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「さよならオイスターブレス」ミルガウス(116400GV)の重さに負けました

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若気の至りと申しましょうか…

 

恥ずかしながら若い頃、「やせ我慢してこその男だ!」と考えていました。レイモンド・チャンドラー「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ」みたいな覚悟の有無を、公私の別なく自分自身の中の「男」に問いかけるのが「カッコいい!」と本気で考えていたんだと思います( ゚Д゚)y─┛

 

「自らを律する」ことは、特に男の世界では重要だと思っています。他人から与えられる評価の前に、潔く自分自身で進退を決断できる男でありたい…純粋にそう願ってきました。カッコいいですもん。黙って忍耐!日々是ハードボイルドっていうか。

 

まぁ実際は、タラタラ文句を言いまくってしまうのですが…(;´∀`)

 

身に着けるモノに関しても、いわゆる「やせ我慢」を美学と感じる傾向が強く「快適とは程遠くても着る!」みたいな行動を貫いてきました。例としましては…

 

  • バカみたいに重く固いSchottのライダース。例え動作がぎこちなくなっても「着る」
  • 足枷のように重いRED WINGのエンジニアブーツ。足を引きずりながらでも「履く」
  • どんなに寒くてもダウンの下はTシャツ1枚と決め、冷たい風に震えながらでも「貫く」
  • 靴底で擦るロウマッチをカッコいいと勘違いして、100円ライターを「完全拒否」

 

アホです(今はやっていません)

 

さすがに年を重ねまくったことで、他人から「どう見られているか?」という視点にも気が行くようになりました。おかげで今までの拘りと努力が他人様から見れば「ほぼ無意味」だということが判明。思えばこれも「中二病」だったのかもしれません(30歳くらいまで続きましたっけ…)

 

この「やせ我慢的中二病」の中で最後まで残っていたのが「重い時計を我慢して使う」でした。例えば若かりし頃に買ったBREITLINGの「スーパーオーシャン スティールフィッシュ(A17390)」は総重量227グラムですが、昨年手に入れたIWCの「オートマティック36(IW324010)」は111グラムしかありません。どちらもステンレスブレス装備の時計ですが、なんと116グラムも差があるんです。つまり、スティールフィッシュを着けるということは、オートマティック36を2本まとめて着けるに等しいという恐るべき事実( ー`дー´)

 

若い頃はそれでも良かった…と言いたいところですが、さすがに重く感じていました。一日の終りが近づくとじんわり迫りくる「肩こりの悪魔」。しかしあの頃は何というか…「どこからでもかかってこい!」みたいな力技が効きました。わずか227グラム、飼い馴らせんでどうする!ってな感じでしょうか。

 

そしてここ数年の「老化」です(汗)

もともとそれほどでもなかった筋力は低下し、自分の頭を支えるだけでも首・肩にダメージを蓄積する情けなさ。件のBREITLINGの「スーパーオーシャン スティールフィッシュ」なんぞはその典型で、標準装備の素晴らしいブレスを諦めざるを得ませんでした。悲しいけれど…これが老いなのでしょう。

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 いいブレスなので本当に惜しかったのですが、肩こりから指先に痺れが回ってきた時点で万事休すでした(泣)

あまり似合うとは思えなかったのですが、現在はNATOベルトで軽量化。そのコンビネーションの違和感にもすっかり慣らされ…(;´∀`)

 

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 スティールフィッシュほどではありませんでしたが、169グラムのTUDOR「ブラックベイ41( 79540)」も立派な肩こり発生器。まぁこれに関して言えばNATOがよく似合っていたので痛し痒しといったところ。

 

純粋に「重さ」の解消という目的で行ったNATOベルト化といえば、思い出すのがこの2本。Instagram界隈では「無節操にNATO化する男」の異名をとる(?)私ですが、その「癖」もいよいよ極まってきたようです。

 

入手したばかりのROLEX「ミルガウス(116400GV)」。最初の3日間は標準のステンレスブレス状態。つまり「素」の状態を堪能させていただきました。美しい仕上げのブレス、肌当たりの滑らかさ、クラスプの存在感…恐らくROLEXの時計の価値、その3分の1はブレスが担っているのではないでしょうか?ミルガウス本体はもちろん素晴らしい価値のある時計ですが、ブレスの価値もまた無視できないものだと思います。

 

しかし結局はこの流れか…わずか153グラムのミルガウスに対して、またもや肩こりの悪魔が出現、私の首・肩の筋肉は情けない悲鳴を上げました。そして本日、「全身マッサージ60分4000円コース」のお世話に。それでも新しい時計を手に入れた喜びすら凌駕する肩こりの苦痛は凄まじく、「ミルガウス軽量化のため、苦渋のNATO化決断」と相成りました(ノД`)

 

何となくですが「ミルガウス」ってブレスを外すともの凄くちゃちくなるんじゃないか…そんな気がしていました。デザイン要素のあちこちにアソビが多い時計なので、印象をピリッと引き締めるオイスターブレスの存在が他のROLEXよりも重要なのではないかと思えたのです。

 

その辺の危惧もあって、私は「ミルガウス専用」ともいえるような、質感が良くて存在感のあるNATOベルトを探すことにしました。いつもは1000円するかしないかの安物を使うことが多いのですが、今回は「5、6000円しても構わない」( ー`дー´)

 

今回探すNATOベルトに対する条件として:

  • まずベルト自体の素材「ファブリック部分」が一般的なNATOベルトより高級感があること。
  • 巻いた時にヘタリを生じない程度の厚み。
  • 安っぽい金具部分は(できれば)NG。
  • ミルガウスのアクセントカラーである「オレンジ」「グリーン」を使用、あるいは映える配色であること。

 

以上の(贅沢な)条件を考えたとき、そう都合よく見つかるはずもないと気長に探すつもりでいた私ですが…案外あっさりと発見してしまいました(@_@)

 

そう、「BINLUN」ブランドのコレです。

ファブリックが所謂安NATOとは比較になりません。メッチャ滑らか。厚みも十分。色の発色が美しくてとても上品な素材です。

NATOベルトそのものは本来、街用途でいうと着崩しのためのアイテムだと思います。ですから巷の商品のほとんどはちょっと雑な…グランジ系だと思います。

 

ところがこのNATOベルトはドレッシーといっても良い美しさがあります。NATOなのにフォーマル感があったりする。

ミルガウスは表面が総ポリッシュ仕上げなので、グランジなNATOベルトは如何なものだろうと思っていましたが、この生地感なら問題ないと判断しました。

 

 

色柄違いで3本買いました。ちなみに「バネ棒外し」「バネ棒」「クロス」がオマケで入っています。イタツクですね。

 

さて、NATOベルトに着替える前に「オイスターブレス」を外さなくてはなりません。

 

 予想していたことですが、一流ブランドの場合必ずと言っていいほどブレス外しに苦戦します。このオイスターブレスも弓カン(ロレックスの場合フラッシュフィットですか)が非常に加工精度の高い無垢のステンレスでできています。私も何度も経験しましたが、この手の余分な隙間のない弓カンはバネ棒の両側を挟んで縮め、平行にずらしていかないと外れません。なので今回も例の秘密兵器を使います。

 

 この「両つかみ式」少しだけ値が張りますが、持っていて絶対に損はありません。ちなみに今回のオイスターブレス、弓カンのバネ棒を外すための穴が恐ろしく小さくて、そもそもよくある簡易なバネ棒外しでは先端をこじ入れることすら叶いませんでした。上記の「両つかみ式」には複数サイズの先端金具が同梱されているので、オイスターブレスの場合、一番細い先端で掴むことができました。掴めてしまえば後はそのまま維持して弓カンをわずかにずらせばOKです。

 

今回の換装のために手に入れた「BINLUN」のNATOベルトは一般的なものより生地がかなり分厚かったので、ミルガウスに最初から付いていたバネ棒を付けた状態では、時計本体とバネ棒までの隙間が狭すぎてベルトを通すことができませんでした。まぁ時々あることなんですが…(高級な時計ほど多い)

しょうがないので手持ちのラグ幅20ミリ用の汎用品にバネ棒を交換しました。強度的には落ちるのですが、僅か0.5ミリ程度隙間が広がったことで無事に換装終了です。

 

換装をすませた状態はこんな感じ。

 

差し色のオレンジが端っこだけに使われたシンプルなベルトです。金具類も厚みがあって高級感があります。ミルガウスのような個性派の時計にも負けない存在感です。

 

こちらは色違い。グリーンガラスの側面のグリーンに合わせてみました。写真ではイマイチ伝わりませんが、誂えたようにしっくりきました。

 

色相をわずかにずらしてブルーとグレーのシックな印象のJBスタイルです。これも上品な光沢感が美しく、時計本体にも格負けしていません。

 

身に着けるとこんな感じ。「せっかくだからガラス断面の色を主張しよう!」と思って選んだこのベルト、かなり都会的な組み合わせになりました。予想以上かも(・∀・)

 

手のひら側から見ればこんな感じです。普通の革ベルトに付いていても良さそうなしっかりした尾錠が付いています。穴の空け方も丁寧なのが解ります。

 

激安NATOベルトは往々にして「高級時計とは不釣り合い」に見えることがあります。私はNATOベルトの大大ファンですが、それでも「さすがにこれは安っぽすぎる!」として、あまり使わなくなったベルトも存在します。

しかし、この「BINLUN」のベルトは大丈夫。

素材の良さが感じられて高めの時計にも負けないですし、時計の印象を下げることもないでしょう。NATOはそもそも換装された時計を「数段安っぽく」見せます。そういうものなのです。しかしこのベルトはそういったNATOの「安見せ」作用があまり起きていない気がします。こういうNATOも珍しい。

 

「さすがは高級NATOベルト!」と言いたいところですが…コレ、お幾らほどに見えますか?

 

ズバリ!「1,600円」です。

 

個人的には絶対にそんな値段の商品には見えません。3倍くらいの価格帯で売っていても「そんなもんだろう」と思うはずです。

 

オイスターブレスを外した直後は「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」というチャンドラーの言葉を思い出すほどの淋しさでしたが、そのおかげでミルガウスの新しい魅力が見えてきました。「雨降って地固まる」の如く目的の軽量化を達成すると同時に、NATOベルトの懐の深さを見た思いです。

  

この「BINLUN」のNATOベルトは18から24ミリまでのサイズで展開中です。キレイめなNATOをお探しの方はチェックしてみて下さいね( ´∀`)

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