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ノルケインは腕時計業界の『明けの明星』になれるか?

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年度末、始めと忙しく、ブログの更新が滞り気味でございます。楽しみにして下さっている読者の皆さまには、誠に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

書けるネタはナンボでもありますので、あとは時間を使ってちまちまアウトプットするだけなんです。余裕があるときは、サクサク量産できるんですけどねぇ…(;´Д`)

ちなみに、途中まで書いてまとめ切れていないネタが50本近くあります。すでに賞味期限切れもチラホラ…どなたか「ネタ供養」してやって下さいませんか(´;ω;`)

…しょ~もない言い訳は、このくらいにしまして(汗)

白み始める明け方の夜空に輝く「金星」。他の多くの恒星以上に目立つ様子は「明けの明星」とも呼称されますが、その輝きから「新進気鋭」の存在が伸し上がっていく状況を形容する言葉として用いられることもあります。確かにピッタンコなフレーズですよね。

んで、唐突に…「ノルケイン」さんのお話でございます。

「ノルケイン」さんは2019年に最初のコレクションを発表。それこそ新興も良いところのブランドなのですが、のっけから「これは!!」と唸らせるピースを揃えてきたので、私もずっと気にはなっていました。

スイスのブランドではありますが、華美に寄らず、シブいまとめ方を心得たデザインで、何となく「ドイツ」っぽさも感じさせてくれます。質実剛健に香るスイスの色気…それはIWCさんやブライトリングさんに共通する部分です。はい、私は大好きです(笑)

ちなみに気になる響きを持つ「NORQAIN」というブランド名ですが、7つのキーワードの頭文字から作られた言葉だそうです。

N = NEW(新しい世界に目を向け)

O = OPEN-MINDED(柔軟な思考と)

R = REBELLIOUS(立ち向かう気概で)

Q = QUALITY TIME(瞬間、瞬間に情熱を注ぎ)

A = ADVENTURE(未知へ挑み続ける)

I = INDEPENDENT(自分らしい生き方を探し求め)

N = NICHE(誰にも似ていないことに誇りをもつ)

 大言壮語、大風呂敷と言ってしまえばそれまでですが、若いヤツはコレくらいじゃないとツマラン感じもしますし、個人的には「名前負けすんなや!!」ってな感じで応援したくなりました(*´∀`*)

確かにブランドとしての歴史は浅いです。ですが、創業者の一族の多くは揃ってスイスの時計産業に関わりを持つとのことで、脈々と積み重ねられてきたスイス時計産業の歴史の一番新しいページに「ノルケイン」というブランドがその銘を刻んだ時点で、何かしらの「使命」「未来」を託された存在と考えても良いかもしれません。

特にここ最近のモデルに「ケニッシ」のムーブメントが搭載されるに至り、こりゃあ、大化けするんちゃうか!?なんて期待が私の中では高まっています。恐らく、同様に感じた方は少なくないでしょう。

「ケニッシってなんやねん??」と思われた方のために、簡単にご説明しますと…「チューダー」さんが設立したムーブメントファクトリーが「ケニッシ」さんです…って、簡単すぎますか??(笑)

え~っと…まぁ、チューダーさんのクオリティーレベルで作られるムーブメントですから、想像するに堅牢さや正確さなどは折り紙付きでしょう(私の手持ちのチューダーはどれもエボーシュ使いなので、残念ながら経験からくる根拠ではありません)。

ケニッシにはブライトリング副社長を務めたジャン・ポール・ジラルダン氏も参画しているそうですから、氏の存在がムーブメントのエクスクルーシブ化のみならず、「ノルケイン」さんのプロダクト自体にも影響を与えている可能性はあります。各モデルを拝見して何となくそんな風に感じました。そこはかとなく「ブライトリング風味」とでも言いますか(笑)

それもそのはずで「ノルケイン」創業者のベン・カッファー氏も元々はブライトリング出身なんですと。そりゃあ多少は引っ張られてもしゃーないなぁ~(;´∀`)

ってなワケで、我慢できずに「ISHIDA新宿」さんへ。

東京に単身赴任になる前は、ちょくちょく「オオミヤ」さんへお邪魔してた私。ここ最近は銀座の並木通りのブティックに加えて、つとに有名な正規販売店の「ISHIDA」さんへも伺う機会が増えました。商品が見やすく陳列された居心地の良い店内。スタッフの方々のホスピタリティーも極上。「用事が無くても遊びに来て下さい」なんて言われたら、そりゃあ情が移るってもんですよ(*´∇`*)

え~っと、5階でしたっけねぇ…おお!!あったあったよ。ケニッシ搭載の「ノルケイン」。早速、見せていただきましょう!!

フリーダム 60 GMT オパリン ダイアル

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Freedom 60 GMT Opaline Dial

おっと!!これは可愛い(*´ω`*)

クラシック顔のGMTが好物の私ですから、数ある中でこの時計が一番最初に刺さりました。ベゼルに刻まれるようになる以前の、古式ゆかしい24時間目盛りが特に愛らしいです。

ダイアルは微妙に色変化のある「パールホワイト」でした。これは写真では絶対に伝わらないニュアンス。また、仕上げは薄くクリアを吹いた感じで、素材の質感を失わない配慮が見て取れます。ガッツリとコーティングした方がダイアルの耐久度は上がるでしょうが、私はこういった美観優先を好意的に捉える方です。インデックスや針も丁寧な仕事っぷり。これはグッジョブですわ( ・`д・´)

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Freedom 60 GMT Opaline Dial

ブレスのレベルはかなり高いと思いました。バックルも奇をてらったところがなく、安心して使える作りです。総じて仕上げは価格以上と言って良いでしょう。これが創業数年の実力とは…「恐ろしい子!!」(by月影先生)

⦿ケース素材:ステンレススチール(316L)
⦿ベルト素材:ステンレススチール(316L)
⦿文字盤色:ホワイト

⦿ケースサイズ:40mm
⦿防水:100m
⦿ムーブメント:自動巻き(ノルケインマニュファクチュールキャリバー NN20/2)70時間パワーリザーブ、COSC公認クロノメーター
⦿両面無反射コーティング サファイアクリスタルガラス
⦿ケースバック:サファイアクリスタル

アドベンチャー スポーツ JP

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Adventure Sport JP

日本限定50本という貴重な一本。絶妙なウォームグレーが意外と日本人の肌の色味にも合いそうな感じです。ヘリンボーン、或いは編み込んだラタンのようなギョーシェが刻まれたダイアルもユニークです。全体的にスポーティーで若々しいデザインは、42ミリというサイズとともに若い人向けの印象ですね(*´∀`*)

インデックス、針は非常にシンプルながらも十分な視覚的重量感を備えています。コントラストがあって、視認性も抜群です。

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Adventure Sport JP

一応はスポーツモデルといった位置づけなのでしょう。バックルはロック付きです。個人的にはブレスの幅が少々広いかなぁ~と思いましたが、まぁそこは人それぞれ。こちらのブレスも肌への当たりが滑らかで、快適に使えそうな印象でした。ワシがあと10歳若かったら着けたかったのぅ…(;´Д`)ヨボヨボ

⦿ケース素材:ステンレススチール(316L)
⦿ベルト素材:ステンレススチール(316L)
⦿文字盤色:ウォームグレー
⦿ケースサイズ:42mm
⦿防水:100m
⦿ムーブメント:自動巻き(ノルケインキャリバーNN20/1)70時間パワーリザーブ、COSC公認クロノメーター
⦿両面無反射コーティング サファイアクリスタルガラス
⦿ケースバック:サファイアクリスタル

インディペンデンス 21

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Independence 21

ランダムにスクラッチされた絹目状のパターンがミステリアスで、誠に美しいダイアルでした。ちなみに売れているそうです。確かに、随所にキャッチーな要素が感じられます。

ダイアルカラーはツートーン。視覚的な緊張感を維持したままで、同時に視認性も確保。見目麗しく機能性も十分って感じです。何気にインデックスの仕上げが素晴らしかったのも印象に残っています。

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Independence 21

「アドベンチャー スポーツ」と同じタイプのバックル、ブレスです。金属の塊としての構造美と装着性を両立させた気持ちの良いブレスでした。めちゃめちゃ高級感があるとか、そういうブレスではありませんが、少なくとも価格以上の出来ではあります。個人的に「腕時計の良心はブレスに現れる」と思っていますので、そういう意味では誠実なプロダクトです。

⦿ケース素材:ステンレススチール(316L)
⦿ベルト素材:ステンレススチール(316L)
⦿文字盤色:ミッドナイトブルー
⦿ケースサイズ:42mm
⦿防水:100m
⦿ムーブメント:自動巻き(キャリバー NN20/1)70時間パワーリザーブ、COSC公認クロノメーター
⦿両面無反射コーティング サファイアクリスタルガラス
⦿ケースバック:サファイアクリスタル

 如何でしたか??

着けてみた個人的な印象では「フリーダム 60 GMT」が、自分には一番似合っているように感じました。いや、多分どなたでも着けこなせる懐の広い時計なのでしょうけど(笑)

着けはしませんでしたが、他のモデルも総じて「渋好み」と言いますか…個々人の趣味に影響される部分はあっても、時計としての平均値はかなり高いと感じました。優秀なサプライヤーとの関係があったとしても、数年でこの域に達したのですから「末は博士か大臣か」って感じで大物の予感すら漂います。ましてや今後もケニッシさんが熱烈にサポートするなら、その将来性に期待せずにはいられません(*´∀`*)

さて、ケニッシを搭載するアドバンテージは、同じムーブメントメーカーでありながら、ETAやセリタについて回る「廉価品」の悪評とは無縁だということに尽きるでしょう。機械としての「筋の良さ」は折り紙付きですし、薄っすらとロレックスさんの余慶を感じる「血統の良さ」もあります。つまり、ケニッシが載っているというだけでも、それは大きな加点要素となるのです

ケニッシさんの製造品を「ノルケイン」に載せて、それを「マニュファクチュール」と呼んで良いのか…はさておいて、要はグループ企業でもなんでもない「ノルケイン」さんに対して、ケニッシさんが虎の子のムーブメントを供給した事実が凄い…っていうか、業界の構造的には極めて尊いことだと思います。

これは「ノルケイン」さんが独立企業であることも大きいでしょうが、チューダー…つまりロレックス側が、この企業なら、今後も自分たちの顔にドロを塗ることはないだろうと、新興企業「ノルケイン」を認めたことに他なりません。創業からたった数年でそう評価される実績を残してきた企業が「ノルケイン」さんだと考えると、何かこりゃあ大化けするんとちゃうか??なんて思っている私です。

ちなみに「シャネル」さんもケニッシの株式を20%取得して、同様にムーブメントの供給を受けています。一番手として「J12」にケニッシ製の「Cal.12.1(COSC認定、70時間パワーリザーブ)」を搭載。シャネルとロレックスが手を組んだと考えると、時計好きとしては何やらザワザワしますが、これによりシャネルさんの時計の根本的な価値が底上げされるのは間違いないでしょう。それは、これまで「J12」を単なるファッションアイテムとして見てきた「コアな腕時計愛好家」の耳目を集めるきっかけになるかもしれないのです。

「フォルティス」さんもケニッシのムーブメントを使い始めてますね。これは中々にシブくて、興味深いタッグだと思いました。つまり今、ケニッシを載せるということは、それだけでかなりの宣伝効果があるのです。そしてそれは、新興企業の「ノルケイン」さんなら尚更でしょう。

実際、「ケニッシが載ってるんやったら、ノルケイン買ってみよか??」と考える人は多く、販売店への問い合わせも爆発的に増えたと聞きます。チューダーさん(ロレックス)の余慶を受けた新興ブランド「ノルケイン」さんが、古豪ひしめく腕時計業界の「明けの明星」となってどこまで成り上がれるか…そんなサクセスストーリーを心底楽しむために、私も一本買っておかんといかんような気がしています。まさに「時は来た!!それだけだ!!」(by橋本真也)ですよ(*´∀`*)

余談です。

「ノルケイン」さんを体験しに伺った「ISHIDA新宿」さんですが、ちょっとしたキッカケから「カール F. ブヘラ」のネタでスタッフの方とかなり盛り上がりました。確かに、ブヘラさんを語れる客とスタッフさんの邂逅は貴重かもしれません(笑)

その流れで、こんな「腕時計格言」が生まれました(*´∀`*)

✔ペリフェラルローター自動巻きは、マツダさんの「ロータリーエンジン」と同じである(凄いのに誰も追従しないという意味)

✔エントリーモデルは初めて入る中華料理屋の「チャーハン」と同じである(お店の実力が推し計れるという意味)

以上です。どこかで使って下さい(笑)

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