国産時計の良心的ブランド「オリエント」がちょっぴり面白いプレスリリースを出してますので、今回はその取り組みをご紹介したいと思います (*´ω`*)
「オリエント」と言えば、世界中の腕時計ファンから「初心者に薦めるべき時計」として確固たるポジションを築いていますよね。実際、順当に腕時計趣味の歩みを進める中で、オリエントの… 特に機械式を避けて通ることは難しいと思います。特に、サラリーマンのお小遣いから捻り出せる「腕時計資金」を考えれば、オリエントの機械式はまさに「救済」です。
ワタクシ個人的には、どこの馬の骨かも解らないブランドの時計をどこぞのECサイトで購入するよりも、安心と安全と、何より「分厚い歴史」を持つ「オリエント」でええやん?? と思います。
「オリエント」の素晴らしさは幾つもありますが、まずは腕時計立国、天下の「ジャパニーズ ブランド」であること。昨今、日本の国力は低下し堂々と「先進国」と名乗れなくなって久しいですが、こと「物づくり」に関するマインドと、それらを提供する際の「もてなしの心」の部分では、未だに一流だと思っています。
次に挙げたいのは「自社製ムーブメント」であること。2009年にセイコーエプソンの完全子会社となってからも開発の自律は保たれているようですし、脈々と受け継がれた「準マニファクチュール」としての存在感は何ら薄まっていません。
ここ重要です!! 実売価格「数万円」で「自社製のムーブメント」が載っているのですよ。セイコーやシチズンも同様ですが、日本の垂直統合型精神が可能にした「終始一貫開発」。こんな時計製造業者、他の国には存在しません。
もう一つは「ニッチながらも深く刺さるデザイン」であることを強力に推したいと思います。ブランド名「オリエント」の名前そのままに、どんなジャンルのデザインでも必ず「東洋風」にしてしまうオリエント。流行のデザインに乗っかっても、どこかで加味される「ちょいダサ風味」。
だからこそ… だからこそなんです!!「人気みたいだから手に入れた」みたいな浅慮な購入にはならないのですよ。つまり、オリエントが欲しいときは「絶対にオリエントじゃないとダメ」なんです。数万円の時計の購入でこれほど「熱くなれる」ブランドも珍しいのではないでしょうか??
バンビーノ 38が「いい感じのストラップ」推しでリニューアル
既存モデルの「リニューアル」と言えば「ダイヤルカラーのバリエーション追加推し」が定石です。ところが2024年11月7日からオンラインストアで販売される「バンビーノ 38」は違いました。何だか珍しく「ストラップ推し」なのです。ファッションウォッチブランドではありがちな戦術ですが「激渋」のオリエントですからね。何だか隔世の感があります。
「ストラップが変わっただけなんかーい!!」と山田ルイ53世辺りからツッコミを食らいそうな展開ではありますが、私はこれ、めっちゃ面白いと思いました。
腕時計のことが好きで好きでたまらなくなれば、自然と「ストラップ」への興味も増すわけですが、腕時計趣味初心者の方々にしてみれば、そんな心の(お金の)ゆとりはないかもしれません。ガチなストラップは平気で数万円しますし、それだと時計よりも高くなってしまうケースも。ですから、オリジナル状態の「お仕着せストラップ」が優れているに越したことはないのです。
優れた標準ストラップと言えば、むか~しに購入した「オリエント スター」に標準装備の「ソメスサドルのストラップ」を思い出す私。未だにこれだけはそのまま愛用していますからね。デザインの見た目や風合いが時計と合っていることが一番の理由ですが、少なくとも「速攻で換えたくなるシロモノ」ではなかったことが、ここまでの生き残りに繋がっていると思います。
今回の「バンビーノ」にセットされたのは「スムース仕上げのブラウンカーフレザーストラップ」。スエードやクロコ型押しが多かったバンビーノですから、もうそれだけで新鮮です。型押しよりは絶対こっちの方がステキ!!
高級腕時計ブランドでも最近はそんな感じですが、ストラップに関して「どうせすぐに換えちゃうんでしょ??」という「諦めた気持ち」で提供されることが増えてきたように思います。ストラップだけは明らかに「昔の方が良かった」と思いますが如何でしょう??
ですから「オリエント」のような庶民的なブランドが「ストラップ」にフォーカスして発信しているのを見付けたとき、何とも言えず嬉しく思いました。
そもそも「腕」時計と称される以上は、ストラップ(ブレス)と一体化した状態で「完成品」であるべきです。当たり前のことですが、この当たり前を当たり前に表明した「オリエント」の姿勢は賞賛に値すると思います (*´∀`*)
永遠に好きでいられる「バンビーノ 38」のデザイン
クラシカルでレトロ、38.4ミリという男性女性どちらが着けてもサマになるサイズ感が嬉しいケースデザイン。ダイヤルは終端に向かって沈み込む美しい「ボンベダイヤル」を採用。視覚に緊張感をもたらす針の作りも見事です。見知らぬ誰かが着けていたら、絶対に数万円の時計には見えないと断言します。
RN-AC0M14L(4万2900円・税込み)
サンレイ処理されたダイヤルカラーは男女どちらからの支持も高い色彩、寒色系「ベビーブルー」と暖色系「カッパー」。古式ゆかしいデザインながら、トレンドを捉えた若々しさもあります。これからの季節でコートに合わせることを考えると、キャメルや白っぽいコートなら「ベビーブルー」。黒や濃いめのブラウンのなら「カッパー」でしょうか?? いや… 逆でも格好良いかも??(笑)
RN-AC0M15Y(4万2900円・税込み)
風防はミネラルのボックスガラス。要するに普通のガラスですから特筆すべき点ではありません。ただ、丸っこいシルエットが何とも可愛らしく、愛したくなる時計であることは間違いありません。
ムーブメントは自社製キャリバー「Cal.F6724」。日差は+25 秒~-15 秒、40時間のパワーリザーブです。ぶっちゃけ、普段使いにはもったいない性能だと思います。そう言えば… オリエントの時計を使っていて、ムーブメント関係の不具合を経験したことがないんですよねぇ。旧セイコー5のCal.7Sもそうですが、エントリーモデルってエントリーだからこそ「簡単に故障したら意味がない」のです。
可愛らしいルックスに骨太な性能。玄人にこそ「欲しい」と思わせる圧倒的なバリュー。
デイト表示のみのシンプルな3針で、デイリーユースにピッタリな「バンビーノ 38」。何かとセンシティブで息苦しい現代日本をともに駆け抜ける「小粋な相棒」として如何でしょうか?? (*´ω`*)
最後に… 無理なくステップアップが可能な「オリエントの世界」
ブランドとしての「オリエント」の素晴らしさは、引き続き同じ世界観で「上を見られる」ことです。オリエントの数万円で機械式腕時計の扉を開け、数年後に満を持して飛び込む上位ブランド「オリエント スター」の世界。スイス製の高級時計を手にする直前の「プチ高級」として、これほど相応しいブランドもありません。
「オリエント」がエプソンに完全子会社化され、企業としての独立を失って久しいですが、セイコーエプソンが「オリエント ブランド」を継続させた意味を考えれば、日本のリーディングメーカー「セイコー帝国」にしても「オリエント消滅はもったいない」と思わせる何か… 将来性があったのだと思います。
セイコーには難しい展開の中にこそ「オリエント」が光輝くチャンスがあると私は思います。今回のような「ストラップ違いで新リリース」といった取り組みも、小回りがきく「オリエント ブランド」がやるからこそ「よっしゃ!! どんどん行ったれ!!」と応援したい気持ちになるのです。
「バンビーノ 38」の仕様 | |
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品番 | RN-AC0M14L、RN-AC0M15Y |
メーカー 希望小売価格 | 4万2900円 (39,000+税) |
ムーブメント | 自社製キャリバーF6724 自動巻き(手巻き付)秒針停止機能あり、22石 |
駆動時間 | 40時間以上 |
精度 | 日差+25秒~-15秒(静的精度) |
ケース素材 | ステンレススチール |
ケースサイズ | 縦 44.0mm /横 38.4mm /厚さ12.5mm |
風防 | 無機ガラス |
裏(トランスペアレント) | 無機ガラス |
バンド(ストラップ) | 皮革 |
防水性 | 3気圧防水 |
発売予定日 | 2024年11月7日、海外限定数2500本、2450本(日本国内限定数はどちらも50本) |
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