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仕事場で使った8本の腕時計から「心理状態」を探る

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腕時計にもそれなりに「ドレスコード」ってものが存在しますよね。プライベートを起点にして、ビジネス、フォーマル…と、面倒なシーンになればなるほど「使って許される時計」の種類は限定されていきます。

腕時計を愛する皆さまなら、このような「縛り」に、窮屈さを感じる時もあるのではないでしょうか?「好きな時計着けさせろや!!」…そんな気分の時もありますよね。

フォーマルシーンのコードに比べたら「ビジネス」の場での規範は緩めです。実際、私の職場でも様々なデザイン、大きさ、色味の腕時計を見ることができます。

腕時計がお好きな方なら「ここ一番」で身に着ける一本を決めておられる方も少なくないでしょう。「今日の会議はビシッと決めるぞ!!」みたいな感じですね。そして恐らくその一本は、ビジネスの舞台で揶揄されないタイプの時計の中から探して、選んでいるのではないでしょうか?

ビジネスのドレスコードは「ビジネスアタイア(Business Attire)」とも呼ばれるものです。着用して良いのはビジネススーツ、派手すぎないタイ、基本は革靴ですね。小洒落た感じを出すなら、ポケットチーフも効果的です。

そして腕時計。ドレスコードではどのように決められているのかと言いますと…結婚式などの「フォーマル」ではそもそも、腕時計をチラチラ見る所作が失礼に当たるという考え方もあるそうですが、基本的には「2針か3針の黒革ストラップorブレスモデル」なら問題はなさそうです。

ビジネスでの腕時計は、フォーマルの解釈を緩く広げたものだと考えれば、間違いありません。

但し、ビジネスにはビジネスなりの、ややこしい「掟」「上役の時計に配慮する」というのがあります(汗)個人的には「同格の時計」までなら許されると考えていますが、正直…「コイツめ…」と睨まれる事態はあります。諸君、気を付けましょう(;´∀`)

一般論ですが、スーツスタイルで腕時計を「キレイに」着けようと思えば、サイズにも注意が必要です。似合う似合わない以前の問題として、シャツの袖口に収まらない時計はビジネス向きとは言えません。ジャケットの袖口に引っかかるような時計は尚更、言語道断です。

ちなみにウチの連中でビジネスにドンピシャなのは、この辺りの時計かなぁ~と思っています。

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はい、要するに「40ミリ以下」の時計たちってことですね。復活「キングセイコー(SDKS007)」なんて、まさに企業戦士のための時計って感じ!!

また、基本はブレスレット仕様が良いでしょう。湿気の多い日本の夏を乗り切るために、これは必須条件と言えます。ダイアルカラーは「黒系」「シルバー・ホワイト系」そして、ぎりぎり「ブルー系」が許されるでしょうか。私が購入したキングセイコーは「茶色」のダイアルですが、ほぼ黒色に見えるダーク系は問題なく使えると思って良いでしょう。逆に「赤色」「黄色」のビビットな配色は視覚的に「仕事の邪魔」になりそうです。

以上のことから、私の考える「ビジネスにドンピシャ」な腕時計の条件をまとめると、以下のようになります。

  • 過剰に高級なブランド物ではないこと。
  • 幅40ミリ以下で、厚みを抑えたケースであること。
  • ブレスレットが装備されたモデルであること(季節によって換装は可)
  • 地味めなダイアルカラーであること。
  • 3針時計が望ましい(地味なクロノグラフなら可)

ゴリゴリのフォーマルなら、さらに「インデックスタイプの制限」「2針推奨」などの厳しい条件が付帯します。正直、キツい縛りです。しかもそういう時計に限って、どのブランドもお高い設定。まぁ、だからこそのクラス感なんですけどね(;´Д`)

でもまぁ…こんなドレスコードなんて真剣に守っていたら、一生使えない「キワい時計」が、世の中には山程ありましてねぇ。

ロンTにライダースが主力だった大阪時代よりは「働くおじさん感」を出そうと服装を変えた私。それでも、自分には「絶対に似合わない」ことが明白な「スーツの着用」に対してだけは、無駄なレジスタンスを現在も続けています。

チノ履いて、襟のあるシャツ着て、ジャケット羽織って…私のアイデンティティー的には、これでもスゴ~く折れたのです。遠目にはそれっぽく見えてるはずだし、これで許してくれよ!!ってな感じでしょうか。

そこに「腕時計のドレスコード」まで加わった日には、こちとら息苦しくてやってられません。

というわけで、その日の気分によっては、敢えてドレスコードを無視する場合もあります。自分の複雑な心理状態を腕時計に代理させたり、或いは腕時計を通じて「今日はこんな気分です!!」と表明するのです。

ってなわけで、ウチの手持ちたちを例に「今日はこれを使おう!!」と思ったきっかけの「心理状態」を明らかにしていこうと思います。何の意味があるかって??意味がないことの方が、実は愉しかったりするのですよ。世の中は(*´∀`*)

生きる活力が欲しい日用

大袈裟じゃなく「生きてるのしんどい」と思うこともあります。人間ですからねぇ。それでも、弱気になってしまった自分を奮い立たせて、仕事に向かわないといけないわけです。

そんな時の「カンフル剤」的な時計がこれです。

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ルミノール マリーナ(PAM00723)

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 ドレスコード無視の絶対王者、それが「パネライ」でございます。高級腕時計のカテゴリーにありながら、ドレスコード的には眉をひそめられるタイプの時計は数ありますが、そういう時計の象徴的存在がパネライではないかと。

パネライの時計は放射する「エネルギー量」が段違いに強く、ヤワな覚悟で着けると即座に気合負けして「時計に食われる」場合すらあります。ですが逆に、そのエネルギーに期待してこれを着けると、自分自身がまるで「歩くパワースポット」になったかの如く力強くなれるのです。私の中では、一種の「変身アイテム」ですね(*´∀`*)

デカイ案件に対して「今日こそはケリを付けるぞ!!」みたいな時にこそ、着けたい時計です。

一心不乱に書類と向き合う日用

苦手なんですよ、書類仕事。管理職になっちゃって久しいですし、できて当たり前なんですが、もう3月…これからですよ!!人事案件に振り回される日々が始まるのは(;´Д`)

そんな、書類の山に向き合わねばならない日には、正直、大好きな腕時計ですら「構っていられない」精神状態になってしまいます。書類仕事の苦手さが、腕時計への愛を凌駕しちゃうわけです。

そんな、心の余裕を持てない日には…この時計ですよ!!

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スピードマスター
マーク40コスモス(3520.50)

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 「悪いけど、今日は君の顔(ダイアル)をゆっくり見てられないんだ…」みたいな時でも、この子なら心配無用。機嫌を損ねるなんてことはありません。「糟糠の妻」の如き謙虚さで、特段主張することもなく、ただひたすらに時を刻み続けてくれます。

それでいて、ふと左腕に視線を落とすと、そこには、地味ながらも凛とした艶やかさを湛えた「コスモス」の姿。高級機ではありませんが、そこは腐っても「オメガ」です。着ける喜びは少なからずあります。

面白くない仕事に集中しなければならない時に、気兼ねなく使えて余計な気遣いのいらない「オメガ スピードマスター マーク40コスモス」のような時計は、マジでありがたい存在なのです(*´∀`*)

もう、どうでもいい気分の日用

朝、起床の瞬間から「今日は仕事にならん」と思える日があります。熱いシャワーを浴びても、ほっぺたをパンパンやってもダメ。

1ミリもやる気が湧いてこないそんな日は、全てのルールを破壊して、仕事なんかも全部うっちゃって、どこか遠くに遊びに行ってやろう…なんて、できないんですけどね(´;ω;`)

そんなアウトローな気分の日は…これでしょう!!

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BR 03-92 Diver

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 大阪時代ですら「これを着けて仕事には行けん!!」と自重していた「ベル&ロス」のダイバー。実は東京に異動になって服装が変わってから、2回ほど会社に着けていきました。

その2回は間違いなく「何かにやさぐれて」だったと思います。そこで、敢えてアウトローな腕時計を巻いて「おぅおぅ!!仕事がなんじゃい!!」と言いたかったのです。言えなかったけど…(;´Д`)

かなり破壊力のあるドレスコード破りができちゃう「BR 03-92 Diver」。周囲の連中に「今日のアイツ…ヤバいぞ!!」と思わせることができたなら…アウトローな気持ちも、少しは晴れやかになるってもんです。

若作りをしたい日用

どこからどうみても、しみったれたオッサンな私ですが、こんな私にも若い頃はあったのです。シワ一つないツヤツヤの肌が自慢だったあの頃に戻りたい…戻りたい…

そんな気分の日にこそ着けたい時計がコチラです!!

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アイコン(AI6007-SS002-430-1)

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 ラグスポって、存在自体に「若さ」があるんですよ。結構なオールドの部類に入る昔の「ロイヤルオーク」なんかも、物は古いんですがデザインは「若い」

この「モーリス・ラクロア アイコン」も同様です。着けると何かこう…ひゃー!!みたいな。良いの?オレなんかが着けても良いの?みたいな感じなのです(笑)

ですから「今日は若ぶっちゃうもんね!!」みたいな気分の日には、この時計から若さの要素を拝借しています(*´∀`*)

女子の会話に混じりたい日用

男とは浅はかな生き物でございます。オッサンになればさらに浅はかさが加速します。少なくとも私はそうでした(汗)

いや、何が浅はかかと言いますとですね…何と言いますか…ほら!!難しいと解っていても、若い女子の会話に参加して「キャッキャウフフ」したいわけですよ(;´∀`)

とはいえ、私と若い女子の間には、地球からアンドロメダの距離に匹敵する、無限の空間が立ちはだかっているわけです。そのままで何の接点もなしに、まともな会話なんて成り立つはずもなし…

そんな私の強い味方が、このお時計でございます!!

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エルゴン(EG35S)

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 いや別に、そういう目的で購入した時計ではありませんが、若い女子から「いらなくなったら、それ下さい!!」と言われた時計はこの「ブルガリ エルゴン」だけです。やっぱり、ブルガリの作るものには、女子の琴線に引っかかる何かがあるんでしょうねぇ。試しに着けてもらったら可愛いのなんの。ちなみに私も「似合いますね!!」って言ってもらいましたからね!!(笑)

予約した「カルティエ タンク マスト ソーラービート」を身に着けたら、どんな反応が得られるのか…同じく「ちょーだい」と言われるのか…楽しみですねぇ(*´∀`*)

良い人の皮を被りたい日用

普段、ほとんど絡みのない他部署と会議が予定されている日は、ふいの失言に注意したり、好感を得られるよう、いつもより気を配ったりするものです。

腕時計のチョイスに関しても悩みどころですが、私の場合は、高価な時計や派手な時計など「威圧感」を与える物は極力避けることが多いと思います。ロレックスでマウントに成功したところで、議題の落とし所が早く見つかるわけではありませんし(;´∀`)

自分の意見を主張するだけでなく、他者の意見も尊重する「柔和な姿勢」を表したい日に着けるべき時計がこちら!!

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ヘリテージ コレクション

コラムホイール クロノグラフ(L2.800.4.26.2)

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 ほぼ全てのモデルに「品の良さ」「人当たりの良さ」をまとう「ロンジン」。高騰が止まらない高級腕時計に疲れ果てた男たちの「心の拠り所」としても、実に有り難い存在です。

岩波文庫が似合いそうな佇まいのロンジンを身に着ければ、装着者は自然と「物静か」「思慮深い人」に見えます。多分。

面識の浅い人には「誠実な印象」を与えられるでしょうし、顔馴染みからは「今日は大人っぽいな」と思ってもらえるかもしれません。多分。

マホガニーの揺り椅子に座って話をするような落ち着きを、ロンジンの…特に「ヘリテージコレクション」たちは与えてくれるとのです。その落ち着きは重厚さにも通じ、誰もが私の意見に耳を傾けてくれている…はずです(;´∀`)

心にナイフを忍ばせたい日用

物騒な話ではありません。ご安心を。

長年、社会人をやってると、本音を隠して怒りや悲しみを抑え込む時もありますよね?「チクショー!!」「コンニャロー!!」と叫びながら、拳で枕をボフボフやったことってないですか?

理不尽を与えた相手に対して、直接文句を言えるならそれが一番ですが、それをやっちゃオシマイなのが「大人」ってもんですよ( ー`дー´)

かといって、一度火がついた怒りは簡単に収まりませんよね??そんな、爆発寸前の気持ちをコントロールするためのお時計がこちらです。

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クロノファイター 1695

(2CXAS.S02A)

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 微笑みのように優しいダイアルですが、袖を捲くれば不似合いで凶悪な「トリガー型プッシャー」が出現。それでも、グラハムの時計の中では数少ない、ビジネスで(ギリギリ)使える時計です。

まず、名前がクロノ「ファイター」ですからねぇ。トリガーはまさしく「引き金」なわけで、引けば怒りの弾丸が誰かさん目掛けて一直線に…ふふっ( ー`дー´)

「オレがコイツを着けてる時は、アンタ…気を付けたほうがいいぜ!!」

心底悪かったと反省する日用

大人になるということは、正しい謝り方を知ることではないかと思います。責任の大きさも深さも弥増す中では、失敗の可能性も増大して行くのですから。

若い頃は「前のめりに倒れるなら本望!!」くらいの気持ちで仕事に対峙していましたが、周りの連中を巻き込んだ責任の中では、そうも言ってられません(;´Д`)

失敗した時の「挽回」は、謝罪の瞬間から始まっています。頭の天辺からつま先まで「失意と後悔」を滲ませて「完璧な謝罪」を成し遂げるために…そんなお助けアイテム的な時計はこれしかありません!!

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SARB035

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 個人的見解ですが、仕事でやらかした失敗を謝すならば、着けるべき腕時計は「ビジネス時計」でないとダメです。ダイバーズやパイロットはおろか、ラグスポ風の時計も「謝罪コード」からは逸脱してしまう気がします。

変にクラシカルな時計も「あんまり堪えていない」感じが出てしまって、ダメな気がします。

セイコーのビジネス時計は謝罪シーンに最適なものが多いですが「GS」は止めておいたほうが良いですね。お高い時計は「火に油」かもしれないですし(;´Д`)

そこいくと「SARB035」は最強です。ちゃらけたところが一切なく、安価な時計ながらも「機械式」ゆえの重厚感があります。このささやかな重みが謝罪には必要なのです。ダイアルは「白一択」、シルバーじゃダメなんです。「白一択」

この味気ない3連ブレスも最適です。「現場から飛んできました感」がありますしね。

私自身、すでに何度もコイツには助けられました。私が引退するその日まで、コイツと一緒に頭を垂れたいと思います。

すみません~また長くなっちゃって(;´∀`)

今回の企画は妄想半分、実話半分といった感じで書いてみましたが、実際、ある程度の本数を所有するようになると、時計選びがその日その日の心情を反映したものに変わってくると思います。テンション高めな日はこれ、鬱々とした日はこれ…みたいな感じです。

ドレスコードを守る楽しさも、腕時計趣味に奥行きを与えてくれるものですが、敢えてドレスコードを「無視した先」に、自分だけの「腕時計道」があるんじゃないかなぁ~なんて思ったりもするのです。深いなぁ~(*´∀`*)

本日もご愛読、誠にありがとうございました。

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