねぇ。グレー系の服を選ぶなら「寒色系」に発色するものを選べば間違いないと思います。「09ブラック」「38ダークブラウン」「64ブルー」は全て「背景色」としての選択です。ケースのペールブルー、ベゼルとストラップのホワイトが美しく発色する「濃度高めの色」なら、それらを「浮かして纏める」ことができるでしょう。他にも多くの可能性がありそうです(*´∀`)

Mission to Neptune(SO33N100)の印象は??

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出典:https://www.swatch.com/ja-jp/

腕時計のデザインカラーとして完全に定着した「ブルー」ではありますが、ここまで真っ青だとどうなんでしょうか??(笑)特に腕時計のケースとしては奇抜な「明るいブルー」をどう扱うかがコーディネートの鍵になりそうです。とは言え、ブルーに着色されたベゼルとダイヤルの雰囲気を見ると、本家の方に同様のカラーがあっても良いのになぁ~なんて想像も膨らみます(*´∀`)

ですが、そういう小さな「遊び」すら許されないのが本家「オメガ ムーンウォッチ」…だからこそ「Ref.2998」がNASAの有人宇宙飛行に使用されて以来の「60年の歴史の重み」ってヤツが、脈々と生きているワケなのですが…「ムーンスウォッチ」の展開が、その辺のお決まりを変えるきっかけになるか否かにも、注目したいですね!!

Mission to Neptuneに似合う色は??

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Four selections of “Mission to Neptune”

ぐはぁ~これはメチャメチャ難しいですねぇ(笑)やはりこの「ナマっぽい青」のケースが厳しいというか…もしもこのケースが「グレー」だったなら「神モデル」になったはずなんですけどねぇ(;´∀`)

それでも何とか提案いたします(笑)「27オレンジ」「38ダークブラウン」は反対色系からのご提案ですが、悪くはないもののどこか「無理してる」感じも出ちゃいました。やっぱりケースの色味が悪目立ちしちゃうなぁ。実物はそうでもないのかもしれませんが…(;´∀`)

真っ黒に合わせるとハードに寄りすぎたので、少し明度を上げた「08ダークグレー」にしてみました。ホッとしますね。モノトーン最強です。「57オリーブ」もモノトーンに近い彩度の低さでケースのブルーを受け止めてくれました。アーミーカラーって包容力ありますからねぇ(*´∀`)

Mission to Pluto(SO33M101)の印象は??

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出典:https://www.swatch.com/ja-jp/

最後の一本です。なるほど…これは「絶対に使えるヤツ」ですね(*´∀`)

2006年にみなし惑星から「格落ち」させられた可哀想な「冥王星」ですが、バーガンディ(ワイン色)のアクセントを与えられた「Mission to Pluto」に関して言えば、そのデザインは「惑星級」です。メッチャメチャ格好良い!!

ライトグレーのケースとダークグレーのストラップが普段遣いのし易さを約束してくれるでしょう。ベージュ系のダイヤルカラーがバーガンディーの深い色味を嫌味なく受け止めて、全体的に落ち着いたレトロチックな纏まりが印象的です。

基本的には幅広いコーディネートが楽しめるモデルだと思います。ビジネスで使う外し時計としては、かなりセンスの良い時計ではないでしょうか??

Mission to Plutoに似合う色は??

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Four selections of “Mission to Pluto”

モノトーンに頼らずに済みました(笑)ケースカラーがライトグレーであること。ベゼルとサブダイヤルがバーガンディという合わせやすい色であること。そしてクリーム色のダイヤル。全てが絶妙にバランスの取れた色使いです。しかも、色合わせの応用性が抜群に高いモデルですよ!!

そんなワケで、モノトーンに寄らないパターンを考えてみました。どれも自信作ですが、中でも「38ダークブラウン」「57オリーブ」の完成度が高いです。上品なので大切な人に会う用事も、このまま行っちゃって大丈夫だと思います。

「69ネイビー」は男性が好む重厚な組み合わせ。「19ワイン」で同系色を合わせるのもお洒落です。外しませんねぇ~「Mission to Pluto」は(*´∀`)

ってなワケで「ムーンスウォッチ(オメガ スウォッチ)」全11種の各モデルに対して、偉そうにコーディネートを考えてみました。たった「4つずつの提案」しかできませんでしたが、もちろん可能性は他にもあります。幸運にも購入できた方は、是非ともご自分のセンスを開放して、様々なコーディネートを試していただけたらと思います。

そこで最後に、私から「ヒント」をお伝えします。あらゆるカラーコーディネートで使える「原則中の原則」ですので、この機会にマスターしていただけたらと思います。なぁ~に、難しいことではありません(笑)

「反対色」という言葉をご存知でしょうか??大半の方は「聞いたことある!!」ってなもんだと思いますが、反対色を基準に色を考えるテクニックを身に付けると、服を買ったり靴や鞄を買ったり、車を買ったり家を買ったり(!)する場面でも、色の悩みの多くを軽減できると思いますので、ここでちょこっと勉強して行ってください(*´∀`)

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色の基本をマスターしよう!!

まずは色彩の基本、反対色(補色)関係を覚えちゃいましょう。学術的にツッコむと無限にツッコめる分野なのですが、ここではザックリと説明させていただきます。

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※めっちゃ簡単な色相環図作りました

まず押さえるべきは「反対色」の関係です。ちなみに反対色をコーディネートにそのまま取り入れるのはオススメしません。かなりエグくて悪趣味な色構成になりますので(笑)

ですが、反対色を意識しつつ、そこにちょっとしたテクを加えるとアラ不思議!!センスの良いコンビネーションが生まれるのです(*´∀`)

例えば補色関係にある「赤」「(青)緑」を並べると「イタリアか!!」って感じになっちゃいますが、どちらかの色相を僅かにずらすとエグ味が消えて落ち着いた感じになります(イタリア好きの方はそのままでも!!)

さらに、色の明るさ「明度」と色の鮮やかさ「彩度」を変えてやるのも効果的です。「明るい赤」「黒に近い鈍い緑」などは洋服でもよく見かける組み合わせですが、まさにこのテクニックが応用されたものです。

また、色相環を見てもらえれば解ると思いますが、余りに近い色同士だと互いに発色を阻害する関係になってしまって、何とも眠たい印象になります。ですがこれも、明度か彩度にタッチを付けることで別のニュアンスを生み出すことができるのです。ほぼ全てのテキスタイルもインダストリアルも、何もかもがこの原則の応用でカラーリングされています。

そんなこんなで、メチャメチャ簡単ではありますが、プロのデザイナーの立場から一生使える色彩テクニックをお伝えしました。何となく身に付けていただければ「ムーンスウォッチ」の購入候補選びと、コーディネートがより一層楽しくなること請け合いです。

それでは「色で失敗しないムーンスウォッチの選び方」の前後編、最後までお読みいただき誠にありがとうございました(*´∀`)

※未読の方は「前編」からどうぞ(*´∀`)

※「ムーンスウォッチ」関連の記事をまとめました。

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ご意見・ご感想

コメント一覧 (2件)

  • 黒海月さま。
    後編は如何でしたか??
    そうなんです。限定品ではないので「いずれは買える」と考えて、何年でも参考にして頂けるような企画を目指しました。
    「Pluto」は落ち着きと遊びがナイスなバランスで融合したデザインで、使いやすいはずです。
    「Saturn」の可愛らしさは男性のみならず、女性のハートも射抜きそうです。
    ワクワクしながら気長に待ちましょう。
    我々には本家「ムーンウォッチ」がありますしね!!(笑)

  • 砂布巾さん
    ユニクロカラーで考える「色で失敗しないムーンスウォッチの選び方〈後編〉」のリリース、ありがとうございます。色の基本をマスターしようも、とても参考になりました。
    自分の好みと実際使いやすいことを考えると、”Mission to Pluto”だと確信しました。ビジカジ風にも使いやすそうですね。
    また、”Mission to Saturn”も持っている服の色を考えるとマッチしそうで、ちょっと悩みますね。輪っかも良いアクセントになりそうですし。
    まだ、手に入れるのは先になりそうですが、限定品ではないので気長にですね。
    いつも面白く参考になる記事ありがとうございます。

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