8月末にリリースした記事『マイクロブランド「ヴェネチアニコ」のドレスライン『Redentore』が凄まじい!!』を読んで下さった「ヴェネチアニコの日本総代理店」である「東海時計商事株式会社(本社:愛知県名古屋市)」の広報さんから、弊サイトへご丁寧なメッセージを頂戴しました。そこには「弊社が伝えたい想いが全て書いてあり、ヴェネチアニコ取り扱いの正しさを改めて確信しました」と最大級の褒め言葉が。
さらに、私が件の文中で述べた「実機を見る機会があれば…」というリクエストに応えていただいた形で「9月に東京で開催するイベントへ来ませんか??」と願ってもないご招待が。ならば天地が引っくり返っても行くしかありません!! (*´∀`*)
ただ、開催がウイークデーだったため、会社勤めである私には少々のスケジュール調整が必要でした。そして、本来こういうイベントには同伴者を募ってワイワイお邪魔するのが楽しいわけですが、ウイークデーとなると都合の付く人は限られます。まあ最悪一人でも、それはそれで楽しんでこようとは思っていましたが…
ところが、最終的には「御3名さま」が都合を付けて下さいました。初めてお目にかかる方… 腕時計ユーチューバーの「しば時計さん」も参加してくれることになって、断然気分が上がった私。あとのお二人はお馴染みさんですので何の心配もありません。腕時計という高額品を拝見する機会ですから、下手な人選は私の責任になります。その点、今回の「腕時計沼スクアッド」は安心安全。腕時計に関しては私より「プロ」の方ばかりですからね (*´∀`*)
写真より遥かに魅力溢れる「ヴェネチアニコ」の現物
ウイークデーであるイベント当日、西新宿を行き交うビジネスシャツの集団を横目で見ながら「腕時計で休みを取る」という禁忌を犯した私の心中は複雑でした。何とも言えない罪悪感と背徳感に苛まれつつ、丸ノ内線で移動を開始。
当然ながら地下鉄車内も完全な「ビジネスモード」。そんなわけで「皆の衆スマンね。ちょっくら時計見に行ってきます」と胸を張れない気弱な私でしたが、横に座った男性の左腕にフレデリック・コンスタントの「クラシック カレ オートマチック ハートビート」を発見してスイッチオン。腕時計の神さまが「今日一日、腕時計を楽しみなさい」とお赦し下さったに違いありません。よっしゃ!! 今日はヒートするぜ!!
少し早く現地に着いてしまった私は躊躇しつつも会場に突撃を敢行しました。おずおずと「あの… う、腕時計喫茶の砂布巾と申します」と自己紹介。すると、東海時計商事株式会社の「石黒代表」と「部長」、続いてユーロパッションのエリアマネージャーさんからもご挨拶を頂戴しました。ワイワイとフレンドリーにスタートです。
※ちなみにアホなワタクシ、この日のために新しくデザインし直した名刺を忘れるポカをやらかしました… 何たる不覚!! (;´Д`)
そして矢継ぎ早に「ヴェネチアニコ鑑賞会」がスタート。ブランド取り扱いの経緯や細かいお話を伺いつつ、私はひたすらに写真を撮り続けました。こんな贅沢な機会、滅多にありませんからねぇ(しばらくして3名の「時計沼の住人」が合流… )
目移り上等!! ヴェネチアニコの各種ラインナップ
さすがにヴェネチアニコの全モデルが揃って… というわけではありませんでしたが、人気のある或いは人気の出そうな主要モデルを目の前にズラ~ッと並べていただきました。こりゃあスゴい!! ゴージャスだ!!
まずは「メカニケ・ヴェネチアン」時代からの人気ダイバーズ「ネレイデ」各種を拝見しました。想像していたよりも大ぶりな感じはしましたが、何と言いますか… 逆にそれが良い!!(笑) 表現の難しさはありますが、トータルデザイン的に大きさを全く持て余していないのです。腕に装着するとあら不思議!! ある種の納得しかありませんでした (*´∀`*)
NEREIDE〈ネレイデ〉CERAMICA 42 ブラック ダイヤル(16万5000円)
こちらはセラミックインサートのベゼル(120クリック)を持つケース幅42ミリのダイバーズ「ネレイデ CERAMICA」です。文字盤はツヤツヤのエナメル仕上げ。セリタの自動巻「Cal.SW200-1」搭載。20気圧防水です。ブレスレットとラバーのモデルがあります。
NEREIDE〈ネレイデ〉CERAMICA 42 ホワイト ダイヤル(16万5000円)
こちらの白い「CERAMICA」は如何でしょうか?? より上品に袖口を飾りたい方なら、ブラックダイヤルよりこちらかもしれません。セラミックベゼルの黒とダイヤルの白、コントラストが視線を掴んで離しませんね。ああ…これはイケメンダイバーズだ (*´ω`*)
NEREIDE〈ネレイデ〉TUNGSTENO 39(19万8000円)
こちらはケース幅39ミリ、タングステンのベゼルインサートを持つ「ネレイデ TUNGSTENO 39」です。ムーブメントはミヨタ製「Cal.9039」。MOPのダイヤルと怪しく輝くタングステン。美の二重奏ですねぇ (*´ω`*)
お!? いきますか!? @Daizi0302さん。好きそうだもんなぁ(笑)
NEREIDE〈ネレイデ〉ULTRALEGGERO 42(18万1500円)
スケルトナイズドされたダイヤルがまるで超高級独立系の時計のような「ULTRALEGGERO」。実際これ、めちゃくちゃキレイでした。セイコー製自動巻「セイコーNH70A」搭載。20気圧防水、ケース幅42ミリ。
この手の「表スケルトン」を持っていない私としては心の深くまで突き刺さった時計です。公式ページを見た際に印象に残ったトップ3に入っていましたし、今思えば買っておくべきモデルでした(この気持ちを人は後悔と呼ぶ… ) ああ… 買っておけばよかった~ マクロ撮影も捗ったはず… (;´Д`)
参ったなぁ… いや実際、価格とクオリティーのバランスがバグりまくってませんか??(笑)
腕時計の「高級感の感じ方」には人それぞれの基準があると思いますが、長年、腕時計趣味に傾倒し、人生の大半を捧げるまでになってくると、解りやすい外見… 例えば磨きの平滑さや美しく揃ったヘアライン仕上げ以上に、高級の基準とすべき「ポイント」が気になるようになってきます。言うなればそれは「高級機なら必ずそうである」部分。腕時計の「美」を突き詰めた先… つまり「高級機」と呼ばれるクラスの時計なら「備えていなくてはならない条件」のことです。
「ネレイデ」の初見では美しいベゼルやダイヤル面に心を奪われるでしょう。次にしっかり仕上げられたケースやブレスレットに興味が移るかもしれません。ですがそれらはあくまで「外見」。人間に例えれば「洋服を誉めている」ようなもの。惜しい!! そこじゃないんです (;´Д`)
魅惑のダイバーズ「ネレイデ」 に感じる高級感の正体とは??
最初に「大ぶりに見える」と言っておいて、返す刀で「それが良い」と変説した私ですが… 恐らくそれが答えです。細部ではなく、時計全体をマルッと評価していく過程で「ネレイデ」に対する印象は大きく変化します。
ダイバーズにはシティユースに寄せた「小ぶりなダイバーズ」と、ガチな性能を詰め込んだ「大ぶりなダイバーズ」があるわけですが、この「ネレイデ」にはそれら両方のストロングポイントが程よい加減で詰まっているのです。
例えばロレックスの「サブマリーナ」に対して「大きい小さい」で言及する人はそれほどいません。これはサブマリーナというダイバーズの設計が「万人が格好良いと評価する中央値」に合わせてあるからだと思います。性能を担保しつつ着地した場所がたまたまそうだったとしても、ユーザーからの膨大なフィードバックを背景に生まれたサブマリーナだからこそ、自然と「最適解」に辿り着けたのでしょう。
私は「ネレイデ」にも同じような印象を持ちました。「大きいか」と思った次の瞬間に「そうでもないか」と思い直し、左腕に巻いた瞬間に「正解!!」と膝を打った理由は、設計段階で目指したものが完成品のプロダクトにおいて「高い必然性をもって結実」したからに他ならないと考えています。42ミリ径ですから大きいはずなんですけどね。不思議と丁度良いと思えるのです (*´ω`*)
腕時計における「完成度」は消費者に与える「説得力」と同義です。腕に巻いた途端、ケースサイズなどの「数値」や「外観」から得た情報… 要するに「スペック主体の評価」を一変させた「何か」の正体は、有無を言わせぬ「説得力」そのものだったに違いありません。
インパクト充分なサイズ感ながら、上品な面差しが美しい「ネレイデ」。充分すぎる性能を誇りつつも実現した「驚きの低価格」。ヴェネチアニコの「ネレイデ」は、40万円辺りのミドルクラスに勝るとも劣らない実力と、それらを凌駕する完成度を持った「自慢したくなるダイバーズウォッチ」だと思います。細部に拘泥せず「コイツは格好良い!!」と感じたなら買いです (*´∀`*)
豊潤すぎる「ドレスライン」から「3本」をご紹介
そもそも私が『マイクロブランド「ヴェネチアニコ」のドレスライン『Redentore』が凄まじい!!』を書こうと思ったきっかけは「ヴェネチアニコに何やら面白いドレスウォッチが揃っているぞ!!」と聞いたからでした。そこで公式を確認すると… 想像を超えた世界観が今まさに完成しようとしているではないですか!! 何だこれ!? 面白すぎる!!
ここからは、バリエーション豊かに進化したヴェネチアニコのドレスライン「レデントーレ」をお見せしたいと思います。覚悟して下さいね。ヤバいですから (*´∀`*)
REDENTORE〈レデントーレ〉36 Diamond(17万500円)
誰かさんが数時間後には骨抜きにされて購入することになる、5気圧防水の自動巻(セイコー製NH35A)、ケース幅36ミリの「レデントーレ 36 Diamond」から行きましょうか(笑)
10Pダイヤインデックスの「デイトジャスト」を持っているので解りますが、ダイヤインデックスってやっぱり「派手派手しい」のですよ。だからこそドハマりする用途(パーティーなど)があるわけですが、普段の… 特にビジネスシーンなどで使うには勇気が必要なデザインだったりします。私が率先して取りに行かない理由のほぼ100%がそれ。人を選ぶデザインでもありますしね。
ところがこの「レデントーレ 36 Diamond」は… 何だろう… めちゃくちゃ可愛かった。こんな保守的な私ですら「連れて帰りたい」と思う愛らしさがあったのです。確かにダイヤインデックスはキラキラしますし、ダイヤルは「ブラックMOP」。そりゃあもう、輪をかけてエロチックな作りです。
それでも「レデントーレ 36 Diamond」は極々スマートにまとまっています。律儀な形状のケースデザインだからでしょうか?? ドーフィン針が「真面目くん」だからでしょうか??
ブレスレットとの相性も抜群ですし、ほのかなラグジュアリー感がお好きな方ならば、かなりどハマリするモデルだと思います。そうですよね?? @Daizi0302 さん(笑)
REDENTORE〈レデントーレ〉ULTRABLACK 40(9万1300円)
セイコー製自動巻「NH35A」搭載。40ミリ幅のケースで5気圧防水の「レデントーレ ULTRABLACK」です。シンプル過ぎるからでしょうか… 凄い緊張感がありますね。
このモデルの細部に目を移す前に、私にはやらねばならないことがありました。果たして自分に「インデックスなしの時計」が読めるのかどうか…
結論から言うと、全く微塵の躊躇もなく時刻が読めました。考えてみれば、普段からインデックスを確認して針の位置と照合するなんて、そんなまどろっこしいことはしていませんでした。私は無意識に「針のポジションを画像として記憶していた」のでしょう。要するに、インデックスなんて飾りなんです!!(偉い人にはそれが解ら… )
丁寧に仕上げられた幅40ミリのケース。深淵に湛えられた黒い泉のようにも見えるダイヤルは99.4%の光を吸収する日本製の塗料「Musou Black」。価格を疑いたくなる仕上がりの針… ドレスウォッチとして卓越した完成度を感じさせる時計です。この時点でワタクシ、9割以上の確率で「お迎えしちゃうな」と自覚しました(笑)
現状で140本に迫る時計を所持する私にしても、これは「初めてのデザイン」。H.モーザーの「コンセプト」にも通じる「Less is More」… 要するに「シンプルすぎるが故に超攻撃的なデザイン」が、地味な自分に似合うのかという心配はありましたが、このお値段(9万1300円)で「試せる」とあれば前向きにならざるを得ません (*´∀`*)
問題は「サイズ」です。このモデル、実は「40ミリ」「36ミリ」の2サイズ展開なんですよ。日本人の場合、ここは逡巡せず「36ミリ」を選ぶ人は多いと思います。当初は私も「36ミリやなぁ」と極々素直に考えていました。ドレスウォッチですし、袖口にスルッと収まる小径がベストに決まっています。
ところが、交互に試着を重ねるとわけが解らなくなってきました。デザイン要素は裏蓋も含め全く同一ですので、純粋にサイズで選ばなければならない分、根拠となる「最後の一押し」に欠ける気がしたのです。すると、私が困っているのを見越してか同伴者の一人がひと言「それなら40ミリの方ですね」。
そうなんです。ケースサイズがこれだけ違えば、当然ながら「似合うストラップやブレスレット」も変わります。「レデントーレ ULTRABLACK」を見ながら私が呟いた「ドイツ製のミラネーゼが合いそう」に反応して、彼なりの提案をしてくれたのでした。
この時点でぐぐーっと「40ミリ」に傾いた私。さらによくよく考えれば、このデザインは何もない「漆黒」を楽しむべきものなんですよ。デザインとは「余白のコントロール」であると、美術の専門教育を受けた方ならご存じでしょうが、この「レデントーレ ULTRABLACK」の場合、コントロールされた「余黒」を最大限に味わうのでなければそもそもの意義が薄れる… と半ば強引な論理を組み立てた結果、私は「40ミリ購入」でカードを切りました(笑)
REDENTORE〈レデントーレ〉36 Salicornia
コンパクトな36ミリ幅ケースは5気圧防水。セイコー製自動巻「NH35A」を搭載した「レデントーレ 36 Salicornia」です。
デザイン的にはマイクロブランドがこぞって作りたがる代表格の「セクターダイヤル」です。しかしそこにも「ヴェネチアニコらしさ」は発揮されていました。
セクターダイヤルとは古の時代に多く作られたデザインの復刻です。ですから方向性としてはヴィンテージテイストを目指した物がほとんど。ところがこの「レデントーレ 36」の場合、目の前の時計からは一切の古臭さを感じませんでした。むしろ僅かな「未来感」すら漂っています。
これもデザイナーとしての想像に過ぎませんが、ヴェネチアニコの物作りにおいては、定番の意匠を借りてきたとしても最後のまとめ部分で必ず「らしさ」が出るように味付けされているのではないかと思います。セクターダイヤル、3針センターセコンドの時計を幾つか並べてみれば違いがわかるはず。ヴェネチアニコの「レデントーレ」が突出して目立つはずですから (*´∀`*)
ってなわけで、この日のシャツの色にもピッタリだった「レデントーレ 36」の『赤』でカードを切りました。ブルーグリーンは同伴者が購入。計らずして「禁断のオソロ」に(笑)
マイクロブランドに蔓延しつつある「ポリコレ感」を吹き飛ばす、自由奔放な「ヴェネチアニコ」
世界的なコロナウイルスの蔓延は反面、メーカーと消費者の直接取引「BtoC」を加速させました。その中で腕時計の「マイクロブランド」も台頭。今では数え切れないほどのマイクロブランドが既存のヒエラルキーを破壊せんと奮闘中です。
と同時に、本来なら何らの縛りもないはずのそれらブランドの間に、目に見えない「横一線」が引かれつつあると感じる私。好調のマイクロブランドに倣う後発が多数出現したことで、何やら「マイクロブランドってこう言う時計だよね??」という括りらしき物が見え始めたのです。実際、これはマズいと思います。同じような価格帯で同じようなマイクロブランドが乱立する事態が起きれば、そもそもが「趣味性のカタマリ」である腕時計の魅力は失われてしまいます。
マイクロブランドが持つ「ニッチでマニアックなブランド」という武器は「安くて使える製品」を作っていることだけで担保されているわけではありません。メジャーブランドにはない「独創的且つ挑戦的なデザイン」があって初めて「かなり安いし、それなら買ってみようか!!」と消費者に行動を促すのです。
マイクロブランドを取り囲む空気に、行き過ぎた「ポリコレ感」が蔓延したとき、マイクロブランドは最大の武器と最大の美点を失います。この時代の企業がポリコレを意識しなければならない事情はあるとしても、物作りにおけるポリコレはただの「守り」に過ぎません。小規模メーカーだからこそ、その辺りの舵取りを間違えれば一気に萎む可能性も出てくるでしょう。
旧「メカニケ・ヴェネチアン」… 現「ヴェネチアニコ」のラインナップを久しぶりに拝見したとき、私の心中に溜まりつつあった「マイクロブランドの将来に対する危惧」を吹き飛ばす強い風が吹いたように感じました。自由なのです。奔放なのです。それでいて一本筋が通っている。
マイクロブランドとしては「ギャンブル」としか思えない、趣味性の高いキワキワなデザインを何本も揃え「ポリコレ思想とは異なる世界観」を作り上げつつあるイタリア発の新鋭ブランド「ヴェネチアニコ」。小規模メーカーながらその尖りっぷりは「高級腕時計」という小さな機械を、再び「趣味の王様」に据え直す試みにも見えます。きっと、遠大な将来像と壮大な野望があるのだと思いますよ。ヴェネチアニコさんには。
最後に… 濃厚で幻惑的な世界観を持つ「ヴェネチアニコ」の進化を見逃すな!!
いやぁ~ この日のイベントは最高でしたね。誰かを同伴者として招待するのは何気に初めてでしたが、よくお解りの方たちが揃ったお陰で、終始笑い声が絶えない愉快な時間を過ごせました。石黒代表をはじめ、東海時計商事株式会社の皆さまの細やかなお気遣いにも感謝申し上げます。
さて、本当にどれくらい楽しかったのかと申しますと、私を含めた4名全員が「時計を買いました」(笑) いやいや、こういうイベントにはそこそこの回数参加させていただきましたが、こんなのは初めてです。しかも、4人で6本って (;´∀`)
恐るべし「ヴェネチアニコのフェロモン」!! 恐るべし「東海時計商事株式会社」!!ですね(笑)
さて、ハイブランドブティックの扉を勇気を振り絞って開けたとき、風もないのに「ぶわー」と熱風のようなものが吹いてきてたじろいだことはありませんか?? 私はあの熱風こそが一流ブランドだけが持ち得る見えない結界…「大いなる世界観の壁」だと考えています。
一歩踏み込めばむせ返る何かで身体の自由が奪われ、ブランドの「圧」に屈しそうになるあの感じ… 価値観すら容易に明け渡しそうになるあの「現象」さえなければ、私の銀行口座にはもう少しマシな残高が並んでいたことでしょう(泣)
私は「ヴェネチアニコ」の時計に、それらと同じ「大いなる畏怖」を感じました。売れ筋に迎合するよりも先にブランドのアイデンティティーを前面に押し立てるエキサイティングな姿は、まさに「前のめりなハイブランド」のそれ!!
設立から数年のブランドでありながら100年を優に超える歴史を持つブランドと変わらぬ「圧力」を感じさせるとは、誠に恐ろしいブランドに成長したものです。10年後にはどんな成長を見せていることか… 焦らず慌てず、今まで通り「泰然自若」のスタンスで歩み続ける限り、時代が勝手にヴェネチアニコを後押しするでしょう。
この先、コロナ禍をチャンスに生まれた新興ブランドの多くが競争に負け、華やかな表舞台から消えていくはずです。ですがこの「ヴェネチアニコ」というブランドからは、例え苦境に陥っても踏ん張り続けるであろう「気骨」を感じるのです。まずは「10年」このエキサイティングなマイクロブランドの趨勢を見守りましょう。予想外に「ビッグな存在」になってるかもですよ!!
※砂布巾が購入した2本の「レデントーレ」のレビュー記事は、後日改めて掲載予定です。楽しみにお待ち下さいませ。
ご意見・ご感想
コメント一覧 (4件)
砂布巾さま、先日は弊社主催の鑑賞会にお越し下さりありがとうございました。マイクロブランドならではのヴェネチアニコの魅力を、弊社に代わってこんなにもご丁寧に分かりやすく記事にして頂きありがとうございます。時計を愛する方からお褒めの言葉を頂戴できて感激しております。社内でも共有させて頂きます。是非またお越しくださいませ。心よりお待ち致しております。
東海時計商事株式会社 広報ご担当さま。コメントありがとうございます♬
こちらこそ特別な場にお呼びいただき光栄でした。
同伴の皆さんも口々に「楽しかった」と言っておられましたし、私自身も良い経験をさせていただきました。
それにしても、ヴェネチアニコは素晴らしい!!
ブランドのアイデンティティがしっかりしていて、時計初心者の方にも安心して薦められる時計ばかりでした。
これから先の「新作」にも期待が高まりますね!!
そうだ!!「REDENTORE ULTRABLACK」をあちこちで披露しましたが、大モテでした!!
インデックスのない時計の流行が来るかもしれません(笑)
値上げのニュースが多いなか、
こういう記事はうれしい気持ちになりますね!
お店で見るのが楽しみです!
Y太さま。コメントありがとうございます🎵
法外な価格の時計が良いのは当たり前で、最近は余り心が揺さぶられることもなくなりましたが、この辺りの価格で良い時計を見つけると「祭り」が起きます(笑)
このときはまさに「ヴェネチアニコ祭」といった感じで、ワタクシ、年甲斐もなくワッショイしてしまいました。安くて「心に響く時計」でしたからしょうがないですよねぇ(*´д`*)