Hº M’ S” Watch Store（エイチエムエスウォッチストア）別注モデル『Ciel Nocturne Ⅱ（シエルノクターンⅡ）』で、昨年7月の「コーニッシュ祭」再来なるか！？

　みなさぁーん！！ スゥエーデンの時計ブランド「コーニッシュ」からヘリテージ クロノグラフをベースにしたHº M’ S” Watch Store 別注『シエルノクターンⅡ』がリリースされますよ～ (*´∀｀*)

　大人気で速攻完売だった前回のアベンチュリン ダイヤル モデル「ヘリテージ クロノグラフ シエル ノクターン」で涙を呑んだ方にとっては、待望の機会が到来です！！

　今回もアベンチュリンで… 何てことはありません（笑） そんな姑息な手段で「二匹目」を狙うようなHº M’ S” ではない… というか、表参道店店長ではないのです。

　さて、今回のモデル固有の特徴をご説明する前に、その基本情報となる「ヘリテージクロノグラフのあれこれ」をお話ししたいと思います。この辺りを把握しておくと、今回の「別注モデル」に「より深い有り難み」を感じることができると思いますので。

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コーニッシュ「ヘリテージ クロノグラフ」とは、そもそもどのような時計なのか？？

　まずは麗しい「見た目」のお話から。コーニッシュのデザインはどちらかと言えば「ドイツ寄り」です。それも伝統的なドイツの風情に倣っています。ですからとても「上品」なワケでして。

　ケース径は「39ミリ」と、ギリギリ40ミリを切る絶妙なサイズ。厚みも「11ミリ」と抑えられています。この辺りの「使いやすいサイズ感」もあって男性のみならず、女性にも高い人気を誇るのがヘリテージ クロノグラフ。実際、ペアでお使いの方も少なくないそうです。

　そうそう！！ これは実際に2本所有して使ってきた私の見解ですが、ぽてっと丸いケースデザインだからでしょうか、数値よりもだいぶコンパクトに感じています。

ムーブメントにはマニアックなセイコー製メカクォーツ「VK64」を採用

　ムーブメントは実績のあるSeiko製「VK64（メカクォーツ）」です。クォーツでありながら、クロノグラフ針がステップではなく「スイープ」で流れるように回転するという、中々にマニアックなムーブメント。精度は「月差 ±20秒」。良い機械ですよ。信頼性の高い心臓部です。

　ところで最近、顔見知りの女性と話をした際に改めて思いましたが、多くの女性にとって「機械式であること」は魅力でも何でもないのかもしれません。お薦めの時計を訊かれたので幾つかをピックアップしてお伝えしたら…「クォーツが良い」ですって！！（汗） いや、私自身はクォーツも大好きですが、何でしょうね… 機械式にはもうそれだけで「有り難い！！」と思わせる価値があると思うのですが（汗） 何やら解せぬ！！

　あ、すみません。話が逸れました（笑）

　そんな感じですから、VK64クォーツ搭載の「ヘリテージ クロノグラフ」は「女性にも刺さる要素」があったりして安定した人気を保っているわけですが… 反面、あまり変化が起きていないモデルでもあるのです。

「ヘリテージクロノグラフ」に見る『人気モデルゆえの悩み』

　「売れているのだから変える必要はない」… そうかもしれません。きっとそうなのでしょう。ただ、そこに物足りなさを感じるファンが多いのもまた事実。特に「ヘリテージ クロノグラフ」のスマートな格好良さにやられて2本、3本と購入した方からしてみれば「次はもっと方向性の異なるデザインで」と考えるのは自然なことです。

　とは言え、購入したユーザーがファンになるきっかけは「ヘリテージ クロノグラフの基本的な格好良さ」なのですから、本質部分を大きく変えてしまうのは問題です。下手に弄ると、一番大切な魅力をスポイルしかねません。人気モデルだからこその悩みどころかもしれませんね。

腕時計ブランドが「別注品」を作る意味

　「別注品」には魅力的なものが多く、数量限定であることも相まって大人気を獲得することも珍しくありません。ただ、全てが全て成功しているかと言えば、実際、そんなことはないと思います。

　別注品の役割の最たるものは「カンフル剤」としてのものです。そもそも腕時計の場合ですと、すでに十分な評価を得ているスタンダードモデルがなければ「別注」なんて発想自体に行き着きません。稀にそこを間違ってしまった別注モデルに出くわすこともありますが、元々の実力が低ければ、幾ら「限定ですよ～」と煽ったところで消費者は飛び付きません。私たち一般消費者だってそのくらいは解ります。

　長い年月をかけてポジションを地固めしてきた腕時計が獲得した「安定」はかけがえのない財産ですが、その瞬間に忍び寄るものがあります。それが「停滞の足音」です。

　腕時計など人気商品にとっての停滞は「虫歯」のようなもので、放置していても状況は良くなりません。そこでカンフル剤としての「別注品」を投入するのです。

消費者に「驚きと気付きを与える別注品」

　明確なビジョンの元に作られた「優れた別注品」には2つの意味があります。一つは消費者に驚きと気付きを与える役割。至極簡単に申せば「お！？ 何だこれは！！」と思わせることです。個数を限定することで消費者の渇きを煽り、一種の競争状態に持って行ければ、ほとんどの場合、商業的な失敗はありません。

消費者に「オリジナルへの敬意を蘇らせる別注品」

　もう一つは「歴史を振り返る機会」としての意味合いです。例えばダラダラと書かれた長文があるとします。最近は句読点を省いた文章が流行（？）だそうですが、丸や点の存在しない長文なんて読みたいですか？？ 息継ぎなしに走らされているみたいで、私はしんどいです。

　長く消費者を満足させてきた時計であっても「当たり前に存在する」状態が続けば有り難みは自然と薄れます。これは変化のない長文を読まされているのと同じです。変化の無い状況は消費者の意識から「注目すべきポイント」を失わせます。本質的な価値や魅力は何ら変わっていないのに、人気の右肩下がりが起きるのはそういう場合です。

　そこに「効く」のが「別注品」。ショップやエリアを限定した時計はそれだけで注目を集めるきっかけになり得ます。そして、その別注品が「特段の仕上がり」だった場合、消費者の耳目はその母体とも言える「レギュラーモデル」にも注がれるのです。

　それはある意味、腕時計好きとして「正しい反射」です。別注品を通じてプロダクトへの理解が深まれば、その母体となったスタンダードなモデルが気になるのは自然な流れでしょう。考えてみて下さい。別注品や限定品の類いが輝くのは、すぐそばに「スタンダードなモデル」が存在してこそではありませんか？？ 比較対象がなければ「特別は特別たり得ない」のです。

起点となるオリジナルがあってこその「別注モデル」である

　ここ最近のワタクシを例にしましょう。実はオメガのスピードマスター プロフェッショナル「ファースト オメガ イン スペース」購入を目論んでいました。初めて宇宙を体験したスピードマスター「CK-2998」を復刻した「ファースト オメガ イン スペース（FOIS）」。その渋さ、色気にあっさりとやられたわけです。

　ただ、問題がありました。持っているんですよ「スピマス プロ」を、しかもCal.3861搭載の現行モデルを。それで日々、十二分に満足させてもらっているわけです。そんな私ですが当初は、手元のスピマスプロを売り払うことで「FOIS購入」の資金捻出を検討していました。

　そんなある日、顔見知りのコレクターさんに諭されました。「レギュラーあってのFOISではないですか？？」と (；´Д｀)

　まるで後頭部をガツンと一撃されたかのような衝撃でした。すぐさま私も「正しくその通りだ！！」となりまして、レギュラーモデルの売却案を却下。感銘を受けた勢いでスピマスプロ用に豪勢なストラップをオーダーしに行きました。要するに「コイツをより深く味わってやろう！！」にシフトチェンジしたわけです。

　変種である「別注モデル」が如何にして変貌を遂げたかを知らなければ、それはただの「そう言う時計」に過ぎません。起点でありオリジナルでもある「レギュラーモデル」への興味を喚起する役割すらも担えるのが、良質なアクセント「真に優れた別注モデル」ではないでしょうか？？

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新たな方向性を確立！！ 2024年11月発売「Ciel NocturneⅡ（シエルノクターンⅡ）」

　某日、何とも嬉しそうなエイチエムエス表参道店店長に誘われて拝見したのが、今回ご紹介するHº M’ S” Watch Store 別注「コーニッシュ ヘリテージ クロノグラフ Ciel NocturneⅡ」でした。その最大の特徴は時間にして0.3秒ほどで私の脳を揺らしました。なんじゃコリャ！！「モノコンパックス（ワンカウンター）」になっちゃってる！？

　普通、腕時計の別注品は「足し算」で行われます。ぶっちゃけその方が簡単だからです。差し色を加えたり針の形を変更したり、そう言う「ちょい足し」で済ませている別注モデルは星の数ほどもあります。

　ところがこの、Hº M’ S” Watch Store 別注「Ciel NocturneⅡ」は… やりやがった（笑） ヘリテージ クロノグラフにとって最も大切なバランスである「バイコンパックス（ツーカウンター）」の状態を「大胆な引き算」で敢えて壊しにかかったのです。正直、これには驚きました。ぱっと見、ヘリテージ クロノグラフに見えないくらいですからね。

バイコンパックスからモノコンパックスへ 「一つ目の意味」を探る

　「コンパックス」はその語源「Complex（複雑）」でお解りの通り、本来は複雑な機能を現す言葉です。ユニバーサル ジュネーブ「コンパックス」のイメージが強く「サブダイヤル（カウンター）の数」で「バイコンパックス（2つ）」「トリコンパックス（3つ）」とする考え方が浸透していますよね。ですから、サブダイヤルの数が多ければ多いほど機能の表面化「一覧性能」は高くなり、それを手にする人にも「これは高機能腕時計だ」と認識させることが容易になります。

　ところが今回のHº M’ S” 別注「コーニッシュ ヘリテージ クロノグラフ Ciel NocturneⅡ」はその「真逆」を発表しました。内包した機能を表面的には削ぎ落とすことで、クロノグラフでありながら「スモセコ3針」のようなシンプルな外観を獲得したのです。

　モノコンパックスへの変更でデザインのバランスは大きく変化しました。シンメトリーだったバイコンパックスの「静」は消え失せ、今にも転がり出しそうな「躍動感」が生まれました。これは今までのヘリテージ クロノグラフではあり得なかったバランスです。

　達成した手段としてはシンプル。カウンター露出のための穴を一つにすれば終わりです。ですが、その目的とするところには、非常に深い意図が隠されていると思います。

これは「マザーオブパール（MOP）」のダイヤルをとことん楽しむためのデザインである

　今回のダイヤル素材は「ブラック マザー オブ パール」です。光の加減によって様々な色味が浮上する様子が何とも楽しく、古来より珍重された装飾素材としての際立つ上品さが、男性女性どちらからも好まれるであろうことは間違いないと思います。

　多くの色味を感じさせると言うことは、人によってその印象が変わるということです。つまり「マザーオブパール」のダイヤルは「何色にでもなれる」のです。

　それは、服装と合わせる際の組み合わせにおける「自由度の高さ」を保証するものです。単一の色味を持ったダイヤルにはどうしても「コーディネートの相性」が発生しますが「マザー オブ パール」であれば、その心配の多くを杞憂にすることができます。

　今回のモデルで「モノコンパックス」にした意味もここで強調されます。サブダイヤルで潰されるダイヤル面が少ない分、MOPをゆとりをもって楽しめるのです。折角のMOPですもの。広い面積で楽しみたいじゃないですか！！

　どうですか？？ 同じ時計だとは思えないくらいの変化があるでしょ！！ MOPダイヤルの楽しさはこの「色変化」に尽きます。太陽の下で室内の照明下で、無駄に手首をクルクル回しながら「豊潤な色変化」をとことん楽しんでいただければと思います。

相変わらずハイレベルな仕上げの「ケース」

　面白い表情のダイヤルも、その土台となる美しいケースがあってこそ際立ちます。今回のHº M’ S” 別注「コーニッシュ ヘリテージ クロノグラフ Ciel NocturneⅡ」もそこはキッチリ仕上げてきました。

　ここまで万人に「嫌われないデザイン」も余りありません。このケースデザインがあったればこその「ヘリテージ クロノグラフ」なのだと、新モデルがリリースされる度に思います。

針の仕上げも「お値段以上」

　モノコンパックスへ変貌を遂げたことで「針の存在感」は大きく増しました。その分、全体のイメージに影響を与える度合いも増えたわけですが… さすがでした。そこは人気モデルとして多くのモデファイを繰り返してきた「ヘリテージ クロノグラフ」です。むしろ一本一本の針の存在感が強まり、その仕上げの確かさが良く解るようになりました。

吸い付くように柔らかい「ラバーストラップ」

　Hº M’ S”のコーポレートカラーでもある「グレー」のラバーストラップ（ホールディング バックル付）が標準装備されています。「多色素材」であるMOPのダイヤルを活かすためのストラップとしてはベストな色選択ではないでしょうか。やったね！！ 店長！！（笑）

　ちなみに、HMSがヘリテージ クロノグラフ用に作った「ライスブレスレット」を付けることも可能です。試しに換装してみますと…

　なんと！！ スマートで都会的な雰囲気が出ました。スーツスタイルやジャケパンスタイルにもバッチリ合いますね！！

定番モデルに新たな切り口を加えた「HMS別注」の功績

　夢見るようなアベンチュリンダイヤルで大人気を博した昨年のHº M’ S” 別注「ヘリテージ クロノグラフ シエル ノクターン」。その際にも、時計のリリースとタイミングを合わせた記事を書かせていただきました。嘘か誠か、当時の販売スタッフの教材にも使われたそうです。

　それにしても、昨年のアベンチュリンモデルの売れ方には凄まじいものがありました。発売日当日、私も店内で売れ行きを見守っていましたが… 腕時計ってまるで「特売のコロッケ」みたいに売れるものなのですね（笑）

　アベンチュリン素材の「オートマティズム」な性質に「一点もの」としての価値もありました。そこを良く解っているお客さんが「これしかない！！」と押し寄せた理由のうちに「限定個数」であることと合わせて「ダイヤル素材の個体差」があったことは間違いないでしょう。

　そして、今回の「ブラック マザー オブ パール ダイヤル」です。これもアベンチュリン モデル同様に「限定個数」と「ダイヤルの個体差」で消費者の購入衝動を喚起するでしょう。

　そして今回はさらに「バイコンパックスからの脱却」という新たな切り口のオマケ付きです。コーニッシュのファンにとって新鮮なバランスを持つ「モノコンパックス」のアンバランスには、どこか放っておけない危うさがあります。そして同時に些か「挑戦的な顔立ち」をしているのです。

　これは断言しますが、すでに「ヘリテージ クロノグラフ」をお持ちの方が現物をご覧になれば、絶対にコレクションに加えたくなるのが今回の「Ciel NocturneⅡ」です。そして「初めてのコーニッシュ」をお探しの方にとっては、何とも悩ましい一本になるでしょう。

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最後に… 世界限定250本、日本国内分150本限定。お茶飲んでる場合じゃない！！（笑）

　前回のアベンチュリン モデルは「1週間足らずで完売」したと聞いています。今回のHº M’ S” 別注「コーニッシュ ヘリテージ クロノグラフ Ciel NocturneⅡ」が同じ運命を辿るとするなら、どちらにせよ悩んでいる時間はほとんどないかもしれません。またしても転売屋の餌食になる可能性も捨てきれませんし、この記事が「本当に使いたい方」のための「決断の一助」になれば幸いです。

　「Ciel NocturneⅡ」は、2024年11月23日の土曜日、エイチエムエスウォッチストア 表参道、オンタイム渋谷ロフト店、およびコーニッシュ取り扱い店舗、エイチエムエス公式オンラインストアで発売開始です。

　日本国内は150本限定ですが「意外と多いじゃん？？」… ですって？？ 前回は1週間での完売でしたが、ほとんど前半で売れてますからね。特に今回はMOPダイヤルですから、前回以上の「明確な個体差」があります。4、5本並べて見せていただきましたが、ホント、全部が全部「別物か！！」ってくらい違いました。ですから善は急げ！！ 行動あるのみ！！ お茶飲んでる場合じゃありません（笑）

　はい？？ ワタクシですか？？ この記事の写真は全て「自宅の撮影スペース」で撮ってるわけでして… ですからもちろん「購入」しました。いやぁ… ほぼ即決でしたねぇ… (；´∀｀)

　忘れるところでした！！ 今回は初の試みとして、本格的（？）な20分を超える「長編動画」を撮りましたので、以下のリンクからご視聴下さい。

　時計をこねこねしているだけのコンテンツですが、静止画では表現しきれなかった「ブラックMOPの色変化」を存分にお楽しみいただけます。今回は画質も大丈夫！！ フルサイズに圧されてお役御免状態だったOM-5の動画性能が炸裂した4Kです。相変わらずのトーク下手につきましては… お許しくださいませ (；´Д｀)

Ciel NocturneⅡ 基本データ
ケース幅	39mm
ケース厚	11.5mm
ラグ幅	20mm
ケース素材	316Lステンレススチール
防水性	5ATM（5気圧）
文字盤	ブラックマザーオブパール
ムーブメント	Seiko VK64（メカクォーツ）精度：月差 ±20秒
ストラップ	ラバー バックル付き
価格	¥104,500（税込）