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実物を見るべし!触れるべし!(シチズンの「Series 8」)

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左(NA1000-88A)、右(NA1010-84X)

リリース以降ずっと気になっていた腕時計、シチズンの「Series 8(シリーズ エイト)」を見に行きました。かつての「Series 8」も独創的なデザインが特徴でしたが、8年の空白期間を経て再構築、さらに洗練されたスタイリッシュなアウトラインで見事な復活を遂げました。

「CNS72-0041」など以前のモデルも物欲を掻き立てる魅力がありました。しかし機械式の3針となった現シリーズは、それとはまた異なるチャーミングさを備えて生まれ変わった印象です。

8月のリリース以降、私が「自分の目で見て確認したかった」ことは「2つ」。一つは現シチズンの全ラインアップの中で「Series 8」がどの辺りに位置づけられているか。もう一つはツートーンのベゼルが特徴的な「NA1004-87E」にまつわる風評、つまり「癖がありすぎる」といった批判?が適当なものであるかについてです。腕時計ってやつは実物と写真でその印象が大きく異なりますからね。見に行かないわけにはいかないじゃないですか!

で、やってきました。いつもの新宿「O百貨店」。大阪、東京で色んなデパートの腕時計売り場を駆け巡ってきた私ですが、O百貨店の見易さはトップクラスです。フロア管理者の偉い人、ナイスな仕事してます(*´∀`*)

これまで、シチズンの腕時計が見たくなったら「K百貨店」に行くことが多かった私ですが、「O百貨店」の売り場もシンプルにセンス良く管理されていて見易いです。押し付けがましさがなく、うまく言えませんが「腕時計を正しく吟味できる」みたいな感じかな。

腕時計のどのお店に行っても「お忙しいところすみませんが、見せて頂けますか?」みたいな入り方しかできない小心者の私。今回も「おう!見せてもらおうかい!」ではなく、いそいそと遠慮がちに拝見しました。これだけ腕時計と付き合ってきても、未だに高級時計を目の前にすると緊張するのです(;´∀`)

831 Mechanical(NB6010-81E)

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(NB6010-81E)

それではコチラからご紹介しましょう。

ケース幅40ミリで今風の存在感を備えつつも、どこかクラシカルでドレスウォッチの空気感も感じる一本。

私がパッと見で連想したのはブルガリの「オクトシリーズ」。手首を傾ける角度で大きく印象を変えるケースの面取りに似たものを感じました。複雑さを表に出さず、それでいて密度を感じるニクいデザインです。ラグなしのケースではありませんが、なるほど…これは立派なラグスポと呼んで差し支えない時計です。10気圧防水ですしね(さすがは日本製。さらっと10気圧防水を達成しちゃってます)

カクカクしたデザインですので、腕に載せたらどうかな~とも思いましたが、とても座りの良いケース、柔らかくストレスの少ないブレスの付け心地でした。

ムーブメントは新開発のCal.9051自動巻きを搭載。8振動、最大42時間のパワーリザーブで日差は−10~+20秒。なんと!「第2種の耐磁性能」です。

新型キャリバー搭載。美しいラグスポ風味を味わえて、尚且高い耐磁性能を持った腕時計が税込み「13万2000円」で買えちゃうなんて…「Series 8」何気に凄いのかもしれません。

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(NB6010-81E)

最近の流行り(?)バックル短め小さめです。軽い操作で着け外しができる、ストレスフリーな作りでした。そうなんですよ。バックルなんてゴツくする必要性はありません。

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(NB6010-81E)

待望の機械式に本格復帰したシチズンさんですから、裏蓋をトランスペアレントにしたって誰も非難はしないと思うのですが、グッとこらえてシンプルな裏蓋で隠しちゃうなんて…男だねぇ。シチズン。

830 Mechanical(NA1010-84X)

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(NA1010-84X)

「マザー・オブ・パール(MOP)」の上に格子の板を重ねたダイアルの美しさに圧倒されます。万華鏡を覗き込むような色変化が視覚を楽しませてくれますが、しっかりと存在感のある針やインデックスのお陰で視認性も最大限に確保。さすがは解ってますね!シチズンさんは(*´∀`*)

ムーブメントはCal.0950を搭載。9051よりも上位の性能を持っています。日差は−5~+10秒、パワーリザーブは50時間です。耐磁性能などは9051と同じです。

こちらももちろん10気圧防水。非常に美しくラグジュアリームード満点の時計ですが、性能的にはスポーツモデル並みに使って良しの時計と言えます。

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(NA1010-84X)

金属削り出し感のあるリューズガードもスポーツモデルの性能の一つでしょう。大きめの直径を持つリューズは見るからに扱いやすそうです。個人的には何の刻印も施さなかったリューズの設えに、シチズンの徹底した「設計思想厳守」へのこだわりを見る思いです。

お値段は税込み19万8000円です。MOPのダイアルはともすれば「いやらしい」感じになりかねませんが「NA1010-84X」は究極の「チラ見せ」でその辺りを品良くまとめ上げました。所有欲を満たせる腕時計なのは間違いありません。

870 Mechanical(NA1000-88A)

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(NA1000-88A)

同じ「Series 8」でもこちらはさらにドレッシーな一本。きれいに面取りされたラグレスのケースは、ブレスとの有機的な一体感を生み出し、そのアウトラインからは優雅な気品すら感じられます。ラグスポの特徴ですね。

これは私の個人的な感想ですが、このモデルの特徴的な「磨き分けられたベゼル」がなかったら、かなり退屈な時計になっていたのではないでしょうか。例えばリリース以降、この磨き分けベゼルには賛否両論あるみたいですが、私はこれで良かったと思います。他の要素がシンプルな分、この珍しい意匠を持つベゼルの「意味合い」は小さくないですし、古今東西ラグスポのベゼルは個性的であるべし!というのが私の見解です。

ケースサイズが幅40.8ミリと少々大きめなのも、このベゼルに託す気持ちからではないでしょうか。

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(NA1000-88A)

むむむ…この角度は特に美しく見えます。シンプルに見えて非常に計算されたデザインであることが伺い知れますね。

ラグジュアリーなアウトラインを持ちながら、ダイアルの造形はビジネス寄りでまとめられています。針とインデックスは視認性最優先で作られたものでしょう。それがこの時計を「実戦型ラグスポ」とでも呼ぶべき汎用性の高い時計にしているのです。一本持っていれば、シーンに応じた使い回しは自由自在じゃないですかね。

ムーブメントはCal.0950、日差は−5~+10秒。パワーリザーブは50時間。10気圧防水と耐磁2種装備は「NB6010-81E」などと同じです。お値段は税込み22万円。

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(NA1000-88A)

どうです?この素っ気ない裏蓋(笑)ちなみに私は大好きです。読者の皆さんもきっとお好きでしょう(*´∀`*)

870 Mechanical(NA1004-87E)

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(NA1004-87E)

「NA1000-88A」の黒文字盤です。コチラはベゼルがバイカラー風になっていました。この写真ではウォームグレーっぽく写ってしまいましたが、実際はもっとストレートなモノクローム。

そうなんです。このベゼルの2色分けに対して「アレはどうなんだ?」みたいな評価が腕時計メディアに多かったのです。ですので私も自分の目で見てみたかった。で結果なのですが…

いや!もう単純にオシャレでした。気にならないどころか全然格好良いですし、目の周囲に施されたアイメイクのように、「瞳」にあたるダイアルを際立たせる効果があるように感じました。シックだ…そしてラグジュアリー!お値段は税込み22万円。お高いけど…ぶっちゃけ私が買うならコレかなぁ~って思います。絶対に活躍してくれそうですしね!

将来的に同シリーズは、このベゼルの色分けでラインアップを増やしていくかもしれませんね(*´∀`*)

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左(NA1000-88A)、右(NA1010-84X)

ブレスを比較しておきます。どちらも何気に付け心地に優れていました。気持ちよく使えそうです。それでも結構デザインの印象は違いますので、この辺りもお好みで選ばれるファクターになりそうです。

870 Mechanical(NA1005-17L)

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(NA1005-17L)

色違いのベゼル、ウレタンベルト装備の「NA1005-17L」です。ダイアル、ベルトそしてベゼルに散ったブルーが意味深で美しいです。お値段は税込み20万9000円。

ウレタンベルトに変わるだけで、ケースのメタリックでソリッドな感じがさらに増します。まるでペンダントトップのように強調されて、オフの日も楽しく使えそうです。日頃のコーディネートの可能性もさらに増すはず。こういうのも良いですねぇ~(*´∀`*)

如何でしたでしょうか?シチズン「Series 8」は。

全体的な私の感想としては、正統派の「ザ・シチズン」では「普通すぎる」と感じる「未だ活動的なコンシューマー」が手に取る腕時計のポジションに最適ではないかと思いました。

ラ ・ジュー ・ぺレの技術を導入して完成した「Cal.0200」。それを搭載したザ・シチズンのモデルを意識しつつも「自分にはまだ早い」「もう少し歳を取ってから」と感じる層がいたとして、その「目線を変え得る一本」としても「Series 8」は非常に面白い存在です。

「Series 8」を手に取りながら、そういえばこれまでのシチズンには、ここまでラグスポ風味を感じさせる時計ってなかったよなぁ~と思った私。各ブランドが「売れ筋路線」のラグスポを投入するのは当然としても、「Series 8」の現シリーズは比較的低価格なラグスポ路線(ラクロアのアイコンのようなクラス)に投じられた一石になることは間違いないでしょう。

「Series 8」の実物に接してみて、全体の雰囲気の中にどことなく「禅」「石庭」に通づる「思想美学」を感じました。これは日本という国の美意識が発信した「正統派の和ラグスポ」と言えるかもしれません。

「Series 8」がもたらす一石の波紋は幾重にも重なり、周囲を巻き込んで「少し落ち着いた」と言われるラグスポ界隈を再点火する可能性を秘めていると思います。世界的にそれくらいの影響力を持ったブランドですし、実際、面白すぎると思いますね。最近のシチズンさんの動向は(*´∀`*)

注)価格は全てメーカー希望小売価格です。

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ご意見・ご感想

コメント一覧 (2件)

  • つい二週間ほど前、シリーズ8の87Eを購入しました。
    それまで時計に興味がなく、安価なシチズンエコドライブを使い続けてきましたが、エライ人達が集まる会合に出席せざるを得なくなり、出席するためのエチケットとしてやむを得ず『高級腕時計』の購入を決意した結果、いつもお世話になっている時計店で『清水の舞台から飛び降りる決意』でシリーズ8を購入しました。
    初めての自動巻き時計ですが、つけ心地も極上で、とても満足しています。
    時計店ではキングセイコーも勧められましたが、迷うことはありませんでした。
    イメージとしては、キングセイコーが日本画(色彩画)で、シリーズ8が水墨画のような感じでしょうか。
    87Eのデザインは、持てる機能や実用性をうまくデザインに表現できていると思います。

  • 隊長さま。
    コメントありがとうございます。
    初めての自動巻きとして「シリーズ8」は目の付け所がシブすぎます(笑)
    良いお買い物をされましたね♫
    専門メディアでの取り上げられ方は決して派手ではありませんが、シチズンさんの展望と野心が詰まったモデルだと思います。
    恐らくはこの先も長く展開され、重要なラインの一つになるはずです。
    大切にお使いくださいね(*´∀`)

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