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新型スーパーオーシャンに見る「ブライトリングの本気度」

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ブライトリングさんの公式サイトを俯瞰して思うのは、ダイバーズコレクションの「スーパーオーシャン」こそが、躊躇なく外見的変化を繰り返してきた「ブライトリングで最もチャレンジャーなコレクション」であるという事実。

例えば、あまり時計に詳しくない方の目の前に、ここ20年くらいで存在した「スーパーオーシャン」をズラ~っと並べたら…果たしてどんな顔をされるでしょうか??少なくとも同じシリーズネームを共有する集団には見えないでしょう。それくらいデザインの振り幅があるワケです。

ブライトリングさんとしてはある意味、意匠の実験場みたいなポジションを任せているのが「スーパーオーシャン」なのでしょう。若い人向けという立ち位置でもあるようですし、彼らならガラッと変わる外見にもたじろいだりはしないはずです。私みたいなオッサンと違って。

スーパーオーシャン スティールフィッシュ
(A1739010B772)

それにしても、新作の「スーパーオーシャン」の変わりっぷりには驚きました。手元の「スティールフィッシュ」を見ながら「オレ…もう付いていかれへんわ」と弱音を吐く私。そうかぁ…こうなっちゃうのかぁ(;´∀`)

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出典:https://www.breitling.com/jp-ja/

またエライ変われば変わると言いますか…

そもそも初見で私の目には、シチズンさんの「プロマスター(BJ7111-86L)」にしか見えませんでした。

シチズン プロマスター(BJ7111-86L)
出典:https://citizen.jp/

いや、今だってそんな感じです。シチズンさんもビックリしたのではないでしょうか。「ウチらこんなん作ったっけ??」ってな感じで。

で、たった今思い出しましたが、この「プロマスター」を始めて見た際の印象は「可愛らしいナビタイマーカラーの時計やな」でした。

 「ナビタイマー」を3針ダイバーズにしたらこんな感じになるという具現例の一つが「プロマスター」だったとしたら、「ナビタイマーカラー」の所有者であるブライトリングさんから今回の新作「スーパーオーシャン」が出現すること自体は、極々自然の成り行きに思えます。

ちなみに新作には過去に歴とした参考モデルがあるそうでして。それがこの「スーパーオーシャン スローモーション」

スーパーオーシャン スローモーション
出典:https://www.breitling.com/jp-ja/

バーインデックスのモデルの方が、もっと現行品に近いという話ですが…

なるほど…何だか、イエマさん辺りがすでに復刻してそうな時計ではないですか。ムダにインパクトがあるデザインはさすが、押し出しが特徴の70年代作(*´∇`*)

ちなみに「スーパースロークロノグラフ」という機能を搭載していたようですが、何がスローなんでしょうねぇ。ゆっくりクロノ針が回るんでしょうか??それってどうやって使うんだろう??(;´∀`)

っていうか、この「スローモーション」の方が「プロマスター(BJ7111-86L)」に似てるかもしれません。ってことは、こっちが全ての元ネタ…う~ん…ええわ!!もう解らん!!(笑)

そもそも私、新作「スーパーオーシャン」を見た瞬間に件の「プロマスター」を連想したワケですから、元来気になる、好きな時計のデザインなのですよ。ってことはつまり、新作「スーパーオーシャン」も好きな部類なのです。例えそれが、私が馴染みにしてきた「スーパーオーシャン」とは別物だとしても。

ブライトリングさんの作る時計が年々ソフィスティケートされて、私の好きなツール感が失われて久しいですが、それでも、他の数多のブランドに比べれば「男の子好きする時計」がわんさかあるのが、ブライトリングというブランドです。新作「スーパーオーシャン」にしたところで、ツヤツヤのセラミックベゼルや美しく磨かれたハンド、宝石のようなインデックスがラグジュアリーな雰囲気を醸してはいますが、細部にはある種の男性的な力強さを残しています。

その辺りの解説はHODINKEEさんの「新型スーパーオーシャン 実機レビュー」が秀逸です。私が知りたかったことも、ほとんど書いて下さっていました。ここからはHODINKEEさんのレビューを拝見しながら、気になるところを書いていきたいと思います。

まず、多様なカラー展開に関して言えば、悩むことなく皆さんお好きなカラーを手に取れば良いのです。きっとそれが正解なのですから(*´∀`)

それよりも実際、購入時に消費者を一番悩ませるのは「サイズ選び」ではないでしょうか??なんせ「46、44、42、36ミリ」と4つもサイズが用意されているのです。この大展開を見るだけで、ブライトリングさんが新作の「スーパーオーシャン」に賭ける想いが解ろうってもんですよ。

ベゼルとインナーベゼルで相当な幅を取っていますから、針のバランスからいって「36ミリ」はかなり小さく見えるでしょう。完全なレディースと考えた方が無難でしょうね。

そうなると「42ミリ」からが男性用と考えられます。今の時代の流行りで考えると「42ミリが推し」なのは間違いないでしょう。ちなみにHODINKEEさんの記事でも同様でした。恐らくは一番人気の出るサイズでしょうし、一番格好良く着け熟せそうです。

ですが私は「46ミリ」が気になります。途中の「44ミリ」を飛び越えてです。今度時間がある時に銀座のブティックにでも突撃して実機を味わいたいと思いますので、続報をお待ち下さい。

個人的にはバックルにブライトリングさんの「強い意思」を感じました。オイスタークラスプとオメガのバックルを足して2で割ったようなデザインには正直、私も胸がざわつきましたが…文句なしに高性能な延長システムを搭載しており、何やら素晴らしい出来栄えの予感もします(*´∀`)

どこかで見たような(笑)
出典:https://www.breitling.com/jp-ja/
スティールフィッシュのゴツいバックル
(A1739010B772)

私の手持ちのブライトリング(モンブリラン、スティールフィッシュ)のバックルは堅牢ではあるものの…いや堅牢すぎてスマートな使い心地とは縁遠い作りです。ですので、今回の新型「スーパーオーシャン」に与えられたスマートなデザインのバックルに関しては大歓迎。バックル好きの私としては見逃せない一品だと思っています。

さて、HODINKEEさんの記事の中でも「苦言」として記述があった「ムーブメント」の問題についてです。

ほんの数年遡れば、定価で56万を超える時計に「エボーシュベース搭載は悲しい」と言えたかもしれません。約38時間のパワーリザーブも今の流行から言えば不足です。3日巻きから5日巻きになろうかっていう状況ですからねぇ(;´Д`)

ただ、私個人としては、昨今の高級腕時計の高騰を鑑みると「十分じゃないかなぁ」なのです。クロノメーターは取ってるワケだし、普段使いで困りはしないでしょうし。

HODINKEEさんの記事では「ケニッシ由来の(Cal.B20)を載せてほしかった」とあります。確かにケニッシが搭載されればその価値は3割増しで、人気もドカンと爆発するかもしれません。

だけど、そうなれば確実に価格も上昇。私の脆弱なお財布もあっという間に爆発です(笑)「新型」は欲しくなる魅力満点の時計ではありますが…60万や70万で売れるかと言えば…ち~っと苦しいだろうなぁ~と思うんですよ。スーパーオーシャンのすぐ上位には「ヘリテージ(Cal.B20搭載)」もありますし、そちらとの棲み分けも考えませんとね(;´∀`)

そもそも「スーパーオーシャン」はブライトリングさんのコレクションの中では「エントリー」の位置付けでしょうから、ターゲットの消費者層を考えれば、ムーブメントや見えない部分にかけるコストは、残念ながら抑えるしかありません。

価格帯は微妙に違いますが、コレクションとして担う役割で言えば、タグ・ホイヤーさんの「アクアレーサー」と似たところがあります。キャッチーな外見的特徴に「そこそこのムーブメント(Cal.5=SW200)」を載せることで、比較的ライトな消費者に気兼ねなく使ってもらう…そういう意味では「スーパーオーシャン」に搭載される「Cal.B17(ETA2824)」は丁度いい「そこそこのムーブメント」であって、決して力不足でも格不足でもないと思います。エントリーモデルとしては必要十分な性能です。

私が今回の新型「スーパーオーシャン」に関して最も評価しているのは「総じてダサくなりがちな70年代復刻を無難にまとめた」こと。

元ネタの「スローモーション」は、確かに味わい深いデザインをしています。ですが、余程気をつけて挑まないと、この「座布団のようなインデックス」…ダサくなっちゃうんですよね(;´∀`)

これだけ「復刻」が持て囃されていても、完全に現代の消費者の心を掴んだ「70年代復刻」って少ないような気がします。ファッションにしろ音楽にしろ…70年代のテイストはとにかく異色。まるで70年代だけが突然、異空間から出現したかのように「隔絶された個別の空気感」を纏っているのです。

実際、大手ブランドが繰り出した「70年代復刻」の多くは、注目はされたものの話題の中心に躍り出たとは言えず、最近腕時計に興味を持った「消費のニューカマー」の耳目を集めたとは言えないものばかりです。どれがとは言いません。アレとかアレとかが浮かんできましたが…言いません(笑)

でもね、それでも私は嬉しかった。「売れんやろうなぁ~」と感じたとしても、同時にこういうのが売れて欲しいと思いましたし、難しいからこそ実力派のブランドには挑戦し続けて欲しいと思ってきました。

今回の新型「スーパーオーシャン」は、そんな私の期待(?)に応えてくれました。難しい座布団インデックスを上品に仕上げ、寸足らずに見えるハンドも雰囲気満点のまま完成度を付けてくれました。それもキチンと「現代の時計」としてです。

エントリーモデルのダイバーズ、しかもエボーシュベースのムーブメント搭載という仕様を考えると「56万1000円~」の価格は安くありません。先日、弊ブログでも書かせて頂きました「プロパイロットX キャリバー400」の方が安いワケですからね。「高すぎへんか??」と拒否反応を示す方もいらっしゃるでしょう。

ですが私が思いますに、新型「スーパーオーシャン」に関して言えば「70年代のくすぐったいセンスと、現代のラグジュアリーを同時に楽しむ」ための時計だと思うのです。それがたまたまダイバーズの姿をして目の前に現れたと考えると「一粒で何度でも美味しい」…噛みごたえのある時計なんじゃないかなぁ~と思っています。

「モンブリラン」「スティールフィッシュ」を着けて、麗しい新顔を見に行く機会を作らなきゃなぁ~(*´∀`)

スーパーオーシャン オートマチック42(A17375E71C1A1)

ムーブメント:Cal.B17(自動巻)

パワーリザーブ:約38時間

振動数:28,800回/時

石数:26石

ケース素材:ステンレススチール

ケースバック:ねじ込み式

防水性能:300m

ベゼル:逆回転防止機能、ラチェット式

リューズ:スクリューロック、2ガスケット

風防:両面無反射コーティング サファイアクリスタル

重量:176.0g

直径:42.0mm

厚さ:12.5mm

ラグ幅:22.0mm

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ご意見・ご感想

コメント一覧 (4件)

  • はじめまして、通りすがりの者です。
    以前から、拝読はさせて頂いてたんですが、コメントは
    初めてです。
    昔、スーパーオーシャンⅡを、出てすぐに買ったという
    経緯もあって、自分のなかではちょっと気になるモデル
    でして、ゆえに記事が目に留まると、つい読んでしまい
    ますし(HODINKEEさんの記事も読みました)、こうして
    コメントまで書いてしまう次第です。
    個人的には、4サイズもあるのに欲しいと思えるサイズが
    ないのが残念です。40mmとか38mmが好きなので。
    中身はどうでもいいんですが、でも、中身の割には割高
    じゃないかなと思ってしまうのも確かで。
    なにせ、初代はたしかギリ20万円台だったと記憶してる
    ので・・・エントリー機にこの値段はないなぁと。
    自分はスイスの有名どころのブランドの値上げ値上げに
    辟易としていて、この1年ほどはすっかり廉価なマイクロ
    ブランドに傾倒してしまっているので、それに慣れると
    50万円がお手頃だと思ってた過去の自分を張り倒したい
    くらいですよ・・・
    個人的には、ノンデイトなところなども非常に好ましい
    んですけどね。
    長々とすみませんでした。

  • 提灯鮟鱇さま。
    通りすがりのご訪問、ありがとうございました。しかもコメントまで頂戴できるなんて!!
    確かになぁ~と、ウンウン頷きながらコメント拝見しました。
    価格に関しては仰るとおりで、エントリー機としてはち~っとお高くなりました。
    私は基本、エントリー機しか買えない身分ですので、ブライトリングさんの強気な値付けが他にも波及したら困るなぁ~って感じです。
    今後も気になるネタがございましたら、覗いていただけると励みになります🎵

  • レスありがとうございます。
    他にも、自分の好みの時計もよく記事にされてますし。
    (最近は廉価なモノを〜とかいいつつ、ちゃっかりKING SEIKOもつい買っちゃったり
    してます 汗)
    なので、今後も拝見させていただきますし、お邪魔でなければ、またコメント書かさせて
    いただくかもしれませんので、その際はよろしくお願いしますね。

  • 提灯鮟鱇さま。
    KINGをお持ちとのこと。仲間ですね(笑)
    またいつでも気軽に覗いていただいて、たまーにツッコミ気分でコメント下さると励みになります。
    よろしくお願いしますね~♬

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