腕時計喫茶

「微妙」な時計を愛してる

【GRAHAM】2017年最後に手に入れたのは、優しい顔した「戦士」だった

腕時計に狂った2017年。多少のマネーも使ったが、それ以上に頭も使った。何せイチから勉強してるので。

そもそもコレクター気質を持ち合わせていないはずだったし、そう回りにも吹聴してきた自分が、こうやって「好きなもの」について人様と共有したいと思うほど何かにハマるとは思わなかった。まだまだ自分自身、腕時計のどこに「触発されたのか」を冷静に分析できずにいるのだが・・・その辺りも含めてこのように文書化し、同じような趣味趣向をお持ちの方に玉石混淆の情報としてお伝えできればと思っているのだ。

2017年最後の一品・・・「腕時計狂の1年」を締めくくるに相応しい時計を無意識に物色していた私に、間もなく歳も改まろうかという刹那、「ガツン」と一撃を食らわせてきたのが、2017年最後の散財、グラハムの「クロノファイター1695」だった。そう、腕時計趣味の皆様なら多少はご存知(当ブログでも紹介済み)のドデカいレバーが目印の「あの」時計。

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Chronofighter Classic

「グラハム」の作品(製品というより作品と呼ぶに相応しいと思う)については、私自身、時計趣味を自覚するようになって以来注目を切らしたことがなかった。「気になる」「ソソられる」そういう色気が漂う時計だからだ。

では「買うのか?」と聞かれれば、その質問には少なからず躊躇させられる。まずはその「特異な形状」。いい歳をしたオッサンが身につけて様になるのかという不安。そしてあのレバー、袖やらなんやらに引っかかってものすごく邪魔になるのじゃないか・・・壊れやすそうだし。

もう一つは機能と価格のバランス。どの程度のムーブメントなのかもさっぱり分からず、もちろんその時点では実物も見ていない。そこそこの値段がする時計を「買う」という決断に至るには自分を納得させる「ファクト」が少なすぎたのだ。

そうして「クロノファイター」への渇望は一旦静まっていた。ところが、定期的に夜警のように顔を出していたブランドウォッチの専門店で前述の「クロノファイター1695」を発見。視界に入ってしまったその「諦めかけた想い人」のような一品を横目で見ながら、私は何度もショウケースの前を往復していた。外は間もなくクリスマス。私の頭のなかにも白い髭のおじさんはやってきた・・・「見せてもらってもいいですか?」

従業員さんの手際を眺めながら左手首を「Gスチール」から開放した。Gショックの類はどこかで一泊する時など、なるだけ心理的なストレス(止まるんじゃないかとか)を避けたいときに付けることが多い。この日も宿直勤務明けだった。

宿直明けの湧いたアタマのせいだとは思いたくないし、実際違うのだが、左手首にそっと当てられた「クロノファイター」は小振りな「クラシック」ラインということもあり絶妙な収まり具合を見せた。ケースの仕上げも見事に美しく、アラビックとバーが混じり合ったインデックスが何とも優しく微笑む。スチームパンク的とも言えるクロノグラフ制御のレバー機構も「見ると付けるとでは大違い」むしろエレガントで荘厳な趣さえある。

そうして2017年最後の一本が、私のコレクションに加わったのだった。誰が私を責められようか・・・悪いのは美しすぎる「戦士」なのだから。

というわけで、下手な写真をまたしても。

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Chronofighter Classic

「デカい!厳つい!」が売りのクロノファイターの中では異色の42ミリケース。シンプルなカーフストラップの白いステッチも軽やかで、非常にキュートな佇まいを見せる。細いハンドはセンターセコンドではなくクロノ針。タイミングを合わせればセンターセコンド風に使うこともできる。そしてそのクロノ針をコントロールするのがリューズガードも兼ねる巨大な「レバー」グラハムのラインナップの中では恐らく最もおとなしいと思われる「クラシック」ですらこの存在感。

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Chronofighter Classic

リューズ周りのアップ。古臭さと今時の尖りっぷりと、両方の要素がない混ぜになった不思議な意匠だ。しかし使ってみればその操作性の良さから非常に使用者のことを考え抜いた「カタチ」であることがわかるはずだ。

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Chronofighter Classic

裏蓋にはグリニッジ天文台の精緻なエッチング。工芸品としても非常に見栄えがする。この角度も美しい。たまらん。

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Chronfighter Classic


ケルトンの小窓。キャリバーG1745がチラッと見える。25石。

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Chronofighter Classic

しっかりとした厚みと立体感を持つ尾錠。「GRAHAM」のエングレービングがこれまた美しい。Dバックルに換えたいと思っているが、この尾錠が躊躇させる。