SEIKOがキワキワを「攻める」とこうなる
海外でのみ販売されており「逆輸入」という形なら日本でも購入が可能なSEIKOの異端児「Coutura(コーチュラ)」。ひと目見れば夢に出てきそうな強烈な個性を持つ腕時計です。
確かに…日本での正規販売には不向きでしょう。私たち日本人の常識的な「美意識の枠の外」から訴えてくるエグみの強すぎる世界観に対して、それをすんなり受け入れる人がそれほどいるとは思えません。
ご覧になったことのない方には、少々刺激が強いかもしれない…
事実私も検索に引っかかった「コーチュラ」の姿を見るたびに、妙なトラウマが呼び起こされました。人間の顔にも理由のハッキリしない苦手なタイプの顔立ちがありますが「コーチュラ」は間違いなく「苦手な見た目の腕時計筆頭」でした。
私たちの愛すべき「セイコー」。まるで日本人の心象風景を切り取ったかのような、美しく慎ましやかな腕時計を作ることに長けた「あのセイコー」のもう一つの顔。
私の中で「セイコー」と「SEIKO」の違いを一番に感じさせてくれる「異形」の腕時計「コーチュラ」をご紹介します。
伊勢海老にしか見えない…
COUTURA(SSG020)
ケース幅:44.5ミリ
ケース厚:12.03ミリ
機能:電波ソーラー
防水性能:100メートル
強烈です。でもこれ、おとなしい方です。
やはり、ラグから一体化されて緩やかな曲線を描くデザインのブレスがエグ過ぎます。その全体像は未来的に見える時も、中世の甲冑に見える時もあります。
冗談で作った時計のようで、よく見ると凄まじいまでのラグジュアリー感もあったりします。いろんな時計の良いところを集めてきたら、収拾つかなくなっちゃったみたいな感じもします。
それでもSEIKOが持つモノ造りの底力でしょうか、勢いで突っ走ったように見えて、力技でまとめ上げたような完成度は確かにあるんです。
「sarb033」のような「究極の普通」を作りながら、一方で「全然普通じゃない」伊勢海老みたいなパンクな時計も作っちゃう懐の深さ。間違いなくこれもセイコーの顔の一つです。
ちなみにSEIKOの公式ページ、日本からだと例えばSEIKOアメリカのページは見ることができません。なので「コーチュラ」に関する情報も少なめです。私としても特に「重さ」の情報は抑えときたいのですが…ご容赦を(解ったら追記しますね)
なんだろう…この胸がざわつく感じ(笑)
COUTURA(SPC015)
ケース幅:40.5ミリ
ケース厚:9.8ミリ
メリケンサックではありません。恐らく有事には使えると思いますが、間違いなく怪我人が出ますので振り回すのは止めましょう(笑)
銀色に輝くカブトガニのようなそのお姿。より甲殻類感を醸し出す甲羅のようなベゼルが強烈です。これデザインしたデザイナーさんは、きっと偉い人から「お前の好きなようにやっていいぞ!」っていう手形をもらってたんじゃないでしょうか?
ダイアルのクドさもたまりません。落とし所なんて探す気もない奔放なデザインです。「ミニマリズムなんてクソ喰らえ!」みたいな反骨の主張をヒシヒシと感じますね。クリエーターとしては羨ましい仕事です。
そろそろ感覚が麻痺してきた(汗)
COUTURA(SRN023)
Kinetic Retrograde
ケース幅:42.5ミリ
ケース厚:12.3ミリ
防水性能:100メートル
機能:キネティック・レトログラードデイ
最近ではやや廃れた感もあるキネティック搭載の3針です。3針なだけあって、やや大人しい印象がありますが、それでもなかなかに凶悪な面構えです(汗)つや消しのブラックがこの激しいデザインによくマッチして、じ~っと観ていると段々「カッコいいのかもしれない」と思えてくるから摩訶不思議(*´∀`*)
ブレスの「海老」感があまり感じられませんが、その分「ダンゴムシ」に似ています。黒いですしねぇ。クルッと丸まると…(汗)
好意的に「BVLGARI」っぽさを感じる時点で、私の感覚も次第に麻痺してきたのかもしれません(汗)
生理的にゾワゾワさせるデザインの「コーチュラ」ですが、まとめて見るとこれだけでも立派なブランドが立ち上がるんじゃないかと思えます。お世辞抜きで海外の有名ブランドにも引けを取らない個性的なラインアップです。
好きになれるかもしれない…(´・ω・`)
…っていうかもっと見たい。もっと「コーチュラ」を!
これなら保守的な日本人にも使えそう!
COUTURA(SSC627)
ケース幅:45ミリ
ケース厚:13ミリ
防水性能:100メートル
「コーチュラ」としてはかなり「普通っぽい」ですね。ビジネス用途でも嫌な顔はされないと思います。やはり「海老感」は拭えませんが、私たちにも馴染み深い…「クルマエビ」って感じでしょうか?
日本版Amazonでは「自動巻」との記述がありますが、それは間違い。ソーラークオーツです。アメリカ本国のAmazonでは「5ツ星」のレビューが多数。そのほとんどが「SSC627」の類まれなエレガントなルックスを褒めちぎっています。エレガントかぁ…そこまで言うなら私も一本くらい持ってても良いかな?
最高の悪趣味が醸し出す「突き抜けた美しさ」
COUTURA(SSG010)
ケース幅:44.5ミリ
ケース厚:11.5ミリ
防水性能:100メートル
インパクト満点の見た目が特徴の「ウチワエビ」の如き存在感です。見た目からはとても想像できないほど美味しいウチワエビ同様に、異形の中にも完成度の高いデザイン原理が息づいています。ちなみにこれもアメリカのAmazonでは「4.5」の星がつく高評価です。しかも、このゴージャスな見てくれで「$328.98」とは。安ッ!!!
アウトラインは「コーチュラ」のそれですが「SSG010」は「アストロン」辺りとも比肩するレベルのカッコ良さじゃないでしょうか(*´∀`*)
ゴールドの差し色の効き方も上品ですし、アプライドインデックスや各インダイアルのデザインもシックでいい感じです。「アストロン的」な「ゴテッ」とした時計が欲しい方の候補になるやも?
個性を重視する方、他人と絶対に被りたくない方ならば、例え「逆輸入」といえども冒険する価値のあるおもしろい時計だと思います。何といってもSEIKO製ですからね。絶対の安心があるはずです。
今回は「コーチュラ」のコレクションから(これでも)比較的地味なモデルをリストアップしてみました。
海外、特に欧米の消費者と日本人の感性の違いと言ってしまえばそれまでなのですが、「突飛」なものを受け入れる器の大きさが違うのだと思います。個性的な人・モノほど尊重されるエゴイズムな社会で評価され続けるSEIKO「コーチュラ」。SEIKOのお膝元である日本の時計好きが、もっと評価しても良いのではないかと感じました。
私もコレクションに加えたい衝動と戦っています(;´∀`)
過去記事をマイナーチェンジしましたよ(*´∀`*)
興味のある方はゼヒゼヒ(*´∀`*)
ご意見・ご感想
コメント一覧 (4件)
頂いたコメントに長らく気付けず、誠に申し訳ありませんでした(汗)
コーチュラを取り上げたサイトは確かに希少で、私も海外のブログなどを参考にしました。
コーチュラのように「アク」の強い時計は使えば使うほど愛着が湧きます。滅多に被らないというだけでも価値がある時計だと思います。
弊ブログが参考になったとしたら、とても嬉しいことです。
ご報告ありがとうございました。今後もよろしくお願いします(*´∀`*)
なんで知ったか忘れましたが、ネットショップで
コーチュラを発見し、一目惚れしました。
しかし日本未発売もあり、情報量も少なく、
こちらのサイトが役に立ちました。
おかげでSSG021を購入し、愛用しています。
3万円程度のものよりもゴージャスで機能的で
ありながら、アストロン等のように、普段使いでは
気を遣う程ではなく、ちょうど良い価格帯で、
かつ人とは被らない、といったような、金持ちでは
ないけど、人と差を付けたい人(笑)の私には
ちょうど良い時計だと思います。
yuta-0302さま。
コメントありがとうございます♪
喜んでもらえて良かったです。
SEIKOの中ではアウトサイダーな「コーチュラ」ですが、
妙に心に残るシリーズですよね!
今後も時代に埋もれず、
時々は新作を出してくれたらなぁ~と、
切に願っています(*´∀`*)
コーチュラ特集(笑)嬉しいです!
自分はSSG019を持ってましたが、とても重くて存在感抜群でしたよ!SEIKOらしからぬデザインがとても好きでした!