すんごい今更ながら、G-SHOCKのフルメタル(GMW-B5000GD-9JF)を購入しました。「金」です。「ゴールド」。
ご愛読頂いている皆さまの中には、きっと( ゚д゚)←こんな顔になった方もいらっしゃるでしょう。それもそのはず…
なんか、以前にこんなの作りましたからねぇ(笑)
これはこれで不満はないのです。「自分で作った満足感」はプラモデル並みにありましたし、そもそも中身は真っ当なG-SHOCKなので、時計としての性能にはな~んの不都合もないわけです。
「見て見て~自分でガワ被せてんで~♬」と酒の肴にすれば、食いつく野郎どもは必ずいましたし、全く時計に興味のない人の「ゼロレベルからの注目」という点では、不本意ながらうちのコレクションでは最強でした。ホントに不本意ながら(汗)
それは取りも直さず、モノホンの「GMW-B5000GD-9JF」が格好良いから…に他なりません。この「パチメタルG」の存在自体はどこまで行っても「パチ」ですし、どれだけ格好良くて性能がまともでも、「パロディー時計」なのは変わりようがありません(;´Д`)
侮れないハイレベルな「パチメタルG」
このパチメタルG最大の楽しみは、格好良いと言ってもらった直後に「パロディーやねん!」と自供する瞬間です。中身がどれだけ安いG-SHOCKなのかを説明して、それより高価なガワを被せてると告白する瞬間が甘美なのです。中古で買った旧車を馬鹿みたいなお金を使ってレストアする変人(失礼!)の境地と…まぁ似たようなものです。
そこには「馬鹿なことしやがって!」という揶揄と嘲笑があるのは確かです。でも、同時に「なんか楽しそうなことしてんのな…」という羨望も僅かながらに感じました。実際、感化された友人が同じ組み合わせで作っちゃったわけで。楽しく改造して普通に使えて満足だそうですよ(笑)
てなわけで、この「パチメタルG」は、ラインアップのスパイス的なポジションで公私に渡り活躍してきました。野球で言えば、先発ローテーションの谷間に中継ぎのロングリリーバーを挟むようなものです(それも横手投げの)。ガワの質感も侮れないレベルですので、身に付けていて安っぽいと思う瞬間はありませんでした。使っていて恥ずかしくない、私個人としては十分に満足している…と思います。
この度、特別の欲求が起きたわけでもないのに「本物」を購入しました。FAで他球団の一流選手がやってきたわけです。もちろん「パチもん」を作ったくらいですから、本物を購入しようと思ったことはあります。巷でシルバーの「GMW-B5000D-1JF」が人気になって、そこかしこでお目にかかるようになった頃、天の邪鬼な私は「それなら自分は金やな!」と考えました。
ところが「金」は尋常じゃない人気で玉数も少なくそもそも在庫がありませんでした。たまに「見つけた!」と思ってもこれまた凄いプレミア価格。
税込み定価74,800円が10万円近い価格で取引されているのを見て、落ち着くまで待とう…と考えたのは無理からぬ事です。そもそも時計なんて、決して定価以上で買うものじゃありません。せめて定価に落ちるまで待とう…と思っていたら、なんか良くできた「ガワ」を見つけちゃって我慢できなくなった…というのが「パチメタルG」製作に至った顛末です。
なのにこの期に及んで「本物」を買っちゃいました…言い訳としましては…まず、思いの外アマゾンポイントが溜まっていた、というのはあります。ついでにアマギフも使ってないプールが結構溜まっていました。これが1万円分くらいなら、多分私は「ネタ時計」を仕込んでいたと思います。時計好きの皆さんが心のどこかで気になっていても、普通はスルーするような怪しい安時計のことです。弊ブログのネタにはピッタシですし、意外と楽しい買い物だったりします。
でも今回は結構まとまった金額が目の前にあった。あと数万足せばそこそこの時計が買えちゃうレベルです。とは言え、海外の高級時計が買えるほどではないという微妙なライン…(;´∀`)
そこにホワワァ~ンと浮かんできたのが、「GMW-B5000GD-9JF」でした。なんて言いますか、条件的にちょうど良かったんです。
それと…実はやってみたかったことがありました。それは「本物」と「パチメタル」の徹底比較です。多分、こんなこと本当にやるアホはいないでしょう。それ是非見たい!っていう人もそうはいないでしょう(笑)
だからこそやる意味がある!と訳の分からない使命感に突き動かされつつ、細部を比較してみたいと思います。どんなかなぁ~?
「GMW-B5000GD-9JF(本物)」VS.「パチメタルG」
新しい時計を買った高揚感がまるでありません(汗)せいぜい、反転液晶久しぶりだなぁ~ってくらいです。
それでは細かいところを比較していきましょう。
わはは!なんじゃこの光景は(笑)「アントニオ猪木VS.アントキの猪木」みたいになっとる(笑)
ベゼルのスケール感だけで見ると、「本物」のほうが僅かにコンパクトでした。アールに関しても「パチメタルG」はカクカクして雑に見えます。本物はキュッと締まりのある造形です。
こうしてみると「G-SHOCK」のエングレービング書体にも、かなり見た目の差があることが解りますね。
(上)本物(下)パチメタルG
ケースサイドのスリットの加工精度はかなり違いを感じます。本物はより「ガンダム感」を感じる面取りがなされていますが、パチは丸みを帯びています。ラグに関しても艶の陰影を見れば、どちらの加工精度が上かは一目瞭然です。
(上)本物(下)パチメタルG
やはりエングレービングの深さが断然違います。とは言え、ベゼルのヘアライン加工などはかなりいい線までいっているのではないでしょうか?パチしか知らなければ、全くもって許せる範囲の仕事です。
(上)本物(下)パチメタルG
お次はラグとエンドピース。個人的にはここに最大の違いを感じました。パチのパチたる所以ってやつでしょうか?
一目瞭然ですが、「穴ぼこ」の精度がまるで違います。これはブレス全体の穴ぼこにも言えることで、使っていてパチもん感を感じるとすれば、間違いなくこの穴ぼこ問題だと思います。
(上)本物(下)パチメタルG
バックルはかなり肉薄しています。もちろん厳しい目で見ればエッジが丸かったりはありますが、操作性も遜色ない感じで良くできています。ヘアラインも本物には及びませんが十分に美しいです。
(上)本物(下)パチメタルG
ブレスのコマを横から。パチメタルGは一個一個のコマに加工精度の誤差が生じています。この辺りが着け心地の差になって現れるかもしれません。本物はさすがに滑らかな曲線で粒ぞろいです。
とは言え、本物のブレスも思いの外安っぽい「シャラシャラ」だったのには唖然としました。セイコーやシチズンなら、もう少し着け心地への配慮があったかもしれないですね。この辺はカシオにとって今後の課題だと思います。
(上)本物(下)パチメタルG
ラグとエンドピースの接続を裏側から。さすがに本物の一体感は美しいです。パチメタルGの方も見た目的にはアレですが、機能には何の問題も起きていません。グラグラしたりもありません。
(上)本物(下)パチメタルG
エンドピースを横から。パチの方には謎の突起があります。恐らくこれは内側の樹脂部品を固定するためのピンだと思います。まぁ、それほど気にはならないですね。
本物の凄みとともに、パチもんの肉薄を知る
如何でしょうか?
総評として言えることは、「パチメタルG」のガワは価格の割に相当良くできていた…ってことでしょうか?
細かいことを言えばキリがないのですが、見える部分に関しては本物にかなり肉薄していると思います。肉薄しちゃいかん部分まで肉薄しています(汗)
ケース外装の装着の際に感じた工作精度の高さについては、当初から高い評価を与えていました。さらにこうして本物と比較することで、ぶっちゃけ「ちゃちい」と感じていたブレスについても、そこまでの大差がないことが解りました。ある意味、本物の「シャラシャラブレス」を忠実に再現している…とも言えます。
しかし…やはり本物は数段上ですね。それは間違いなく事実でした。メタルケース用にカスタマイズされたダイアルデザインや、強いコントラストで見やすい反転液晶は間違いなく最高にクールです。しかしそれ以上に、本物の「トータルでの完成度の高さ」は、パチメタルGが決して並ぶことのできない「格の違い」を見せつけてくれました。
この感触が体験として得られたのも、ひとえに「パチメタルG」を作ってみたが故のことです。中身が本物のG-SHOCKなのでニセモノとまでは言えないパチメタルGですが、本物の「凄み」を味わえたのは何気に良かったなぁ~と思っています。
GMW-B5000GD-9JF
発売年 2018
風防素材 ミネラルガラス
ケース素材 ステンレス
ケース直径・幅 43.2ミリ
ケース厚 13ミリ
バンド長 約15~20.5cm
ベゼル素材 ステンレススチール
カレンダー機能 フルオートカレンダー、日付など
その他 機能 ソーラー電波時計、ワールドタイムなど
本体重量 167グラム
ムーブメント クォーツ
どちらにせよ、本物がやってきた以上、「パチメタルG」は構想の外…戦力外扱いになってしまいます。ガワを剥がして「素」のスピードモデルに戻しますかね?…それとも…?
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