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使い続けて解った「キングセイコー(SDKS)」がキングな理由

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いよいよ本日(7月8日)全国各地の「セイコーウオッチサロン」での販売が始まるKSKのレギュラーモデル「キングセイコー(SDKS)」。待ちに待った全国のセイコーファンの皆さま、実物を拝んでから購入できるチャンスがようやくの到来です!!

 「セイコーブティック」では2月18日の発売でしたから、なんと約5ヶ月ものタイムラグ。これはアレだ…いわゆる焦らし作戦ですかね?(;´∀`)

「キングセイコー」のことが気になって仕方がないけれど、近場に「ウオッチサロン」が存在しない地域にお住まいの方にしてみれば、悶々と5ヶ月もの長い期間を焦らされ続けたワケですからねぇ。ぶっちゃけそれは楽しい時間といえば、楽しい時間だったかもしれませんが…セイコーさんも罪作りなことをなさる…(;´∀`)

ちなみに、私のような「ザ庶民」にとって「キングセイコー」は決して安い買い物ではありません。スペシャルエディションは別として、基本のモデルでも「198,000円」もしちゃうのです。そう言えば、一部には凡庸と評される「6R31」搭載がマイナスファクターとなって「ちょいと高すぎるのでは?」みたいな厳しい意見もあるようでして(汗)

高価な腕時計購入には、熟考に熟考を重ねて決定する思慮深さも必要ですが、一方で、何かよく解らないモメンタムに身を任せるのが「吉」と出る場合もあります。ですが後者の場合、悩む時間が長ければ長いほど一時の高揚は沈静化して「まぁ、それほど欲しいわけじゃなかったかもね」なんて、冷めた気分に落ち着いてしまいがちです。

私の場合は幸運にも、現在は東京に住んでいることもあって、銀座のブティックで発売日の翌日には茶色のサンレイダイアルが麗しい「SDKS007」を、欲望のまま勢いで手に入れることができました。半分思い付きの買い物でしたが、銀座で腕時計を買うという体験は、いつの時代でも特別な感慨があるものです。

ってなワケで約5カ月の間、週一くらい頻度で、私なりに「キングセイコー」を使い倒して参りました。そして気付かされた「スペックシートには現れない凄さ」について、本日は書いていこうと思います。私の性格的に細かいところでネチネチ拘っちゃう感じですが…何にせよ購入を逡巡されている方々の背中を、私が「ぽんっ」と押して差し上げたいと思っています(*´∇`*)

⦿キングなケースデザインが泣ける

ベゼルの円を際立たせる直線主体のデザイン

とりあえず、入手直後には速攻でケースの出来映えにやられてしまいました。そもそも事前にWEBなどで写真を見て、格好良いと思ったからこそ購入に至ったワケですが、実物はさらに魅力満点の時計でした。

もちろん、約20万円の定価を鑑みてのことではありますが、それにしても、私にとって「キングセイコー」は、パーフェクトに近い珠玉の一本に思えたのです。

キングセイコー以外にも6R搭載のセイコーを3本所有しています。しかしながら外装に限って申せば、それらは「キングセイコー」の足下にも及びません。

エッジは立ちまくってますし、サテンとポリッシュの磨きワケの境界にダレのようなものも見当たりません。その辺のキリッとした仕上がりの良さが「キングセイコー」の、本来は古めかしいデザインに今風の生命力を与えているのでしょう。その証拠にちゃんと「現代の腕時計」として、懐古主義に陥ることなく使えるのです。1960~70年代の名品を復刻したモデルでありながら、バリバリ現役の「最新ビジネスウォッチ」として、平凡なサラリーマン生活の日々にその真価を十二分に発揮してくれています。

とにかく、この潔い直線主体のデザインをご覧ください。まるで旧車…日産のローレルHT 2000GXみたいじゃないですか?

実際「キングセイコー」の使い始めから「何やめっちゃ旧車感あるな!」という感想を持ってました。もしも身近で、ハコスカやローレルが走っている様を見る機会があったら、是非、その印象を自分に問うて見てください。今の時代の感覚で見た旧車って、やたらと鮮烈じゃないですか?

腕時計の復刻ブームも、詰まるところは「懐かしさと相反する新鮮さ」に心を動かされる部分が大きいと思うのですが「キングセイコー」に関していえば、圧倒的に「新鮮さ」が上回るのです(*´∀`)

デザインのアウトラインとしては復刻の要点を押さえつつも、現代に合わせて細部が正しくリプロダクトされています。これはセイコーというブランドが、常に時計業界の先端を目指してきた姿勢の投影かもしれません。「これからのセイコー」を担う存在であることが、復刻ものであるはずの「キングセイコー」からもビシバシ伝わってくるのです。

2021年1月に発売された数量限定の復刻キングセイコー「SDKA001」も素晴らしい出来栄えでしたが、よりビジネスマンの日常に落とし込まれたデザインにアップデートされた「SDKS」は、過去の逸品へのオマージュといった「郷愁」を除いても、今の時代に相応しく、価値のある時計に仕上がっています。

絶妙な「37ミリ」というケース幅も相まって現代版「キングセイコー」のケースデザインはここに極まった感すらあります。まさにキングなのです。

⦿キングなブレスレットにシビれる

スイスの高級ブランドに比肩

ブレスです。このブレスがホンマに良いんですわ。大胆なファセットが特徴のブレスレットですが、ゴツい見た目に反する柔らかな着け心地たるや。

何となくですが…ワタクシの持つセイコーさんの印象として、本体(ケース部)は魅力に溢れているのに、ブレスレットにはイマイチ注力しきれていない…そんな「惜しい」時計が多いと感じてきました。もちろん、及第点どころか余裕で合格点に達している…そのくらいのレベルでの話です。例えば「グランドセイコー(GS)」のそこそこのクラスのモデルにもその傾向はちょいちょい見られ、つくづく「もうちょっとやねんけどなぁ~」と感じるニアピンなモデルが少なくありませんでした(;´∀`)

その印象が、この「キングセイコー」との邂逅で大きく変わりました。たまたま、私の肌質と相性が良くて快適に感じているだけかもしれません。しかし、明らかにこれまで購入したセイコーの腕時計…いや、他の多くのブランドのブレスレットと比較しても「キングセイコーのブレスレット」は優秀だと感じています。とにかく、着けていて誠に「気持ちが良い」ブレスレットなのです。

そしてデザイン。一つ一つのコマはその見た目から、まるで刃物のようにシャープで、刺々しい印象を持つ方がいらっしゃるかもしれません。ところが装着するとその印象は一変します。私が銀座和光さんの「セイコードリームスクエア」に赴いて「キングセイコー」を初めてこの腕にあてた際がまさにそうでした。「198,000円だって??コレなら安い!!」と思わせてくれた最大のファクターは、私の場合、このブレスレットだったかもしれません。

⦿キングな弓カンに萌える

ある意味一番格好いいパーツ(笑)

全国6400万人の弓カンファンの皆さま、お待たせしました!!(笑)「キングセイコーの弓カン」めっちゃ良いですよ!!

何が良いかってねぇ…やたらと「セクシー」なんですよ。ラグとの完全な一体感のちょい手前で、ギリギリ独立性を維持した「危うさ」があるんです。あぁ~こりゃあ説明が難しい…解るかなぁ~解んねぇだろうなぁ~(松鶴家千とせ師匠)

例えばラグと弓カンのクリアランスも、そこそこ詰めてはいるけど「詰めすぎてはいない」。それが時計本体に対して「弓カンここにあり!!」みたいな感じで、印象的なパーツに仕立ててるんだと思います。腕時計のデザインにおいて、ここまで弓カンに重要なポジションを任せている時計は初めて見ました。

「キングセイコー」を買ったなら、間違いなくこの弓カンを印象的に思うはずです。特徴的な傾斜角のクラクラするような美しさ。巧みな仕上げは言わずもがな、ケースとブレスを繋ぐ単純な役割を超えた存在感です。「キングセイコー」の完成度を押し上げた最大の功労者は、もしかすると、この弓カンかもしれません。こんなに「萌える」弓カンには、中々お目にかかれないですよ(*´∀`)

⦿6R31が思いのほかキング

私にとって6R搭載は安心の証

色々言われちゃう「6R系搭載」ですので、久しぶりにノンブランドの安物タイムグラファーで日差を測ってみました。結果は「+4秒」…ほ…ホンマに??どこのグランドセイコーか!!って感じですよね??

精度に関しては、毎度毎度セイコーさんの遠慮がちな公式発表に惑わされますが、実際には個体差があるにせよ、相当な実力を秘めていると思います。ウチの「キングセイコー(SDKS007)」「当たり」だったとしてもです。

そして、6Rに共通する巻き上げ時のリューズの感触の小気味良さ。軽さの中にも適度なクリック感があって「オレは今、ゼンマイを巻いているんだ!」と心底実感できます。リョーズを回す楽しさに満ちているのです。

さらに、時代に則した70時間のロングパワーリザーブ。「キング」を名乗る時計の心臓部としても相応しいと思いますけどねぇ~

⦿このサイズだからキング

周囲16.5センチの手首にフィット

2022年版「キングセイコー」のケース幅は37ミリ。40ミリ辺りの大きさからシャツの袖口でもたつく感じが出始めますが、その点この「キングセイコー」はビジネスシーンでの絶妙な使い心地を約束します。「SDKA001」からわずかにシュリンクされたこのサイズこそが、ビジネスシーンでイメージされる用途を無理なくこなす、ドンピシャなサイズ感なのです。

風防、ベゼル、ケースのアウトライン…それらトリニティーが醸し出す視覚的な密度も「キングセイコー」の魅力でしょう。ギュッと濃密に要素が詰まった感じがして、サイズを超えた存在感があるのです。小さいのにそこはかとなく目立つ…これ、近年の人気作に共通したアピールポイントですよね。

⦿針すらもキングな存在感

見事な磨き分けが造形に緊張感を生む

GSに比肩するレベルで見惚れる、美しい仕上がりの針です。細かいことは申しません。とにかく手元でご覧になって下さい。それだけで、きっと解ってもらえるはずです( ・`ω・´)

⦿並び立つ2つのロゴがキングの風格

私はそもそもSEIKOのロゴが好きなのだ

グランドセイコーから「SEIKO」のロゴが消えたとき、私の中に少なからず生じた淋しさ。GSのロゴのみにすることで、ブランドを際立たせる意図は理解できても、2つのロゴが並ぶカオスな状況…そこに言い知れぬ味わいを感じていた私からすれば、それは何となく悲しい出来事だったのです。

「SDKS」には、古の「KSK」よろしく、2つのロゴが独立性を保ったまま屹立しています。それがとにかく愛らしく、美しいのです。丁寧に仕上げられたダイアルに記された存在感のある2つのロゴ。セイコーさんのロゴが大好きな私にとって、それはむしろ願ったり叶ったりなのでした。

ノンデイトが生み出すダイアルデザインの対称性は、2つのロゴを活かす上で最重要なファクターでしょうねぇ(*´∀`)

⦿キングの威厳は風防にも現る

堪らん…というかけしからん風防ですな(笑)

最後は風防でシメです。存在感満点のドーム型サファイアクリスタル風防。クラシカルで時代錯誤なシルエットですが、これが何とも言えず魅力的。恐らく、風防がこのタイプじゃなかったら…正直、当初の印象はかなり弱まっていたことでしょう。

ダイアルの色味。サンレイの荘厳な煌めき。GSにすら負けてないと思わせる針の佇まい…ただでさえよく出来たそれら要素が、この特徴的な風防を介することで何倍も美しく、より鮮烈に見えるのですから…それは購入した人だけが味わえる特権です。一日に何度でも「キングセイコー」「集約された美」に拝謁して欲しいと思います。

以上でございます。私が考える「キングセイコー」のキングたる所以…何となく伝わりましたでしょうか?

スペック云々とは程遠い、単なるフィーリングに属する感想ですが…ぶっちゃけ、腕時計にスペックを求めても興がないと個人的には思っています。スペックがそのまま使用感を左右するスマホやパソコンじゃありませんからねぇ…(;´Д`)

実際に私の場合、スペックから腕時計を好きになるなんてことは、過去に一度もなかったのです。シンプルなノンデイトであることも、この場合は明らかに「吉」と出ています。

見た目の格好良さ、腕に着けたときの充実感…そういった数値化できない魅力でいえば「キングセイコー」はメチャメチャ素晴らしい時計なのです(*´∀`)

もっと伝わる写真が撮れたらいいのに(汗)

今回はプロフェッショナルな腕時計媒体が発信してきた「キングセイコー」のレビューとは、ひと味違うものを目指してみました。

私の場合、これらの「答え」を得るために、どうしても数ヶ月の使用期間が必要でした。細かい部分で「良い」「悪い」の評価を幾度も繰り返し、自分自身の日常に「キングセイコー」を自然に落とし込むことで、初めて確固たる評価として「素晴らしい!!」と言えるようになったのです。ですので、腕時計メディアさんが、効率的にクールにまとめた記事とは感情的な「深度」が異なります。一介の腕時計好きが書いた駄文ではありますが「情け深さ」という一点においては、専門のメディアを凌駕しているはずです。

 ここまで長々と読んでくださった貴方なら、間違いなく、2022年版「キングセイコー」を憎からず思っておられることでしょう。7月になったらお近くの「セイコーウオッチサロン」で、是非是非「キングセイコー」の実物をご覧ください。そして、ご自身の日常と目前の「キングセイコー」を重ね合わせてみて欲しいのです。「連れて帰りたい!!」と一瞬でも過れば…貴方の負けです(*´∇`*)

ムーブメント キャリバー6R31

駆動方式 メカニカル 自動巻(手巻つき)

精度 日差+25秒~-15秒

駆動期間 最大巻上時約70時間持続

ケース材質 ステンレス

ガラス材質 ボックス型サファイアガラス

コーティング 内面無反射コーティング

中留 ワンプッシュ両開き方式

防水 日常生活用強化防水(10気圧)

耐磁 あり

ケース厚 12.1 ㎜

ケース横 37 ㎜

ケース縦 43.6 ㎜

重さ 129.0 g

腕周り長さ(最長) 197 ㎜

石数 24石

秒針停止機能あり

 セイコーさんの物作りの確かさを再認識させてくれた「キングセイコー」。私の中のセイコー熱もにわかに高まって、ここ最近、繰り返し公式ページを覗いております。止せば良いのに(笑)

SDKS011 出典:https://www.seikowatches.com/

ってなワケで、見てしまったセイコーブティックのスペシャルエディション「SDKS011」…綺麗ですよねぇ~。近年のセイコーさんからは、ダイアルを極めた時計が多数出現していますが、このダイアルも相当にセクシーじゃないですかね??「キングセイコー」なら「sarb」以来の禁断の同型2本目…アリかもしれないですな(*´∀`)

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ご意見・ご感想

コメント一覧 (4件)

  • 砂布巾さん
    こんにちわ、黒海月です。
    貴ブログの本記事、1枚目の美しいダイヤル写真、2枚目のシビれるブレスレットの写真に、クラっとして約5か月、ようやくKING SEIKO(SDKS001)を迎え入れました。
    キングな理由、多々ありますが、惚れ惚れするぐらいシャープで重厚なビジュアルにかかわらず、この軽快な着け心地は特筆に値しますね。
    着けていることを忘れるぐらい軽く、腕にしなやかにフィットするブレスレットに感動(^^)/
    ホンマにお買い得ですね。
    ※決してSEIKOさんの回し者ではありません(笑)
    今年の締めくくりにふさわしいタイムピースとの出会いでした。

  • 黒海月さま。
    毎度ありがとうございます♫
    コメント付くの楽しみにしてるんですよ~(*´∀`)
    買っちゃいましたか!!キングセイコー!!
    私もセイコーさんの回し者ではありませんが、それでも!!キングセイコーは誉めちぎるに値する時計だと思っています。
    今年は弊ブログに感化されて時計を買ったというご報告がホントに多くて、嬉しいやら申し訳ないやらで一杯なのですが、腕時計の楽しい部分をいかにして文章化するかを目指してやってきましたから、購入のご報告は、私にとってトロフィーみたいなものなのです。
    買ってくれてありがとうございます♫
    使い倒しましょうね~(*´∀`)

  • 砂布巾さん
    黒海月です。
    日本人なら、セイコーの1本も持ってなければとの思いを掻き立てられた上に、そこへきてキングセイコーの克明な愛にあふれた記事を読むと・・・、買っちゃいますね(笑)
    それに、砂布巾さんの写真からはリアルな魅力が伝わってくるのでありがたいです。(あ、そこ、そこ見たかったのよ!的な)
    洗練された野暮ったさ、令和と昭和の融合、尖った平凡、キングセイコーには表現に悩む魅力にあふれていますね。
    ダイヤルのサンレイ仕上げの美しさ、インデックス、ブレスの1コマまで面取りされ、光り輝く鏡面仕上げ、ドーフィンバリの鋭さ、SEIKOのロゴがアプライドされてる!
    肉眼で間近でみると、加工技術の凄まじさに度肝を抜かれます。それをよくあの価格で・・・(‘Д’)
    使って1週間、もう手放せませんなキングセイコー!!!
    P.S.あくまでSEIKOさんの回し者ではありません(笑)

  • もしかしたら私は魂的にセイコーさんの回し者かもしれません(笑)
    いや、その誹り甘んじて受けましょう!!(笑)
    今年リリースされたセイコーの時計は多々ありますが、その中でもキングセイコーのプロダクトは特筆すべきものだったと思います。
    2022年のベスト3には入るんじゃないでしょうか。
    それも普通のレギュラーモデルとしてですからね!!
    セイコーさんの底力を見た思いです(*´∀`)

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