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もしかすると腕時計は「少し安く」なるかもしれない(ニッケル市況低迷)

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インターネットに常時つながったデバイスのおかげで、私たちは欲しい情報の「最新バージョン」を簡単に入手できてしまいます。30年前にはこんなマーベラスな時代が来るなんて思いもしませんでした(@_@。

日頃の腕時計情報の取得にもこんなに便利なものはありません。

 

インターネットがあるからこんなに増えた…と言えないこともないのですが(汗)

 

20歳代の頃の私は、仕事で必要な情報があれば、いそいそと「国立国会図書館」に出向きました。難解な古典から下世話な週刊誌に至るまで「日本の知識の全て」がそこにあるという絶対の安心感。「ここになければ何処にもない」とクライアント相手にも言い切れる権威付けは、私のような後ろ盾に乏しい若いクリエーターには誠にありがたい場所でした。

 

 

インターネットの偏向性に疑問を持つ

 

現在、インターネットから取得できる情報はそれに匹敵すると思います。が、情報の取捨選択…特に「捨てる」の大部分が「ボット」によって行われており、実際に手元のデバイスに届く情報はかなり限定的なモノになっています。

 

巨大なプラットフォームでありながら、情報はボットによってマーケティング主導の偏った絞り込みで限定され、得られる情報の量と質は、実のところ30年前より劣っているのではないか…そんな風に最近は思います。

 

例として、単純なマーケティングに絞って私の端末に表示される広告を見ていきましょう。

 

結論からいいますと極端な「二極」です。

「腕時計」と「ネコ」。

以上!(笑)

 

いくら単純人間の私でも「腕時計」「ネコ」だけで「生きるに非ず」です。多様性エントロピーの増大に対応するための申し子のようなデバイスが、実際は現代人の多様性を大きく制限する「門番」のような役割を負っているのです。

 

応募締め切りは「2月9日」です。まだ間に合いますよ(*´∀`*)

 

情報の多様性を損なう最大の怖さは、人間一人一人が「意見の独自性」を失ってしまうことだと思います。本来は「十人十色」という言葉があるように、10人の人間を集めれば10の異なる価値観をベースにした意見が取り交わされるはずなのです。

ところが最近は10人が参加する会議において「意見がたった一つ」という事態が起き始めています。本来はありえないはずなのです。しかし、議題の要素を参加者それぞれが「スマホで叩く」姿を見るにつけ、アプローチは違っても結局は「Google」が導き出した同じ答えに辿り着いてしまうことは必然なのかもしれません。まさしく「さもあらん」です。

 

この情報の氾濫したシステム内で生きる現代人に降りかかる「結論の枯渇」という災厄。かく言う私自身も、遅まきながら自分がいかにインターネットで集められた情報を盲信し、その「見たいもの・知りたいもの」だけを提供してくる環境に慣らされていたかに気が付き、愕然とさせられたことがあります。

 

私は若い頃からいわゆる「洋楽」が大好きです。

大切にしているアナログレコード(ビニールとも言いますね)は相当な枚数になります。現在はそれらを聴くためのプレーヤーがないにも関わらず、デジタルで音楽を聴きながらアナログレコードのジャケットを眺める…という地味な趣味もあります。

かつては新譜や注目アーティストの情報は、全て「ラジオや音楽雑誌」で収集しました。方向性が近い(趣味が合う)ライターや編集者の作る紙面から、自分の音楽世界をじわりじわりと広げていく楽しみがありました。今思えば、情報の即応性という部分でも、あの頃の雑誌はインターネットに負けていなかったと思います。

 

ところがここ10年くらい音楽雑誌を手に取る機会すらなかった私。昨年の夏ごろ、洋楽好きの男性と偶然交わした会話の中で聞いたひと言で「心臓が止まる」かと思いました。大好きな「ロバート・パーマー」がとっくの昔に「他界していた」と聞かされたからです。享年54歳。

 

ザ・ベスト!!

ザ・ベスト!!

 
ヴェリイ・ベスト・オブ・ロバート・パーマー

ヴェリイ・ベスト・オブ・ロバート・パーマー

 

 

そんなこととはつゆ知らず「Play Music」でほぼ毎日、彼の色っぽい歌声を楽しんでいたなんて…罪深すぎる(´;ω;`)

 

ファンとしては、この「最重要情報」を知らなかった怠慢を大後悔。同時に、インターネットからの情報を受動的に浴びているだけの環境に、ある種の「危機感」も感じたわけです。

 

そんなこともあって、「雑誌や新聞」を読む機会が格段に増えました。紙媒体最大のメリットは何といっても一覧性の高さと、物理的な保存が可能という点。さらに付け加えるなら、自分としては全く興味のない見出しやなにかに引っ張られて読む羽目になってしまうという「強制力」ではないかと思います。そしてそれこそが、自分の中に元々あった「興味」と結びついて、全く新しい「知識」を生み出すのではないかと( ー`дー´)

 

 

この私が日経を読む日がくるとは… 

 

例えば私は本来、経済ニュースにほとんど興味が沸かない人間なのですが、「腕時計」を起点に考えてみると、世界経済の動向が自分の趣味の範疇に関わってきているような気がして、とても気になるようになってきました。あくまで「腕時計中心」の観測なのですが、それでも読む気もなかった「日本経済新聞」を読んでみようか…なんてところまで心変わりしました。これを成長と呼んでよいのか解りませんが、さまざまな情報に能動的に関わらないとヤバい…みたいな危機感が私を突き動かしているのは確かです。

 

前置きが長くなりましたが…先日、その日経新聞に気になる記事を見つけました。腕時計の主材料の一つである「ステンレス」に関する記事です。

 

近年の「高級腕時計」の新品価格高騰の理由の一つとしてまことしやかに語られてきたのが、原材料である「ステンレス」の取引価格の押し上げです。

 「ステンレス」はクロムとニッケルを含むサビに強い合金ですが、特にそのうちのニッケル価格が、ここ数年はずっと高騰していたのです。

私の記憶では、それは2018年の中盤辺りから始まったと思います。ですから数多の高級腕時計ブランドが価格表を改定(もちろん値上げ)するたびに「誠に遺憾ながら、原材料の高騰のためやむを得ず…」というセリフをお決まりのように何度も聞かされてきました。

 

 

ステンレス高騰の理由はハッキリしています。

「中国本土の住宅需要」が最大の原因です。

 

 

それは特需と言っても良い状況でしたから、資源会社はガンガンにアフリカやアジアの大地を掘り返し、ガンガンに原料のフェロクロムを生産しました。そんな状況でも誰も警鐘を鳴らさなかったのは、それを遥かに上回る「需要」があったからに他なりません。しかし、良いときは無限に続くわけもなく…ついに先日の日経で「ニッケル市況低迷」と書かれたわけです。

 

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中国経済の右肩上がりを信じすぎた中国の資源会社が、原料生産を膨張させすぎたのが最大の原因でしょうが、その生産体制が軌道に乗った時期と中国経済失速のタイミングが、運悪くピタッと合ってしまったわけです。当然ですがアテが外れた「フェロアロイ(合金鉄)は宙に浮いてしまいました。

 2019年夏の価格を基準に考えると、ニッケルは「2~3割安く」なっているそうです。

 

 

そうなると、ステンレスを主材料にする製品は値下げが期待できますよね?

 

 作りすぎたフェロアロイは市場のアチコチでダブつく(今ここ)

もちろん、そこから作られる「ステンレス」も安くできる(はず)

「ステンレス」が主マテリアルである製品の価格は下る(はず)

「高級腕時計」も安くなる(やったぜ!)

 

 

…希望というか願望というか…普通にマーケットを読むとそんなこんなの理由で、今後数ヶ月後あたりを目処に価格改定の発表があっても…良さそうなんですけどねぇ(¯―¯٥)

 

長い間プロ野球の特定の球団のファンでいると、親会社の経営状態が気になったりしてきます。「親会社が経営不調やから、来年の補強は期待できへんなぁ…」てな感じです。

腕時計でも同じように視野を広げて、ブランドを取り囲む環境にも興味を向けることで、先の展開の予測が真実味を帯びるのではないかと思います。ちょっと楽しかったりもしますよね。株取引を趣味にされてる方は、実利のほかにもこういう楽しみを感じてらっしゃるのかもしれません。

 

果たして今後、腕時計はお安くなるのか?

それとも、なんやかんやで理由を付けて、お決まりの値上げを続けるのでしょうか?

 

どうでしょうねぇ?(¯―¯٥)

 

 

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