腕時計喫茶

「微妙」な時計を愛してる

【EDOX】1970年代のアンティーク、 キングスターを注文。

「出会いは大切にしよう」

そう、私は常々そう思ってきたし、性格的にグイグイ前に出て関係を築くことは困難でも、そういう「出会い」を大切にしてきた。ひっそりと惚れてしまうタイプと言えるだろう(ストーカー気質ありか?)

新年1月2日。この日は遅くベッドを這い出てきてからも特にやることがなく、3日の仕事始めを憂鬱に待ち構えるのみとなっていた。ただ、丸一日家に篭もるということができない性分。そそくさと身支度を終えると、スマホ片手に本日営業のカフェを探し歩くことにした。ここは大阪市のど真ん中、さすがだ、すぐに通常閉店時間まで開いているカフェに落ち着くことができた。

久しぶりのお店のブレンドコーヒーに喉が鳴る。年末年始の不自由なシーズンでありつけるまともなコーヒーはとても貴重だ。ああ、うんまい。

時間があれば「腕時計の検索」が癖になってしまっているので、コーヒーとメビウス1ミリをお供にスマホを叩き始めた。時間に制限のない時はアンティークショップのサーフィンが楽しい。アンティークに対する知識は時計のメンテナンス力を直接的に向上させるファクターだ。とは言うものの、私自身はアンティークウォッチには未だ手を出していない。安々おいそれと手出しできない「垣根」があるように感じているからだ。

まず、機械的、歴史的な知識が足りない。最近のムーブメントや流行りの機構、各エボシュの成り立ちなどは頭に入っていても、1970年代以前になるとなかなか今の文献では調べることも困難になる。キングセイコーなどの国産有名どころはまだ調べる術も資料も豊富なのだが、舶来のちょっとマニアックなブランドになると、途端に「?」となる。英文がガンガン読めれば話は別だろうが・・・やはり「ニワカ」の自分は頑張ってミドルローくらいの「新品」或いは「現行品の中古」くらいが身の丈に合っているのだろうか?

そんなことを思いながら、私は同時に「うちの近所に信頼してOHに預けられる工房はないだろうか?」などと考えていた。とりあえず手持ちで言うと、ロレックスパネライ、ベル&ロスグラハムあたりは、本国に送ってでもきちんと直したいが、それ以外の安めの機械式はできるだけ安価なメンテナンスで済ませたいと思っているからだ。買った値段が安ければ、OH代が相対的に高くなってしまう。自分の時計だから大事にしたいがそこはそれ・・・財布の都合もあるため「腕時計愛とのアンビバレンツ」を生じる。

案外簡単に大阪「キタ」に専門の工房を発見。沿革がなかなかの歴史を感じさせる。と、そのすぐ近くにもう一つ、アンティーク時計のショップを発見。キタで仕事をしていた頃はよく昼飯を食いに来てた辺りだが、全く記憶に無いのは、腕時計なんてどうでもいいと思っていた頃だからだろう。

そのお店のネットショップを覗いてみる。それがそもそもマズかった。

いや、これを「出会い」と言うのだろう。そこには一見なかなかの程度を誇るエドックス・キングスター」があった。1970年代独特のスペーシーな味わいがあるクッションケース。ダークグレーのダイアルを厳かに飾るカットガラス。少し前に買おうか躊躇している間に売り切れた「ラドー」の宇宙的デザインの時計とよく似ている。

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 いかにも70年代なケースデザインが微笑ましい「KING STAR」

ここで焦ってはアンティークは買えないと思い直し、当時の「時計としての価値」を模索した。恐らくキングセイコーくらいの価格で取引されていたはずだ。消費者物価指数を見ると1970年台と現在では3~4倍の差があると思われる。そこに昨今の材料費高騰などを加味すると、大体、現在のEDOXのミドルクラスに相当する価値があると推測される。

あとは「アンティーク」としての価値だ。正直、EDOXのアンティークなんてあまり見ることがない。あるのはあるのだろうが、今後も価値が上がるということは考えにくい。そう、そもそもそんな心配を抱えているなら、素直にロレックスやオメガから「上」を買っておけばいいではないか。

この辺りまで考えたところで「一つの決定的な計算」が成り立ち、私は「ポチッ」とした。それは「OH済み」であるということ。どんなに安く見積もってもOHは3万以上はかかる。例え蓋を開けて注油しただけでもかかるのだ。私はアンティークをそのまま「飾り」にするつもりはないので、気分によっては実用したい。そうなるとOHは必須だ。つまり、未OHの個体は「価格+OH代」と考えなくてはいけない。どれだけ安くても、アンティークの素人がオークションなどで安易に入手するのは考えものだ。自分で分解するスキルがあるなら別の話だが・・・

というわけで、2018(平成30)年の年明けは「EDOXのアンティーク」から始まりました。無事に取引が成立して左腕に巻かれる日が楽しみだ。

(1月早々、大阪梅田のお店で「ブツ」見てきましたよ・・・フフフ)