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ロレックスだけが混んでいる「腕時計売り場」に思う

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12月に入れば馬車馬の日々が確定済みの私。昨年は自身の段取りの悪さもあって、ほぼ全ての休みを潰し年末年始案件を片付ける羽目になってしまったわけですが…果たして今年はどうなるか?

昨年の今頃といえば東京に異動になったばかり。部員の皆さんの「能力」も把握できていない状態でした。できるかできないか、能力的に読めない仕事は私の責任上、任せられません。となると自分でどうにかするしかなく、休みの日を潰してひたすら兵隊仕事に勤しむしかありませんでした(;´Д`)

まぁ、私は構わないんです。これまでだって長年こんな感じで慣れてるし…どちらかというと、私の余裕のなさが他の部員さんにも波及したらマズいなぁ~とか、そんな心配の方が大きかったと思います。

それに比べりゃ、今年は部員さんの能力も概ね把握済みですから、個々人の「余力」も計れます。あとどのくらい頑張れるかも予測が付くようになる。中級指揮官としては、これが昨年末からの明らかな「進歩」だと感じています。少しは余裕を持って仕事できると良いなぁ…(;´∀`)

話は変わりまして…先日、新宿三丁目の「I百貨店」に行きました。以前、大阪にも進出して話題になったデパートですが、数年で撤退してしまった事実を見ると、大阪人が育んできた「地域性の強い価値観」ってやつが、「I百貨店」が得意とするコンセプト重視でバイヤー色の強い売り場にとって相性が悪すぎたのだと思います。確かに…私も妙な居心地の悪さを感じましたし、正直、「私に何を買って欲しいのか?」が伝わってきませんでした。

とはいえ別に、派手なハチマキを巻いた売り子に呼び込みをさせろ…というわけではありません。大阪のデパートの地下食品売り場などでは普通に見られる光景ですが、東京のデパートには似合わないかも。東京のデパートは、ちょっと「お高く」とまって、威圧してくるくらいで良いと思います。ある意味、私みたいなよそ者が外から見てた「東京のイメージ通り」ですからね(それに憧れる部分もあるわけで)

新型コロナ対策の緊急事態宣言が全面的に解除され、うちの近所、新宿の人通りも大幅に増えました。飲食はどこに行っても混んでますし、各デパートの賑わいっぷりも大変なものです。

ですので、混んでるのは承知で「I百貨店」さんに赴きました。空気感の違い…いつもお世話になっている「O百貨店」さんのフレンドリーさがよく解ります(笑)

新宿三丁目駅の改札を出れば、そこはもう「I百貨店」さん。他にも興味を持って各フロアを回れれば良いのですが、オッサンが一人でデパートをウロウロしてるのも…何かアレです(笑)紳士服売り場ですら、奥さんや彼女を連れて行く場所みたいな印象がありますし、となると、高級筆記具売り場、扇子売り場(?)、腕時計売り場くらいしか、安心して行ける場所は見当たらないのです。

ということで、腕時計売り場へ。

新宿三丁目「I百貨店」さんの腕時計売り場の印象ですが…良いです。かなりお洒落で格好いい作りです。到着した瞬間に「うひょ~」みたいな変な声が出ました。

「お洒落じゃない腕時計売り場って何よ?」って思うじゃないですか?商材がお洒落なんだからフロアだってお洒落になるに決まっていると。ところがね…あるんですよ。言葉を失うほど「ダサい腕時計売り場」が。とはいえ、必ずしもそれが悪いわけではありません。入りやすいですし、店員さんとの距離が近くて楽しい買い物ができたりします。

けれど…いざ、買っちゃおう!となれば、やっぱり「格好良いお店で買いたい」のが「男心」というもの。ブランドのロゴが遠慮がちにプリントされた紙袋を下げて、揚々と帰路につきたいのです。その瞬間だけの高揚感ですからね。各デパートさんには、そういうエクスペリエンスを提供する役割もあると思うのです。

さて「I百貨店」さんの腕時計売り場がどれだけ混んでるかといいますと…あれ?空いてる。年末、クリスマス商戦期間でありながら、心配になるこの人の少なさ…(;´Д`)

フロアの入り口にはひっそりと「ジャガー・ルクルトフェア」のお知らせ。ならば…さぞや「ルクルト」さんは賑わっているはずだと思いますよね?

おらんし。

人おらんし(´;ω;`)

 たまたまだったのかもしれませんが、すぐ近くに「ロレックス入場待ちの行列」が見えましたので、それとの対比も一層の悲哀を感じさせました。

決して「ルクルト」さんだけが悲しいというわけではありません。どこの腕時計売り場も似たようなものですが、「ロレックス」さんだけにお客が集まり「その他」のブランドは閑散…緊急事態宣言下で散々見てきた光景が、未だ続いているのです。

その日、私が観測したところでは、2番目にお客がいたのが「オメガ」さん。3番目が「ウブロ」さんでした。「ウブロ」さん、相変わらず人気ありますねぇ。その2つにしても、常にお客が2人くらいって感じで、決して「賑わってる」ようには見えません。土曜日の15時辺りという好条件ですから、もっと人がいても良いはずなのに。

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 多分これ、私の気のせいではないと思うのですが、デパートの「ロレックスのブティック」って、必ず「予測できる一角」に配置されていますよね?

はじめて訪れた売り場でも、私自身は「ロレックス」さんを探して迷ったことがありません。この辺かな?と思って行くと必ずそこにあるのが「ロレックス」さんなのです。出店する場所の導線を分析して、商売に一番有利な「一等地」を選んでいるのでしょうが、どこのデパートでも同じなのですから、その戦略は見事と言うほかありません。

もちろんそれはデパート側の協力あってのことでしょう。しかしです。「ロレックス」さんに協力しないデパートなんてありますか?

腕時計売り場に「ロレックス」さんがあるとないとでは雲泥の差です。まず「客筋」が変わります。やはり「ロレックス」さんを見にくる人たち…目当てのスポーツモデルに出会える確率を考えたら、間違いなく徒労に終わるであろう運動を続けている人の「本気」は、デパートにしてみればありがたいお客でしょう。彼らは「ブツ」さえあれば、いつでも100万円オーバーのお金を落としてくれるのです。

けどなぁ‥‥

商品がないねん(´;ω;`)

 ないものは買えないし売れません。売れなければお金がな動きませんから、その影響で苦境に立たされるブランドも出てくるでしょうし、そうした多様性を担う中堅のブランドが撤退する事態にでもなれば、売り場はじわじわと魅力を失い、結果、デパート側の消化仕入れ契約だとしても、セールスに悪影響を及ぼすことになります。

「ロレックス」さん目当てのお客さんは現状でも多数存在し、さらに世代が新しくなるたびに新規生産され続けています。古今東西で唯一と言っても良い「ほぼ必ず値上がりする投資対象」としての腕時計。しかも、自分で使いながら値上がりを待つことができる。そんなオイシイ商材は他にないですよね?

消費者もそれを重々承知しているからこそ、望み薄の出会いに期待してブティックのパトロールを続けるのでしょう。まぁ…それはそれで別に良いじゃないですか。

問題は…私の知り合いにもいるんですが…「ロレックス」が(定価で)買えないなら「買えるようになるまで何年でも待つ」という鉄より固い意志をお持ちの方に対して、デパート側がただ指をくわえて見ているのか…って話なのです。

前述の通り「ロレックス」には投資対象としての絶対的な信頼…つまり、値下がりしないどころか「むしろ高くなる」という、まるで錬金術のような事実があります。確かに、他のブランドでこんな現象が見られるのは、雲上の一部のモデルに限られます。

しかし「ロレックス」を手に入れたい人全員が、将来「より高く売るために買う」わけではないでしょう。本当に腕時計が好きで、一生添い遂げるつもりで「ロレックス」を探している人も多いはずです。

但し、それは「品物があれば」という条件に限定されます。商品に出会えない時間が長くなれば、購入衝動は次第に弱まっていくでしょうし、最悪の場合「腕時計への興味自体を失う」可能性もあるのです。そうなってからでは全てが遅すぎます。

多くのブランドの正規販売店が集まるデパートなら、そうなる前に働きかけることも可能なはずです。「ロレックスが欲しい人たち」に、ほんの少し「好奇心をくすぐる」刺激を加えて、遍く広く「腕時計が欲しい」と考えるられるように促せば良いのです。

それは容易いことではないでしょう。聞く耳を持たない人もいるでしょう。けれど「ロレックス以外にも素晴らしい腕時計がたくさん存在する」ことをお客に伝えるのはデパート側の崇高な義務です。「I百貨店」さんも「ジャガー・ルクルトフェア」から間髪をいれずに次の催しに繋げて「ロレックス」が買えなくて意気消沈した消費者の「満たされなかった購買欲」を救ってあげて下さい。

「ロレックスは買えなかったけど、ジラール・ペルゴ買っちゃったよ」「折角なので買ってみたけど、カール F. ブヘラも良いね!」みたいな風景が広がれば、そのブランドの作る時計の素晴らしさを知る人が増えるわけです。そういう「雨降って地固まる」的な「成功体験」の積み重ねが、味わい深い腕時計人生を作るのだと思います。

「オメガ」ですら圧倒的に離された2位に甘んじているのが、現在のデパートの腕時計売り場です。他にも多くのブランドが軒を連ね、魅力的な腕時計がお客の視線が向けられるのを待っているのに…何と勿体ないことか。

「ロレックスが欲しいけど買えない人」に伝えたい。いつか「ロレックス」が手に入るまでの繋ぎでも構いません。ぜひ他のブランドにも目を向けてやって下さい。貴方が「プレ・ロレックス」「ポスト・ロレックス」といったタイミングで出会う時計にこそ、心を揺らす出会いがあるのです。

まずは手持ち無沙汰でブースに立つスタッフさんたちにも、声をかけて上げて下さい。

「ロレックス」さんでは味わえない種類の「熱烈歓迎」が、貴方を待っているはずですから(*´∀`*)

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