何を以て「ツールウォッチ」と呼ぶのかについては、私にも朧気なイメージしかありません。時間を表示する以外の明確な機能性があればツールウォッチと呼ぶそうですが、その辺の適当なドレスウォッチにだって、そう言う使い方が無理というわけではありません。ツールとして使うか否かはあくまで使用者の扱いの問題で、正確な時間が計測出来る時計であれば、全てが「優秀な道具」になり得る可能性を秘めています。
ただ、世の中には「ツールウォッチ」としてのアイデンティティを前面に押し出すことで、腕時計市場に確固たる橋頭堡を築いたメーカーがございます。中でも「Sinn Spezialuhren(ジン特殊時計会社)」の存在は別格。頑なにラグジュアリーから一定の距離を置く「男らしさ」。そこにズキュンとハートを鷲掴みにされた諸兄に熱烈な支持を受けているのが「Sinn(ジン)」というブランドです (*´∀`*)
ドイツデザインにとって「バウハウス」は、武器であり足枷でもある
ジンのお話を進める前に「ドイツのプロダクトデザイン」について私見を述べておきます。
ドイツプロダクトの多くに言えることですが、どこかに謎の「取っ付きにくさ」を感じませんか?? これはどう考えても、ドイツの製品開発が未だに「バウハウス(Bauhaus)」を引き摺っているからとしか思えません。
合理主義と機能主義を極限まで追求し、あらゆる無駄を廃した先に「歴史を超越する美」を見出そうとした芸術学校、或いはその思想そのものの総称が「バウハウス」です。これまで優秀なドイツプロダクトの数々に、特別なブランド力を与え続けてきた枕詞「バウハウス」。
反面「水清ければ魚棲まず」の倣いもある通り、四角四面でガッチガチに固まった思想に付いていけない人も多く存在します (;´∀`)
例えば私の美大生時代、バウハウスのプロダクトに関して交わした会話の中で「どこを面白がれば良いのか解らない」と感想を漏らす同級生も多くいました。実際、合理主義の果てには「デザインなんてそもそも必要ないのでは??」という恐ろしい考えが頭を過ぎるわけです。要するに、バウハウスを認めるイコール、自分たちの存在を否定するに繋がるのではないかという心配があったのです。
Bauhaus(バウハウス)を理解する難しさ
「デザイン専門家のタマゴ」たちですらそうなのですから、一般の方にとって「真にバウハウスを理解する」ことは容易ではないでしょう。ただ単に「シンプル過ぎるデザイン」として認知されてしまえば、バウハウスのプロダクトほど面白味に欠けるものはありません。
だからこそなのかもしれませんが、努力して理解できるようになった人たちは「バウハウスの熱烈な信奉者」になりがちです。勉強を重ねてバウハウスの深慮に近付く行為自体に価値を見出す方もいらっしゃいます。私もバウハウスの関連本を買い漁ったりして、一端の信奉者を気取ってましたっけ。
私はそれを「バウハウス搾取」と呼んでいる
そんな感じですからバウハウス、或いはバウハウス風のデザインを纏ったプロダクトには、どこか「アカデミック」な薫りが漂います。大衆向けとは言い難い「極限まで要素を省いたデザイン」が知識偏重の「選ばれし消費者」を育ててきたのです。
バウハウスの「哲学然」とした厳めしさは、孤高の様相を呈するものです。少なくとも「さあ皆さん!! 寄ってらっしゃい!!」的な存在ではありませんから、バウハウスという「ブランド」に前向きな反応を示す人でもない限り、単にシンプルなデザインとして見られてしまうのが関の山。それは全く以てバウハウスが企図した本来の姿とは異なります。
プロダクトデザインの世界で、バウハウスの扱い自体が大きな岐路に立たされていることは確かです。ドイツデザインにとって最大の流派とも言える「バウハウス」に今後も頼り続けるのか、或いは新たな潮流を生み出し、ドイツ時計はかくあるべしという「新たなバウハウス」を生み出すのか…
バウハウスの表層だけをすくい取ったかのような「なんちゃってバウハウス」の乱造は、ただでさえシンプル故に「執着の対象としては弱い」バウハウスの「陳腐化」に繋がる搾取行為です。作るのであればグロピウスやファン・デル・ローエが思い描いた神髄に届くプロダクトを目指してほしいなぁ~と思います (;´∀`)
Sinn(ジン特殊時計会社)の「一本気な解りやすさ」
件の「Sinn(ジン)」にしたところで、ドイツの現代デザインを基礎としたシンプルなデザインで成り立っています。根っこにはバウハウスが見え隠れするのですよ。
ところが… です。妙に艶めかしくギラギラしてますよね?? ジンの時計って。そこでワタクシ、その「熱っぽさ」の正体は一体何なのだろうと考えてみました。そして先日、その答えらしきものを渋谷の「ジン・デポ渋谷」さんで見付けたのです。
そこに居並ぶ腕時計を拝見して感じました。要するにブランドの創始者である「ヘルムート・ジン」その人の息吹が、ジンのプロダクトに今なお色濃く残っているからではないかと気付かされたのです。
「Helmut Sinn(ヘルムート・ジン)1916–2018」… 説明するまでもないドイツ時計の大立て者ですが、飛行教官兼パイロットだった彼が1961年に創立したブランドこそ、当初は「Helmut Sinn Spezialuhren(ヘルムート・ジン特殊時計)」と呼ばれていた「ジン特殊時計会社」です。
自らも操縦桿を握っていた彼は、パイロットにとって使いやすい時計の条件を熟知していました。ブランドを成長させるにあたり、まずはパイロットクロノグラフの製造に注力。小売店を介さず直接販売するという、現代のマイクロブランドの先駆けのような手法で着々と足下を固めていったわけです。
実際、並々ならぬ苦労があったと思いますが「鉄の信念」ってヤツですね。その後もひたすらぶれることなく、いつしか「ジン」というブランドのイメージは「工業国ドイツの質実剛健」を体現するまでになるのです。
ここだと思うのです。確かに質実剛健はシンプルな意匠にも繋がり、その極致と言えば「バウハウス」です。しかし、謂わば自分の足でそこに辿り着いた「ジンのシンプル」には、バウハウスを剽窃した有象無象からは感じられない「深い説得力」が感じられます。プロレスに例えれば「痛そうな音だけ出している逆水平チョップ」と「骨まで響く逆水平チョップ」くらい違いがあるのです。解りにくいですか?? (;´Д`)
ならば「メッセージ性が強い」と言い換えることもできるでしょう。巷の軽薄な空気に流されず、しっかりと地面に根を張ってきた「ジン」の時計には、それ故に「誰にでも解りやすいメッセージ」が込められているのです。各モデルに明確な開発意図があって、それぞれの用途も明確。現在のラインナップにもヘルムート・ジン氏のイデアが息づいているのだとすれば、それは彼が終生をかけて追い求めた「本物のドイツ時計を探求する旅」が未だ続いていることの証ではないかと思います。
今こそ欲しい「Sinn(ジン)」がある!!
私が現在保有しているジンは「903.ST.AUTO(Valjoux 7750)」のみです。淋しい… もう一本くらいジンがあってもバチは当たりません。
となれば、次は3針なのかと思いきや、やっぱりクロノグラフが欲しかったりするから困りものです。丁度、新しい903「903.St.HB」もリリースされたところですし、折角なので「ジン・デポ渋谷」さんまで行ってから悩むことにしました (*´∀`*)
2024年新作【903.St.HB】明らかに精緻さを増した「903」の進化
見たかったわけですよ。旧型903オーナーとしてはまず最初に「新しい903」を。ちなみにこの「903」というラインはご存じの通り、クオーツ・ショック(1970年代)でズタズタにされた「ブライトリング」から「ナビタイマー」のデザインとムーブメントを引き継ぐ形で生まれました。
名機ナビタイマーの歴史が途絶えるには忍びないと考えた両社の合意があったればこそですが、後に復活したブライトリングからもナビタイマーが出ることになり、現在は義兄弟のような2つのモデルが同時に存在するという面白いことになっています。今となってはそれぞれのブランドで進化した「2つのナビタイマー」の「変化」に注目して楽しむべきプロダクトです。
さて、新型の限定モデル「903.St.HB」ですが、これがまた素晴らしい仕上がり。特徴的だったインナーベゼル操作用のリューズ(10時位置)は無くなりましたが、元々の機能的なシンプルさを残しつつ、随所に工芸的で精緻な仕上げを施したそれは、かつてないほどラグジュアリーに見えました。同じ方程式でデザインされたものであっても、これほどまでに変わるものかと。
何より「新型903」が素晴らしいのは、完全再設計にも関わらず変更を最小限に留めたことでしょう。歴史を積み重ね、私を含め多くのファンを獲得してきた903です。昔からの馴染みを邪険にしない姿勢は、ジンの「ユーザー第一主義」を表わすものだと思います。ジンは裏切らない!!
ムーブメントはラ・ジュー・ペレ製「LJP L110(自動巻/26石/28,800振動)」パワーリザーブは約60時間です。そして驚きの「20気圧防水」ですよ。穴だらけのはずのクロノグラフで20気圧は凄まじい。気になるケース径は41ミリ。そのくらいの大きさで楽しみたい時計ではないでしょうか??
いやぁ… 悩みましたねぇ… このときはお財布が心許ない状況で買えませんでしたが、その代わりにこの日同伴だったお一人が「次の日」に購入されました。確かに「この人絶対に買うな」と思ってましたけれど、まさか次の日にすっ飛んでいくとは (;´∀`)
私はどうしましょうかねぇ… 機先を制された(?)格好ですが、2024年新作の903の中ではブルー文字盤のレギュラーモデル「903.St.B.E.Ⅱ」が気になっているところです。「ぎりぎり今年中に入ってくるかも~」って話でしたので、そちらを拝見してから悩むべしと考えています。やっぱりね、ナビタイマー配色ですよ(笑)
※ここから先は1週間後に再訪した際の写真です。服装が変わります。ご容赦を~(笑)
2024年新作【103.St.Ty.Hd】手巻きで復活したジンのアイコン
砂布巾という男の趣味をご存じの方であれば、私がこの時計を無視できないこともお解りでしょう。好きに決まっています。好きな要素しかありませんからね (*´∀`*)
男らしいアウトラインに男らしい各種デザイン要素を詰め込み、それでいてどこか力の抜けた「中性的な空気感」を感じる理由は、ジンというブランドの人当たりの良さにあるのかもしれません。
ジン自体も「103」というシリーズに並々ならぬ思い入れを抱いているようで「103こそがジンのアンバサダーである」と表明しているほど。確かに、クラシックなジンのアイコン的存在と言えば、この103シリーズが筆頭に上がるでしょう。
ちなみに今作「103.St.Ty.Hd」にはセリタ製手巻きムーブメント「SW510M」が載っているわけですが、これは手巻きの103としては「20年ぶり」のことだそうです。今作に対する意気込みのようなものを感じずにはいられません (*´ω`*)
ケース幅は41ミリです。黒いベゼルでキリッと締まった輪郭が与えられているので大きくは感じません。しかも奥さん!! 風防が「強化アクリル」なんですって!! プラ風防好きのダンナさんに教えてあげて!!(笑)
ストラップ素材はフランクフルト郊外に生息するイノシシの革だそうです(でしたよね??) 取り敢えず… 合掌(笑)
【240.ST】今更と言うなかれ!! 今だから欲しいデザインなのだ
どういうわけだか、ジン・デポ渋谷さんのショーケースの一角で、この「240.ST」がビカーッと輝いて見えまして。そう言えば持っていないタイプの時計だなぁ~と思って試着させてもらったわけですが…
ビックリしましたねぇ。このモデルってこんなにも「イケメン」なんだと。正直、この日載せたモデルの中では一番インパクトがありました。ガツンとくるジンらしさがあるのに、恐いくらい手首にシンデレラフィットするじゃありませんか。黒いセットアップにも合うなぁ~ (*´ω`*)
スペースクロノグラフ「140」の3針モデルという位置づけですが、43ミリの大型ケースですり鉢状に広く取られたダイヤルの視認性は抜群。ドイツ時計らしくシンプルな要素で構成されるダイヤルに、得も言われぬ色気があるのは「ジンだから」なのでしょう (*´∀`*)
ムーブメントはセリタ製「SW220-1(自動巻/26石/28,800振動)」。約38時間のパワーリザーブがあります。そこはまあ、普通ですね。
こう見えて「10気圧防水」ですし、雨の日用のシティーウォッチとして使うのもアリかなぁ~とイメージが膨らみました。それにしても、なぜ私はこんなにも「内転式のベゼル」が好きなんだろう(笑)
前から存在するモデルですし「何で今更??」と言われるかもしれません。ですが、結局のところ時計って、新作かどうかなんてどうでも良くないですか?? イマイチな新作を着けるくらいなら、刺さる旧作!! これです!!
【356.SA.FLIEGER.Ⅲ】抑えておくべき筆頭の「古典」
古典です。しかし、そこにこそ価値のある時計です。買えば間違いなく使いまくる。そして間違いなくドハマりするでしょう。「356.SA.FLIEGER.Ⅲ」は絶対にそう言う時計です。
万人に使いやすいサイズであろう直径38.5mmのケース。丹念に彫り込まれたギョーシェの美しさもさることながら、この「356」で一番格好良いのは「風防」です。5種類の異なる曲率半径を持つドーム型のサファイアクリスタル。この風防の出来の良さがこの時計にツールウォッチ以上のラグジュアリーを与えていると思います。大好物!!
ぶっちゃけ、すでに解釈の余地なんてない時計です。全ての答えはすでに出ている。私たちがやるべきことは古典文学の読み直しみたいなもので、忘れていたことを思い出すだけでいいのです。「そうだ、こんなに良い時計があるじゃないか」と…
ムーブメントはセリタ製「SW500」です。セリタの500番は優秀ですからね。何の不満もないと思います。しかも当たり前のように「10気圧防水」。しれっと「抑えるべきは抑える」ジンさんです。
【T50】ゴリゴリな厳つさと都会的なスマートさを併せ持ったダイビングウォッチ
最後に「この辺りのモデルは興味ありませんか??」と促されて「それならコレを…」と試着させていただいたのが「T50」でした。「ダイバーズ」なんて省略形で語るのもおこがましい「プロフェッショナル・潜水用腕時計」である「T50」。防水性能は50気圧、DIN8309準拠の耐磁性能4,800A/mを誇る「高強度チタン製のケース」です。
近年、水風呂にすら浸からない私にとっては、申し訳ないくらいのオーバースペック。街で使う時計じゃないわなぁ… (;´∀`)
しかし、腕に載せるとあら不思議。何これ!? めっちゃお洒落なんですけど!!
全ての形態に機能的な裏付けがあるという、ドイツプロダクトの真髄そのものにしか見えない無骨なデザイン。それが丁寧な仕上げで高水準に洗練され、むしろ「超都会的なクールさ」で胸に迫ってくるワケですよ。いやぁ正直、感動しました。そして反省。何事も先入観はいけません。
ケース幅も使いやすい「41ミリ」ですし、これはガンガン普段遣いすべき時計なのかもしれません。この日の私の服装(セットアップ)にもバッチリ似合ってました。いやこれ、本当に格好いい!!
恐らく来年… 買います(笑)
今はとにかくお金が無い!! これに尽きるわけですが(とか言って、何か買ったり予約したり??) 来年はジンを買います!! 最近、頓にジンの波が私の中で大きくなっていますしね。
この心理的な焦燥は「ジン欠乏症」と言っても良いくらいです。ああ、これが巷で言うところの「Sinn Sinn しちゃう現象」なんでしょうか?? ね、伊藤さん??
真面目な話「903」をどうするかで、私とジンさんとのお付き合いの「今後」が決まる気がします。新しい903を買うなら、まず確実に手元の古いヴァルジュー7750の903は手放すことになるでしょう。欲しい新型のデザインも所謂「ナビタイマーカラー」なので色が被ってしまうのです。ぶっちゃけ、これはどうしようもないと覚悟しています。
それ以外の時計であれば、今後のお付き合いの方向性は「ジンの色んな時計が欲しい!!」にシフトチェンジするかもしれません。ずっと気になってるところで言えば「フランクフルト・ファイナンシャル・ウォッチ(6012が特に)」… アレも相当に格好良いんですよねぇ。
ああ、でも!!「103.St.Ty.Hd」ですかねぇ。世界限定「1,000本」ですか… 来年まで待っててくれるかしら?? Sinn Sinn させてくれるのかしら?? (*´ω`*)
バウハウスの成功体験を捨て去った先にある「ドイツ時計」を見てみたい
ドイツデザインにとって、バウハウスは世界的に「最大のアイドル」であるわけですが、時代を超越するための各種メソッド自体が、時代に飲み込まれつつあるのは何とも皮肉な話です。とは言え不滅の思想もありませんから、最大の成功という恩恵をもたらした現代ドイツデザインの神髄であっても「時代におもねる」必要が生じているのかもしれません。
そもそも「バウハウス!! バウハウス!!」と連呼すれば、さすがにコモディティ化は避けられません。しかも本質的には「余計な付加価値を排除したデザイン」ですから、余程気を付けないとあっと言う間に安っぽくなりかねないのです。
ドイツ政府が国家として「バウハウス思想」を管理し、高い理想を定義した上でより洗練されたものにだけ「バウハウスを名乗らせる」といった大仰な策も考えられますが、この多様性の時代に逆行する策であることは明白です。現実味は薄いでしょう (;´∀`)
ですが、今や「デザイン」こそが「金のなる木」と言われる時代です。優れたデザインが「付加価値」に過ぎなかった時代は終わり、デザインこそが購入衝動を起こさせる最たるものになった事実を受け止めなければなりません。
この先で訪れるかもしれない停滞を回避するためには「ドイツらしさ」という、ある意味、画一化されてしまった古式から抜け出す必要があります。同時に時代を先駆する新機軸の誕生も不可欠でしょう。
私はジンこそが、ドイツらしさではなく「ジンらしさ」で、ドイツ時計の伝統を革新させてくれると期待しているのです。もちろん「ドイツプロダクトの魂」は一切失わずに… です。
最後に… 本格派ドイツ時計の良心「Sinn(ジン)」のさらなる躍進に期待!!
「一生、ひとつのブランドを追い続けることができたら、どれほど幸せだろう」と夢想することがあります。ロレックスには「ロレックスにしか興味がない」と言い切る達人が何人もいらっしゃいますが、他のブランドでは余り聞かない話です。ロレックスの時計には何十年来のファンを飽きさせないだけの「枯れない魅力」が溢れているのでしょう。
先ほど「ジンにドイツ時計の革新を牽引してもらいたい」と申しましたが、それは表面的なことを指して言ったわけではありません。例えばロレックスの場合、その「安心感」は明らかにプロダクト自体が醸しているものです。ブランドを熟知したファンの予想や未来への期待を裏切らず、新規のファンを虜にするだけの魅力を持った時計を持続的に供給できる屋台骨の確かさ…
少し方向性は異なりますが「ジン」の在り方もこれに似ています。ジン・デポ渋谷さんで数多くの時計を拝見して、そのことがよ~く解りました。「絶対の安心感」こそがジンの最大の武器かもしれません。
時計趣味人生の最初に「ジン」と出会っていたら、私にも「ジンしか買わない世界線」があったかもしれない… そんな風に強くイメージさせる何かが、ジンの現行ラインナップにはあります。
私が腕時計に興味を持ち始めた初期からずっと『ジン特殊時計会社』のままであり続けてくれたジン。ヘルムート・ジン氏亡き後に経営を託されたローター・シュミット氏も「ジンのあるべき現在」と「ジンの進むべき未来」において、ファンを裏切るようなことはないと信じています (*´ω`*)
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