ここ最近の私の課題は「腕時計の所有本数を減らす」こと。ぶっちゃけ、多頭飼いで飼育崩壊している状態ですからねぇ。常日頃から遍く愛情を注げていないという苦い自覚があるわけですから、それならできるだけ早く、新しい飼い主さんを探してあげるべきなのです。ただ、そういった対象の時計が多過ぎることもあって、行動自体は遅々として進んでいないわけですが… (;´Д`)
ところで先日、腕時計関係でお世話になった御礼(世話になる予定?)も兼ねて、とあるお二人に「合計4本の時計」をお譲りさせてもらいました。ここ数年、全くと言って良いほど出番のなかった時計たちでしたが、使用頻度の少なさもあって状態はそこそこキレイ。お二人とも「腕時計の酸いも甘いも知り尽くした」方たちでしたし、譲渡会は終始笑顔に包まれた、実に楽しい時間になりました (*´ω`*)
出番が少なくなっていたとは言えお気に入りの時計ばかりでしたが、中でも「CITIZEN プロマスターLAND(BJ7107-83E)」は手持ち唯一の「ワールドタイム系」ということで何気に惜しむ気持ちもありました。ただ、惜しいからこそ「差し上げる意味」があるのです。これまで腕時計喫茶の「キリ番企画」で放出してきた時計たちも、それに関しては同様です。
せっかく減らしたのに、また別の時計が欲しくなってどうする!?
それですよ。自分自身「度し難いなぁ」と思いますもん。そもそも私ってば「セイコー」ならバリエーション豊かに所持しているにも関わらず「シチズン」に関して言えば最近購入した「TSUYOSA」と、今回放出した「プロマスター LAND GMT(BJ7107-83E)」しか持っていなかったのです。つまりシチズンさんが「たったの一本」になってしまったと(笑)
何でしょうねぇ… さぞや淋しかろうと同じシチズングループの「ブローバ」さんたちで「TSUYOSA」を挟んでみても「異国の地で現地の人に慰められる日本人の図」みたいに見えちゃいましてねぇ。何だか無性に申し訳ない気持ちに。あぁこれは、早々に新しいシチズンさんを連れてこないとダメかしら??
4本の放出が今回の「大断捨離祭り」の先鋒を務めてくれたのは間違いないですし、折角空いた「4スロット」を早くも「別の何か」で埋めようとしている自分には「アホやろ??」としか思えません。しかしですねぇ… ただ闇雲に「シチズン買わなくちゃ!!」と思っているわけではないのです。あるんですよ。今まさに気になっている「シチズンの新作時計」が (*´∀`*)
プロマスター SKY エコ・ドライブ ジオ・トレッカー(BY3005-56、BY3006-53)
純粋に時計のデザインだけで言えば、私自身は繊細で危ういニュアンスのシチズンさんのデザインの方が、セイコーさんのガチッとしたデザインよりも好みです。特徴的な「UTC円板針」を搭載した新作「SKY」を見ても同じように感じました。例えるならプロスペックスが「俵屋宗達」で、プロマスターは「尾形光琳」なのです。すみません。何じゃそりゃ?? ですよね (;´Д`)
この新作「プロマスター SKY」を見た瞬間… こう言うのは全て瞬間作用なのですが…「使いたい!!」と思いました。「欲しい!!」じゃなくてです。上手く言えませんが、シチズンさんの時計って、所有欲を満たすというよりは「使ってみたくなる」ことが多いんです。確かにTSUYOSAにしても「普段遣いにしてぇ~」でしたもん (*´∀`*)
「UTC円盤針」に尽きる
「UTC」は「協定世界時」の略称です。例えば日本の標準時(JST)なら協定世界時から9時間進めた時間というように、世界各地の標準時を決める際の基準になっています。
原子時計(国際原子時)と実際の地球の自転に基づく時間(世界時)の間にはちょっとしたズレが生じるわけですが、その補正には「うるう秒」が用いられています。ちなみに「GMT」はグリニッジ天文台の場所を「0経度」とすることで定めた仮想時間です。UTCはそれより遙かに厳密で正確。とは言え、どちらも普段から意識するものではありませんけどね。
ですから「UTC円盤針」があったところで、実際にどれくらいの人たちが利用するか解りませんが、そんなこと関係ありません。格好良いから良いんです(笑)
一日をかけてゆっくり回転する「UTC円盤針」の存在感が、この「プロマスター SKY」を特別なものにしていると思います。機能としては6時位置のリングの数字を目安に、北半球の都市のおよその時刻を読み取ることが可能です。例え意味が解らずとも、いざというときに「使える機能」であることが重要です。例え利用しなくても「実用に足りる」から萌えるんですよ (*´ω`*)
最初に感じた「良い雰囲気」の正体
新宿のビックカメラさんで初めて実物(BY3005-56E)を手に取ったときに思いました。「何だか柔らかくて良い雰囲気が出てるなぁ」と。その正体は公式ページの説明の中にありました。
各都市の表記や数字に「古地図」などに見られた書体を採用しているそうです。ははぁ~ん。それで何だかノスタルジックなあたりの柔らかさを感じたのか… (*´ω`*)
また、航空計算尺には別の書体を割り当てることで、ゴチャゴチャしがちのダイヤル要素を可能な限り見易く整頓しようと試みています。この辺りですよ。私がシチズンのデザインに対して「芸の細かさ」を感じるのは。
「46ミリ」はデカいのか??
もちろん、小さくはありません。「46ミリ」ですもん。完全にパネライクラスですよ (;´∀`)
数値だけを先に把握していた私も「きっとデカいんだろうなぁ」と考えていました。腕時計相手に先入観は良くありませんが、ステンレスで46ミリというマッチョな条件で手持ちのアレやコレやと比較してみました。ザクッと「200グラム」はあるかもしれません(公式には記載なし)
ところが「あれ!?」ですよ。それほど重さを感じなかったのです。ズシッとくる重さが周径17センチの手首を貫いて、左肩にのし掛かってもおかしくないはずなのに。
情報はないかとビックカメラのスタッフさんに調べてもらいましたが、台帳にも記載はなかったそうです。しょうがないので「190グラム」と判明している別のモデルを着けてみました。すると…「BY3005-56E」の方が軽く感じるじゃないですか!! 展示品はブレスレットがフルコマの状態でしたから、実際の装着時はもっと軽くなるはず。コイツ… 使えるぞ!!(*´∀`*)
大型モデルとしては腕載りが奇跡的に良好なのでしょう。フィット感というよりは、ヘッドとブレスを含めた「全体の重量バランスが巧み」なのだと思います。比較的抑えたケース厚「11.5ミリ」も重心を下げる意味合いで着け心地に寄与しているはずです。
新開発の光発電エコ・ドライブ キャリバー「H864」搭載
こう見えて20気圧防水を誇るボディーの中身は新開発の「Cal.H864」。パーペチュアルカレンダー、デイ&デイト表示、24時間表示、ワールドタイム機能(26時差)、協定世界時(UTC)表示などを持つ高機能ムーブメントです。これだけ機能を詰め込んでいながら、フル充電状態におけるパワーセーブ時の動作継続時間は約2年半。当たり前のように耐磁1種を備えている辺りも最近のシチズンならではです。
ちなみに電波に頼らない状態(クオーツ動作時)の精度は「±15秒/月」になります。基本的には電波による時刻修正を繰り返すムーブメントですから、時間は常に正確 (*´∀`*)
「レギュラー」か「限定(BY3005-56E)」か… それが問題だ
その日、いそいそと実物を見に行ったビックカメラさんには、残念ながら「限定モデル」しかありませんでした。当初私が良いなと思ったのはレギュラーモデルの「BY3006-53E」でしたから、それを見ずにことを進めるわけには参りません。
白・黒・グレーでシブくまとめた「BY3006-53H」も捨てがたいですが、今のところブラックの随所に「グリーン」を効かせた「BY3006-53E」が一番刺さっています。写真映えもしそうです (*´∀`*)
では、唯一拝見できた限定モデルの「BY3005-56E」はどうかと言いますと… 良かったです。ちょっとだけ高くなっているだけのことはありました (*´∀`*)
「LAYERS of TIME」をテーマに、堆積した地層や鉱物をイメージして作られた「構造色文字板」には押しつけがましさもなく、新作SKYのコンセプトを大切にする姿勢が明確です。上品な色変化がもたらすニュアンスでレギュラーモデルにはない存在感があります。グレーのメッキの外装で言えば赤い秒針が特徴的なレギュラーモデルの「BY3005-56G」もありますが、ここは好みの分かれるところでしょうか??
シチズンの「ゴチャゴチャ」はカッコいいぞ!!
アテッサを筆頭にシチズンには数多の「ややこしい系ダイヤル」がありますが、いやぁ… 見事だと思いますよ。よくもあれだけ男の子の魂に刺さるアイデアが出てくるなぁ~と感心します (*´ω`*)
現行品で言えば、SKYの別モデル「JY8078-52L」なんてある意味で境地ですよ。これでもかと多過ぎる情報量をコンパクトに詰め込み、最後の最後で効かせる「スパイス」の妙味。シチズンの場合、その塩梅が特別上手なのだと思います。最終的にはどのモデルも品良くまとまっていますから。
この格好良さを引き出したのはシチズンさんの「デザインの底力」かもしれませんが、それより何より、シチズンさんがメーカーとしての「アイデンティティを遵守」しているからではないでしょうか?? 製品を一個のパッケージとして「ブランド」で包む手腕について言えば、個人的にはセイコーさんよりも上だと評価しています。悪く言えば「冒険が少ない」とも言えますが (;´∀`)
例えば世界が認める「ややこしい系」としてブライトリングの「ナビタイマー」がございますが、シチズンさんのややこしさはそれを遙かに凌駕しています。それでいて視認性の最終ラインは守られているわけですから、シチズンさんには我々には見えない独自の「勝利の方程式」があるに違いありません。或いは最終関門みたいな人物がデザインの仕上がりを厳しくチェックしているのかも??
最後に… 腕時計を手放す「自分に甘いメソッド(笑)」
手放したそばから別の時計が欲しくなる。コレクションケースに空きスロットがあれば早々に埋めたくなる… それがコレクターの純粋な性かもしれません。ただ、よくよく考えてみればコレクションケースの空きを遙かに超える数の腕時計が部屋中に「放牧状態」なわけですから、本来なら淋しがる必要なんてないのですよ (;´∀`)
ところが、腕時計を放出するとしばらくは「無くなった要素」ばかりが気になります。特に一つしか持っていなかったブランドを手放すと、そのブランドと縁が切れてしまったように感じて何とも淋しいわけです。この「淋しさ」こそが、積極的に腕時計を減らせない理由に違いありません。使ってもいないくせに無くなると不安になる。不安が潜在的な枯渇を育み、視線は自然と腕時計情報へ向く…
ダメダメ!! こんなこと分析している場合じゃないんです。今回の「大断捨離祭り」は不退転の構えで是が非でも行います。最終目標は「32本」。現状で言えば、ザクッと100本は減らすハメになりますが、心から愛情を注いで全ての腕時計とお付き合いするためにも、私自身「未経験の淋しさ」に打ち勝つ必要があります。
ただ、どうなんでしょ??
「10本減らして2本買う」とかでしたら相対的には大幅なマイナスを維持ですよね?? ストレスの蓄積を抑えつつ断捨離を進めるための現実的な策として、新作の「プロマスター SKY」やスモセコの「TSUYOSA」で、再びシチズンの地盤を固めるのはアリかもしれません。あれ?? いつの間にか提案が一つ増えちゃってる?? (;´Д`)
ご意見・ご感想
コメント一覧 (4件)
腕時計への守備範囲が広くて凄いです。
私は似たような物(3針、シンプルな機能美、見た瞬間の視認性の良さ)ばかり購入してしまうので少し羨ましいかも。
このシチズン、ラーメンで言えば「全部乗せのテンコ盛り」
このしつこさ、濃厚さ、食欲旺盛な若者がガッツリ喰らうイメージ(笑)
私も30〜40年前ならブッ刺さったであろう腕時計。
私は大人になったとも言えるし、人として面白みがなくなったと言えるかも。
シチズンと言えば、久々に腕時計を買っちゃいました。
また、3針の似たようなヤツ、というよりも2年前に購入したザシチ「紺碧」とほぼ同じ。進歩がありません(汗)
100周年記念モデル、藍色の渋い和紙、金色の秒針、チタンブレスがブッ刺さってしまいました。
副業でそこそこ利益が出たので、気が大きくなっちゃいました。
あとで後悔しなければいいけど(汗)
ししとーさま。
コメントありがとうございます♪
無理そうなボールにも全速力で突撃し、あわよくばキャッチ、或いはフェンス激突(笑)
球際に強すぎるコレクター、それがワタクシでございます。
全部乗せ、しかも麺は特盛り。複雑な味が絡み合い最終的には何食ってるか解らなくなる「二郎系シチズン」…
本来ならば私のような年寄りがいちいち反応する時計ではないかもしれません。
ただ、私の中の老け顔の少年が目を輝かせながら言うわけです。
「おっちゃん、このシチズンめっちゃカッコいい!!」と。
ザ・シチ二本目おめでとうございます。
あ~それ、私も欲しかったヤツです。
副業が順調なのも羨ましい~(笑)
砂布巾さま
こんにちは。tet_sasaです。
ごちゃごちゃは男の子のロマンですw。だからシチズンは好きですw。
言うまでもなく我々男の子はヴィクトリノックスのアーミーナイフやレザーマンのマルチツールとか好きなわけですよ(断言)。シチズンのごちゃごちゃ時計はこれらと同じニオイを感じます。
シチズンはもっとすっきりとできるにも関わらず(例えばAT8040なんてあの機能を実に上手くビジネスウォッチとしてまとめているわけですが)、わざとごちゃごちゃとさせているような気すらします。と言うか、わざとごちゃごちゃさせるために機能をつけ足しているような。
ちなみに私はプロマスター・ランドのCB5037-84Eを持っています。ごちゃごちゃと言うにはすっきりしていますがw、たまに使うとニヤニヤしちゃいますね。
砂布巾さまと同様、シチズンはこれともう1本ヴィンテージの通称国鉄ホーマーしか持っていないと言うオチまでつくのですがw。
tet_sasaさま。
コメントありがとうございます♪
ややこしい系、ゴチャゴチャ系、視認性なんか知ったことか系(笑)
そう言うものを作らせたら、シチズンさんは世界一です。
計器類特有の集積がもたらす「男子のカタルシス」について、
熟知しているからなのでしょう。
人に自慢する時計ではないかもしれませんが、ある程度時計を解った人が自分の満足のためだけに買う。
それがシチズンの「ややこしい時計」だと思います。
新作は「ランド」の方も良いですね!!(笑)