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ムーンウォッチの再評価に「ムーンスウォッチ」が果たす役割

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改めて、ハッキリさせておいた方が良いでしょう。私という個人が相当に、オメガさんの「ムーンウォッチっぽい時計が好き」な人間だということを。

艶消しで真っ黒のダイアル、色気も何もない白いハンド(針)白いインデックス…反転コピーした図面の如き、高密度の情報が記されたダイアル。それら全てが昔っから大好きなのです(*´∀`)

それでは見てもらいましょう!!自慢の「ムーンウォッチっぽい時計コレクション」を!!

左から「ブローバのムーンウォッチ」こと「ルナ・パイロット」、中央がトリプル・カレンダーのムーンウォッチ面「マーク40コスモス」、そして「ムーンウォッチのちっちゃいヤツ」こと「スピードマスター・オートマティック」…中々いませんぜ、こんな愛嬌のある集め方してるヤツ(笑)

 「そこまでムーンウォッチが好きなら、さっさと買えばいいやん??」

誰だか知りませんが仰る通りです(汗)私もそう思いますし、そのセリフを何度も自分に投げかけてきました。ですが…どういうワケだか、今年になるまで購入のきっかけを得られずに来てしまいました。

「買おうと思えばいつでも買える」…もちろん金額的な意味ではありません。ロレックスさんの人気モデルのように店頭から忽然と消えることもなく、オメガさんのブティックに行けば、ほぼ必ず売っている「ムーンウォッチ」という時計は、私の中で「後回しにしやすい」典型的な案件だったのです。要するに「好きなくせに商材としてのムーンウォッチを舐めていた」のでしょう。許せませんな、自分が(;´Д`)

思えば私には、こういう「舐めている時計」が何本かありました。傾向としては「安定した人気」があり「新品在庫」も豊富。さらに「中古の流通」も活発であること…

こういう性質の時計は、ネットショップや実店舗のショーケースを通じて「常に眼前にある」イメージがあって、腕時計を「買う」或いは「買わせる」際の心理的な最大要素「焦燥感を煽る」に関してはち~っと薄いのです(;´Д`)

一番身近な人たちから日常的に受ける「恩恵」には気が付きにくいものですが、そう言った「当たり前故に見過ごされやすい不幸」を、オメガさんの超定番モデル「ムーンウォッチ」も抱えているのだと思います。

ならば、意図的に枯渇状況を作り、その見えない「焦燥感」とやらをくすぐれば良いのかと言えば、須くそうだとは言えません。

コチラが「ムーンウォッチ プロフェッショナル(310.30.42.50.01.001)」「一緒やん!!」的なご意見、ごもっともです。良く言われます(笑)

購入してやっと気付けたことですが、この「ムーンウォッチ」という時計、どう考えても「高級腕時計ではない」のです(;´∀`)

決して「高級品ではない」という意味ではありません。私のお財布尺度で言えば「ムーンウォッチ」は完璧に高級品の部類に入ります。

ところが購入して自分自身の日常に「ムーンウォッチ」を落とし込むと解ったのです。「これはとても純粋なエントリー機」であるのだと。

個人的には、手頃な価格を以て「エントリー」と言うのではないと思っています。肝心なのはブランドから「どういう使命を課されているか」でしょう。

例えば「ムーンウォッチ」の場合は、そのミッションが「遍く広く、オメガウォッチの魅力を伝播する」ことにあるのだと解ります。確かに「超有名モデル」でありながら一つも偉ぶったところがなく、むしろ目立たぬことを目的に作られたかのようです。

そう言った「ムーンウォッチ」「ステルス性質」は万人にとっての使い易さを約束します。その一点に於いても「ムーンウォッチ」「最強のエントリー機」だと思いますし、オメガさんの時計を持つ喜びと楽しさが100%詰まった「エントリー機」をお求めなら、私からは「買って間違いなし!!」「ムーンウォッチ」をお薦めするでしょう(*´∀`)

ただ、初めての時計として「エントリー機を探している層」に対して、いきなり「ムーンウォッチ」を薦めるのは、価格から言っても無理があります。

さらに言えば、先述の通り「ムーンウォッチ」には、消費者に「焦燥感を感じさせる要素」が少ないのです。言い換えれば「うわぁ~!!何が何でもムーンウォッチが欲しいよぉ~」と夜な夜な悶絶させる時計ではないことを意味します。実際、私にしたところでそんな感じでしたから(;´∀`)

その消極的状況をガラリと変えてくれたのが、未だ衰え知らずの大人気スウォッチ「ムーンスウォッチ」でした。

(SO33A100)並べたい…ウチのムーンウォッチの横に(笑)
出典:https://www.swatch.com/ja-jp/

当初、その衝撃的な「酷似」に対して、私の中には一抹の不安と心配がありました。特にオメガさんへの影響を考えると、ブランド最大の「アイドル」をショッピングモールのチープなイベントに駆り出して、自らの格を落とすような行為に思えたからです。

そして、期待と不安が入り交じった中での販売が開始(; ・`д・´)

その結果は皆さんご存じの通り「熱狂」と呼ぶに相応しいものでした。近代腕時計史において後の世では「ムーンスウォッチ騒動」と呼ばれるはず…そんなことまで考えてしまう程、何だか凄いことになりました。

まぁ、未だほとんどの方が入手できずにいるワケですし、この先もしばらくはこんな様相で続くのでしょう。

私自身はあの「狂乱」に早々と醒めてしまったこともあって、スウォッチ公式を時々覗いては「まだやな…」と確認する程度で済んでいます。転売目的などで「早よせなブームが終わってしまう!!」と焦ったりするのでなければ、公式のカートに入れられるようになったら、その時に購入するかどうか考える…それくらいの気持ちで言いような気がしています。

まぁブツがブツだけに「人より早く入手」に価値があることは理解できます。ぶっちゃけ、それくらいしか「ムーンスウォッチ」の特別感を味わう手段はないかも知れません。そんな時計ですよ。スウォッチですもん(;´∀`)

と言いつつ、毎日公式を訪問する私が言うのも何ですが(笑)

 私のように「ムーンスウォッチに煽られてムーンウォッチを買った変人」だから言えることかも知れませんが、私自身は「ムーンスウォッチ」の熱狂の中に、これまで余り語られることのなかった底知れぬ「ムーンウォッチの人気」を見たのです。

「ムーンスウォッチ」は単に「ムーンウォッチ顔をしたスウォッチ」に過ぎないはずなのです。たったそれだけのこと…ですがその「顔」にこそ「とんでもない価値」があると、件の「ムーンスウォッチ騒動」が教えてくれたのでした。

中々ないですよ。こんな現象。

私が繰り返しこのネタを掘り起こして書くのも、この「現象」自体が異様に面白いからなのです。今後も現象の終着点を予想しながら、あーだこーだと弊ブログで取り上げたいと思います(*´∀`)

例えば、ロレックスさんの人気を支えているのは、当然ながらある程度の経済的ゆとりをもった層だと考えられます。ではスウォッチさんはどうでしょう??富豪でありながら「スウォッチ最高!!」な人もいるかも知れませんが、多くは庶民によってもたらされた人気が、スウォッチさんを支えているのだと思います。

また今回の「ムーンスウォッチ騒動」に関して言えば、高級腕時計はおろか、スウォッチのようにチープな腕時計にすら興味のなかった消費者さえも巻き込んでいることに、驚きを禁じ得ません。そして私はそこに「オメガ ムーンウォッチ」という、今となっては相当地味な部類に入るクロノグラフの底力を見たのです。

盛りを過ぎたかつてのスーパーアイドルが、場末のパチンコ屋さんで営業してた…そんな悲しい話を聞くことがありますが、有名な「ムーンウォッチ顔の時計」がスウォッチさんの世界観に降臨したのも、ある意味では同義でしょう。

そこで披露される懐かしい至芸にオーディエンスが熱狂し、かつての輝きと未だ失われぬ魅力に気付いたのが「ムーンスウォッチ騒動」だとすれば…それこそ痛快だと思いませんか??

謂わば「ムーンスウォッチ」というトリックスター的存在が、図らずも元ネタの「ムーンウォッチ」の見過ごされてきた価値を掘り起こして、何というか…「再評価」を引き出したのではないかと考えています。

 「ムーンスウォッチ」の人気が出れば出るほど、ある一定数の消費者は「ムーンウォッチ」のことも気になるはずですので。少なくとも、本来は邂逅することのない「高級腕時計」「倹約家の消費者」を結びつける機会になったのは間違いないでしょう。その証拠が「ムーンスウォッチ」の別称、「オメガ スウォッチ」にも現れています。高いんか安いんか解らんわ(笑)

いや、待てよ…「図らずも??」いや、図っていたのかも知れませんね。「稀代の仕掛け人」のスウォッチグループならば!!

このような顛末を予測してスウォッチさんが「ムーンスウォッチ」を企画したとしたら…私が騒動のさなか「ムーンウォッチを購入する」という一種の「暴挙」に出ることも、予測の範囲内だったかもしれません。

してやったりなんだろうなぁ…悔しいような…嬉しいような(;´∀`)

※ちなみに本日も公式に動きなし。ショッピングバックはグレーアウトのまんまでした。人間、諦めたら負けだ(笑)

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